土地家屋調査士事務所向けClaude Codeセミナー|地積測量図・境界確定・登記申請はどこまで自動化できるか
弊社GENAIでは、土地家屋調査士事務所の方向けに Claude Code・Codex の無料オンラインセミナー(60分)を開催しています。本記事では、地積測量図の作成、境界確定案件の立会段取り、法務局オンライン申請書類の準備がどこまで自動化できるかを、セミナーの内容とあわせて解説します。
土地家屋調査士事務所では、地積測量図の作成や隣接所有者への立会通知、法務局への申請書類準備など、案件ごとに発生する書類仕事が業務時間の多くを占めています。特に境界確定案件では、隣接所有者との日程調整に数週間を要するケースも少なくありません。
本記事では、Claude CodeとCodexの違いという基本から、地積測量図・境界確定・登記申請の各業務が具体的にどう変わるかを中心に、導入時に注意すべき個人情報の取り扱いや独占業務との線引きまで、順を追って解説します。
参加無料・60分・オンライン(Google Meet)・1社1枠
01 AI_DIFF ChatGPTと何が違うのか——「聞けば答えるAI」と「仕事をやり切るAI」 Claude CodeとCodex、それぞれ何者で、非エンジニアでも使えるのかを整理します
ChatGPTやGeminiのような生成AIは、質問すると答えてくれる「対話するAI」です。使ったことがある方も多いと思います。
「地積測量図の作り方を教えて」「筆界特定の申立書はどう書けばいいか」といった質問には、丁寧に答えてくれます。ただし、実際の図面作成や書類作成そのものまではやってくれません。
一方、Claude CodeやCodexは、指示した作業を最後まで自分で実行してくれる「仕事をやり切るAI」です。測量データを読み込んで図面を作る、書類のドラフトを作る、といった一連の作業を任せられます。
たとえば「今月の境界確定案件をリスト化して」と頼んだ場合、ChatGPTは一般的な整理方法を説明してくれますが、実際に案件データを開いて集計まではしてくれません。
Claude Codeは、その案件データのファイルを実際に開いて中身を読み込み、リストをその場で作ってくれます。「説明する」のではなく「やってくれる」のが最大の違いです。
1-1. Claude Codeとは
Claude Codeは、Anthropic社が開発した、ターミナルやエディタの画面から指示を出して動かすAIツールです。登記簿謄本や測量データなどの実際のファイルを読み込ませ、対話しながら図面作成や書類ドラフトを進められます。
📚 用語解説
Claude Code:Anthropic社が開発した、ファイルを読み込んで作業を代行してくれるAIツールです。パソコンの画面から日本語で指示を出して使います。
もともとはソフトウェア開発者向けのツールとして作られましたが、「ファイルを読み込んで作業する」という性質そのものは、プログラミングに限らず、地積測量図の作成や境界確定業務にもそのまま応用できます。
1-2. Codexとは
Codexは、OpenAI社が開発した、Claude Codeと似た位置づけのAIツールです。こちらもファイルを読み込ませて作業を任せる使い方が中心で、土地家屋調査士事務所での活用事例はClaude Codeのほうが蓄積が進んでいます。
ChatGPTを開発しているOpenAI社の技術がベースになっているため、ChatGPTに慣れている方には、操作の雰囲気が近く感じられるかもしれません。基本的な考え方はClaude Codeと共通しています。
📚 用語解説
Codex:OpenAI社が開発した、Claude Codeと同じく作業を代行してくれるAIツールです。仕組みは似ていますが、開発元と細かな使い勝手が異なります。
「そもそもどこの会社が作っているのか」という疑問もよく聞きます。Claude CodeはAnthropic社、CodexはOpenAI社がそれぞれ開発しており、どちらも土地家屋調査士事務所向けに特化したツールではなく、汎用のAIツールを業務に応用する形で使います。
| Claude Code | Codex | |
|---|---|---|
| 開発元 | Anthropic | OpenAI |
| できること | ファイル読み込み・集計・書類ドラフト作成 | ファイル読み込み・集計・書類ドラフト作成 |
| 土地家屋調査士事務所での活用事例 | 蓄積が進んでいる | 蓄積は少なめ |
| 非エンジニアの利用 | 日本語の指示文で操作可能 | 日本語の指示文で操作可能 |
| 土台となる技術 | Anthropic独自のAIモデル | ChatGPTと同じOpenAIのAIモデル |
| セミナーでの扱い | 実演の中心として詳しく紹介 | 冒頭で違いを簡単に紹介 |
どちらも専門的なプログラミング知識がなくても、日本語で「この案件データを集計して」のように話しかけるだけで使えます。難しい操作を覚える必要はありません。
画面自体は黒い背景に文字が並ぶ、いわゆる「エンジニアっぽい」見た目をしています。ただし操作は日本語のチャットとほぼ同じで、ボタン操作を覚える必要はなく、話しかける言葉の中身のほうが重要です。
Claude CodeもCodexも、専門知識よりも「何を渡して、何を作ってほしいか」を言葉にする力のほうが重要です。セミナーでは実際の画面を動かしながら、この感覚をお見せしています。
1-3. 土地家屋調査士事務所では、具体的に何に使えるのか
「仕事をやり切るAI」と言われても、まだ抽象的に感じるかもしれません。土地家屋調査士事務所の現場で言えば、次のような業務が代表的な使いどころです。
- 地積測量図・地積計算書の作成ドラフト
- 境界確定案件の隣接所有者リスト抽出・通知書作成
- 法務局オンライン申請書類・添付書類チェックリストの作成
- 登記完了報告書・完了案内のドラフト作成
- 公図・登記簿謄本データの構造化整理
この先の章では、これらの業務ひとつひとつについて「何を渡すと、何が出てくるか」を具体的に見ていきます。
逆に、境界の最終判断や、隣接所有者との現地立会対応のように、状況ごとの機微な判断が求められる業務は、これからも人が担う部分として残ります。AIが代われるのは「作業」であって「判断」ではない、という線引きが基本です。
この線引きを最初に理解しておくと、「AIに何でも任せられる」という過度な期待も、「結局は使えない」という過小評価も、どちらも避けやすくなります。
| 向いている業務 | 向いていない業務 |
|---|---|
| 数字の集計・書類のドラフト作成 | 隣接所有者との信頼関係づくり |
| 過去の様式を踏まえた書式変換 | 境界に関する最終的な判断 |
| 繰り返しの多い定型業務 | そのつど状況が変わる現地対応 |
| 複数資料の突合・横断作業 | 法務局窓口での折衝 |
| データに基づく傾向の把握 | 現場の空気を読んだその場の判断 |
| 用語 | 一言でいうと |
|---|---|
| Claude Code | Anthropic製の「仕事をやり切るAI」 |
| Codex | OpenAI製の「仕事をやり切るAI」 |
| プロンプト | AIへの指示文(日本語の普通の文章でよい) |
| AIエージェント | 複数の作業を自律的に実行し続けるAIの総称 |
| permission mode | AIに許可する操作の範囲を決める設定 |
| 地積測量図 | 土地の境界と面積を示す測量図面 |
02 SURVEY 地積測量図・地積計算書の作成が、Claude Codeでこう変わる 土地家屋調査士事務所でもっとも時間のかかる図面作成工程を、入力と出力で見ます
土地家屋調査士事務所でもっとも時間と手間がかかるのが、地積測量図・建物図面の作成工程です。現地測量データの精度が、そのまま登記申請の通りやすさに直結します。
精度が求められる一方、案件数が増えるほど測量補助者の負担は膨らみます。専任の製図担当を置けない小規模の事務所ほど、この負担が代表調査士や測量補助者にのしかかりやすくなります。
地積測量図の作成
現地測量データを読み込ませると、座標計算を反映した地積測量図のドラフトが出てきます。
地積計算書の作成
座標データを渡すと、地積計算書のドラフトと整合性チェックの結果が出てきます。
境界確定の立会段取り
公図・登記簿を渡すと、隣接所有者リストと立会通知書のドラフトが出てきます。
法務局オンライン申請書類
案件種別を伝えると、申請テンプレと添付書類チェックリストが出てきます。
2-1. 地積測量図の作成ドラフト
トータルステーションやドローンで取得した現地測量データをClaude Codeに読み込ませると、座標計算を反映した地積測量図のドラフトが出てきます。境界点・筆界点の座標をゼロから手作業で図化する必要がなくなります。
これまで測量補助者が測量データを見ながらCADソフトで作図していた作業のうち、座標をもとに図面の骨格を作る部分だけを、AIが下書きとして先に用意しておくイメージです。
もちろん、作成された図面が現地の実測値と合っているかどうかの最終確認は、これまで通り測量補助者や土地家屋調査士が行います。
地積測量図の作成は、その後の地積計算書・境界確認書のすべての土台になります。ここを最初に整えることが、以降の工程全体の時間短縮につながります。
| 工程区分 | 作成する図面・書類の例 |
|---|---|
| 現地測量 | 座標データ・観測記録 |
| 図面作成 | 地積測量図・建物図面(各階平面図・建物位置図) |
| 面積計算 | 地積計算書・求積表 |
| 境界確認 | 境界確認書・筆界確認書 |
| 申請書類 | 登記申請書・添付書類一式 |
2-2. 座標整合性チェックと地積計算書
測量データと図面ドラフトを突き合わせると、座標の整合性チェックの結果と、地積計算書のドラフトが出てきます。最終的な数値の確認と申請は、担当の土地家屋調査士が行います。
📚 用語解説
地積計算書:土地の面積がどのように算出されたかを、座標値をもとに示す計算書です。地積測量図とあわせて登記申請時に提出します。
地積測量図の作り方には、既存の公図をベースに作成する方法と、新たに全筆を測量し直す方法があります。既存資料を活かせる案件かどうかを、過去資料と現地測量データを横断して確認させることもできます。
📚 用語解説
地積測量図:土地の境界(筆界)と面積を示す測量図面です。分筆・地積更正・表題登記などの際に法務局へ提出します。
受注が決まった案件では、過去に作成した近隣地の地積測量図をそのまま座標系の参考資料として転用できます。旧公図・旧土地台帳との照合も、AIに横断して確認させることで早く進みます。
| 業務 | 何を渡すか | 何が出てくるか |
|---|---|---|
| 地積測量図の作成 | 現地測量データ(トータルステーション/ドローン) | 座標計算を反映した地積測量図のドラフト |
| 地積計算書の作成 | 座標データ・観測記録 | 地積計算書のドラフトと整合性チェック結果 |
| 建物図面の作成 | 建物の実測データ | 各階平面図・建物位置図のドラフト |
| 旧資料との照合 | 旧公図・旧土地台帳 | 現況との相違点を反映した確認資料 |
| 境界標識の管理 | 現地の境界標識データ | 境界標識の位置・種別を一覧化した管理表 |
| 求積表の作成 | 座標データ | 求積表のドラフト |
たとえば「このトータルステーションの観測データから、地積測量図のドラフトを作って」と渡すと、座標計算を反映した図面のドラフトが数分で出てきます。
続けて「この図面から地積計算書を作って」と渡せば、面積の求積過程を示した計算書のドラフトが出てきます。これを土台に、担当者が数値を確認します。
毎回イチから条件を説明し直す必要はなく、一度使った指示文をメモしておけば、次の案件でもほぼそのまま使い回せます。
2-3. 建物図面・求積表への活用
建物表題登記に必要な建物図面(各階平面図・建物位置図)も、実測データを渡すことで同じようにドラフトを作らせられます。最終的にどの図面を提出するかの判断は、担当調査士が行います。
求積表や境界標識の管理表を一覧化しておくと、どの筆界点にどの種別の標識が入っているかが見えやすくなり、再測量が必要になった際の確認時間を短縮できます。
Claude Codeが担うのは座標計算と図面ドラフトの作成までです。最終的な図面の確定と提出は、土地家屋調査士が行います。
図面提出までのリードタイムが短い案件ほど、この下書き作成の時間短縮が効いてきます。急な分筆案件で数週間以内に申請を出す場面でも、担当者は現地との整合性確認と最終調整に集中できます。
結果として、これまでは図面作成の負担を理由に見送っていた短納期の案件にも、対応しやすくなります。図面作成の負担軽減は、受注できる案件の幅そのものを広げる効果も持っています。
03 BOUNDARY 境界確定案件の隣接所有者対応が、Claude Codeでこう変わる 3〜6週間かかる立会段取りが、どう変わるかを具体的に見ます
境界確定案件では、隣接所有者(5〜15名程度)への立会通知と日程調整が、土地家屋調査士の時間を大きく圧迫します。1案件あたり3〜6週間、手作業で連絡を重ねているという声もよく聞きます。
連絡漏れが1件でもあると、法務局への申請が遅れてしまいます。案件数が増えるほど、この段取り作業の負担は積み重なっていきます。
3-1. 隣接所有者リストの自動抽出
公図と登記簿謄本を読み込ませると、対象地に隣接するすべての所有者のリストが自動で抽出されます。地番・所有者名・住所を手作業で拾い出す必要がなくなります。
📚 用語解説
筆界特定:土地の筆界(登記された境界線)がどこにあるかを、法務局の筆界特定登記官が特定する手続きです。境界確定の話し合いがまとまらない場合の選択肢のひとつです。
リストが揃った段階で、立会通知書と日程調整メールのドラフトも同時に作らせられます。調査士は内容を確認し、最終署名だけを行う運用にできます。
| 業務 | 何を渡すか | 何が出てくるか |
|---|---|---|
| 隣接所有者リストの抽出 | 公図・登記簿謄本 | 地番・所有者名・住所を整理したリスト |
| 立会通知書の作成 | 隣接所有者リスト | 立会通知書のドラフト |
| 日程調整メールの作成 | 候補日・隣接所有者リスト | 日程調整メールのドラフト |
| 境界確認書の作成 | 現地立会の記録 | 境界確認書のドラフト |
| 境界標識管理 | 現地の境界標識データ | 標識の位置・種別を一覧化した管理表 |
3-2. 境界確認書のドラフト作成
現地立会が終わった後の境界確認書も、立会記録を渡すことでドラフトを作らせられます。署名・押印を依頼する隣接所有者への案内文もあわせて作成できます。
📚 用語解説
境界確認書:隣接する土地の所有者どうしが、境界の位置について合意したことを示す書面です。登記申請の添付書類として使われます。
境界確認書の様式は事務所によって多少異なりますが、過去に使った様式を読み込ませておけば、その様式に沿ったドラフトを作らせやすくなります。
隣接所有者が遠方に住んでいる場合や、相続で所有者が複数に分かれている場合など、状況が複雑な案件ほど、リスト作成と通知書作成の自動化の効果を感じやすくなります。
Claude Codeが担うのはリスト抽出と書類ドラフトの作成までです。隣接所有者との実際のやり取りや、境界の最終判断・署名は、これまで通り土地家屋調査士が行います。
3-3. 現地対応と事務作業の切り分け
境界確定案件でAIが担えるのは、あくまで事務的な段取り部分です。現地での境界の確認や、隣接所有者との交渉そのものは、引き続き土地家屋調査士が担います。
この切り分けを最初に理解しておくと、「立会そのものが自動化される」という誤解を避けられます。段取りの時間が減る分、現地対応そのものに時間を割けるようになる、というのが実際の変化です。
| 役割 | 日々の悩み | Claude Codeの使いどころ |
|---|---|---|
| 土地家屋調査士 | 隣接所有者への通知・日程調整が属人化 | リスト抽出・通知書ドラフトの自動作成 |
| 測量補助者 | 測量+図面作成+書類事務を1人で兼務 | 図面ドラフト・座標整合性チェックの自動化 |
| 事務職員 | 申請書類準備で1案件3〜5時間、補正多発 | 案件種別別テンプレ・チェックリストの自動生成 |
| 経営者・代表調査士 | 後継者不在・設備投資負担が経営課題 | 業務全体の書類フローを俯瞰した導入判断 |
境界確定案件の段取り時間が短縮できれば、1人あたりが同時に抱えられる案件数も増やしやすくなります。案件数が増える相続関連の分筆・地積更正にも対応しやすくなります。
隣接所有者リストの抽出や立会通知書の作成は、セミナーで実際の画面を動かしながらお見せしています。
04 REGISTRATION 法務局オンライン申請・登記書類も、同じように変わる 申請書類の準備、案件全体7工程、KPIの変化を見ます
地積測量図・境界確定以外にも、土地家屋調査士事務所には案件ごとに発生する書類仕事があります。法務局オンライン申請書類、案件管理台帳、依頼者への完了報告などです。
いずれも「案件ごとに必ず発生する」定型業務という共通点があり、Claude Codeの「型」が効きやすい領域でもあります。ひとつずつ、何を渡すと何が出てくるかを見ていきます。
4-1. 法務局オンライン申請書類の準備
案件種別(表題登記・分筆・合筆・地積更正)を伝えると、その種別に応じた申請テンプレと、添付書類のチェックリストが出てきます。書類不備による補正のリスクを事前に減らせます。
📚 用語解説
秘密保持義務:調査士法第24条の2に定められた、業務上知り得た依頼者や隣接所有者の情報を正当な理由なく漏らしてはならないという義務です。Claude Codeにデータを渡す際も、この前提でルールを設計します。
電子署名の前段階で、申請データと添付書類PDFのリストに漏れがないかを最終チェックさせることもできます。実際の電子署名と提出は、これまで通り担当の土地家屋調査士が行います。
4-2. 案件全体、7つの工程
土地家屋調査士事務所の案件は、依頼受付から登記完了まで、おおむね7つの工程で進みます。それぞれの工程に、Claude Codeが介入できる部分があります。
| 工程 | Claude Code介入の例 |
|---|---|
| ①依頼受付・現地予備調査 | 登記種別の自動判定・現地位置特定・必要書類リスト初稿 |
| ②資料調査 | 登記簿謄本データの構造化・公図・旧土地台帳など過去資料の整理 |
| ③現地測量・境界確認 | 測量データの集計・隣接所有者リスト生成・立会通知書ドラフト |
| ④図面作成 | 地積測量図・建物図面のドラフト自動生成・座標整合性チェック |
| ⑤境界確認書・申請書類作成 | 境界確認書・登記申請書類・添付書類リストのドラフト作成 |
| ⑥法務局オンライン申請 | 申請データの整形・添付書類PDFリスト化・電子署名前の最終チェック |
| ⑦登記完了・依頼者報告 | 登記完了通知の取込・完了報告書ドラフト作成・依頼者への完了案内 |
案件によっては、これらの工程が並行して進むこともあります。特に測量と資料調査は同時並行になりやすく、進捗の把握だけでも一苦労です。
| 指標 | Before | AI活用後 |
|---|---|---|
| 法務局オンライン申請補正率 | 20〜30% | 3〜5% |
| 1人あたり処理案件数(月) | 10〜15件 | 13〜20件(立会段取りAI+図面自動化) |
| 境界確定立会段取り時間 | 3〜6週間/案件 | 1〜2週間/案件 |
| 地積測量図作成時間 | 8〜16時間/案件 | 3〜5時間/案件 |
この数値はあくまで目安ですが、案件ごとに発生する定型作業の時間が縮まると、その分だけ現地対応や依頼者とのやり取りに時間を割けるようになります。
4-3. 登記完了・依頼者報告のドラフト作成
登記が完了すると、依頼者への完了報告書と、登記事項証明書取得後の整理が必要になります。これらのドラフト作成も、Claude Codeに任せられる業務のひとつです。
案件ごとに異なる依頼者の状況(相続・売買・単独所有など)を踏まえた文面調整も、過去の報告書の型を読み込ませておけば、大枠のドラフトとして出てきます。
最終的な文面の確認と送付は、担当の土地家屋調査士や事務職員が行います。ドラフトがあることで、報告までのリードタイムを縮められます。
7つの工程それぞれで生まれる書類とデータを、案件ごとにまとめて管理しておくと、進捗確認や後からの照会がスムーズになります。
法務局オンライン申請や案件全体の工程管理は、セミナーで実際の画面を動かしながらお見せしています。
05 MECHANISM なぜ、土地家屋調査士事務所でこんなことができるのか Claude Codeの仕組みを、専門用語を使わずに説明します
「AIが測量データや書類仕事を代わりにやってくれる」と聞くと、仕組みが気になる方も多いと思います。専門用語を使わずに、3つのポイントで説明します。
難しい技術の話ではありません。パソコンが得意な人が、たまたまその得意分野を測量・登記の書類仕事に向けている、というくらいのイメージで読み進めていただければ十分です。
ここまで見てきた地積測量図や境界確定の例も、すべてこの3つの特徴の組み合わせで成り立っています。仕組みが分かると、自社のどの業務に応用できそうかもイメージしやすくなります。
📚 用語解説
AIエージェント:指示を受けて、複数の作業を自律的に実行し続けるタイプのAIの総称です。Claude CodeやCodexは、このAIエージェントの一種です。
5-1. ファイルを直接読み書きできる
Claude Codeは、登記簿謄本や公図のPDF、測量データのCSV、CADの図面ファイルといった実際のファイルを、パソコンの中でそのまま開いて中身を読み込めます。読んだ内容をもとに、新しい書類を作ったり、既存の図面を書き換えたりできます。
たとえるなら、資料を渡せば黙々と目を通し、指示通りに整理したり文書を作ったりしてくれる事務員のような存在です。
従来の生成AIとの違いも、まさにここにあります。「作り方を教えてくれる」のではなく「実際に作ってくれる」——この一歩の差が、書類仕事の時間を大きく左右します。
5-2. 手順を覚えて繰り返せる
一度「この形式で通知書を作って」と教えたやり方は、次回以降も同じ手順で再現できます。毎回イチから指示を考える必要はなく、「型」として使い回せます。
境界確定の立会通知や、法務局申請のテンプレ作成のように、毎回やることがほぼ決まっている業務ほど、この「型」の効果が出やすくなります。二度目以降は指示の言葉数も減り、確認するだけで済むようになります。
逆に言えば、毎回内容が大きく変わる業務では「型」の恩恵が小さくなります。まずは繰り返しの多い業務から試すのが、効果を実感しやすい進め方です。
最初から完璧な型を作ろうとせず、使いながら少しずつ調整していくほうが、結果的に早く定着します。1つの業務で型ができたら、似た業務にも応用できます。
5-3. 複数の資料を横断できる
公図・登記簿謄本・過去の測量データなど、別々の場所に保存されている資料を、同時に開いて見比べることができます。境界確定はこの「横断」がまさに効いてくる作業で、公図・登記簿・現地測量データを別々に突き合わせる手間を、まとめて引き受けられます。
地積測量図の作成でも同じことが言えます。現地測量データ・旧公図・過去の地積測量図という、性質の異なる複数の資料を横断して、座標計算と整合性チェックを一度に進められます。
Claude Codeが担うのは、資料を読み込んでドラフトを作る作業までです。境界の最終判断や、申請・提出の判断は、これまで通り人が行います。
| 特徴 | 何ができるか | 土地家屋調査士事務所での具体例 |
|---|---|---|
| ファイルの直接読み書き | 測量データや登記簿を開いて、集計やドラフト作成ができる | 現地測量データから地積測量図のドラフトを作成 |
| 手順を覚えて繰り返す | 一度教えたやり方を「型」として次回も使える | 毎案件の立会通知書作成を同じ手順で処理 |
| 複数資料の横断 | 公図・登記簿・測量データなどをまとめて参照できる | 境界確定案件の隣接所有者リストを横断抽出 |
| 対話しながら進められる | 一度で完璧を求めず、やり取りしながら調整できる | 境界確認書ドラフトの表現を対話で修正 |
ただし、Claude Codeが自分で判断できないこともあります。どこまで任せて、どこから人が確認するか。次の章で、つまずきやすいポイントとあわせて具体的に説明します。
06 PITFALLS 土地家屋調査士事務所が導入でつまずきやすいポイント 個人情報の扱い・独占業務の線引き・社内定着でよくあるつまずきを整理します
Claude Codeを土地家屋調査士事務所の現場に導入する際、多くの事務所が最初につまずくのは個人情報の取り扱いです。
ここまで紹介してきた便利さの裏側で、実際に導入するとなると出てくる現実的な悩みを、順番に整理していきます。
6-1. 依頼者・隣接所有者の個人情報の取り扱い
permission mode(操作許可の範囲)を適切に設定し、どのデータをAIに渡すか、どこまでの操作を許可するかを事前に線引きしておく必要があります。
📚 用語解説
permission mode:AIにどこまでの操作(読み取り・下書き作成・送信など)を許可するかを制御する設定です。範囲を絞って始め、慣れてから広げる使い方が一般的です。
まず読み取り専用の範囲で運用を始め、慣れてきた段階で許可する操作を広げていく進め方であれば、情報システム担当が不在の事務所でも無理なく運用できます。
依頼者や隣接所有者の氏名・住所といった機微な個人情報を扱う場合ほど、この設計を丁寧に行うことが導入の前提になります。マスキングした状態でAIに渡し、本物のデータは別途照合する運用も選べます。
| 段階 | 許可する操作 | 目安の期間 | 関わる担当者 |
|---|---|---|---|
| 導入初期 | 読み取り・集計・下書き作成のみ | 最初の1〜2ヶ月 | 事務職員・情報システム担当 |
| 慣れてきた段階 | 案件フォーマットへの自動保存を追加 | 3〜6ヶ月目以降 | 業務担当者本人 |
| 定着後 | 業務ごとに必要な操作範囲を個別に調整 | 運用が安定してから | 各業務の責任者 |
6-2. 独占業務との線引き
土地家屋調査士法第3条に定められた独占業務(土地・家屋の調査測量、表示登記の申請代理、筆界特定手続の代理)は、AIに任せられる範囲ではありません。Claude Codeに「補助」させる部分と、調査士が握る「判断」を、最初に切り分けておくことが大切です。
| 選択肢 | 向こうの領域 | 土地家屋調査士としての強み |
|---|---|---|
| 司法書士 | 権利に関する登記(所有権移転・抵当権設定/抹消) | 表示に関する登記(表題登記・分筆・合筆・地積更正)の独占業務 |
| 測量会社 | 公共測量・建設工事の測量・大規模測量 | 測量+登記申請までワンストップで代理可能 |
| AI測量ツール(ドローン測量SaaS等) | ドローン測量・3D点群データ処理・自動図化 | 境界判断・隣接所有者対応・法務局窓口折衝 |
| 建築士 | 建築確認申請用図面・設計図書・構造計算書 | 建物表題登記用の建物図面(各階平面図・建物位置図)作成 |
ドローン測量SaaSのようなツールが台頭しても、データ取得と自動図化までしか担えません。申請代理や境界判断という調査士の独占業務そのものは、引き続き人にしか担えない部分です。
6-3. 社内での定着
最初から全業務をAI化しようとせず、地積測量図の作成や境界確定の立会段取りなど、負担の大きい一部の業務から試し、効果を実感してから範囲を広げていくほうが定着しやすくなります。
「便利そうだから」と事務所全体に一斉導入するよりも、まず一人か二人が使いこなせるようになってから、周りに広げていくほうが、結果的に定着のスピードは早くなります。
6-4. ツール選定で押さえておきたいこと
Claude CodeとCodex、どちらが自社に合うかは、実際に画面を見ながら判断するのが早いです。まず自社が最初に試したい業務を決めてから、その業務での使いやすさを比較する順番がおすすめです。
月額料金や課金プランの違いも選定時のポイントですが、機能一覧を比較するよりも、自社の業務で実際に動かしてみたほうが、判断材料としては早く確実です。
「どちらのツールが優れているか」ではなく「自社のどの業務に使いたいか」を先に決めることが、ツール選定で遠回りしないコツです。
| つまずきポイント | 現実的な対処 |
|---|---|
| 全業務を一度にAI化しようとして頓挫 | 境界確定や図面作成など、負担の大きい業務を1〜2個に絞って試行 |
| 個人情報の取り扱い範囲を決めずに始める | permission modeで読み取り専用の範囲から着手 |
| 測量補助者がプロンプトの書き方に戸惑う | 最初の数回は代表調査士や事務職員が一緒に操作する |
| 独占業務との境界があいまいなまま運用 | AIが担う「作業」と調査士が握る「判断」を事前に線引き |
| 元データとドラフトの保存ルールがない | 案件フォルダにやり取りを保存する運用を決めておく |
AIに読み込ませた元データと、生成されたドラフトを、いつ・どの案件で使ったか分かる形で残しておくことも大切な運用ルールです。案件フォルダにやり取りを保存しておくだけで、最低限の記録になります。
特別なシステムを新たに導入する必要はありません。今使っているフォルダ構成やファイル管理のルールに、AIとのやり取りの保存を一項目加えるだけで十分です。
登記申請書や境界確認書は、後から依頼者や法務局への説明を求められることもあります。元データとドラフトの保存履歴が、そのまま簡易的な記録として役立ちます。
ここまで見てきたように、つまずきの多くは技術的な難しさではなく、始め方の設計に起因します。業務を絞る、型を作る、記録を残す——この3つを押さえておけば、大きな失敗にはつながりにくくなります。
文章だけでは伝わらない部分は、実際の画面をご覧いただくのが早いです。セミナーでは、地積測量図の作成や境界確定の立会段取りを実際に動かしながらお見せしています。
07 SEMINAR_CONTENT セミナー当日、土地家屋調査士事務所向けに何を実演するのか 60分の時間割・実演する業務・よくある質問・参加対象を具体的に紹介します
「結局セミナーで何をするのか」が分からないと、参加を決めにくいと思います。60分の中身を具体的に紹介します。
7-1. 60分の時間割
| 時間帯 | 内容 |
|---|---|
| 最初の10分 | 土地家屋調査士事務所の業務棚卸しと、Claude Code・Codexの全体像整理 |
| 次の25分 | 隣接所有者リスト抽出から立会通知書、地積測量図ドラフト、法務局申請書類の実演デモ |
| 次の15分 | 参加者の悩みを募集し、その場で「うちならこう試すか」を設計 |
| 最後の10分 | 質疑応答と、来週何を試すかの言語化 |
この時間割が基本の流れです。実演デモで扱う具体的な資料例は、参加事務所の規模・案件構成に応じて多少調整することもあります。
7-2. 実演する業務
実演の中心は、25分間のノーカットデモです。土地家屋調査士事務所の具体的な業務を、画面を動かしながらお見せします。
境界確定案件では、公図と登記簿から隣接所有者リストを抽出するところから、立会通知書のドラフトができるまでを実際に動かします。
地積測量図の作成では、測量データを読み込ませて座標計算・図面ドラフトができるまでの流れをお見せします。
業務ごとに入力と出力がどう変わるかを比較しながら見ていただくことで、自社ではどの業務から試すのが現実的かを判断しやすくしています。
7-3. その場で答える、こんな質問
| よくある質問 | 当日の回答の方向性 |
|---|---|
| 隣接所有者や依頼者の個人情報はどこまで渡していいか | permission modeでの操作許可範囲の考え方を説明します |
| 独占業務にAIが踏み込んでしまわないか | AIが担う作業と調査士が握る判断の線引きを説明します |
| ドローン測量SaaSと組み合わせて使えるか | 測量データの取り込み方と役割分担の考え方を説明します |
7-4. 参加対象
参加対象は代表土地家屋調査士・経営者・会社役員としていますが、測量補助者や事務職員の方にも参考にしていただける内容です。パソコン操作に不慣れな方でも、専門知識は前提としていません。
一方、書類仕事を人に任せる想定がなく、代表調査士お一人ですべての業務を完結されている場合は、効果を実感しにくいかもしれません。複数人で業務を分担している事務所ほど、持ち帰れる材料は多くなります。
08 SEMINAR_BOOKING 土地家屋調査士事務所の方向け、予約から当日までの流れ 無料・60分・オンラインの参加方法と、予約から当日までの流れを紹介します
ここまで紹介した内容を、実際の画面を動かしながら確認できる場として、60分の無料オンラインセミナーを開いています。
- 参加費は無料
- 60分・オンライン(Google Meet)開催
- 1社1枠の貸切で、実演を中心に進めます
- 空いている日程からそのまま予約できます
このページ下部の予約フォームで、空き日程を選ぶだけで予約が完了します(日程調整のメール往復はありません)。こちらの予約フォームからお進みください。
日程や内容の詳細はClaude Code セミナーの詳細ページでもご確認いただけます。
| この記事で分かったこと | セミナーで確認できること |
|---|---|
| Claude Code・Codexが何者か | 実際の画面での操作感 |
| 何を渡すと何が出てくるか(理屈) | 自社の業務に置き換えた場合の具体例 |
| 独占業務との線引き | 自社ならどこまで任せられるかの判断材料 |
| なぜそれが可能なのか(仕組み) | 実際に動いている様子を見て納得できるか |
| 地積測量図・境界確定・登記申請の変わり方 | 自社の測量データや公図を例にした質疑応答 |
| 個人情報の取り扱い・社内定着の考え方 | 自社の運用ルールに落とし込む相談 |
この記事を読んで、Claude Code・Codexが何者かはお分かりいただけたと思います。あとは、自社の業務にどこまで使えそうか、実際の画面で確かめていただくだけです。
Claude CodeやCodexが自社に合うかどうかは、実際の画面を見るのが一番早い判断材料になります。押し売りはしませんので、まずは60分、実際の動きを確認してみてください。
参加無料・60分・オンライン(Google Meet)・1社1枠
よくある質問
Q. 隣接所有者や依頼者の個人情報をAIに読み込ませても大丈夫でしょうか。
A. 社内の公図や登記簿データをどこまでAIに渡すか、扱う範囲の線引きも含めてセミナー内で説明しています。permission modeの設定で、最初は読み取り専用の集計・下書き作成のみに限定する運用も可能です。慣れてきた段階で、許可する操作の範囲を少しずつ広げていく進め方が現実的です。導入するかどうかの判断材料としてお持ち帰りいただけます。
Q. 境界確定案件は判断が難しい業務だと思いますが、AIに任せて大丈夫でしょうか。
A. AIが担うのは隣接所有者リストの抽出と通知書ドラフトの作成までです。現地での境界の確認や最終的な判断は、これまで通り土地家屋調査士が行います。段取りの時間が減った分、現地対応そのものに時間を割けるようになります。判断そのものが自動化されるわけではありません。
Q. ドローン測量SaaSを既に使っていますが、Claude Codeと併用できますか。
A. はい、併用できます。ドローン測量SaaSはデータ取得と自動図化を担い、Claude Codeはそのデータを読み込んで地積測量図や地積計算書のドラフトを作成する、という役割分担が現実的です。測量データ処理と申請代理は別の領域ですので、競合するものではありません。
Q. 公共測量ではなく、個人の依頼者からの案件が多いのですが対応できますか。
A. はい、対応できます。相続に伴う境界確定や分筆案件など、個人依頼者からの案件でも、公図・登記簿の読み込みと隣接所有者リストの抽出という基本の流れは変わりません。むしろ個人依頼者の案件ほど隣接所有者との連絡調整に時間がかかりやすいため、効果を実感しやすい場面です。
Q. パソコン操作に不慣れな測量補助者が多い事務所でも導入できますか。
A. セミナーではターミナルやエディタの画面を実際に動かしながら説明します。専門知識がなくても、まずは何ができるかを知ることを目的にした内容です。最初の数回は代表調査士や事務職員が一緒に操作するところから始める事務所が多いです。ボタン操作より、日本語で何を伝えるかのほうが重要になります。
Q. Claude CodeとCodex、どちらを選べばよいですか。
A. どちらも生成AIを使った業務自動化ツールですが、土地家屋調査士事務所の現場業務での活用事例の蓄積が進んでいるのはClaude Codeです。開発元(Anthropic/OpenAI)が異なるだけで、基本的な使い方や非エンジニアでも扱える点は共通しています。まず自社が最初に試したい業務を決めてから、使いやすさを比較するのがおすすめです。
Q. Claude Codeを使うと、測量補助者や事務職員の仕事が奪われるのではないですか。
A. いいえ。AIが担うのは図面や書類の下書き作成、集計までで、現地での測量や境界の判断、依頼者とのやり取りといった人にしかできない業務はそのまま残ります。書類仕事の時間を減らし、現地対応や資格取得の勉強時間を増やすための道具です。
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土地家屋調査士事務所の書類仕事は、地積測量図の作成から、境界確定のような案件ごとの立会段取り、法務局オンライン申請のような制度で決まった手続きまで、次々と積み重なっていきます。Claude CodeやCodexが何者かという基本から、実際に何ができて何ができないかまで、文章だけではどうしても掴みにくい部分があります。自社の公図や測量データを例に、実際の画面を見ながら自社に合う業務を見極められる場として、60分の無料セミナーを用意しています。
ここから先の進め方は、大きく2つあります。
自社で回せるようになりたい方は、AI鬼管理でClaude Code/Codexの使い方から業務設計・社内定着まで伴走を受けながら、社内に仕組みを作る道があります。
覚えるより任せたい方は、AI社員AIKATAでこの記事のような定型業務を丸ごと預ける道があります。料金は月30万円の月額定額、追加費用は0円です。
どちらが合うかは、業務量と社内体制次第です。無料相談・無料適合診断で、貴社の場合はどちらが向くかからご相談いただけます。
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