ベンチャーキャピタル・CVC向けClaude Codeセミナー|DD・KPI集計・LPレポートはどこまで自動化できるか
弊社GENAIでは、ベンチャーキャピタル・CVCの方向けに Claude Code・Codex の無料オンラインセミナー(60分)を開催しています。本記事では、DD(デューデリジェンス)資料の整理、投資先KPIの月次集計、LPレポートの作成が、AIによってどこまで自動化できるかを、実際の使い方の例とあわせて解説します。セミナーでは画面を見ながらその使い方を確認いただけます。
ベンチャーキャピタル・CVCの現場では、DDやポートフォリオモニタリング、LPレポートといった書類業務にパートナーやアソシエイトの時間が大きく割かれる傾向があります。本記事では、こうした業務の負担がAIによってどこまで軽減できるのかを、具体的な業務内容に沿って整理します。
記事では、Claude CodeとCodexの違い、それぞれができることとできないこと、投資判断に関わる情報を扱う際に注意すべき点、導入時につまずきやすいポイントまで、順を追って解説します。
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01 AI_DIFF VC・CVC業務における「答えるAI」と「やり切るAI」の違い Claude CodeとCodex、それぞれ何者で、非エンジニアでも使えるのかを整理します
ChatGPTやGeminiのような生成AIは、質問すると答えてくれる「対話するAI」です。使ったことがある方も多いと思います。
「DDのチェックリストの作り方を教えて」「LPレポートの書き方のコツは」といった質問には、丁寧に答えてくれます。ただし、実際の集計や書類作成そのものまではやってくれません。
一方、Claude CodeやCodexは、指示した作業を最後まで自分で実行してくれる「仕事をやり切るAI」です。DD資料を読み込んで整理する、書類のドラフトを作る、といった一連の作業を任せられます。
たとえば「今月の投資先KPIを集計して」と頼んだ場合、ChatGPTは一般的な集計方法を説明してくれますが、実際にKPIデータを開いて計算まではしてくれません。
Claude Codeは、そのKPIデータを実際に開いて中身を読み込み、集計結果をその場で作ってくれます。「説明する」のではなく「やってくれる」のが最大の違いです。
1-1. Claude Codeとは
Claude Codeは、Anthropic社が開発した、ターミナルやエディタの画面から指示を出して動かすAIツールです。DD資料や投資先データを読み込ませ、対話しながら集計やドラフト作成を進められます。
📚 用語解説
Claude Code:Anthropic社が開発した、ファイルを読み込んで作業を代行してくれるAIツールです。パソコンの画面から日本語で指示を出して使います。
もともとはソフトウェア開発者向けのツールとして作られましたが、「ファイルを読み込んで作業する」という性質そのものは、プログラミングに限らず、DDの整理やLPレポート作成にもそのまま応用できます。
1-2. Codexとは
Codexは、OpenAI社が開発した、Claude Codeと似た位置づけのAIツールです。こちらもファイルを読み込ませて作業を任せる使い方が中心で、ベンチャーキャピタル・CVCでの活用事例はClaude Codeのほうが蓄積が進んでいます。
ChatGPTを開発しているOpenAI社の技術がベースになっているため、ChatGPTに慣れている方には、操作の雰囲気が近く感じられるかもしれません。基本的な考え方はClaude Codeと共通しています。
📚 用語解説
Codex:OpenAI社が開発した、Claude Codeと同じく作業を代行してくれるAIツールです。仕組みは似ていますが、開発元と細かな使い勝手が異なります。
「そもそもどこの会社が作っているのか」という疑問もよく聞きます。Claude CodeはAnthropic社、CodexはOpenAI社がそれぞれ開発しており、どちらもベンチャーキャピタル・CVC向けに特化したツールではなく、汎用のAIツールを業務に応用する形で使います。
| Claude Code | Codex | |
|---|---|---|
| 開発元 | Anthropic | OpenAI |
| できること | ファイル読み込み・集計・書類ドラフト作成 | ファイル読み込み・集計・書類ドラフト作成 |
| VC業界での活用事例 | 蓄積が進んでいる | 蓄積は少なめ |
| 非エンジニアの利用 | 日本語の指示文で操作可能 | 日本語の指示文で操作可能 |
| 土台となる技術 | Anthropic独自のAIモデル | ChatGPTと同じOpenAIのAIモデル |
| セミナーでの扱い | 実演の中心として詳しく紹介 | 冒頭で違いを簡単に紹介 |
どちらも専門的なプログラミング知識がなくても、日本語で「このDD資料を整理して」のように話しかけるだけで使えます。難しい操作を覚える必要はありません。
画面自体は黒い背景に文字が並ぶ、いわゆる「エンジニアっぽい」見た目をしています。ただし操作は日本語のチャットとほぼ同じで、ボタン操作を覚える必要はなく、話しかける言葉の中身のほうが重要です。
Claude CodeもCodexも、専門知識よりも「何を渡して、何を作ってほしいか」を言葉にする力のほうが重要です。セミナーでは実際の画面を動かしながら、この感覚をお見せしています。
1-3. ベンチャーキャピタル・CVCでは、具体的に何に使えるのか
「仕事をやり切るAI」と言われても、まだ抽象的に感じるかもしれません。ベンチャーキャピタル・CVCの現場で言えば、次のような業務が代表的な使いどころです。
- DD項目別チェックリストの作成と投資判断書ドラフト
- 投資先KPI(MRR/CAC/LTV/Burn)の月次集計と異常検知
- LPレポート(IRR/MOIC/DPI/RVPI)のドラフト作成
- ソーシング案件の財務・技術・競合情報の自動収集とスコアリング
- 経営者面談の録音から議事録をAI生成
この先の章では、これらの業務ひとつひとつについて「何を渡すと、何が出てくるか」を具体的に見ていきます。
逆に、経営者との信頼関係づくりや、投資判断そのものの最終決定のように、状況ごとの機微な判断が求められる業務は、これからも人が担う部分として残ります。AIが代われるのは「作業」であって「判断」ではない、という線引きが基本です。
この線引きを最初に理解しておくと、「AIに何でも任せられる」という過度な期待も、「結局は使えない」という過小評価も、どちらも避けやすくなります。
| 向いている業務 | 向いていない業務 |
|---|---|
| 数字の集計・書類のドラフト作成 | 経営者との信頼関係づくり |
| 過去の様式を踏まえた書式変換 | 投資判断そのものの最終決定 |
| 繰り返しの多い定型業務 | そのつど状況が変わる交渉ごと |
| 複数資料の突合・横断作業 | 起業家・LPとの人間関係の構築 |
| データに基づく傾向の把握 | 案件ごとの温度感を読んだその場の判断 |
| 用語 | 一言でいうと |
|---|---|
| Claude Code | Anthropic製の「仕事をやり切るAI」 |
| Codex | OpenAI製の「仕事をやり切るAI」 |
| プロンプト | AIへの指示文(日本語の普通の文章でよい) |
| AIエージェント | 複数の作業を自律的に実行し続けるAIの総称 |
| permission mode | AIに許可する操作の範囲を決める設定 |
| DD(デューデリジェンス) | 投資先候補の財務・法務・技術・事業を詳しく調査する工程 |
02 DD_CORE DD(デューデリジェンス)が、Claude Codeでこう変わる ベンチャーキャピタル・CVCでもっとも時間と判断が重なる工程を、入力と出力で見ます
ベンチャーキャピタル・CVCでもっとも時間とお金が動くのが、DD(デューデリジェンス)の工程です。財務・法務・技術・事業といった観点から投資先候補を精査する精度が、投資判断の精度にそのまま直結します。
精度が求められる一方、案件数が増えるほどアソシエイト・アナリストの負担は膨らみます。専任のDDチームを置けない中小VCほど、この負担がパートナーや代表にのしかかりやすくなります。
DD(デューデリジェンス)
過去のDD資料や類似投資先データを読み込ませると、項目別チェックリストのドラフトが出てきます。
投資判断書ドラフト
DD結果と財務データを渡すと、投資判断書のドラフトが出てきます。
ポートフォリオKPI集計
投資先のKPIデータを読み込ませると、月次集計と異常検知の結果が出てきます。
LPレポートドラフト
ファンドの運用データを渡すと、IRR/MOIC等を反映したLPレポートのドラフトが出てきます。
2-1. DD項目別チェックリストのドラフト作成
DD資料や類似投資先の分析データをClaude Codeに読み込ませると、財務・法務・技術・事業といった項目別のチェックリストのドラフトが出てきます。項目をゼロから手作業で洗い出す必要がなくなります。
これまでアソシエイトが資料を読み込みながらチェックリストを作っていた作業のうち、項目を書き出す部分だけを、AIが下書きとして先に用意しておくイメージです。
もちろん、洗い出した項目が案件の実態と合っているかどうかの最終確認は、これまで通りDD担当者が行います。
DDの項目別チェックリストは、その後の投資判断書・バリュエーション試算のすべての土台になります。ここを最初に整えることが、以降の工程全体の時間短縮につながります。
| DD区分 | 主に見る内容 | 主な参照資料 |
|---|---|---|
| 財務DD | 収益性、キャッシュフロー、資本構成 | 決算書、月次試算表 |
| 法務DD | 契約関係、株主構成、訴訟リスク | 登記簿、既存契約書 |
| 技術DD | プロダクトの技術的優位性、開発体制 | 技術資料、開発ロードマップ |
| 事業DD | 市場規模、競合状況、成長性 | 事業計画書、競合リサーチ資料 |
2-2. 経営者面談議事録と投資判断書ドラフト
経営者面談の録音データを渡すと、議事録のドラフトが出てきます。投資判断の最終決定と提示は、パートナーが行います。
📚 用語解説
DD(デューデリジェンス):投資を検討する際に、投資先候補の財務・法務・技術・事業などを詳しく調査することです。投資判断の精度を左右する重要な工程です。
DD結果の一覧と過去の類似投資先データを渡せば、バリュエーション試算や優先株の種類設計を含めた投資判断書のドラフトを、項目立てて用意させることも可能です。
📚 用語解説
バリュエーション:投資先企業の企業価値を算定することです。将来の収益予測や類似企業の水準を参考に試算します。
受注ならぬ「出資」が決まった案件では、DD段階で洗い出した論点をそのまま投資契約書(SPA/JSHA)のチェック項目に転用できます。DD時点の懸念点と実際の契約条項を並べておけば、条件交渉の見落としにも早く気づけます。
| 業務 | 何を渡すか | 何が出てくるか |
|---|---|---|
| DD項目別チェックリスト作成 | DD資料・類似投資先データ | 財務/法務/技術/事業の項目別チェックリスト(ドラフト) |
| 経営者面談議事録 | 面談の録音データ | 議事録ドラフト |
| 投資判断書ドラフト | DD結果・財務データ | 投資判断の論点を整理した判断書ドラフト |
| 類似投資先比較 | 過去の投資先データ | 指標別の比較表 |
| バリュエーション試算 | 財務データ・類似企業の水準 | 企業価値の試算レンジ |
| 投資契約書チェック項目整理 | DD時点の懸念点・契約書ドラフト | 条項ごとの確認リスト |
たとえば「この資料から、財務・法務・技術の3区分でDD項目を洗い出して」と渡すと、区分ごとのチェックリストのドラフトが数分で出てきます。
続けて「このチェックリストと過去の類似投資先データから投資判断書を作って」と渡せば、論点を整理した判断書のドラフトが出てきます。これを土台に、パートナーが最終判断を行います。
毎回イチから条件を説明し直す必要はなく、一度使った指示文をメモしておけば、次の案件でもほぼそのまま使い回せます。
2-3. ソーシング・パイプラインへの活用
新規案件のソーシング段階でも、同じ考え方が使えます。パイプライン上の案件の財務・技術・競合情報をAIに自動収集させ、類似投資先との比較とスコアリングを行わせられます。最終的にどの案件に注力するかの判断は、パートナーが行います。
案件別にスコアを並べておくと、どこに注目すべきかが見えやすくなり、初期スクリーニングにかける時間を短縮できます。
Claude Codeが担うのはDD項目の洗い出しと投資判断書の下書きまでです。最終的な投資判断は、パートナーや投資委員会が行います。
DD所要時間が短くなるほど、これまでは検討を見送っていた案件にも手を広げやすくなります。DDの負担軽減は、ソーシング件数そのものを増やす効果も持っています。
特に競合の大手VCや海外VCが同じ案件に興味を示している場合、意思決定のスピードそのものが競争力になります。DDの下準備が早く終わるほど、経営者との条件交渉に早く入れます。
03 PORTFOLIO_LP ポートフォリオモニタリングとLPレポートも、同じように変わる 投資先KPIの月次集計、LPレポート作成、EXIT支援を具体的に見ます
DD以外にも、ベンチャーキャピタル・CVCには継続的に負担の大きい業務があります。ポートフォリオモニタリング、LPレポート作成、EXIT支援などです。
いずれも「毎月・毎四半期・毎案件」発生する定型業務という共通点があり、Claude Codeの「型」が効きやすい領域でもあります。ひとつずつ、何を渡すと何が出てくるかを見ていきます。
3-1. ポートフォリオKPIの月次集計と異常検知
投資先データ連携(Carta/Affinity/SaaS APIなど)から取得したKPIデータをClaude Codeに読み込ませ、MRR・CAC・LTV・Burn Rateといった項目ごとに数字を拾わせ、異常検知と追加投資推奨のドラフトを作らせる、という使い方がAIと相性の良い領域です。
📚 用語解説
KPI(MRR/CAC/LTV/Burn):投資先の経営状態を見る指標の総称です。MRR(月次経常収益)、CAC(顧客獲得コスト)、LTV(顧客生涯価値)、Burn Rate(資金消費速度)などがあります。
ポートフォリオが20社を超えるあたりから、月次のKPI集計だけでも横断作業が必要になります。投資先ごとにデータの形式がバラバラな場合ほど、この負担は大きくなります。
| KPI項目 | 見るポイント |
|---|---|
| MRR(月次経常収益) | 前月比・前年同月比の伸び率 |
| CAC(顧客獲得コスト) | マーケティング費用に対する新規獲得効率 |
| LTV(顧客生涯価値) | CACとのバランス(LTV/CAC倍率) |
| Burn Rate(資金消費速度) | 残存ランウェイ(資金が尽きるまでの月数) |
3-2. LPレポート(IRR/MOIC/DPI/RVPI)の作成
ファンドの運用データを読み込ませると、四半期ごとのLPレポートのドラフトが出てきます。LP(ファンド出資者)への最終送付前の確認は、GPやファンドアドミ担当が行います。
📚 用語解説
LPレポート:IRR(内部収益率)・MOIC(投資倍率)・DPI(分配率)・RVPI(残存価値率)などの指標を含む、LP(ファンド出資者)向けの運用報告書です。
四半期末が近づくと、LPレポート作成と決算対応、次の案件のDDが重なりやすく、ファンドアドミ担当一人では手が回らなくなりがちです。運用データの更新を月次でこまめに行っておけば、四半期末の集計作業もスムーズになります。
| 指標 | Before | AI After |
|---|---|---|
| DD所要時間 | 1案件 80〜200時間 | 1案件 30〜60時間程度に圧縮できた例あり |
| ポートフォリオKPI集計 | 月60〜100時間 | 月10〜15時間程度に圧縮できた例あり |
| LPレポート作成 | 四半期80〜150時間 | 四半期20〜30時間程度に圧縮できた例あり |
| ソーシング案件処理数 | 月50〜100件 | 月150〜300件程度まで拡大できた例あり |
3-3. EXIT支援と採用・コンプラ対応
EXIT(IPO/M&A)の局面でも、IPO準備資料の整理やM&Aマッチング先候補のリストアップにClaude Codeを使う余地があります。出口戦略そのものの意思決定は、これまで通り経営陣が行います。
採用面でも、パートナーやアソシエイトの求人票ドラフトや、応募者への一次返信文の作成に使えます。月次経営レポートの作成も同じ考え方で下書きを用意できます。
📚 用語解説
第二種金融商品取引業:ファンドの持分を投資家に販売するために必要な、金融商品取引法上の登録区分のひとつです。VC・CVCの多くがこの登録または関連の届出を受けています。
第二種金融商品取引業や投資運用業の登録に関わるコンプライアンス書類も、既存の様式を読み込ませておけば、更新のたびに作り直す負担を減らせます。最終的な提出判断は、これまで通りコンプライアンス担当が行います。
| 役割 | 日々の悩み | Claude Codeの使いどころ |
|---|---|---|
| アソシエイト/アナリスト | DD資料整理・競合リサーチ・議事録作成で1案件80〜200時間 | DD項目別チェックリストと議事録の自動生成 |
| 代表/パートナー | ソーシング案件月100〜300件の初期スクリーニングに時間を奪われる | パイプライン案件の自動収集とスコアリング |
| CVC運営責任者 | 親会社への説明責任と投資判断スピードの両立に追われる | 投資先KPIの自動集計と異常検知の共有 |
| ファンドアドミ担当 | 四半期ごとのLPレポート作成が集中する | 運用データからのLPレポートドラフト作成 |
特にEXITの局面では、複数の候補先や上場準備資料が一気に増える時期があります。整理の順番を間違えると、経営陣の確認作業がかえって膨らんでしまうこともあります。
候補先ごとの資料フォーマットを揃えるところまでをAIに任せ、比較そのものは人が行う、という役割分担にしておくと、混乱を避けやすくなります。
ポートフォリオKPIの集計やLPレポートのドラフト作成は、セミナーで実際の画面を動かしながらお見せしています。
AIが担うのは集計とドラフト作成の下準備までです。追加投資の判定、LPへの最終送付、EXITの意思決定は、これまで通りパートナーやGPが行います。
04 MECHANISM なぜAIがDD資料の整理まで代行できるのか——仕組みの話 Claude Codeの仕組みを、専門用語を使わずに説明します
「AIが投資業務を代わりにやってくれる」と聞くと、仕組みが気になる方も多いと思います。専門用語を使わずに、3つのポイントで説明します。
難しい技術の話ではありません。パソコンが得意な人が、たまたまその得意分野を投資業務の書類仕事に向けている、というくらいのイメージで読み進めていただければ十分です。
ここまで見てきたDDやKPI集計の例も、すべてこの3つの特徴の組み合わせで成り立っています。仕組みが分かると、自社のどの業務に応用できそうかもイメージしやすくなります。
📚 用語解説
AIエージェント:指示を受けて、複数の作業を自律的に実行し続けるタイプのAIの総称です。Claude CodeやCodexは、このAIエージェントの一種です。
4-1. ファイルを直接読み書きできる
Claude Codeは、DD資料のPDFや投資先KPIのExcel、面談録音の音声ファイルといった実際のファイルを、パソコンの中でそのまま開いて中身を読み込めます。読んだ内容をもとに、新しい書類を作ったり、既存の書類を書き換えたりできます。
たとえるなら、資料を渡せば黙々と目を通し、指示通りに整理したり文書を作ったりしてくれるアナリストのような存在です。
従来の生成AIとの違いも、まさにここにあります。「集計方法を教えてくれる」のではなく「実際に集計してくれる」——この一歩の差が、投資業務の時間を大きく左右します。
4-2. 手順を覚えて繰り返せる
一度「この形式で集計して」と教えたやり方は、次回以降も同じ手順で再現できます。毎回イチから指示を考える必要はなく、「型」として使い回せます。
ポートフォリオKPIの集計やLPレポートの作成のように、毎回やることがほぼ決まっている業務ほど、この「型」の効果が出やすくなります。二度目以降は指示の言葉数も減り、確認するだけで済むようになります。
逆に言えば、毎回内容が大きく変わる業務では「型」の恩恵が小さくなります。まずは繰り返しの多い業務から試すのが、効果を実感しやすい進め方です。
最初から完璧な型を作ろうとせず、使いながら少しずつ調整していくほうが、結果的に早く定着します。1つの業務で型ができたら、似た業務にも応用できます。
4-3. 複数の資料を横断できる
DD資料・財務データ・過去の投資先データベースなど、別々の場所に保存されている資料を、同時に開いて見比べることができます。DDはこの「横断」がまさに効いてくる作業で、財務資料・法務資料・技術資料を別々に突き合わせる手間を、まとめて引き受けられます。
ポートフォリオKPIの集計でも同じことが言えます。投資先ごとに形式の異なるKPIデータという、性質の異なる複数の資料を横断して、月次集計と異常検知を一度に進められます。
Claude Codeが担うのは、資料を読み込んでドラフトを作る作業までです。数字の最終確認や、投資判断・送付の判断は、これまで通り人が行います。
| 特徴 | 何ができるか | ベンチャーキャピタル・CVCでの具体例 |
|---|---|---|
| ファイルの直接読み書き | DD資料やKPIデータを開いて、集計やドラフト作成ができる | PDF資料からDD項目別チェックリストを作成 |
| 手順を覚えて繰り返す | 一度教えたやり方を「型」として次回も使える | 毎月のKPI集計を同じ手順で処理 |
| 複数資料の横断 | 財務・法務・技術資料をまとめて参照できる | DDの4区分を横断して一括整理 |
| 対話しながら進められる | 一度で完璧を求めず、やり取りしながら調整できる | 投資判断書ドラフトの表現を対話で修正 |
この3つの特徴は、それぞれ単独で使うものではなく、組み合わさって初めて効果を発揮します。ファイルを読み、型を覚え、複数資料を横断する——この流れがDDやKPI集計の時間短縮を生んでいます。
ただし、Claude Codeが自分で判断できないこともあります。どこまで任せて、どこから人が確認するか。次の章で、つまずきやすいポイントとあわせて具体的に説明します。
05 PITFALLS VC・CVCがDD/KPI集計にAI導入でつまずくポイントと対処 セキュリティ・社内定着・ツール選定でよくあるつまずきを整理します
Claude Codeをベンチャーキャピタル・CVCの現場に導入する際、多くの会社が最初につまずくのはセキュリティ面の線引きです。
ここまで紹介してきた便利さの裏側で、実際に導入するとなると出てくる現実的な悩みを、順番に整理していきます。
5-1. セキュリティと情報の取り扱い範囲
permission mode(操作許可の範囲)を適切に設定し、どのデータをAIに渡すか、どこまでの操作を許可するかを事前に線引きしておく必要があります。
📚 用語解説
permission mode:AIにどこまでの操作(読み取り・下書き作成・送信など)を許可するかを制御する設定です。範囲を絞って始め、慣れてから広げる使い方が一般的です。
まず読み取り専用の範囲で運用を始め、慣れてきた段階で許可する操作を広げていく進め方であれば、情報システム担当が不在の会社でも無理なく運用できます。
投資先やLPの財務データなど、機微な情報を扱う場合ほど、この設計を丁寧に行うことが導入の前提になります。何を渡して、何を渡さないかを、あらかじめ決めておくということです。
| 段階 | 許可する操作 | 目安の期間 | 関わる担当者 |
|---|---|---|---|
| 導入初期 | 読み取り・集計・下書き作成のみ | 最初の1〜2ヶ月 | アソシエイト・ファンドアドミ担当 |
| 慣れてきた段階 | 社内フォーマットへの自動保存を追加 | 3〜6ヶ月目以降 | 業務担当者本人 |
| 定着後 | 業務ごとに必要な操作範囲を個別に調整 | 運用が安定してから | 各業務の責任者 |
5-2. 社内での定着
最初から全業務をAI化しようとせず、DDのチェックリスト作成やポートフォリオKPIの集計など、負担の大きい一部の業務から試し、効果を実感してから範囲を広げていくほうが定着しやすくなります。
「便利そうだから」と全社に一斉導入するよりも、まず一人か二人が使いこなせるようになってから、周りに広げていくほうが、結果的に定着のスピードは早くなります。
5-3. ツール選定で押さえておきたいこと
Claude CodeとCodex、どちらが自社に合うかは、実際に画面を見ながら判断するのが早いです。まず自社が最初に試したい業務を決めてから、その業務での使いやすさを比較する順番がおすすめです。
月額料金や課金プランの違いも選定時のポイントですが、機能一覧を比較するよりも、自社の業務で実際に動かしてみたほうが、判断材料としては早く確実です。
「どちらのツールが優れているか」ではなく「自社のどの業務に使いたいか」を先に決めることが、ツール選定で遠回りしないコツです。
5-4. 現場でよくあるつまずきの実例
ひとつは、DDのチェックリスト作成とKPI集計とLPレポートを、初日からすべて一気に試そうとして途中で止まってしまうケースです。担当者ごとに温度差が生まれ、どの業務も中途半端になりがちです。
📚 用語解説
プロンプト:AIに対して、何をしてほしいかを伝える指示文のことです。難しいコマンドではなく、日本語の普通の文章で構いません。
もうひとつは、アソシエイトがプロンプトの書き方に戸惑い、結局誰も使わなくなってしまうケースです。「このDD資料をこの区分でチェックリストに整えて」といった業務の言葉をそのまま入力すれば十分ですが、この点が伝わっていないと、ツールを開かないまま放置されがちです。
三つ目は、投資先ごとにKPIデータの形式が違うことを考慮せずに集計を進め、数字がずれたまま報告してしまうケースです。形式の違いを事前に読み込ませておかないと、集計の精度は上がりません。
多くのつまずきに共通するのは、準備段階を飛ばして一気に始めてしまう点です。1つの業務に絞って慣れてから広げるほうが、結果的に早く定着します。
| つまずきポイント | 現実的な対処 |
|---|---|
| 全業務を一度にAI化しようとして頓挫 | DDやKPI集計など、負担の大きい業務を1〜2個に絞って試行 |
| 投資先ごとのKPI形式の違いを考慮せず数字がずれる | 形式の違いを事前に読み込ませ、集計ルールを固定する |
| アソシエイトがプロンプトの書き方に戸惑う | 最初の数回はパートナーやファンドアドミ担当が一緒に操作する |
| 読み込ませるデータの範囲を決めずに始める | permission modeで読み取り専用の範囲から着手する |
| 元データとドラフトの保存ルールがない | 案件フォルダにやり取りを保存する運用を決めておく |
AIに読み込ませた元データと、生成されたドラフトを、いつ・どの案件で使ったか分かる形で残しておくことも大切な運用ルールです。案件フォルダにやり取りを保存しておくだけで、最低限の記録になります。
特別なシステムを新たに導入する必要はありません。今使っているフォルダ構成やファイル管理のルールに、AIとのやり取りの保存を一項目加えるだけで十分です。
投資判断書やLPレポートは、後からLPへの説明を求められることもあります。元データとドラフトの保存履歴が、そのまま簡易的な記録として役立ちます。
ここまで見てきたように、つまずきの多くは技術的な難しさではなく、始め方の設計に起因します。業務を絞る、型を作る、記録を残す——この3つを押さえておけば、大きな失敗にはつながりにくくなります。
特にパートナーが数名しかいない小規模なVCでは、誰か一人が最初に使い方を覚え、その使い方を他のメンバーに共有していく進め方が、結果的に一番早く定着します。無理に全員同時に始めようとしないことが、遠回りに見えて一番の近道です。
文章だけでは伝わらない部分は、実際の画面をご覧いただくのが早いです。セミナーでは、DDのチェックリスト作成やKPI集計を実際に動かしながらお見せしています。
06 SEMINAR_CONTENT セミナー当日、DDやKPI集計の実演で何を話すのか 60分の時間割・実演する業務・よくある質問・参加対象を具体的に紹介します
「結局セミナーで何をするのか」が分からないと、参加を決めにくいと思います。60分の中身を具体的に紹介します。
6-1. 60分の時間割
| 時間帯 | 内容 |
|---|---|
| 最初の10分 | ベンチャーキャピタル・CVCの業務棚卸しと、Claude Code・Codexの全体像整理 |
| 次の25分 | DD項目別チェックリスト、ポートフォリオKPI集計、経営者面談議事録の実演デモ |
| 次の15分 | 参加者の悩みを募集し、その場で「うちならこう試すか」を設計 |
| 最後の10分 | 質疑応答と、来週何を試すかの言語化 |
この時間割が基本の流れです。実演デモで扱う具体的な資料例は、参加企業のファンド規模・投資ステージに応じて多少調整することもあります。
6-2. 実演する業務
実演の中心は、25分間のノーカットデモです。ベンチャーキャピタル・CVCの具体的な業務を、画面を動かしながらお見せします。
ポートフォリオKPIの集計では、投資先データを読み込ませるところから、異常検知・追加投資推奨のドラフトができるまでを実際に動かします。
経営者面談議事録の生成では、録音データを読み込ませて、要点を整理した議事録のドラフトができるまでの流れをお見せします。
業務ごとに入力と出力がどう変わるかを比較しながら見ていただくことで、自社ではどの業務から試すのが現実的かを判断しやすくしています。
6-3. その場で答える、こんな質問
| よくある質問 | 当日の回答の方向性 |
|---|---|
| DDはどこまでAIに任せられるか | 項目の洗い出しと下書きまでで、最終的な投資判断はパートナーが行う前提です |
| 第二種金融商品取引業の規制でAI活用は制限されるか | AIは事務効率化のツールとして投資助言ではない範囲で運用する考え方を説明します |
| 既にCarta・Affinityを使っているが不要になるか | 記録・管理ツールとの役割の違いと、組み合わせ方を説明します |
6-4. 参加対象
参加対象は代表・パートナー・会社役員としていますが、DDやKPI集計を担当するアソシエイト・アナリストの方にも参考にしていただける内容です。パソコン操作に不慣れな方でも、専門知識は前提としていません。
一方、投資業務を人に任せる想定がなく、代表お一人ですべての業務を完結されている場合は、効果を実感しにくいかもしれません。複数人で業務を分担している会社ほど、持ち帰れる材料は多くなります。
07 SEMINAR_BOOKING VC・CVC向けセミナーの参加方法と予約から当日までの流れ 無料・60分・オンラインの参加方法と、予約から当日までの流れを紹介します
ここまで紹介した内容を、実際の画面を動かしながら確認できる場として、60分の無料オンラインセミナーを開いています。
- 参加費は無料
- 60分・オンライン(Google Meet)開催
- 1社1枠の貸切で、実演を中心に進めます
- 空いている日程からそのまま予約できます
このページ下部の予約フォームで、空き日程を選ぶだけで予約が完了します(日程調整のメール往復はありません)。こちらの予約フォームからお進みください。
日程や内容の詳細はClaude Code セミナーの詳細ページでもご確認いただけます。
| この記事で分かったこと | セミナーで確認できること |
|---|---|
| Claude Code・Codexが何者か | 実際の画面での操作感 |
| 何を渡すと何が出てくるか(理屈) | 自社の業務に置き換えた場合の具体例 |
| 導入時のつまずきポイント | 自社ならどこから試すべきかの判断材料 |
| なぜそれが可能なのか(仕組み) | 実際に動いている様子を見て納得できるか |
| DD・KPI集計・LPレポートの変わり方 | 自社のDD資料を例にした質疑応答 |
| セキュリティ・社内定着の考え方 | 自社の運用ルールに落とし込む相談 |
この記事を読んで、Claude Code・Codexが何者かはお分かりいただけたと思います。あとは、自社の業務にどこまで使えそうか、実際の画面で確かめていただくだけです。
Claude CodeやCodexが自社に合うかどうかは、実際の画面を見るのが一番早い判断材料になります。押し売りはしませんので、まずは60分、実際の動きを確認してみてください。
参加無料・60分・オンライン(Google Meet)・1社1枠
よくある質問
Q. DD(デューデリジェンス)は投資判断に直結する重要な工程ですが、AIに任せて大丈夫でしょうか。
A. AIが作るのは項目別チェックリストと議事録の下書きまでで、実態との整合性確認や投資判断そのものは、これまで通りパートナーやアソシエイトが行います。財務・法務・技術・事業の区分があらかじめ読み込ませてあれば反映されます。最終的な確認と判断はこれまで通り人が行うため、判断の信頼性を保ったまま作業時間を圧縮できます。過去の類似案件のDD資料が多く蓄積されている会社ほど、下書きの精度も上がりやすくなります。
Q. 投資先やLPの機微な財務データをAIに読み込ませても問題ないですか。
A. 社内のDD資料や投資先データをどこまでAIに渡すか、扱う範囲の線引きも含めてセミナー内で説明しています。permission modeの設定で、最初は読み取り専用の集計・下書き作成のみに限定する運用も可能です。慣れてきた段階で、許可する操作の範囲を少しずつ広げていく進め方が現実的です。導入するかどうかの判断材料としてお持ち帰りいただけます。
Q. 第二種金融商品取引業や投資運用業の規制でAI活用は制限されますか。
A. AIは事務効率化のツールとして、投資助言そのものを行わない範囲で運用する考え方が基本です。コンプライアンス書類やファンドアドミ関連の書類作成は、むしろ様式の統一によって品質が上がりやすくなります。具体的な線引きの考え方はセミナー内で説明します。
Q. 既にCartaやAffinityを使っていますが、Claude Codeは不要になりますか。
A. CartaやAffinityは記録・管理のためのツールです。Claude Codeはそれらに蓄積されたデータを読み込んで、DD・モニタリング・LPレポート・採用文面まで横断する用途で補完する位置づけになります。どちらか一方に置き換えるものではありません。既存ツールのデータをそのまま活かせるかどうかも、セミナーで確認できます。
Q. Claude CodeとCodex、どちらを選べばよいですか。
A. どちらも生成AIを使った業務自動化ツールですが、ベンチャーキャピタル・CVCの現場業務での活用事例の蓄積が進んでいるのはClaude Codeです。開発元(Anthropic/OpenAI)が異なるだけで、基本的な使い方や非エンジニアでも扱える点は共通しています。まず自社が最初に試したい業務を決めてから、使いやすさを比較するのがおすすめです。
Q. ポートフォリオKPIの集計は、経験の浅いアソシエイトでも精度を保てますか。
A. AIが作るのはあくまで集計とドラフトで、異常値の解釈や追加投資の最終判断はパートナーが行う前提です。ベテランが最終チェックに集中できるようになるため、経験の浅いアソシエイトの育成期間中でも、下準備の負担を軽くする使い方ができます。ベテランによる確認そのものは残るため、育成の機会が失われるわけではありません。
Q. Claude Codeを使うと、アソシエイト・アナリストの仕事が奪われるのではないですか。
A. いいえ。AIが担うのはDD資料の整理や集計の下書き作成までで、経営者面談での対話や投資判断、LP対応といった人にしかできない業務はそのまま残ります。書類仕事の時間を減らし、案件の中身に集中する時間を増やすための道具です。むしろ担当できる案件数が増えたという声もあります。
Q. セミナーは代表・パートナー本人が参加しないといけませんか。
A. 代表・パートナー・会社役員向けを基本としていますが、DDやKPI集計を担う現場のアソシエイト・アナリストの方が実務目線で参加されることも歓迎しています。参加人数や役職については、お申し込み時にご相談ください。複数名での参加もご相談に応じます。
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ベンチャーキャピタル・CVCの投資業務は、DD(デューデリジェンス)の段階から、ポートフォリオKPIの月次集計、LPレポートのように四半期ごとに積み重なる業務まで、次々と積み重なっていきます。Claude CodeやCodexが何者かという基本から、実際に何ができて何ができないかまで、文章だけではどうしても掴みにくい部分があります。自社のDD資料やKPIデータを例に、実際の画面を見ながら自社に合う業務を見極められる場として、60分の無料セミナーを用意しています。
ここから先の進め方は、大きく2つあります。
自社で回せるようになりたい方は、AI鬼管理でClaude Code/Codexの使い方から業務設計・社内定着まで伴走を受けながら、社内に仕組みを作る道があります。
覚えるより任せたい方は、AI社員AIKATAでこの記事のような定型業務を丸ごと預ける道があります。料金は月30万円の月額定額、追加費用は0円です。
どちらが合うかは、業務量と社内体制次第です。無料相談・無料適合診断で、貴社の場合はどちらが向くかからご相談いただけます。
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