【2026年5月最新】ChatGPT/Claudeプロンプトの書き方|業務で即使えるテンプレート10選
この記事の内容
「ChatGPTにお願いしたのに、全然欲しい答えが返ってこない」——そんな経験はありませんか?
ChatGPTやClaudeなどの生成AIは、使い方次第で業務時間を月160時間以上削減できる強力なツールです。しかし「指示の出し方(プロンプトの書き方)」が曖昧だと、期待通りの出力が得られず、結局手作業に戻ってしまうケースが後を絶ちません。
この記事では、ChatGPT・Claudeのプロンプトの書き方を業務視点で完全解説します。基本原則6つ、コピペOKのテンプレート10選、深津式・Few-Shot・CoTなど5つの型、さらに弊社(株式会社GENAI)がClaude Code Max 20xプランで月160時間を削減している実運用ルールまで公開します。
この記事を最後まで読むと、以下が身につきます。
01 WHAT IS PROMPT プロンプトとは?「指示の出し方」が成果の9割を決める AIへの命令文=プロンプト。その質が出力を決める
プロンプト(prompt)とは、ChatGPTやClaudeなどの生成AIに入力する指示文・命令文のことです。日本語では「AIへの質問」と理解されがちですが、正確には「AIに仕事を依頼するための指示書」です。
📚 用語解説
プロンプト(Prompt):AIに対する入力テキスト全体を指す。質問文、指示文、条件設定、参考情報、出力形式の指定などすべてを含む。「AI向けの業務指示書」と理解するのが実用的です。
なぜプロンプトが重要なのか。それは同じAIでも、指示の出し方で出力品質が劇的に変わるからです。
1-1. 同じ質問でも出力が変わる具体例
以下の2つのプロンプトを見比べてください。
議事録を作って
以下の会議音声の書き起こしから、議事録を作成してください。 # 出力形式 - 日時・参加者・議題を冒頭に記載 - 決定事項を箇条書きで列挙 - 各決定事項に担当者と期限を明記 - 未決事項は「次回持ち越し」として分離 # 会議の書き起こし (ここにテキストを貼り付け)
NG例では「何の会議か」「どんな形式で出力するか」「何を重視するか」が一切伝わっていません。AIは推測で応答するため、的外れな出力になります。OK例では目的・形式・条件が明示されているため、AIは迷わず期待通りの議事録を生成できます。
1-2. プロンプトスキルは「業務スキル」である
プロンプトの書き方を学ぶことは、「AIを使いこなす技術」ではなく「仕事の指示力を磨くこと」と同義です。実際、プロンプトが上手い人は、人間への業務指示も的確であることが多い。なぜなら、両者に必要なスキルが同じだからです。
この記事で紹介する6原則・10テンプレート・5つの型は、すべてこの「業務指示力」を体系化したものです。AI時代に最も価値のある「ポータブルスキル」として身につけてください。
📚 用語解説
プロンプトエンジニアリング:AIから最適な出力を引き出すためのプロンプト設計技術。専門職を指す場合もあるが、実務上は「AIへの指示の出し方を体系的に理解している」レベルで十分。エンジニアでなくても習得可能です。
02 SIX PRINCIPLES プロンプトの書き方6つの基本原則 この6つを押さえれば、出力品質が劇的に安定する
プロンプトの書き方には「これさえ守れば80点以上の出力が安定して得られる」基本原則があります。以下の6つです。
明確さ
Clarity
役割設定
Role
出力形式
Format
タスク分解
Decompose
文脈提供
Context
反復改善
Iterate
原則1:明確さ(Clarity)— 曖昧さを排除する
最も重要な原則です。AIに対して「何を」「どのように」「どの程度」出力してほしいかを明確に書きます。
| NG(曖昧) | OK(明確) |
|---|---|
| 「いい感じのメールを書いて」 | 「取引先A社の田中部長に、納期2日延長のお詫びメールを300字以内で書いて」 |
| 「ブログ記事を作って」 | 「SEOキーワード"プロンプト 書き方"で、3000字の記事構成案をH2×5本で作って」 |
| 「データを分析して」 | 「添付CSVの月次売上データから、前年同月比+20%以上の商品を抽出して表にして」 |
書いたプロンプトを読み直して「誰が読んでも同じ解釈になるか?」を確認しましょう。複数の解釈ができる場合、AIも迷って中途半端な出力を返します。5W1H(何を・誰に・なぜ・いつまでに・どこで・どうやって)を意識すると自然と明確になります。
原則2:役割設定(Role Setting)— AIに専門家を演じさせる
プロンプトの冒頭で「あなたは○○の専門家です」と役割を設定すると、その分野に特化した知識・語彙・視点で回答が生成されます。これを「ロールプロンプティング」と呼びます。
あなたはBtoB SaaSのマーケティング責任者(CMO)です。 以下の条件でFacebook広告のコピーを5案作成してください。 # 条件 - ターゲット:従業員50〜300名の中小企業の経営者 - 商材:業務自動化AIツール - トーン:専門的だが親しみやすい - 文字数:見出し25字以内、本文80字以内
役割を設定するだけで、出力の専門性・語彙の適切さ・視点の一貫性が大幅に向上します。「マーケターとして書いて」「弁護士の視点で確認して」「経理担当者として仕訳して」など、業務に合わせた専門家ロールを使い分けましょう。
📚 用語解説
ロールプロンプティング:AIに特定の役割・立場を演じさせるプロンプト手法。「あなたは〇〇です」と冒頭で宣言することで、その役割に沿った語彙・知識・判断基準で回答が生成される。最も手軽に出力品質を上げる基本テクニック。
原則3:出力形式の指定(Output Format)— 「どう出すか」を決める
AIに出力のフォーマットを明示すると、後処理の手間が激減します。「箇条書き」「表形式」「JSON」「マークダウン」「メール文面」など、用途に応じたフォーマットを指定しましょう。
以下のミーティングメモから、タスクリストを抽出してください。 # 出力形式(厳守) | No. | タスク内容 | 担当者 | 期限 | 優先度 | |-----|-----------|--------|------|--------| # 制約 - 優先度は「高/中/低」の3段階 - 期限不明のものは「要確認」と記載 - 担当者不明のものは空欄
原則4:タスク分解(Task Decomposition)— 大きな仕事は分割する
複雑な業務を1つのプロンプトで丸投げするより、ステップに分割して順番に指示する方が精度が上がります。
| 一括指示(精度が下がる) | 分割指示(精度が安定する) |
|---|---|
| 「競合5社を調べて、比較表を作って、差別化ポイントをまとめて、提案書にして」 | Step1「競合5社の特徴を箇条書きで整理して」→ Step2「比較表を作って」→ Step3「差別化ポイントを3つ提案して」→ Step4「提案書のアウトラインにして」 |
目安として、1つのプロンプトでは1つのゴールに絞りましょう。複数のゴールを混ぜると、AIの注意力が分散して各パートの品質が下がります。
「調査→分析→判断→文書化」のように工程が異なるタスクを連続で依頼する場合。各工程の出力を確認してから次に進むことで、途中の誤りが最終出力まで波及するのを防げます。
原則5:文脈提供(Context Provision)— 前提知識を渡す
AIは汎用的な知識を持っていますが、あなたの会社の事情・業界慣行・社内用語は知りません。必要な背景情報をプロンプトに含めることで、的外れな回答を防げます。
# 背景情報 - 弊社はBtoB SaaSを提供する従業員30名のスタートアップ - 主力製品は「AI鬼管理」(業務自動化ツール) - ターゲットは中小企業の経営者(非エンジニア) - 競合はChatGPT連携ツール全般 # 依頼 上記の前提をふまえて、次回セミナーの集客メールの件名を10案出してください。
特にClaude Codeでは、CLAUDE.mdファイルに会社情報やプロジェクト情報を書いておくと、毎回文脈を渡す手間がなくなります(詳細は第7章で解説)。
原則6:反復改善(Iterative Feedback)— 1回で完璧を求めない
プロンプトは最初から完璧を目指す必要はありません。1回出力を確認し、「ここをもっと具体的に」「この部分は不要」「トーンをもう少しカジュアルに」とフィードバックを繰り返して、理想の出力に近づけていきます。
(1回目の出力を受けて) ありがとうございます。以下の点を修正してください: - 冒頭の挨拶文は不要、本題から入って - 3つ目の提案は具体的な数字を入れて - 全体のトーンをもう少しフォーマルに
すべてのプロンプトに6原則を盛り込む必要はありません。簡単な質問なら原則1(明確さ)だけで十分。複雑な業務タスクのときに、必要な原則を組み合わせるイメージで使ってください。
03 TEMPLATES 業務で即使えるプロンプトテンプレート10選【コピペOK】 そのままコピペして使える実務テンプレートを厳選
ここからは、実際の業務で即使えるプロンプトテンプレートを10本お届けします。すべてコピペしてそのまま使える形式にしてあります。【】内を自社の情報に差し替えるだけでOKです。
テンプレート1:議事録作成
あなたは議事録作成の専門家です。 以下の会議の書き起こしから、議事録を作成してください。 # 出力形式 1. 会議概要(日時・参加者・議題) 2. 決定事項(箇条書き、各項目に担当者・期限) 3. 議論のポイント(3〜5行で要約) 4. 次回までのTODO(担当者別) # 制約 - 固有名詞は正確に記載 - 発言者の意図が伝わるよう、要約しすぎない - 未決事項は「次回持ち越し」として明示 # 書き起こし 【ここに会議の書き起こしテキストを貼り付け】
テンプレート2:提案書ドラフト
あなたはBtoBの営業コンサルタントです。 以下の情報をもとに、提案書のドラフトを作成してください。 # 顧客情報 - 企業名:【企業名】 - 業種:【業種】 - 従業員数:【人数】名 - 課題:【ヒアリングで聞いた課題】 # 提案内容 - サービス名:【自社サービス名】 - 解決する課題:【課題に対する解決策】 - 期待効果:【数値で示せる効果】 # 出力形式 1. 表紙(タイトル・日付・提出者) 2. 課題の整理(3点以内) 3. 提案内容(概要→詳細) 4. 導入スケジュール(1ヶ月刻み) 5. 費用概算 6. 期待効果(数値入り) # トーン - 専門的だが読みやすい - 結論ファーストで構成
テンプレート3:メール返信
以下のメールに対する返信を作成してください。 # 返信の方針 - 【承諾する / 丁重にお断りする / 条件付きで対応する】 - トーン:【フォーマル / カジュアル / ビジネスカジュアル】 - 文字数:【200字以内 / 300字程度】 # 補足で伝えたいこと - 【追加で伝えたい情報・条件】 # 受信メール 【ここに元のメールを貼り付け】
テンプレート4:競合分析
あなたは市場調査アナリストです。 以下の競合企業について分析してください。 # 対象企業 【競合企業名を3〜5社記載】 # 分析項目 1. サービス概要(1社あたり3行以内) 2. 料金体系 3. ターゲット層 4. 強み / 弱み 5. 自社との差別化ポイント # 出力形式 - 比較表(横軸:企業名、縦軸:分析項目) - 最後に「自社が勝てるポジション」を3点で結論 # 自社情報 - サービス名:【自社サービス名】 - 特徴:【自社の強み】
テンプレート5:求人票作成
あなたは採用コンサルタントです。 以下の条件で求人票を作成してください。 # 募集要項 - ポジション:【職種名】 - 雇用形態:【正社員 / 業務委託 / パート】 - 勤務地:【場所 / リモート可】 - 給与:【月額 or 年収レンジ】 - 必須スキル:【箇条書き】 - 歓迎スキル:【箇条書き】 # 会社の魅力(求職者に伝えたいこと) 【自由記述】 # 出力形式 - 冒頭にキャッチコピー(30字以内) - 仕事内容(箇条書き5〜8点) - 求める人物像(3〜5点) - 待遇・福利厚生 - 選考プロセス # トーン - 堅すぎず、かつ信頼感のあるトーン
テンプレート6:人事評価コメント
あなたは人事評価の専門家です。 以下の情報をもとに、評価コメントを作成してください。 # 被評価者情報 - 氏名:【名前】 - 部署:【部署名】 - 等級:【等級・役職】 - 評価期間:【20XX年X月〜X月】 # 実績 【箇条書きで主な成果を記載】 # 出力形式 1. 総合コメント(3〜5行) 2. 強み(2〜3点) 3. 改善点(1〜2点、建設的な表現で) 4. 次期に期待すること # トーン - ポジティブだが事実ベース - 改善点は具体的な行動提案を含む
テンプレート7:ブログ記事構成案
あなたはSEOライティングの専門家です。 以下の条件でブログ記事の構成案を作成してください。 # 記事情報 - メインキーワード:【キーワード】 - ターゲット読者:【誰に向けた記事か】 - 記事の目的:【読者に何をしてほしいか】 - 想定文字数:【3000字 / 5000字 / 8000字】 # 出力形式 - タイトル案(3つ) - H2見出し×5〜8本(各見出しの下に2行で内容メモ) - リード文(200字) - CTA(記事末尾に誘導するアクション) # SEO制約 - メインキーワードをタイトル・H2に含める - 検索意図に沿った構成にする
テンプレート8:広告コピー
あなたはダイレクトレスポンス広告のコピーライターです。 以下の条件でFacebook広告のコピーを5案作成してください。 # 商材 - サービス名:【名前】 - 特徴:【3点以内で】 - ターゲット:【ペルソナ】 - 訴求ポイント:【最も伝えたい価値】 # 出力形式(1案につき) - 見出し:25字以内 - 本文:80字以内 - CTA文言:10字以内 # 制約 - 誇大表現・薬機法抵触表現は禁止 - 数字を1つ以上含める - 5案はそれぞれ異なる切り口で
テンプレート9:FAQ作成
あなたはカスタマーサポートの責任者です。 以下のサービスについて、よくある質問(FAQ)を作成してください。 # サービス情報 - サービス名:【名前】 - 概要:【1〜2文で】 - ターゲット:【利用者層】 - 料金体系:【概要】 # 出力条件 - 質問数:10問 - カテゴリ分け:「導入前」「利用中」「料金」「解約」 - 各回答:100〜200字 - 回答トーン:丁寧だが簡潔 # よく聞かれる質問(あれば) 【実際に寄せられた質問を記載】
テンプレート10:データ要約
以下のデータを要約し、経営層向けのサマリーを作成してください。 # 出力形式 1. エグゼクティブサマリー(3行以内) 2. 主要KPI(表形式:指標名 / 今月 / 前月 / 前年同月 / 評価) 3. 注目すべきポイント(3点、各2行以内) 4. 推奨アクション(2〜3点) # 制約 - 専門用語は最小限に - 数字は四捨五入して読みやすく - ネガティブな数字も隠さず記載 # データ 【ここにデータを貼り付け(CSV、表、テキストいずれもOK)】
テンプレートは「完成形」ではなく「出発点」です。使ってみて「こういう条件も必要だ」と気づいたら、どんどん追記して自分専用のテンプレートに育てましょう。Claude Codeの場合、CLAUDE.mdファイルに保存しておけば次回から自動的に読み込まれます。
04 PROMPT PATTERNS プロンプトの「型」5選:深津式・Few-Shot・CoTなど 体系化されたプロンプトの設計パターンを使い分ける
プロンプトの書き方には、先人が体系化した「型(パターン)」があります。ここでは実務で特に使用頻度が高い5つの型を紹介します。
| 型 | 概要 | 向いているタスク | 難易度 |
|---|---|---|---|
| 深津式 | 制約条件を構造的に列挙する日本語特化型 | 日本語の業務タスク全般 | 低 |
| Few-Shot | 入力→出力の例を数ペア見せてパターンを学習させる | 分類・変換・定型文生成 | 低 |
| Chain-of-Thought (CoT) | 推論過程をステップで考えさせる | 計算・論理・複雑な判断 | 中 |
| ReAct | 思考→行動→観察のサイクルで問題を解かせる | リサーチ・複数ステップの業務 | 高 |
| Zero-Shot | 例を見せずに指示だけで回答させる(基本形) | 簡単な質問・雑談・アイデア出し | 最低 |
4-1. 深津式プロンプト — 日本語ビジネスの標準形
深津式は、note CXO深津貴之氏が提唱した日本語特化のプロンプト構造です。「命令」「制約条件」「入力文」「出力文」の4ブロックで構成し、制約条件を箇条書きで列挙するのが特徴です。
# 命令書
あなたは{役割}です。
以下の制約条件と入力文をもとに、最高の{出力}を出力してください。
# 制約条件
- 文字数は{X}字程度
- {条件1}
- {条件2}
- {条件3}
# 入力文
{ここにインプット情報}
# 出力文
日本のビジネス現場では最も広く使われている型です。構造が明確で再現性が高いため、チームで共有するテンプレートに向いています。前章の10テンプレートもこの深津式をベースにしています。
📚 用語解説
深津式プロンプト:note CXO深津貴之氏が提唱したプロンプト設計パターン。「命令」「制約条件」「入力文」「出力文」の4ブロック構成で、日本語での業務利用に最適化されている。2023年の登場以来、日本のビジネスAI利用における事実上の標準形。
4-2. Few-Shot — 例を見せて「こういう感じで」と教える
Few-Shotは、入力と出力の例を数ペア(2〜5組)プロンプトに含めることで、AIに「こういうパターンで処理して」と学習させる手法です。
以下の顧客フィードバックを「ポジティブ」「ネガティブ」「中立」に分類してください。 # 例 入力: 「対応が丁寧で助かりました」 → ポジティブ 入力: 「返信が遅すぎて困った」 → ネガティブ 入力: 「普通に使えています」 → 中立 # 分類対象 1. 「UIが直感的で使いやすい」 2. 「料金が高いと感じる」 3. 「特に問題なく動作しています」 4. 「サポートの回答が的外れだった」 5. 「導入して業務が楽になった」
Few-Shotが威力を発揮するのは、「言葉で説明しづらいが、例を見れば分かる」タスクです。文体の統一、分類基準、フォーマット変換などに特に有効です。
4-3. Chain-of-Thought (CoT) — 推論過程を明示させる
Chain-of-Thought(CoT)は、AIに「ステップバイステップで考えて」と指示することで、複雑な推論の精度を上げる手法です。
以下の問題について、ステップバイステップで考えてから結論を出してください。 # 問題 A社の月額プランは50,000円で、初期費用30万円がかかります。 B社の月額プランは80,000円で、初期費用は無料です。 何ヶ月以上使うなら、A社の方がトータルコストで安くなりますか? # 回答形式 Step 1: (計算過程) Step 2: (計算過程) ... 結論: 〇〇ヶ月以上ならA社が安い
CoTは計算問題・論理推論・比較判断で特に効果を発揮します。「最終結論だけ出して」と指示するより、「過程を見せて」と指示する方がAIの回答精度が上がることが研究で証明されています。
難しく考える必要はありません。プロンプトの末尾に「ステップバイステップで考えてください」の一文を追加するだけで効果があります。これだけで複雑な問題の正答率が大幅に上がります。
4-4. ReAct — 思考→行動→観察のサイクル
ReAct(Reasoning + Acting)は、AIに「考える→調べる→結果を見る→次を考える」のサイクルで問題を解かせるパターンです。Claude Codeのようなエージェント型AIで自然に使われている手法です。
以下のリサーチタスクを、Thought→Action→Observationのサイクルで実行してください。 # タスク 「競合3社の最新の料金プラン」を調査し、比較表にまとめる # 実行形式 Thought: 何を調べるべきか考える Action: 調査する(ファイル確認・Web検索等) Observation: 結果を整理する → 繰り返し Final Answer: 比較表を出力
ReActは手動で書くプロンプトというより、Claude Codeが内部で自動的に使っているパターンです。人間がReActを意識する場面は、複雑なリサーチ業務の設計時に「AIにどう調べさせるか」を構造化したいときです。
4-5. Zero-Shot — 例なし・最もシンプルな形
Zero-Shotは、例も型も使わずにストレートに質問・指示するパターンです。最もシンプルで、日常的な質問やアイデア出しに向いています。
「リモートワークのメリットを5つ教えて」
Zero-Shotはシンプルな分、複雑な業務タスクには向きません。ただし、ChatGPTやClaudeの基本性能が年々向上しているため、かつてはFew-Shotが必要だったタスクでもZero-Shotで十分な精度が出るケースが増えています。
📚 用語解説
Zero-Shot / Few-Shot / Many-Shot:AIに見せる例の数による分類。Zero-Shot=例なし、Few-Shot=2〜5例、Many-Shot=10例以上。例が多いほどAIの出力が安定するが、プロンプトが長くなりコストも増える。業務では2〜3例のFew-Shotが実用上のスイートスポット。
05 CHATGPT VS CLAUDE ChatGPT vs Claude:プロンプトの効き方の違い 同じプロンプトでもツールによって反応が違う理由
ChatGPTとClaudeは、同じプロンプトを入力しても出力の傾向が異なります。それぞれの特性を理解して、プロンプトの書き方を使い分けることで、より高い品質の出力を引き出せます。
5-1. Claudeは「構造化プロンプト」に強い
Claudeはマークダウン記法の見出し(#)や箇条書き(-)で構造化されたプロンプトに対して、非常に忠実に応答する特性があります。「# 制約条件」「# 出力形式」のように明示的にセクションを分けると、各セクションの指示を漏れなく反映した出力を返します。
| 特性 | Claude | ChatGPT |
|---|---|---|
| 構造化プロンプトへの忠実度 | 非常に高い。指示を漏らさず反映 | 高いが、長いプロンプトでは一部見落とすことがある |
| 会話的な指示への反応 | 対応するが、構造化の方が精度UP | 自然で流暢。会話口調でも意図を汲みやすい |
| 長文コンテキスト処理 | 20万トークン対応。長い文書の精度安定 | 12.8万トークン対応。長すぎると後半が弱い |
| 出力の一貫性 | 指示に忠実で安定 | 創造的だがブレることがある |
| 日本語の自然さ | 自然で硬すぎない | 自然だがやや饒舌 |
5-2. ChatGPTは「会話的な指示」に強い
ChatGPTは自然な会話口調の指示に対して柔軟に対応します。「こんな感じで」「もっとカジュアルに」といった抽象的なフィードバックを理解する能力が高く、ブレストやアイデア出しのパートナーとして優秀です。
ただし、業務で「毎回同じ品質の出力を安定して出す」という再現性が求められる場合は、Claudeの方が適しています。プロンプトの構造に忠実に従う特性があるため、テンプレート化した業務プロンプトとの親和性が高いのです。
5-3. 長文コンテキストでの差
Claudeの最大の強みの一つが長文コンテキスト処理です。Claude Opus/Sonnetは20万トークン(約15万字)のコンテキストウィンドウを持ち、長い文書・複数ファイル・大量のデータを一度に読み込んでも精度が落ちにくい設計になっています。
ChatGPTも12.8万トークンに対応していますが、入力が長くなると後半の情報を見落とす傾向(Lost in the Middle問題)が報告されています。大量の社内資料を一括で読み込ませるような業務では、Claudeの方が安心です。
構造化された定型業務 → Claude(深津式プロンプト)。自由な発想・ブレスト → ChatGPT(会話口調)。迷ったらClaude。再現性と忠実度で業務品質が安定します。
📚 用語解説
Lost in the Middle問題:AIに長いテキストを入力した際、冒頭と末尾の情報は正しく処理されるが、中間部分の情報を見落としやすい現象。2023年の研究で報告された。Claudeは独自の長文処理アーキテクチャにより、この問題を軽減しています。
06 PITFALLS プロンプトの注意点とよくある失敗パターン やりがちな5つのミスと、その回避法
ここまでの原則・テンプレート・型を押さえていても、以下の失敗パターンにハマると出力品質が大幅に低下します。実務で特によくある5つのパターンを紹介します。
失敗パターン1:情報の詰め込みすぎ
1つのプロンプトに複数のゴール・大量の制約条件・膨大な背景情報を詰め込むと、AIは何を優先すべきか判断できなくなり、中途半端な出力を返します。
プロンプト1つにつきゴールは1つ。背景情報は「この回答に必要な情報だけ」に絞る。制約条件は5つ以内を目安に。それ以上ある場合はタスクを分割するサイン。
失敗パターン2:否定形の指示
「〇〇しないでください」「〇〇は含めないで」のような否定形の指示は、AIが無視しやすいことが知られています。AIは「何をすべきか」の肯定形指示に対して忠実に動きます。
| NG(否定形) | OK(肯定形) |
|---|---|
| 「難しい言葉を使わないで」 | 「中学生が読んで分かる言葉で書いて」 |
| 「長文にしないで」 | 「300字以内で書いて」 |
| 「丁寧すぎないで」 | 「ビジネスカジュアルのトーンで」 |
失敗パターン3:抽象的すぎる依頼
「良い提案をして」「最適化して」「改善して」のような抽象度の高い動詞は、AIにとって解釈の幅が広すぎて的外れな出力になります。
対策は、「良い」「最適」「改善」を具体的な判断基準に置き換えることです。「CTRが2%以上になるコピー」「処理速度が30%速くなるリファクタ」「離脱率が下がるファーストビュー」のように、数字や基準を入れましょう。
失敗パターン4:AIの知識を過信する
ChatGPTやClaudeは膨大な知識を持っていますが、最新情報・社内固有の情報・ニッチな業界知識は持っていません。AIに「知っているはず」と前提して質問すると、もっともらしいが間違った情報(ハルシネーション)を返すリスクがあります。
AIに前提知識が必要な情報は、プロンプト内に明示的に含める。「あなたの知識から」ではなく「以下の情報をもとに」の形で、参照すべきデータを渡す。特に数字・固有名詞・最新情報は必ず自分で確認する。
📚 用語解説
ハルシネーション(Hallucination):AIが事実と異なる情報をもっともらしく生成する現象。「幻覚」の意。存在しない論文を引用する、架空の統計データを出す、間違った企業情報を述べる等が典型例。プロンプトで「分からない場合は正直に言って」と指示すると軽減できる。
失敗パターン5:フィードバックなしの一発勝負
最初の出力が期待通りでなかったとき、プロンプトを一から書き直す人が多いですが、これは非効率です。AIとの対話は「会話」なので、そのまま修正指示を出す方が早くて精度も高いです。
07 GENAI RULES 【独自データ】GENAI社のプロンプト運用ルール Claude Code Max 20xで月160時間削減した実際の運用方法
ここでは、弊社(株式会社GENAI)がClaude Code Max 20xプランを全社導入し、月160時間の業務削減を実現しているプロンプト運用の仕組みを公開します。
7-1. CLAUDE.mdファイルに再利用プロンプトを蓄積
弊社のプロンプト運用で最も核になっているのが、CLAUDE.mdファイルです。Claude Codeはプロジェクトフォルダ内に置かれたCLAUDE.mdファイルを自動的に読み込むため、ここに会社情報・ルール・テンプレート・制約条件を書いておけば、毎回プロンプトに含める必要がなくなります。
# 会社情報 - 株式会社GENAI(ジェナイ) - 事業:AI導入支援サービス「AI鬼管理」 - ターゲット:中小企業の経営者(非エンジニア) # 記事執筆ルール - 対象読者は非エンジニア - 専門用語は初出時に必ず解説 - 一文は60字以内を目安 - CTA文言は「Webでお問い合わせ」「公式LINEでお問い合わせ」の2種固定 # メール作成ルール - 返信は結論ファースト - 300字以内を基本 - 「お世辞」「前置き」は不要
この仕組みにより、チームの誰がClaude Codeを使っても同じ品質の出力が出る状態を実現しています。個人のプロンプトスキルに依存しないため、新メンバーが加わっても即日で業務AIを活用できます。
📚 用語解説
CLAUDE.md:Claude Codeがプロジェクト起動時に自動読み込みするマークダウンファイル。ここに書かれた情報は全てのプロンプトの「暗黙の前提」としてAIに伝わる。「毎回書く定型指示」をゼロにする、Claude Code最大の生産性向上機能。
7-2. プロンプトテンプレートの共有と進化
弊社では、業務で使ったプロンプトのうち再利用性が高いものをテンプレートとしてCLAUDE.mdに追記していきます。
日常業務で
プロンプト作成
80点以上の
出力が出たら
テンプレ化して
チーム共有
使うたびに
微修正
重要なのは、テンプレートは「完成」しないという考え方です。業務内容の変化、AIモデルのアップデート、新たに見つかった最適化パターンを反映して、CLAUDE.mdは常に進化し続けます。弊社では月1回のペースでテンプレートの棚卸しを行い、古いものを削除・統合しています。
7-3. 業務領域別の削減実績
| 業務 | 月間削減時間 | プロンプト活用方法 |
|---|---|---|
| 記事執筆 | 約50時間 | 構成案→執筆→SEO最適化をテンプレートで連鎖 |
| 営業資料 | 約30時間 | 顧客別提案書をCLAUDE.mdのテンプレートで生成 |
| メール対応 | 約20時間 | 返信テンプレート+過去文面のFew-Shotで統一 |
| 経理処理 | 約25時間 | 仕訳ルールをCLAUDE.mdに定義、自動判定 |
| 議事録 | 約15時間 | 録音テキスト→決定事項抽出の固定テンプレート |
| 広告運用 | 約20時間 | レポート生成+改善提案のCoT型プロンプト |
合計:月160時間(フルタイム1名分)の業務をClaude Codeが吸収。月30,000円(Max 20xプラン)で人件費25万円以上に相当する業務量を処理しています。
自分の業務で「毎回同じような指示をAIに出している」ものがあれば、それをテキストファイルに保存するところから始めましょう。Claude Codeユーザーなら、プロジェクトフォルダにCLAUDE.mdファイルを作成して記載するだけ。5分で仕組み化が完了します。
08 CONCLUSION まとめ:プロンプトは「業務スキル」として磨き続ける プロンプトの書き方を身につければ、AIは最強の業務パートナーになる
この記事では、ChatGPT・Claudeのプロンプトの書き方を、基本原則から実践テンプレート、設計パターン、注意点、そして弊社の実運用ルールまで体系的に解説しました。最後にポイントを振り返ります。
プロンプトの書き方は、一度学んだら終わりではなく、業務で使い続けることで精度が上がるスキルです。今日紹介した10テンプレートの中から1つ選んで、今日の業務で試してみてください。1回使えば「もうAIなしには戻れない」と実感するはずです。
プロンプト設計から業務自動化まで、AI鬼管理が伴走します
「テンプレートは分かったが、自社にどう適用するか分からない」
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そんな方のために、プロンプト設計から業務自動化の仕組み構築まで、個別にご支援します。
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よくある質問
Q. プロンプトの書き方を学ぶのに、プログラミング知識は必要ですか?
A. 一切不要です。プロンプトは自然な日本語で書くものなので、普段の仕事で部下やチームメンバーに指示を出せる方であれば、今日から実践できます。
Q. ChatGPTとClaudeで同じプロンプトを使い回せますか?
A. 基本的には使い回せます。ただし、Claudeはマークダウン構造への忠実度が高いため、構造化プロンプト(見出し・箇条書き)を使うとClaudeの方がより正確に反映されます。ChatGPTは会話的な指示にも柔軟に対応します。
Q. プロンプトの長さに制限はありますか?
A. ChatGPTは約12.8万トークン、Claudeは約20万トークンが入力上限です。業務で使う分には、よほど長大な文書を丸ごと入力しない限り上限に達することはありません。
Q. 深津式とFew-Shot、どちらを先に覚えるべきですか?
A. 深津式を先に覚えることを推奨します。深津式は日本語の業務タスク全般に使える汎用型で、構造も分かりやすいため初心者向きです。Few-Shotは「分類」「変換」など特定のパターンタスクで追加的に使うイメージです。
Q. AIが間違った回答を返したとき、どうすればいいですか?
A. 「ここが間違っています。正しくは〇〇です。修正してください」と具体的に指摘すればOKです。また、プロンプトに「確信が持てない情報は必ず明示してください」と追記すると、AIが不確かな部分を正直に報告するようになります。
Q. CLAUDE.mdファイルとは何ですか?普通のChatGPTでも使えますか?
A. CLAUDE.mdはClaude Code専用の設定ファイルで、プロジェクト起動時に自動読み込みされます。ChatGPTでは同等機能として「Custom Instructions」や「GPTs」がありますが、ファイルベースの自動読み込みはClaude Code固有の機能です。
Q. プロンプトテンプレートを社内で共有するベストな方法は?
A. Claude Codeを使っている場合はCLAUDE.mdファイルに記載してGitリポジトリで共有するのが最適です。ChatGPTの場合はNotionやGoogle Docsにテンプレート集を作り、全員がコピペで使える状態にしておくのが実用的です。
Q. 月160時間の削減は本当に可能ですか?
A. 弊社の実績値です。ただし、1日目から160時間削減できるわけではありません。まず1業務から始めて、3ヶ月かけて対象業務を広げていった結果の数字です。最初は月10時間の削減から始まり、CLAUDE.mdへのテンプレート蓄積が進むにつれて加速度的に増えました。
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