【2026年8月最新】Claude Codeのセキュリティ設定10選|経営者が社内導入前に押さえる権限・アクセス管理ガイド
「Claude Codeを社内で使い始めたいが、セキュリティ面で何を設定すればいいのか分からない」——非エンジニアの経営者・管理職からよく相談される悩みです。ターミナル上でファイル操作やコマンド実行までこなす自律型のAIエージェントだけに、「何でもできてしまう」ことへの不安は当然出てきます。
実際には、Claude Codeには権限モード・許可リスト・監査ログなど、業務利用を安全に運用するための設定項目がいくつも用意されています。問題は、それが技術者向けのドキュメントに散らばっていて、経営者・管理職の目線で「何を・なぜ設定するのか」がまとまっていない点です。
この記事では、Claude Codeを社内導入する際に押さえておきたいセキュリティ設定10選を、非エンジニアでも判断できるレベルまで噛み砕いて整理します。加えて、Max 20xプランを全社運用している弊社(株式会社GENAI)が、実際にどのようなルールで運用しているかも公開します。
この記事を最後まで読むと、次の6つが明確になります。
01 WHY IT MATTERS なぜ「セキュリティ設定」が経営課題なのか IT部門だけの話ではなく、経営判断の話であるという前提
Claude Codeのような自律型AIエージェントが従来のチャットAIと決定的に違うのは、指示を受けて自分で複数ステップを実行する点です。ファイルを読む、書き換える、コマンドを実行する——これらを人間が一つひとつ確認せずに任せられるのが便利さの核心である一方、設定を誤ると「意図しない範囲まで操作されてしまう」リスクも同時に生まれます。
📚 用語解説
自律型エージェント:目的を与えると、そこに向けて複数のステップを自分で計画・実行するAI。Claude Codeは「このフォルダを整理して」「このメールに返信して」といった抽象的な指示を受けて、ファイル操作やコマンド実行を自ら判断して進めます。
ここで重要なのは、「Claude Codeが危険だから設定する」わけではないという点です。むしろ、権限設定を正しく行うことで、Claude Codeは「勝手に暴走するツール」から「決められた範囲内で安全に働く社員」に変わります。設定は制限のためだけでなく、安心して業務を任せるための土台でもあります。
1-1. 「最小権限の原則」という考え方
セキュリティ設定を考える上での大原則が「最小権限の原則」です。これは「その作業に必要な権限だけを与え、それ以上は与えない」という考え方で、人事管理における「新入社員にいきなり全システムの管理者権限を渡さない」という発想と同じです。
📚 用語解説
最小権限の原則:ある作業を行うために必要な最小限の権限だけを与えるという情報セキュリティの基本原則。Claude Codeでいえば「請求書のチェックだけを任せるなら、経理フォルダ以外にはアクセスさせない」といった設計がこれにあたります。
「このAIに何をさせたいか」を先に決めてから、「そのために必要な権限は何か」を後から絞り込む順番が正解です。逆に「とりあえず全部使えるようにしてから、危なそうなものを止める」という順番は、抜け漏れが起きやすく推奨されません。
1-2. 設定を怠った場合に起こりうること
権限設定を何もせずに使い始めると、以下のようなリスクが現実的に生じます。極端な話ではなく、実務でよくある事故のパターンです。
こうした事故は、Claude Codeの性能や賢さの問題ではなく、「何を許可し、何を許可しないか」を人間側が決めていなかったことが原因であるケースが大半です。次のセクションから、具体的な設定項目を一つずつ見ていきます。
02 SETTING 01-02 【設定①②】権限モードの使い分けと許可・禁止コマンドの管理 「何を自動で進めてよいか」を最初に決める
最初に押さえるべき設定は権限モードです。Claude Codeには、操作のたびに人間の確認を挟むモードと、あらかじめ許可した範囲内であれば自動で進めるモードがあり、業務の性質に応じて切り替えて使うのが基本です。
2-1. 【設定①】権限モードの使い分け
| モード | 動き | 向いている業務 |
|---|---|---|
| 都度確認モード | 操作の前に毎回、人間に確認を求める | 初めて任せる業務、機密性が高い業務 |
| 計画提示モード | まず作業計画だけを提示し、承認後に実行する | 複数ステップにわたる中〜大規模な作業 |
| 自動承認モード | 許可済みの操作は確認なしに実行する | 繰り返し行う定型業務で、安全性を確認済みのもの |
📚 用語解説
パーミッションモード:Claude Codeがどこまで人間の確認を取らずに操作を進めてよいかを決める設定。「毎回確認」「計画だけ承認して後は自動」「決めた範囲は完全自動」のように段階があり、業務の重要度に応じて選べます。
経営者が意識すべきは、「最初は都度確認モードで始め、安全性が確認できた業務だけを自動化する」という順番です。いきなり全自動にするのではなく、1〜2週間ほど確認モードで運用してから、問題がない操作だけを自動承認に切り替えていくのが安全な進め方です。
2-2. 【設定②】許可・禁止コマンドのallowlist(許可リスト)
次に重要なのが、どのコマンド・操作を許可し、どれを禁止するかを明示的に設定する「許可リスト(allowlist)」です。設定ファイル(settings.json)に許可・禁止のルールを書いておくことで、想定外の操作をブロックできます。
📚 用語解説
allowlist(許可リスト):実行してよい操作だけをあらかじめリスト化しておく仕組み。逆に「禁止リスト(denylist)」で危険な操作だけを列挙する方法もありますが、想定外の危険操作を防ぎやすいのは許可リスト方式です。Claude Codeでは設定ファイルにこのルールを記述します。
| 分類 | 例 | 設定の考え方 |
|---|---|---|
| 許可してよい操作の例 | ファイルの読み取り、社内文書の整理、資料の下書き作成 | 日常的に繰り返す定型業務は許可範囲に含めやすい |
| 要確認にすべき操作の例 | ファイルの一括削除、既存データの上書き、外部への送信 | 取り消しづらい操作は必ず人間の確認を挟む |
| 原則禁止にすべき操作の例 | 本番環境の設定変更、認証情報ファイルの直接操作 | 事故発生時の影響が大きい操作は自動化の対象外にする |
「禁止リストだけ作って、あとは全部許可」という設定は、想定していなかった操作まで通してしまう抜け漏れが起きやすいため推奨されません。基本方針は「許可する操作を明示し、それ以外は確認を求める」という設計です。
03 SETTING 03-04 【設定③④】ファイルアクセス範囲の制限と外部接続の許可制御 「どこまで触れてよいか」「どこと繋がってよいか」を絞る
3-1. 【設定③】ファイルアクセス範囲の制限
Claude Codeは基本的に、指定された作業フォルダの範囲内で動作します。ここで重要なのは、「業務ごとに触れるフォルダを分ける」という発想です。経理フォルダを触らせる業務と、広告資料を触らせる業務を同じ権限範囲で扱ってしまうと、意図しないフォルダへの操作が起きやすくなります。
「この業務が暴走した場合、影響が及ぶ範囲はどこまでか」を先に考え、その範囲だけにアクセスを絞るのが実務的な進め方です。影響範囲が会社全体のフォルダに及ぶような設計は避けるべきです。
3-2. 【設定④】外部接続・連携サービスの許可制御
Claude Codeは、Slack・GitHub・Googleドライブなど外部サービスと連携する仕組み(MCP)を通じて機能を拡張できます。便利な一方で、「どの外部サービスとの連携を許可するか」を会社側で管理することが欠かせません。
📚 用語解説
MCP(Model Context Protocol):AIエージェントが外部のツールやサービス(Slack・GitHub・社内システムなど)と連携するための共通規格。Claude Codeは、この規格に対応したサービスと接続することで機能を拡張できますが、逆に言えば接続先が増えるほど「どこまで外部にデータが渡るか」の管理が重要になります。
連携サービスを追加するたびに、「そのサービスに何を渡すことになるのか」を確認するルールを社内に作っておくと安全です。特に、顧客の個人情報や契約情報を扱う連携は、追加前に一度精査する運用が望まれます。
04 SETTING 05-06 【設定⑤⑥】機密情報・認証情報の管理とHooksによる自動チェック 「見せてはいけないもの」を渡さない仕組みを作る
4-1. 【設定⑤】機密情報・認証情報の取り扱い
パスワードやAPIキーなどの認証情報を、うっかりチャットの会話やログに出力してしまう事故は、AIエージェント運用における典型的な失敗パターンです。認証情報は専用のファイルや環境変数で管理し、本文やチャット上に直接書き込ませないルールを徹底する必要があります。
📚 用語解説
環境変数:プログラムの外側で管理する設定値のこと。パスワードやAPIキーをコードやチャットの本文に直接書かず、環境変数として分離して管理することで、誤って画面やログに表示・出力されるリスクを減らせます。
認証情報をチャットにそのまま貼り付けて「これを使って」と指示する使い方は避けてください。会話履歴やログに平文で残り、意図しない範囲に漏れる可能性があります。認証情報は専用の管理ファイル・環境変数から読み込む運用に統一しましょう。
4-2. 【設定⑥】Hooksによる操作の自動チェック
より高度な設定として、Hooks(フック)という仕組みがあります。これは「特定の操作が実行される前後に、自動的に別のチェック処理を走らせる」仕組みで、たとえば「本番環境に関わるファイルを編集しようとしたら、必ず人間の承認を求める」といったルールを自動で強制できます。
📚 用語解説
フック(Hooks):Claude Codeが何らかの操作(ファイル編集・コマンド実行など)を行う直前・直後に、あらかじめ設定した確認処理を自動的に挟む仕組み。「危険な操作の前に必ず人間の承認を求める」といったルールを、担当者の注意力に頼らず仕組みとして強制できます。
Hooksの利点は、「うっかり忘れる」という人間側のミスを仕組みでカバーできる点です。例えば「本番用の設定ファイルを編集する前に必ず確認を求める」というルールをHooksで組んでおけば、担当者が確認を忘れても自動的に処理が止まります。
すべての操作にHooksを組む必要はありません。まずは「事故が起きたら影響が大きい操作」——本番環境の変更、外部への送信、削除系の操作——に絞ってHooksを設定するのが効率的です。
05 SETTING 07-08 【設定⑦⑧】実行時間・リソースの制限と外部データの入力検証 「暴走を止める仕組み」と「騙されない仕組み」
5-1. 【設定⑦】実行時間・リソースの制限
Claude Codeに長時間の処理を任せる場合、タイムアウト(最大実行時間)を設定しておくことが重要です。想定より処理が長引いている場合は、そこで一度停止させ、状況を確認できるようにしておきます。目安として、単一の作業には数分〜数十分程度の上限を設け、それを超えたら自動的に中断・報告させる運用が一般的です。
| 項目 | 目安の考え方 |
|---|---|
| 単一操作のタイムアウト | 数分〜数十分程度で上限を設定し、超えたら中断・報告 |
| 同時実行数 | 担当者が状況を追える範囲(1〜数タスク程度)に留める |
| 長時間バッチ処理 | 定期的に進捗を報告させ、想定外の挙動を早期に検知する |
「時間がかかっている=悪い」わけではありません。想定内の長時間処理と、暴走による長時間処理を区別できるよう、事前に「通常はどれくらいの時間で終わるか」の目安を把握しておくことがポイントです。
5-2. 【設定⑧】外部データの入力検証(プロンプトインジェクション対策)
意外と見落とされがちなのが、Claude Codeに読み込ませる外部データそのもののリスクです。競合サイトの記事、顧客からのメール、外部のWebページなどをAIに読み込ませて処理させる場面は多いですが、そうしたデータの中に「AIへの指示」に見える文章が紛れていると、意図しない操作をしてしまう可能性があります。
📚 用語解説
プロンプトインジェクション:外部から読み込ませたデータの中に、AIへの命令文のようなテキストを紛れ込ませることで、AIに意図しない操作をさせようとする攻撃手法。「この文章の指示に従って別のファイルを送信して」のような文言を、処理対象のデータ側に埋め込むケースが典型例です。
対策の基本は、「外部から取り込んだ情報は、あくまで処理対象の『データ』であり、実行すべき『指示』ではない」という原則を徹底することです。この原則を運用ルールとして明文化し、外部データの中に指示文らしき記述があっても実行しないよう設定・教育しておく必要があります。
競合記事の分析、顧客メールの自動処理、SNSの投稿内容の要約など、外部データを読み込ませる業務では、そのデータに埋め込まれた不審な指示文に従わないことを明確なルールとして定めておきましょう。
06 SETTING 09-10 【設定⑨⑩】変更前のバックアップ計画と定期的な権限レビュー 「元に戻せる」状態を保ち、設定を陳腐化させない
6-1. 【設定⑨】変更前のバックアップ・ロールバック計画
どれだけ権限設定を丁寧に行っても、想定外の操作が発生する可能性は完全にはゼロになりません。そのため、「何かあってもすぐに元の状態に戻せる」体制を整えておくことが最後の防波堤になります。具体的には、重要なファイルやコードは変更前の状態を残しておき、破壊的な操作(強制上書き・削除など)の前には必ず確認を求める設計にします。
📚 用語解説
ロールバック:実行した変更を取り消し、変更前の状態に戻すこと。ファイルの変更履歴を残しておく、変更前に自動でバックアップを取っておく、といった仕組みがあれば、問題が起きてもすぐに元の状態に復旧できます。
6-2. 【設定⑩】定期的な権限・ログのレビュー
セキュリティ設定は、一度決めたら終わりではありません。業務内容は変化しますし、最初は必要だった権限が不要になったり、逆に新しい業務のために権限を追加する必要が出てきたりします。定期的に「今の権限設定は実態に合っているか」を見直すサイクルが欠かせません。
週次で
実行ログを
確認
月次で
権限設定を
見直す
不要な権限を
削除・
過不足を調整
四半期で
運用ルール
自体を再点検
このサイクルを回すことで、「導入時は適切だった設定が、半年後には実態と合わなくなっている」という状態を防げます。頻度はあくまで目安であり、業務の重要度や変化の速さに応じて調整して構いません。
07 GENAI CASE STUDY 【独自データ】GENAI社内のClaude Codeセキュリティ運用 Max 20xプランで全社運用する会社が、実際にどう設定しているか
ここでは、弊社(株式会社GENAI)がClaude Code Max 20xプランを全社運用する中で、実際にどのようなセキュリティ運用ルールを敷いているかを公開します。「理屈は分かったが、実際にどう運用すればいいのか」の参考にしていただくための章です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 契約プラン | Claude Max 20x(月$200 / 約30,000円) |
| 利用開始 | 2025年後半〜 |
| 利用部署 | 経営・営業・広告・開発・経理・秘書業務まで全社 |
| 権限モードの基本方針 | 新規業務は都度確認モードで開始し、安全性確認後に自動化範囲を拡大 |
弊社の運用で特に重視しているのは、「本番環境(顧客に公開している資産)に関わる変更は必ず人間の事前確認を挟む」という一線です。営業資料の下書きや社内レポートの生成は自動化範囲を広げていますが、外部公開物・顧客への送信・認証情報に関わる操作は、業務の重要度を問わず確認フローを外していません。
上記は弊社の運用ルール・肌感ベースの内容であり、業種・業態・取扱うデータの性質によって適切な設定は変わります。あくまで「Max 20xプランを全社で回す会社が、どの程度まで運用ルールを整えているか」の参考情報としてご覧ください。
08 GETTING STARTED 【独自】非エンジニアがセキュリティ設定を進める3つのステップ 設定ファイルを自分で書けなくても大丈夫
ここまで10個の設定項目を紹介しましたが、「自分で設定ファイルを書くのは無理そう」と感じた方も多いはずです。実際、非エンジニアの経営者が一人で全て設定する必要はありません。ここでは、非エンジニアが現実的に進められる3つのステップを紹介します。
8-1. 【ステップ1】まず「触らせたくない範囲」だけを言葉で決める
最初にやるべきことは、設定ファイルを書くことではなく、「Claude Codeに絶対に触らせたくない範囲」を言葉で書き出すことです。「顧客の個人情報が入っているフォルダ」「本番公開しているWebサイトの設定」など、経営者・管理職の目線で判断できる内容です。この言語化さえできれば、実際の設定作業は技術担当者やAI鬼管理のような支援サービスに依頼できます。
8-2. 【ステップ2】小さな業務で「都度確認モード」から試す
次に、リスクの低い業務を1つ選び、都度確認モードで実際に動かしてみることです。議事録の要約やメールの下書き作成など、失敗しても影響が小さい業務から始めれば、「Claude Codeがどう動くか」の感覚を安全につかめます。
8-3. 【ステップ3】問題がなければ範囲を広げ、定期的に見直す
確認モードで1〜2週間ほど運用し、想定通りの動きしかしていないと確認できたら、その業務に限って自動化の範囲を広げます。そして、前述の「定期的な権限レビュー」のサイクルに乗せていきます。
範囲を言葉で決める
経営者が判断できる
レベルでOK
都度確認モード
失敗しても
影響が小さい業務から
範囲を拡大
定期レビューの
サイクルに乗せる
社内に詳しい担当者がいない場合、いきなり自社だけで全ての設定を整えるのはハードルが高いです。弊社のような導入支援サービスを使い、最初の設定方針だけ一緒に決めてもらい、運用は自社で回すという分担も現実的な選択肢です。
09 CONCLUSION まとめ ── セキュリティ設定は「制限」ではなく「安心して任せるための土台」 10項目を振り返り、今日からできる一歩を確認する
この記事では、Claude Codeを社内導入する前に押さえておきたいセキュリティ設定10選と、弊社GENAIの実運用ルール、非エンジニアでも進められる3ステップを整理しました。最後にポイントを振り返ります。
最も伝えたいメッセージは、セキュリティ設定は「Claude Codeの自由を奪うもの」ではなく、「安心して業務を任せられる範囲を明確にするもの」だという点です。設定を先延ばしにして「なんとなく怖いから使わない」を選ぶより、10項目のうち今日できることから1つずつ整えていく方が、結果的に早く安全に使いこなせるようになります。
セキュリティ設定の方針決めから、AI鬼管理が一緒に設計します
「どこまで自動化してよいか」「どの業務から任せるべきか」——貴社の業務内容に合わせて、権限設定の方針を一緒に整理します。
Max 20xプラン全社運用の実践ノウハウをもとに、個別にご相談いただけます。
ここから先の進め方は、大きく2つあります。
自社で回せるようになりたい方は、AI鬼管理でClaude Code/Codexの使い方から業務設計・社内定着まで伴走を受けながら、社内に仕組みを作る道があります。
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8-4. 導入初期に見落としやすい論点
セキュリティ設定の相談を受ける中で、10項目とは別に「初期段階でつまずきやすい論点」がいくつかあります。ここでは特に相談の多い2点を補足します。
1つ目は「担当者が変わったときの引き継ぎ」です。権限設定やallowlistの内容は、設定した本人の頭の中にしか残っていないケースが多く、担当者が異動・退職すると「なぜこの設定になっているか」が分からなくなります。設定変更のたびに、変更理由を簡単なメモとして残しておくだけでも、引き継ぎの負担は大きく減らせます。
2つ目は「複数のAIツールを併用する場合の権限の重複管理」です。Claude Code以外のAIツールも併用している会社では、それぞれのツールで別々に権限設定をしていると、どのツールにどこまでの権限を与えたか全体像が見えなくなりがちです。ツールを横断した「権限管理台帳」を1枚作っておくと、監査や見直しの際に一覧で確認できて効率的です。
📚 用語解説
権限管理台帳:「どのAIツールに、どの業務・どのフォルダへの、どの範囲の権限を与えているか」を一覧化した管理表。ツールごとに設定がバラバラになりやすいAI運用において、全体像を一目で把握するために有効です。
8-5. 本番環境とテスト(検証)環境を分けるという発想
もう一つ、経営者が知っておくと安心できる考え方が「本番環境とテスト環境を分ける」という発想です。実際に顧客がアクセスするWebサイトやシステムを「本番環境」、そのコピーや練習用の領域を「テスト環境」と呼びます。新しい業務でClaude Codeを試す際は、可能な範囲でテスト環境から始め、想定通りに動くことを確認してから本番環境に反映するという二段構えにすることで、事故が起きた場合の影響を顧客から見えない範囲に留めることができます。
📚 用語解説
テスト環境(検証環境):本番環境(実際に顧客が使う環境)とは別に用意する、練習・検証専用の環境。ここで先に動作確認をしてから本番に反映することで、想定外の不具合が顧客にそのまま見えてしまう事態を防げます。
すべての業務でテスト環境を用意するのは現実的ではありませんが、外部に公開しているWebサイトの変更や、顧客に直接影響するシステムの操作だけは、この二段構えを徹底する価値があります。弊社でも、LP(ランディングページ)やコーポレートサイトの変更は、必ず一度ローカルやステージング環境で確認してから本番反映するルールを守っています。
よくある質問
Q. Claude Codeのセキュリティ設定は、非エンジニアでも自分でできますか?
A. 設定ファイルを直接書く作業は技術的な知識が必要ですが、「何を許可し、何を禁止するか」を決める部分は経営者・管理職の判断で十分です。方針を決めたうえで、実際の設定作業は技術担当者や導入支援サービスに依頼する分担が現実的です。
Q. 個人事業主や小規模チームでも、これらの設定は必要ですか?
A. 必要です。規模の大小に関わらず、顧客情報や認証情報を扱う以上はリスクは存在します。ただし全10項目を一度に整える必要はなく、まずは「認証情報の管理」と「都度確認モードでの運用開始」の2点から始めるのが現実的です。
Q. 権限モードを自動承認にすると、どんなリスクがありますか?
A. 安全性を確認する前に自動承認にしてしまうと、想定外の操作がそのまま実行されてしまうリスクがあります。まず都度確認モードで1〜2週間ほど動きを確認し、問題がないと分かった業務に限って自動化範囲を広げるのが安全な進め方です。
Q. allowlist(許可リスト)はどのくらいの頻度で見直すべきですか?
A. 業務内容が変わるタイミング(新しい業務を任せる、担当者が変わるなど)で見直すのが基本です。それに加えて、最低でも月1回は実行ログと合わせて棚卸しし、不要になった許可がないかを確認することを推奨します。
Q. プロンプトインジェクション対策は、具体的に何をすればいいですか?
A. 最も基本的な対策は「外部から取り込んだ情報は処理対象のデータであり、実行すべき指示ではない」という原則を運用ルールとして明文化することです。加えて、外部データを扱う業務ほど都度確認モードを維持し、不審な指示文が含まれていないかを人間が確認する工程を残すことが有効です。
Q. Hooksの設定は難しいですか?非エンジニアでも運用できますか?
A. Hooksの仕組み自体の設定には技術的な知識が必要ですが、一度設定してしまえば「どの操作の前に確認を求めるか」というルールは自動で強制されるため、非エンジニアの担当者が日常的に意識する必要はほとんどありません。設定時だけ技術担当者と方針を共有すれば十分です。
Q. セキュリティ設定を整えるのに、どれくらいの時間がかかりますか?
A. 全10項目を最初から完璧に整えようとすると時間がかかりますが、まずは「認証情報の管理」「都度確認モードでの運用開始」「触らせたくない範囲の言語化」の3点だけなら、数時間〜1日程度で最初の運用を始められます。残りは運用しながら段階的に整えていく形で問題ありません。
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