【保険代理店】既契約フォローをClaude Code/Codexで自動化する方法
この記事の内容
保険代理店の既契約フォローは、契約が成立したあとに「いつ・誰に・何を伝えるか」を切らさず続ける仕事です。満期や更新の前だけでなく、住所変更や結婚・出産・住宅購入といったライフイベントのたびに、補償が今の暮らしに合っているかを確認する必要があります。ところがフォローの連絡時期や確認項目は担当募集人の記憶と手帳に依存しがちで、担当者が忙しくなったり異動したりすると、連絡が抜け落ちて顧客との関係が薄くなります。AIは追加提案や乗換の判断を代わりに行うものではありませんが、連絡すべき時期の洗い出し、変更点の確認候補の抽出、顧客への連絡文の下書きを先に作る補助として使えます。
担当者1人あたりの既契約フォロー事務(連絡先の洗い出し・文面づくり) (みなと総合保険サービスのモデル事例)
本記事では、AI鬼管理 が支援を想定する みなと総合保険サービス (神奈川県・損保と生保の乗合代理店・契約者約2,200世帯・募集人6名) をモデル事例に、Claude Code/Codex で既契約フォローを「連絡時期リスト+変更確認候補+連絡文の下書き」まで半自動化する手順を解説します。フォローのタイミングを募集人の堀口さんが手帳と記憶で管理し、その整理と文面づくりだけで月10時間ほどかかっていた代理店が、事務担当の植村さんも準備を進められるようになり、フォロー連絡の抜けと「気づいたら満期間際」という後手対応を減らした流れです。
この記事を最後まで読むと、
- 既契約フォローで募集人が抱えている負荷(連絡時期の管理・変更点の確認・文面づくり)が分かる
- Claude Code/Codexで自動化できる3項目(連絡時期の洗い出し/変更確認候補/連絡文の下書き)が理解できる
- 5ステップでのPoC〜運用の進め方が分かる
- 契約後の連絡時期・変更確認・ライフイベントを整理する型が分かる
- フォロー漏れを防ぐ顧客タイミング管理の作り方が分かる
- 保険業法・個人情報の観点でAIに任せてよい範囲とダメな範囲が分かる
01 PROBLEM 既契約フォローの現場で起きていること 連絡時期・変更確認・文面づくりのトリレンマ
問題1: フォローの時期が担当者の頭の中にしかない。「この契約者は子どもの進学が近いから春に連絡」「あの法人は決算後に見直し相談」といったフォローのタイミングを、みなと総合保険サービスでは実質的に堀口さん1人が手帳と記憶で管理していました。堀口さんが事故対応や新規面談で立て込むと、フォロー連絡が後回しになり、気づいたときには満期間際で、ゆっくり相談する時間が取れない状態になります。
問題2: 変更点の確認範囲が担当者ごとに違う。前回フォローからの住所変更、家族構成の変化、車の買い替え、住宅購入などは、本来であれば補償の過不足を見直すきっかけです。しかし「どこまで聞くか」「何を確認するか」が募集人ごとにばらつき、聞き漏らした変更が、いざ事故や請求のときに「補償が合っていなかった」というトラブルにつながります。
問題3: 連絡文づくりに時間がかかり、後回しになる。近況うかがい、更新前のご案内、登録情報の確認依頼 — こうした文面を契約者ごとに毎回ゼロから書いていると、1件あたりは短くても積み重なって時間を奪います。みなと総合保険サービスでも、フォローの「やるべきこと」は分かっていても、文面づくりが重くて着手が遅れ、結局まとまった連絡ができていませんでした。
02 WHAT Claude Code/Codexで何を自動化するか 提案判断ではなく、連絡時期の整理と確認候補の抽出を自動化
📚 用語解説
既契約フォロー:契約が成立したあとも、満期・更新だけに限らず、住所変更や家族構成の変化、ライフイベント(結婚・出産・住宅購入・退職など)の節目に合わせて顧客と連絡を取り、補償が今の暮らしや事業に合っているかを確認し続ける活動。継続率や紹介につながる一方、連絡時期や確認項目が担当者の記憶に依存しやすく、属人化の主因になりやすい。
処理1: 連絡すべき時期の洗い出し。契約データ(満期日・更新月・契約種別)と、過去の面談メモに残ったライフイベント予定をもとに、AIが「今月・来月にフォローすべき契約者」の候補を一覧化します。満期前の案内だけでなく、「お子さまの進学時期」「車の車検時期」など、面談で聞いた節目に紐づく連絡候補もあわせて並べます。
処理2: 変更点の確認候補の抽出。前回フォロー時のメモと今回の契約情報を突き合わせ、「住所が変わっている可能性」「前回ご家族の予定があった」「車両入替が未反映」など、今回確認すべき項目をAIが確認候補として並べます。何を聞くべきかの抜け漏れを、連絡前に減らせます。
処理3: 顧客への連絡文の下書き。近況うかがい、更新前の案内、登録情報の確認依頼といった文面を、契約者の状況に合わせて下書きします。募集人がそのまま送るのではなく、内容を確認し、保険業法上の説明義務や表現の妥当性をチェックしたうえで送る前提です。
| フォロー要素 | AIが整理すること | 人(募集人)が確認・判断すること |
|---|---|---|
| 連絡時期 | 満期・更新・節目から連絡候補日を抽出 | 優先順位、連絡手段、訪問可否の判断 |
| 変更点 | 前回との差分・未確認項目の候補 | 事実確認、補償の過不足の評価 |
| ライフイベント | 面談メモからの節目候補の整理 | 提案の要否、タイミングの妥当性 |
| 連絡文 | 状況別の文面の下書き | 説明義務の充足、表現、最終送信 |
AIの役割は連絡時期の整理・変更確認候補・連絡文の下書きまで。追加提案の要否、他社・他商品への乗換が顧客にとって有利かどうかの判断は、必ず資格を持つ募集人が行います。この線引きを最初に決めておくと、保険業法を守りながら安心してAIを使えます。
03 HOW 具体的な進め方 5ステップ 小さくPoCし、フォローの判断基準をルールへ戻す
既契約フォローAI化の5ステップ
まずは自動車保険の更新層など、満期が明確で件数のまとまった層から始め、フォローの型を作りやすくする
「更新2か月前に連絡」「車両入替・住所・家族構成は毎回確認」など、堀口さんの段取りを文章化する
連絡候補リスト・変更確認候補・連絡文を、確定ではなく確認用ドラフトとして出す
募集人が直した連絡時期や文面と「直した理由」をCLAUDE.mdへ戻し、初稿の精度を上げる
フォローの準備を事務担当に任せ、募集人は対話と提案判断に回る。うまくいった層から横展開する
5ステップで最も大切なのは、STEP 4の「直した理由」を残すことです。AIが出した連絡候補や文面を募集人が修正したとき、「なぜこの契約者は今回は連絡を見送ったのか」「なぜこの表現に直したのか」を残さないと、次回も同じ修正が発生します。逆に、その理由をCLAUDE.mdへ戻せば、AIの初稿は少しずつみなと総合保険サービスのフォロー基準に近づきます。
04 RESULT 導入後の変化と数値効果(みなと総合保険サービスの事例) フォロー事務10時間→3時間/月、属人化の解消
- フォローすべき契約者を、堀口さんが手帳と記憶で毎月洗い出していた(月約10時間)
- 前回からの住所・家族・車両の変更を、どこまで確認するかが募集人ごとにばらついていた
- 近況うかがいや更新案内の文面を、契約者ごとに毎回ゼロから書いていた
- フォローが堀口さん1人に集中し、満期間際の後手対応や聞き漏らしが起きていた
- AIが契約データと面談メモから「今月フォローすべき契約者」候補を一覧化、事務は月約3時間に
- 前回メモとの差分から変更確認候補を提示し、聞くべき項目の抜けが減った
- 状況別の連絡文を下書きし、募集人は内容確認と説明の充足チェックに集中できた
- 事務担当の植村さんが準備を進め、堀口さんは対話と提案判断に専念できるようになった
05 PITFALL よくある落とし穴3つ 提案判断・個人情報・送りっぱなしを避ける
追加提案の要否や、他商品・他社への乗換が顧客にとって有利かどうかの判断は、顧客の意向と資格を持つ募集人の責任で行います。AIは連絡時期の整理と確認候補・文面の下書きまで。提案の最終判断を任せると、保険業法上の説明義務や意向把握の責任が曖昧になります。
契約者の氏名・住所・家族構成・健康情報などは、個人情報保護法と保険業法上の配慮が必要な情報です。どの情報をAIに入れてよいか、どこに保存するか、誰がアクセスできるかを決めずに始めると、情報漏えいや目的外利用のリスクが生じます。初回は匿名化したデータで検証してください。
連絡文には、誤解を招く表現や、説明義務を欠く案内が混じることがあります。AIの下書きは便利ですが、送信前に募集人が内容・表現・説明の充足を必ず確認します。送りっぱなしにせず、顧客の反応や確認結果を記録に残すことが、次のフォローの質を上げます。
06 FOLLOW 契約後の連絡時期・変更確認・ライフイベントを整理する型 フォローは「思い出したとき」ではなく「型」で回す
既契約フォローがうまくいかない一番の原因は、連絡が「思い出したとき」「満期が近づいたとき」に偏ることです。みなと総合保険サービスでは、フォローを3つの軸 — 連絡時期・変更確認・ライフイベント — に分けて型にし、その型をCLAUDE.mdに書いておくことで、AIが軸に沿って連絡候補と確認項目を出せるようにしました。
軸1: 連絡時期 — 「いつ連絡するか」を契約から決める
満期・更新月だけでなく、契約種別ごとに「定期的に連絡する月」を決めておきます。時期を契約データから機械的に決められるようにすると、記憶に頼らず連絡候補を出せます。
軸2: 変更確認 — 「前回から何が変わったか」を必ず聞く
前回フォロー時のメモを起点に、毎回確認する項目を固定します。確認項目を型にしておくと、募集人が変わっても聞き漏らしが起きにくくなります。
軸3: ライフイベント — 「節目」を面談メモから拾う
面談で聞いた将来の予定 — 「来春に子どもが進学」「再来年に住宅購入を検討」など — をメモに残し、その時期が近づいたら連絡候補として拾い上げます。節目は補償を見直す自然なきっかけになり、押し売りにならないフォローができます。
連絡時期・変更確認・ライフイベントの3軸と、それぞれの確認項目をCLAUDE.mdに書いておくと、AIが契約データと面談メモを読み、軸ごとに「今月連絡すべき契約者」と「確認したい項目」を並べます。なお、どの契約者にどの提案をするかの判断は募集人が行い、AIはあくまで候補出しに留めます。
07 TIMING フォロー漏れを防ぐ顧客タイミング管理 「やったつもり」を、見える状態に変える
フォロー漏れは、担当者の怠慢というより「誰に・いつ・何を連絡したか」が見えないことから起きます。みなと総合保険サービスが、フォローを切らさないために整えた顧客タイミング管理の作り方を紹介します。AIは状態の整理と候補出しを担い、連絡するかどうかの最終判断は募集人が行います。
型1: 「未連絡」「連絡済」「見送り」の3状態で管理する
フォロー候補に出た契約者を、「未連絡」「連絡済」「今回は見送り(理由つき)」の3状態に分けます。見送りも理由とともに残すことで、「放置」と「意図して見送った」が区別でき、本当のフォロー漏れだけを翌月に持ち越せます。
型2: 連絡手段と頻度を契約者ごとに記録する
「この契約者は電話より郵送が好み」「年1回で十分」といった連絡の好みを記録しておくと、過剰な連絡による負担も、連絡不足による疎遠も防げます。AIには、好みに合わせた連絡手段と次回連絡の目安を候補として出させます。
型3: 異動・引き継ぎでも切れない記録にする
担当募集人が異動・退職しても、フォローの履歴と次回予定が記録に残っていれば、後任が状況を把握してフォローを継続できます。属人化を解く本質は、ここ — 「担当者が変わってもフォローが切れない状態」を作ることにあります。
| タイミング管理の項目 | AIが用意すること | 募集人が判断すること |
|---|---|---|
| 今月の連絡候補 | 満期・節目・前回からの経過で候補を抽出 | 実際に連絡するか、優先順位 |
| フォロー状態 | 未連絡・連絡済・見送りの一覧化 | 見送りの可否、放置との切り分け |
| 次回連絡の目安 | 好み・頻度から次回時期の候補 | 個別事情を踏まえた最終決定 |
3状態(未連絡・連絡済・見送り)と連絡の好みをCLAUDE.mdに記録しておくと、AIが毎月「未連絡のまま持ち越した契約者」を先に並べ、フォロー漏れを表に出します。担当者が変わっても、この記録があれば後任がフォローを引き継げます。ただし顧客情報を扱うため、保存先と閲覧権限の管理は事前に決めておきます。
08 RELATED 関連記事: 保険代理店の自動化事例10選(全業務マップ) 既契約フォロー以外の9業務も含めた事例集
本記事は保険代理店の自動化事例10選のうち、事例7「既契約フォロー」を深掘りした内容です。更新案内・見積比較・事故受付・募集コンプライアンス確認など他の業務もあわせてご覧ください。→ 保険代理店の自動化事例10選(全業務マップ)
09 ABOUT AI鬼管理について - 既契約フォローの伴走サービス 記憶頼みのフォローを、切れない仕組みへ
本記事を発信している AI鬼管理 は、保険代理店のAI業務自動化をClaude Code/Codexで設計から伴走するサービスです。既契約フォローは、連絡時期と確認項目の属人化を解くことで、継続率の安定と事務担当の育成に効く打ち手です。
記憶頼みの既契約フォロー、いっしょに仕組み化しませんか?
本記事のみなと総合保険サービスの例は、損保・生保の乗合・契約者約2,200世帯・募集人6名というモデルケースです。貴店の契約者層の構成やフォローの進め方によって、最適な設計は変わります。まずは今のフォローのやり方をうかがって、貴店に合った仕組みをご提案します。
NEXT STEP
この記事の内容を、あなたのビジネスで
実践してみませんか?
AI活用を自社で回せるようになりたい方へ
AI鬼管理
Claude Code/Codex・Cowork導入支援から業務設計・社内浸透まで実践ベースで伴走。「自社で回せる組織」を90日で作る経営者向けトレーニング。
よくある質問
Q. AIに追加提案や乗換の判断までさせてよいですか?
A. いいえ。追加提案の要否や、他商品・他社への乗換が顧客に有利かどうかの判断は、顧客の意向と資格を持つ募集人が行います。AIは連絡時期の整理、変更確認候補の抽出、連絡文の下書きまでに留める設計が現実的です。
Q. 顧客の個人情報はどう扱いますか?
A. 氏名・住所・家族構成・健康情報などは個人情報保護法と保険業法上の配慮が必要です。初回は匿名化データで検証し、本番前に入力してよい情報の範囲、保存場所、アクセス権限を決めます。目的外の利用をしないことを社内ルールに明記します。
Q. 今使っている顧客管理システムがあっても使えますか?
A. 使えます。既存システムから出力した契約一覧(満期日・契約種別など)のCSVや、面談メモをもとにフォロー候補を整理する形が現実的です。いきなり全置き換えにせず、フォロー準備の補助から始めるのがおすすめです。
Q. どのくらいで効果が見えますか?
A. 満期が明確な自動車保険の更新層など、件数のまとまった層なら、1か月分のPoCでも連絡準備の時間やフォロー漏れの変化を確認できます。
Q. 担当者が異動・退職してもフォローは続けられますか?
A. フォローの履歴・次回予定・連絡の好みを記録に残しておけば、後任が状況を把握して継続できます。属人化を解く本質は、担当者が変わってもフォローが切れない状態を作ることです。
Q. 料金やプランを教えてください
A. 料金やサポートプランは AI鬼管理のサービスページをご覧ください。貴店向けの個別ご提案は本記事末尾のNEXT STEPからお問い合わせください。
Claude Codeで業務自動化を90日で叩き込む
経営者向けの伴走型パーソナルトレーニング
Claude Code を業務に落とし込む
専門研修コース一覧
受講者本人の業務を題材に、「使いこなせる」状態になるまで伴走する研修プログラム。1対1特化型・ハンズオン・法人講座の3コースを展開中。業務特化・実装まで踏み込むタイプのClaude Code研修です。
研修コース一覧を見る →AI鬼管理へのお問い合わせ
この記事を読んで気になった方へ。
AI鬼管理の専門スタッフが、御社に最適な
業務自動化プランを無料でご提案します。




