【介護・福祉事業所】相談員記録をClaude Code/Codexで自動化する方法
この記事の内容
相談員記録は、本人・家族・ケアマネジャー・医療機関・行政といった、立場の違う関係者のあいだをつなぐための記録です。入退所の相談、家族との面談、サービス担当者会議での確認、苦情や要望への対応 — 相談員(生活相談員・支援相談員)は一日のうちに何件もの面談や電話をこなし、そのたびに「何が話され」「何が課題で」「誰がいつまでに何をするか」を記録へ残していきます。とくに面談後の記録整理と関係者への共有メモづくりは、話が長くなるほど課題・合意事項・宿題(ToDo)・未確認事項が一本の流れに混ざり、経験のある相談員ひとりに負担が集中しがちです。AIは相談内容の良し悪しや対応方針を決めるものではありませんが、面談メモを短く要約し、課題候補・確認事項・ToDo候補・共有メモの下書きを先に出す補助として使えます。
面談後の記録整理と関係者共有メモの作成にかかっていた時間 (陽和の里のモデル事例)
本記事では、AI鬼管理 が支援を想定する 特別養護老人ホーム陽和(ひより)の里・併設の相談窓口 (新潟県上越市・入所定員80名/併設の居宅介護支援を含む) をモデル事例に、面談メモを「要約 + 課題候補 + ToDo + 内部記録/外部共有の下書き」まで半自動で整える手順を解説します。入退所相談・家族面談・ケアマネ連絡が重なり、面談後の記録整理を生活相談員の黒木さんが実質ひとりで抱え、1件あたり約40分かかっていた相談窓口が、相談員2年目の冨永さんも記録の下ごしらえを起こせるようになり、面談後の残業と次回対応の取りこぼしを減らした流れです。
この記事を最後まで読むと、
- 相談員記録で相談員が抱えている負荷(長い面談の要点整理・ToDo管理・共有範囲の切り分け)が分かる
- AIで整理できる3項目(面談要約/課題・ToDoの整理/内部・外部の共有メモ下書き)が理解できる
- 5ステップでのお試し〜運用の進め方が分かる
- 面談メモから課題・対応方針案・ToDoを整理する型が分かる
- モニタリングやケアプラン連携を見据えた記録の残し方(内部記録と外部共有の分け方)が分かる
01 PROBLEM 相談員記録の現場で起きていること 要点整理・ToDo管理・共有範囲のトリレンマ
問題1: 面談が長く、要点を抜き出すのに時間がかかる。陽和の里では、入所を検討する家族との面談が1時間を超えることも珍しくありません。本人の希望、家族の事情、費用や空き状況の不安、ケアマネからの申し送りが一度に出てくるため、ベテランの黒木さんは面談後に手書きメモを読み返し、「課題」「合意したこと」「持ち帰り」「未確認」を頭の中で選り分けて記録に起こしていました。この整理が、1件あたりの記録時間を押し上げていました。
問題2: 次回対応(ToDo)が記録から拾いづらい。相談業務は「次にどう動くか」が命です。見学日の調整、必要書類の案内、主治医意見書の確認、ケアマネへの折り返し — こうした宿題が面談記録の文章の中に混ざってしまうと、誰がいつまでにやるかが曖昧になります。陽和の里でも、面談は丁寧でも次回連絡が一日二日ずれ、入所検討の家族が他施設へ流れてしまう取りこぼしが起きていました。
問題3: 内部記録と外部共有の線引きがその場の判断になる。相談員記録には、本人や家族のデリケートな事情、経済状況、家族関係の機微など、そのまま外へ出せない内容が含まれます。一方で、ケアマネや医療機関へは「共有してよい範囲」を整理して伝える必要があります。内部だけに残す内容と、外部へ共有する内容を切り分ける作業に時間がかかり、急いでいるときほど共有範囲の判断がぶれていました。
02 WHAT AIで何を整理するか(対応方針は任せない) 方針判断ではなく、面談の要約と確認候補の抽出
📚 用語解説
相談員記録:生活相談員や支援相談員が、本人・家族・ケアマネジャー・医療機関・行政とのやり取りや面談内容を残す記録。入退所相談、家族対応、サービス担当者会議、苦情・要望対応などの根拠になるが、長い面談のどこを課題・合意・宿題として拾うか、どこまで外部へ共有してよいかが担当者の経験に依存しやすく、相談業務の属人化や次回対応の漏れの主因になりやすい。
処理1: 面談メモの要約。長くなりがちな面談メモを、相談ごと・日付ごとに短くまとめます。「本人・家族の発言」「合意したこと」「未確認・持ち帰り」を分けて並べ、相談員と管理者が読みやすい形のたたき台を作ります。ここでAIが行うのはあくまで発言内容の要約であり、本人や家族の気持ちの解釈ではありません。
処理2: 課題候補とToDoの整理。面談の中から、検討が必要な課題候補と、次回対応のToDo — 誰が(担当)・何を・いつまでに — を分けて並べます。「見学日の調整は相談員が今週中」「必要書類の案内は家族へ明日まで」のように、担当と期限の当たりを先に付けることで、宿題の取りこぼしを減らします。
処理3: 内部記録と外部共有メモの下書き。同じ面談から、事業所内に残す記録と、ケアマネ・医療機関・家族へ共有する文面を別々に下書きします。外部共有用には、デリケートな内部事情を外し、共有してよい範囲だけを整えた文面を用意します。この切り分けを先にしておくと、共有範囲の判断のぶれが小さくなります。
| 入力情報 | AIが整理すること | 人(相談員・専門職・管理者)が確認すること |
|---|---|---|
| 面談メモ | 発言・合意・未確認の分け書き、要約 | 事実関係、本人・家族の意向の解釈、対応方針 |
| 課題・宿題のメモ | 課題候補とToDo(担当・期限)の整理 | 優先順位、対応の要否、関係者の役割分担 |
| ケアマネ・関係機関連絡 | 共有してよい内容・確認依頼・期限の整理 | 共有範囲の最終判断、伝え方、守秘の配慮 |
| 苦情・要望の記録 | 事実経過と論点の時系列整理 | 対応方針、謝意・説明の範囲、責任者の判断 |
AIの役割は、面談された事実の要約・課題候補・ToDo候補・共有メモの下書きまでです。本人や家族の意向の解釈、ケアマネジメント上の判断、入退所や処遇に関わる方針決定は、必ず相談員・専門職・管理者が行います。この線引きを最初に決めておくと、現場が安心してAIを使えます。
03 HOW 具体的な進め方 5ステップ 記録の型と共有ルールを先に決め、要約から始める
相談員記録AI化の5ステップ
本人・家族の発言/合意事項/未決事項/ToDoという型を先に決め、記録の置き場所をそろえる
本人名は記号に置き換える、家族関係や経済状況の扱いを決める等、要配慮個人情報の入力ルールを定める
要約・課題候補・ToDo・内部/外部の共有メモを、確定記録ではなく確認用ドラフトとして出す
直した箇所と「なぜ直したか」をCLAUDE.mdへ戻し、要約の形と共有範囲の当たりを相談窓口の基準に近づける
若手が下ごしらえを起こし、相談員・管理者は確認に回る。入退所相談・家族対応など相談種別ごとに横展開する
5ステップで最も大切なのは、STEP 4の「なぜ直したか」を残すことです。AIが出した課題候補や共有メモを相談員が外した場合、「なぜ記録に不要だったのか」「なぜ外部へ共有すべきでなかったのか」を残さないと、次回も同じ候補が出ます。逆に、その理由をCLAUDE.mdへ戻せば、AIの要約と共有メモは少しずつ陽和の里の相談記録基準に近づきます。
04 RESULT 導入後の変化と数値効果(陽和の里の事例) 記録整理+共有メモ40分→13分、相談業務の属人化を解消
- 面談後に黒木さんが手書きメモを読み返し、課題・合意・宿題を手作業で抜き出していた(1件約40分)
- 面談が長いほど課題と雑談、合意と未確認が混ざり、要点整理に時間がかかっていた
- 次回連絡や資料準備のToDoが手元メモに残り、対応が一日二日ずれて入所検討の家族が流れることがあった
- 内部だけに残す内容と外部へ共有してよい内容の切り分けに時間がかかっていた
- AIが面談メモを要約し、課題候補とToDo(担当・期限)を一覧化、下ごしらえは約13分に
- 本人・家族の発言/合意/未確認を分けて出し、七尾さんが確認しやすくなった
- 次回対応のToDoが担当・期限つきで残り、折り返しの遅れによる取りこぼしが減った
- 内部記録・外部共有文・次回ToDoが分かれ、相談経緯を追いやすくなった
05 PITFALL よくある落とし穴3つ 方針判断・共有範囲・要配慮個人情報を誤らない
AIは本人や家族の心理状態・意向を解釈しません。面談された発言や確認事項の要約と、課題・ToDo候補の整理までです。入退所や処遇に関わる方針決定、本人の意向の汲み取り、家族間の調整といった判断を任せると、記録にない解釈が混ざり、相談の根拠としての記録がゆがみます。対応方針は相談員・専門職・管理者が決めます。
相談員記録には、家族関係や経済状況など外へ出せない内容が含まれます。AIに作らせた要約や共有メモを確認せず、そのままケアマネや医療機関・家族へ送ると、共有してはいけない情報の漏えいにつながります。外部共有文は、共有してよい範囲かどうかを相談員が必ず確認してから使ってください。
氏名、住所、家族構成、病歴・障害・健康状態、生活保護などの経済情報は、本人の同意なく扱いに注意が必要な要配慮個人情報・センシティブ情報を含みます。AIに入力してよい情報の範囲、本人名を記号に置き換えるなどの匿名化、保存先、閲覧できる人を、事業所の個人情報取扱ルールに沿って決めてから使ってください。
06 STRUCTURE 面談メモから課題・対応方針案・ToDoを整理する型 「発言・合意・未決・ToDo」の4枠で構造化する
相談記録でつまずく一番の原因は、長い面談を頭から読み直し、課題と雑談、合意事項と未確認事項を、そのつど人の目で選り分けていることです。陽和の里では、AIに渡す前に「相談記録の型」を決め、面談メモを型に沿って構造化させる作り方に変えました。CLAUDE.mdにこの型を書いておくと、AIが毎回同じ枠組みで記録の下ごしらえを作ります。
相談記録に必ず分ける4つの枠
この4つの枠でAIに構造化させると、相談員は「未決」と「ToDo」の枠から先に読めます。ここで重要なのは、AIが出すのは課題候補と対応方針の”たたき台”であって、方針を決める指示ではないという点です。どの課題を優先し、どう対応するか、本人・家族の意向をどう汲むかは、記録と相談の経緯を見て、相談員と管理者が判断します。AIが書いた対応方針案は、あくまで検討の出発点として扱います。
| 面談で出た内容 | AIが整理する候補 | 人が確認・判断すること |
|---|---|---|
| 入所の希望・不安 | 希望条件・不安点の要約、確認すべき課題候補 | 緊急度の評価、受け入れ可否、優先順位 |
| 必要書類・手続き | 不足書類リスト、案内のToDo(担当・期限) | 提出物の要否、家族の負担への配慮 |
| 主治医・医療情報 | 確認依頼の論点、ケアマネ連絡のToDo | 医療的判断、共有してよい範囲 |
| 家族間の事情 | 事実経過の時系列整理(内部記録向け) | 意向の解釈、家族調整、外部共有の可否 |
上の4つの枠(発言/合意/未決/ToDo)と「担当・期限つきでToDoを出す」指定をCLAUDE.mdへ書いておくと、AIが毎回同じ枠組みで相談記録の下ごしらえを作ります。相談員によって記録の濃さや次回対応の粒度が変わりにくくなり、宿題の取りこぼしに早く気づけます。ただし、課題の優先順位づけと対応方針の決定は、必ず相談員・専門職・管理者が経緯を見て判断します。
07 LINKAGE モニタリング・ケアプラン連携を見据えた記録の残し方 内部記録と外部共有を分け、経緯を次回へつなぐ
相談員記録は、その場かぎりのメモではなく、モニタリングや次回面談、ケアプランの見直し、サービス担当者会議へつながっていく記録です。だからこそ、後から経緯を追える形で残すこと、そして内部だけに残す内容と外部へ共有してよい内容を分けて残すことが効いてきます。陽和の里では、AIの下書きをこの2つの観点で整える運用に変えました。なお、ケアプランの作成・変更や処遇の判断は、ケアマネジャー・相談員・専門職が行う前提です。AIは経緯の整理と共有文の下ごしらえまでを担います。
内部記録と外部共有を分けて残す
AIには、同じ面談メモから「内部記録」「ケアマネ向け共有文」「家族向け連絡文」を別々に下書きさせます。陽和の里では、外部共有文だけは相談員が必ず一度読み、「共有してよい範囲か」「守秘に触れていないか」を確認してから送る運用にしました。AIが文面を整えるぶん、相談員は共有範囲の確認という相談員にしかできない判断に集中できます。
モニタリング・次回面談へつなぐ一覧に戻す
面談記録の「未決」と「ToDo」は、放っておくと次回面談までに埋もれます。陽和の里では、AIに未完了ToDoと過去の合意事項を相談ごとに一覧化させ、次回面談やモニタリングの前に相談員が見直せる形へ戻しています。「前回の宿題が終わっているか」「合意事項に変化がないか」を最初に確認できると、面談の質が安定し、本人・家族からの信頼にもつながります。
ただし、状態の変化をどう評価し、ケアプランをどう見直すかは専門職の領域です。AIが出すのは「前回からの確認事項の一覧」であって、ケアマネジメント上の判断ではありません。モニタリング記録やケアプランへの反映は、ケアマネジャー・相談員・専門職が記録と本人の様子を見て行います。
同じ面談から内部記録・外部共有文を分けて作ること、外部共有文は相談員が共有範囲を確認してから送ること、未完了ToDoと合意事項を次回前に見直す一覧へ戻すこと — この3つをCLAUDE.mdに明記しておきます。相談経緯を追いやすくなり、共有範囲のぶれと次回対応の取りこぼしを同時に減らせます。ケアプランやモニタリングの判断は、必ず専門職が記録をもとに行います。
08 RELATED 関連記事: 介護・福祉事業所の自動化事例10選(全業務マップ) 相談員記録以外の9業務も含めた事例集
本記事は介護・福祉事業所の自動化事例10選のうち、事例7「相談員記録の自動化」を深掘りした内容です。介護記録・シフト作成・送迎ルート整理・請求前チェック・事故報告書・家族連絡など、他の業務もあわせてご覧ください。→ 介護・福祉事業所の自動化事例10選(全業務マップ)
09 ABOUT AI鬼管理について - 相談員記録の伴走サービス 属人化した相談記録を、確認中心の運用へ
本記事を発信している AI鬼管理 は、介護・福祉事業所のAI業務効率化をClaude Code/Codexで設計から伴走するサービスです。相談員記録は、面談後の記録整理と共有メモの下ごしらえの属人化を解くことで、面談後の残業削減と若手育成、そして次回対応の取りこぼし防止に効く打ち手です。ケアマネジメントや処遇の判断は相談員・専門職・管理者に残したまま、事務作業の負担だけを軽くする設計を前提にします。
属人化した相談記録、いっしょに軽くしませんか?
本記事の陽和の里の例は、特養併設の相談窓口・相談員ひとりに記録と共有メモが集中というモデルケースです。貴事業所の相談種別や記録の運用、職員体制によって、最適な進め方は変わります。まずは今の相談記録と共有メモの作り方をうかがって、貴事業所に合った設計をご提案します。要配慮個人情報の扱いと相談員・管理者の確認フローを先に決め、1業務から安全に始めます。
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よくある質問
Q. AIに本人や家族の気持ちを解釈させてもよいですか?
A. 解釈は避けます。AIは発言内容や確認事項の整理にとどめ、心理状態や意向の汲み取り、対応方針の決定は相談員・管理者が記録と経緯を見て確認します。
Q. 内部記録と外部共有文はどう作り分ければよいですか?
A. 同じ面談メモから、内部記録・ケアマネ向け共有文・家族向け連絡文を別々に下書きさせます。外部共有文は、共有してよい範囲かどうかを相談員が必ず確認してから送ってください。
Q. 要配慮個人情報やセンシティブ情報はどう扱えばよいですか?
A. 氏名・住所・家族構成・病歴・経済状況などは要配慮個人情報・センシティブ情報を含みます。AIに入力してよい範囲、本人名を記号に置き換えるなどの匿名化、保存先、保存期間、閲覧権限を、事業所の個人情報取扱ルールに沿って先に決めます。
Q. 記録システムやケアプランソフトをそのまま置き換える必要がありますか?
A. ありません。既存の記録システムやソフトは残したまま、面談メモの要約や共有メモの下ごしらえという確認の補助からはじめるのが現実的です。いきなり全置き換えにはしません。
Q. 最初にAI化しやすいのはどの場面ですか?
A. 面談要約、ToDoの抽出、ケアマネ・家族向け共有文の下書き、未完了ToDoの確認など、対応方針の決定ではなく確認・整理に近い場面からはじめると、安全に効果を出しやすいです。
Q. 料金やプランを教えてください
A. 料金やサポートプランは AI鬼管理のサービスページをご覧ください。貴事業所向けの個別ご提案は本記事末尾のNEXT STEPからお問い合わせください。
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