【介護・福祉事業所】シフト作成をClaude Code/Codexで自動化する方法
この記事の内容
シフト作成は、単なる勤務表づくりではありません。職員の希望休、資格(介護福祉士・看護職・サービス提供責任者)、夜勤可否、送迎可否、利用者との相性、人員配置基準、そして急な欠勤対応まで、複数の条件を同時に見ながら1か月分を組み立てる作業です。とくに初稿づくり — 希望休を集計し、資格者をどの日に置き、夜勤と日勤の偏りをどうならすか — は経験に依存しやすく、管理者1人に集中しがちです。AIは配置の最終判断や利用者対応の相性を決めるものではありませんが、条件を整理し、配置基準を満たさない候補の抽出、欠勤時の代替候補の下書きを先に作る補助として使えます。
希望休集計からシフト案作成まで管理者が使っていた時間 (ひだまりの里のモデル事例)
本記事では、AI鬼管理 が支援を想定する 「ひだまりの里」(地方都市・訪問介護とデイサービスを併設・常勤と非常勤あわせて約25名) をモデル事例に、Claude Code/Codex でシフトの初稿を「希望休と勤務条件の整理+配置基準の未充足候補+代替候補リスト」まで半自動化する手順を解説します。シフトを管理者の南(みなみ)さん1人が毎月Excelで起こし、希望休の転記と資格者配置の確認に月6時間かかっていた事業所が、サービス提供責任者の佐久間さんも初稿を起こせるようになり、希望休の出しづらさと当日の欠勤対応の負担を減らした流れです。
この記事を最後まで読むと、
- シフト作成で管理者が抱えている負荷(希望休の集計・資格者配置の確認・欠勤の穴埋め)が分かる
- Claude Code/Codexで自動化できる3項目(希望休と条件の整理/配置基準の未充足候補/代替候補の下書き)が理解できる
- 5ステップでのPoC〜運用の進め方が分かる
- 希望休・資格要件・配置基準からシフト案を作る型が分かる
- 夜勤・人員基準・公平性の確認観点が分かり、管理者が最終確定しやすくなる
01 PROBLEM シフト作成の現場で起きていること 希望休集計・資格者配置・欠勤対応のトリレンマ
問題1: 希望休の集計が管理者1人に集中する。希望休が紙の用紙、職員グループLINE、口頭連絡でバラバラに集まり、ひだまりの里では南さんがそれを毎月Excelへ手で転記していました。提出形式がそろっていないため、シフトを組み始める前の転記と突合だけで1〜2時間かかり、転記ミスが起きると「希望を出したのに休めていない」というトラブルにつながります。
問題2: 資格者配置の確認が複雑で属人化する。「この日は介護福祉士が1人しかいない」「夜勤に入れる職員が偏っている」「サービス提供責任者の訪問可能時間とデイの早番が重なっている」 — こうした配置上の制約は南さんの頭の中にあり、佐久間さんがシフトを組むと資格者の抜けや夜勤偏りを見落としやすく、結局南さんの確認待ちになって、南さんがボトルネックになります。
問題3: 欠勤対応が場当たりになり、特定の人に頼りがちになる。体調不良や家庭の事情で急な欠勤が出たとき、「今日の遅番に入れる資格者は誰か」「夜勤を代われる人は誰か」をその場で探すため、結局いつも頼みやすい同じ職員に集中してしまいます。ひだまりの里でも、繁忙期や感染症が広がった時期ほど、この穴埋めで管理者の時間が削られていました。
02 WHAT Claude Code/Codexで何を自動化するか 配置の最終判断ではなく、条件整理と未充足チェックを自動化
📚 用語解説
配置基準:介護保険・障害福祉サービスで、提供するサービスごとに「どの資格を持つ職員を何人配置するか」が定められた基準のこと。人員配置基準とも呼ばれ、これを満たさない日があると運営上の問題になる。どの日に誰を置けば基準を満たすか・誰が抜けると危ないかの判断が管理者の経験に依存しやすく、属人化の主因になりやすい。
処理1: 希望休と勤務条件の整理。提出された希望休、勤務可能日、夜勤可否、送迎可否、短時間勤務といったバラバラの情報を、AIが職員ごとに一覧化します。「誰がいつ休みたいか・どの勤務に入れるか」を1枚で見える形にし、シフト案のたたき台を作ります。
処理2: 配置基準の未充足候補の抽出。シフト案に対して、資格者が足りない日、夜勤者が偏っている週、サービス提供責任者や看護職が不在の時間帯がないか — こうした違和感をAIが確認候補として並べます。「この日は介護福祉士が基準を下回る可能性」といった気づきを、初稿の段階で出します。
処理3: 欠勤時の代替候補の下書き。欠勤が出た勤務帯に対して、必要な資格を満たし、連続勤務や夜勤明けの制限に触れない代替候補と、連絡する順番の案を下書きします。この候補リストが先にあるだけで、当日の「誰に頼めるか探し」が短くなり、特定の人への偏りも見えやすくなります。
| シフト要素 | AIが整理すること | 人(管理者)が確認すること |
|---|---|---|
| 希望休 | 提出された希望休・勤務制限の一覧化 | 個別事情の汲み取り、休みの優先順位 |
| 資格・配置 | 資格者・夜勤者の配置と未充足候補 | 配置基準の最終判断、現場の相性 |
| 勤務条件 | 夜勤可否・送迎可否・短時間勤務の整理 | 健康上の配慮、無理のない範囲の判断 |
| 欠勤対応 | 代替候補・連絡順・必要資格の候補 | 当日の現場判断、依頼先への配慮 |
AIの役割は条件整理・未充足候補・代替候補の下書きまで。配置基準を満たすかの最終判断、職員の体調への配慮、利用者対応の相性は必ず管理者が確認します。この線引きを最初に決めておくと、現場が安心してAIを使えます。
03 HOW 具体的な進め方 5ステップ 小さくPoCし、直した理由を次月のシフトルールへ戻す
シフト作成AI化の5ステップ
希望休・勤務可能日・夜勤可否・送迎可否・資格情報を、職員全員が同じフォーマットで出せるようにする
「夜勤明けの翌日は公休」「デイは介護福祉士◯名以上」など、南さんの頭の中のルールを文章化する
シフト案・配置基準の未充足候補・偏り候補を、確定ではなく確認用ドラフトとして分けて出す
管理者が直した箇所と「なぜそう直したか」をCLAUDE.mdへ戻し、初稿の精度を上げる
初稿づくりをサービス提供責任者に任せ、管理者は配置と配慮の確認に回る。代替候補リストも毎月更新する
5ステップで最も大切なのは、STEP 4の「なぜそう直したか」を残すことです。AIが出したシフト案を管理者が直した場合、「なぜこの職員をこの日に動かしたのか」を残さないと、次月も同じ違和感のある案が出ます。逆に、その理由をCLAUDE.mdへ戻せば、AIの初稿は少しずつひだまりの里の配置の考え方に近づきます。
04 RESULT 導入後の変化と数値効果(ひだまりの里の事例) シフト作成6時間→1.5時間/月、属人化の解消
- 希望休が紙・LINE・口頭で集まり、南さんが毎月Excelへ手で転記していた(集計から初稿まで月6時間)
- 資格者配置や夜勤の偏りの確認が南さんの頭の中にあり、佐久間さんは初稿を起こせなかった
- 急な欠勤のたびに代替を探し、頼みやすい同じ職員に負担が偏っていた
- 希望休が通るか分かりにくく、職員が休みを出しづらい雰囲気があった
- AIが希望休と勤務条件を職員ごとに整理し、シフト案の初稿を作成。集計から初稿まで月1.5時間に
- 資格者の抜けや夜勤偏りを未充足候補として先に提示し、佐久間さんも初稿を起こせるようになった
- 欠勤時の代替候補と連絡順を事前に整理でき、当日の穴埋めと偏りが見えやすくなった
- 希望休の通り具合が見える化され、職員が休みを出しやすくなった
05 PITFALL よくある落とし穴3つ 配置の最終判断・個人情報・公平性の扱いを誤らない
配置基準を満たすかの判断、資格要件、職員の体調への配慮、利用者対応の相性は、現場を知る管理者が確認します。AIは条件整理と未充足候補の提示まで。たたき台を確定扱いにすると、基準割れや無理な配置がそのままシフトに乗ります。
家庭の事情や健康情報は、職員個人情報として慎重に扱います。シフト作成に必要なのは「勤務可否」「資格」「夜勤・送迎の可否」など最小限の情報です。「通院のため」「子の送迎のため」といった理由の詳細までAIへ入れる必要はなく、入力範囲を先に決めておきます。
AIが条件を満たすシフト案を作っても、夜勤・送迎・土日勤務が特定の職員に偏ることがあります。偏りは現場の疲弊や離職につながるため、夜勤回数・連続勤務・土日の負担の偏りは必ず人が確認します。AIには偏り候補を出させ、ならし方の最終判断は管理者が行います。
06 BUILD 希望休・資格要件・配置基準からシフト案を作る型 いきなり全部組まず、固定する条件から順に積む
シフトでつまずく一番の原因は、希望休・資格・夜勤・送迎をすべて同時に見ようとして、頭の中だけで組もうとすることです。ひだまりの里では、AIに渡す前に「先に固定する条件」を決め、そこから順に積む作り方に変えました。CLAUDE.mdにこの順番を書いておくと、AIが同じ順でシフト案と未充足候補を出します。
STEP A: 動かせない枠を先に置く
STEP B: 資格要件で各日の必須人数を満たす
次に、日ごと・勤務帯ごとに「介護福祉士◯名」「看護職◯名」「夜勤◯名」といった必須人数を満たしていくよう、AIに埋めさせます。このときAIには、配置基準を満たさない日を未充足候補として赤字で出すよう指示しておくと、どの日が危ないかが初稿の段階で見えます。基準を満たすかの最終判断は管理者が行い、AIはあくまで「足りないかもしれない日」を知らせる役割です。
STEP C: 残りの枠を希望と公平性で埋める
必須人数が埋まったら、残りの日勤・早番・遅番を、できれば休みの希望と勤務回数の公平性を見ながら埋めます。AIには「夜勤回数」「土日勤務」「連続勤務日数」を職員ごとに集計させ、偏っている職員を一覧で出させると、ならす作業が一気に楽になります。
確定の休みと固定勤務を先に置き、次に資格要件の必須人数を満たし、最後に希望と公平性で埋める。この順番をCLAUDE.mdに書いておくと、AIが同じ手順でシフト案と未充足候補を出します。全部を同時に見るより、固定する条件から順に積むほうが、配置の抜けに早く気づけます。
07 CHECK 夜勤・人員基準・公平性の確認観点 管理者が最終確定する前に必ず見る3つの観点
AIが出したシフト案は、そのまま使うものではなく「管理者が確認するための下書き」です。ひだまりの里では、AI初稿を確定する前に必ず見る確認観点を3つに整理しました。この観点をCLAUDE.mdに書いておくと、AIが該当する候補を先に並べてくれるため、確認がぐっと速くなります。
観点1: 夜勤と勤務間インターバルの確認
観点2: 人員配置基準を満たしているか
観点3: 公平性と働きやすさの確認
AIには、これらの観点を「確認が必要な候補」として出させます。「夜勤明け翌日が公休になっていない人」「月の夜勤回数が突出している人」「希望休が0件しか通っていない人」を一覧化させると、管理者は問題のある箇所だけを見て直せるようになります。最終的なシフトの確定は、これらの候補を踏まえて管理者が判断して行う前提です。
ここで挙げた3観点はあくまで確認の補助です。配置基準を満たすかの最終判断、職員の体調や家庭事情への配慮、利用者対応上の相性は、現場を理解する管理者が確認したうえでシフトを確定します。AIの役割は「見るべき箇所を先に絞る」ことであり、確定の責任を肩代わりするものではありません。
08 RELATED 関連記事: 介護・福祉事業所の自動化事例10選(全業務マップ) シフト以外の9業務も含めた事例集
本記事は介護・福祉事業所の自動化事例10選のうち、事例2「シフト作成」を深掘りした内容です。記録作成・送迎ルート整理・請求前チェック・家族連絡など他の業務もあわせてご覧ください。→ 介護・福祉事業所の自動化事例10選(全業務マップ)
09 ABOUT AI鬼管理について - シフト作成の伴走サービス 属人化したシフトを、確認中心の運用へ
本記事を発信している AI鬼管理 は、介護・福祉事業所のAI業務自動化をClaude Code/Codexで設計から伴走するサービスです。シフト作成は、希望休集計と配置確認の属人化を解くことで、職員の働きやすさと管理者の負担軽減に効く打ち手です。
属人化したシフト初稿、いっしょに軽くしませんか?
本記事のひだまりの里の例は、訪問介護とデイサービス併設・約25名・管理者1人集中というモデルケースです。貴事業所のサービス種別の構成や夜勤・送迎の有無によって、最適な進め方は変わります。まずは今のシフトの作り方をうかがって、貴事業所に合った設計をご提案します。
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よくある質問
Q. AIだけでシフトを確定できますか?
A. 確定はできません。AIは希望休と条件を整理してシフト案と未充足候補を作るところまでで、配置基準を満たすかの判断、職員の状態、利用者対応の相性は管理者が確認して最終決定します。
Q. 配置基準の確認もAIに任せられますか?
A. AIには「基準を下回りそうな日」を候補として出させるところまでを任せます。配置基準・資格要件・職員の体調配慮の最終判断は管理者が公式の基準と照らして行います。
Q. 急な欠勤対応にも使えますか?
A. 使えます。必要な資格を満たし、連続勤務や夜勤明けの制限に触れない代替候補と連絡順を事前に整理しておくことで、当日の穴埋めをすばやく出せます。誰に頼むかの最終判断は管理者が行います。
Q. 職員の個人情報はどこまで入れてよいですか?
A. 勤務可否・資格・夜勤や送迎の可否など、必要最小限に留めます。家庭事情や健康情報の詳細は入れず、「この曜日は勤務不可」といった勤務条件に変換して扱い、入力範囲を先に決めておきます。
Q. 小規模事業所でも効果がありますか?
A. あります。人数が少ないほど条件が管理者の頭の中に集まりやすいため、希望休と資格条件を見える化するだけでも、初稿づくりと欠勤対応の負担が軽くなります。
Q. 料金やプランを教えてください
A. 料金やサポートプランは AI鬼管理のサービスページをご覧ください。貴事業所向けの個別ご提案は本記事末尾のNEXT STEPからお問い合わせください。
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