【実例公開】Claude Codeで動画ディレクターを完全自動化|1日2時間・月60時間の業務削減に成功した全手順
この記事の内容
「AIが仕事を奪う」——そう言われるとき、多くの人がイメージするのは「データ入力」や「単純な繰り返し作業」ではないでしょうか。
しかし今回自動化したのは、その一つ上の仕事です。
複数の人を動かし、進捗を管理し、品質をチェックし、次の指示を出す。
いわゆる「管理者・ディレクター」の仕事をClaude Codeで完全に自動化しました。
動画ディレクター業務の削減に成功(1日あたり約2時間)
具体的には、YouTubeチャンネル運営における「動画ディレクター」——編集者の採用・素材の振り分け・納品チェック・次の依頼まで全部回す人——の仕事を、Claude Codeで全部自動化しました。
その結果、今やることは「動画を撮って、Google Driveにあげる」だけ。あとは3分以内にAIが動いて、動画編集者に依頼をして、編集が完了するのを待つだけです。
この記事では、大きく3つに分けて解説します。
01 TASK ANALYSIS 動画ディレクターの業務、全部書き出してみた 自動化の第一歩は「業務の言語化」
→ 8つの作業を自動化
→ 6つの作業を自動化
→ 7つの作業を自動化
まず自動化する前に、「動画ディレクターが実際に何をやっているのか」を全部洗い出しました。
Claude Codeで自動化できるとは言っても、この業務の言語化・細分化・要件定義が弱いと自動化はできません。「書き出す」ことが全ての出発点です。
書き出してみて気づいたのは、一つひとつは単純な作業だということです。
判断基準も明確で、「Premiere Proを使っているか」「ポートフォリオがあるか」「テロップが台本通りか」——全部Yes/Noで答えられます。
つまり、ルールさえ決めてしまえば、人間がやる必要のない仕事ばかりだったのです。
問題は、これを1日に何十回もやらないといけないこと。応募が4件来れば4回判定して4回メッセージを送る。編集者が10人いれば10人分の進捗を管理する。ひとつ3分の作業でも、積み重なると1日2〜3時間は消えます。
02 SYSTEM OVERVIEW 仕組みの全体像 — 4つのフェーズ 応募受付から納品チェックまで、全自動で回る仕組み
自動選考
確認
案件依頼
次の依頼
仕組み全体は、4つのフェーズで構成されています。それぞれのフェーズが連携して、動画ディレクター業務を完全に自動化しています。
| フェーズ | 内容 | 自動化のポイント |
|---|---|---|
| Phase 1 | 応募受付・自動選考 | 4つの基準で即時判定→3分以内に返信 |
| Phase 2 | テスト動画確認 | FFmpegでフレーム切り出し→台本と自動照合 |
| Phase 3 | 本採用・案件依頼 | スプレッドシート連携→素材の自動振り分け |
| Phase 4 | 納品チェック・次の依頼 | Phase 3と4がループし続ける永続運用 |
フェーズ1:応募受付・自動選考
PHASE 1 — APPLICATION SCREENING
難しい話は抜きにして、流れだけ見ると「応募が来る → AIが気づく → 判定する → 返信する」。たったこれだけです。
具体的に説明します。CrowdWorksに応募が届くと、まずGmailに通知メールが来ます。そのメールを「GAS」(Google Apps Script)というGoogleの自動化ツールが検知して、SlackというチャットアプリにURLを転送します。
次に、「PowerShell」というパソコンの自動実行ツールが3分おきにSlackを確認しています。新しい通知があればClaude Codeを起動する。なければ何もしない。
通知がない間はAIが一切動きません。待機中のコストはゼロです。
起動したClaude Codeは、CrowdWorksの応募ページを自動で開いて内容を読み取ります。そして、事前に決めた4つの基準で判定します。
この基準は、Claude Codeへの指示書にあらかじめ全部書いてあります。なので毎回、同じ基準で判定されます。「なんとなく良さそう」という人間的なブレが一切ないのが大きな利点です。
合格なら、テスト案内のメッセージを自動送信。不合格なら、お断りメッセージを自動送信。応募者から見ると、送った数分後にはもう返事が届いている。普通なら1〜2日かかるところが、3分以内です。
フェーズ2:テスト動画の確認
PHASE 2 — TEST VIDEO REVIEW
テスト動画の確認は、AIが一番力を発揮するところかもしれません。
合格者にはテスト案内を送ります。「この台本とマニュアルに沿って、動画を1本編集してください」という内容です。台本、編集マニュアル、素材のGoogle Driveリンク、すべてメッセージに記載して送ります。
ここからは編集者のターンです。編集者が作業を進める中で、質問が来ることもあります。「BGMはどうすればいいですか?」「テロップの色は指定ありますか?」といった内容です。これもAIが3分以内に検知して、マニュアルと台本に基づいて自動で回答します。
そして、編集者がテスト動画を完成させると、YouTubeに限定公開でアップロードして、そのURLをCrowdWorksのメッセージで送ってきます。ここからがAIによる動画チェックです。
動画チェックの流れ
AIが確認するポイントは以下の通りです。
チェック後、問題がなければ「クオリティが高かったので本採用とします」と連絡して、フェーズ3に進みます。
修正が必要な場合は、具体的にフィードバックを送ります。「なんとなくダメ」ではなく、「2分14秒のテロップが台本の3行目と異なります」というレベルで指摘します。これも全部AIが自動で生成・送信して、再納品を待ちます。
フェーズ3:本採用・案件依頼
PHASE 3 — JOB ASSIGNMENT
テスト動画が合格したら、いよいよ本採用です。ここからが動画ディレクターとしての本来の仕事になります。
まず、編集者に本採用の連絡を送ります。次に、Claude Codeがスプレッドシートを確認して、依頼できる素材を探します。
運用しているスプレッドシートには撮影した動画の一覧が入っていて、D列にチェックが入っていれば撮影済み、E列が空欄ならまだ誰にも依頼していない素材です。Claude Codeはこの条件に合う動画を自動で見つけます。
該当する素材があれば、Google Driveから素材フォルダを特定して、編集者にリンク付きで依頼メッセージを送ります。1人の編集者には1本ずつ依頼し、1本が完成してから次の1本を渡す流れです。
依頼が完了したら、スプレッドシートも自動で更新します。
| 列 | 記録内容 |
|---|---|
| E列 | チェック(依頼済み) |
| F列 | 編集者名 |
| G列 | 編集者のプロフィールURL |
| 管理タブ E列 | 編集中の動画タイトル |
スプレッドシートを開けば、誰が何をやっているか一目でわかる状態が常に保たれます。
素材がないケースの自動対応
依頼できる素材がなかったケースも想定しています。まだ撮影していなければ当然素材がありません。その場合Claude Codeは「現在素材がないので、追加されたら連絡します」と編集者に伝えます。
そして、新しい動画を撮影してGoogle Driveに置いた瞬間、GASが検知してSlackに通知が飛びます。Claude Codeが3分以内にそれを検知して、待機中の編集者を探して、自動で依頼を送る。
フェーズ4:納品チェック・YouTube・次の依頼
PHASE 4 — DELIVERY & LOOP
編集者が動画を完成させると、CrowdWorksのメッセージで納品報告が届きます。フェーズ2のテスト動画と同じく、3分以内にAIが検知します。
AIは納品された動画をチェックします。yt-dlpでダウンロードして、FFmpegで10秒ごとにフレームを切り出して、台本やマニュアルと照合する。このプロセスはフェーズ2と全く同じです。
動画に問題がなければ、AIがYouTubeチャンネルに下書きとしてアップロードします。あくまで下書きなので、公開はされません。最終確認して公開ボタンを押すだけの状態になります。
アップロードが完了したら、スプレッドシートのI列にチェックをつけ、「動画編集者管理」タブのE列(編集中の動画)を空欄に戻します。これによって、その編集者のステータスが「待機中」に変わります。
待機中に戻った瞬間、フェーズ3のロジックが自動で動きます。スプレッドシートに未依頼の素材があれば、その編集者に次の動画を自動で依頼する。なければ、次の素材がDriveに追加されるまで待つ。
つまり、一度採用した編集者には半永久的に仕事が回り続けます。フェーズ3と4がループし続ける。撮影してDriveに置けば、AIが勝手にさばいてくれる。編集者が増えれば増えるほど、同時に回せる本数が増えていく。
修正が必要な場合は、AIが具体的なフィードバックを送って再納品を待ちます。修正版が届けば、また同じチェックが走る。OKが出るまでこのサイクルが繰り返されます。
03 INSIGHTS 自動化して発見した2つのこと 実際に運用して見えた予想外の効果と失敗
応募から返信まで3分以内
全体設計→実装の順が鉄則
発見①:「爆速レスポンス」がデフォルトになった
たとえばCrowdWorksで応募を送ったとします。普通は、返事が来るまで1日から2日かかることもあります。担当者が忙しければ、3日以上そのままになることも珍しくありません。
これは、その担当者が悪いという話ではありません。人間の管理者は常に複数の仕事を同時に抱えているからです。応募確認だけをしているわけではなく、他の連絡も返すし、進捗も見るし、納品物も確認するし、社内のやり取りもする。つまり、一つ一つ順番に見ていくしかないのです。
だから、どうしても遅れます。確認漏れも起きるし、後で返そうと思っていたものが埋もれることもある。人間の管理業務には、構造上の遅延があるということです。
でもAIは違います。AIは、一つの仕事を見ながら同時に別の仕事も見られます。例えるなら、前を見ながら左も右も後ろも見られるようなものです。人間のように「今これをやっているから、他はあとで」とはなりません。
| 人間のディレクター | AIディレクター | |
|---|---|---|
| 応募返信 | 1〜2日(最悪3日以上) | 3分以内 |
| 質問対応 | 数時間〜翌日 | 3分以内 |
| 納品確認 | 当日〜翌日 | 3分以内 |
| 判定のブレ | あり(気分・忙しさ) | なし(基準固定) |
| 確認漏れ | あり得る | なし |
その結果、応募が来たらすぐ反応する。質問が来たらすぐ返す。納品が来たらすぐ確認する。管理者側の遅延がほぼ消えるのです。
発見②:設計書なしの見切り発車で失敗した
最初、「とりあえずやってみよう」で始めました。CrowdWorksにログインできるようにして、次に提案を読めるようにして、次にメッセージを送れるようにして……と、思いつくままに1つずつ機能を足していきました。
これが良くなかった。
全体の設計図がないまま作り始めたので、後から「あ、ここも必要だった」「ここの処理、最初から考えておけばよかった」が大量に出てきます。
例えばスプレッドシートの更新タイミング。最初はスプレッドシートのことを全く考えずに作っていたので、後から無理やりつなぎ込むことになりました。さらに、指示書もその都度書き足していったので、内容がどんどん継ぎ接ぎになる。「この処理はどこに書いてあったっけ」と自分でも分からなくなる場面がありました。
最初に全体フローを設計書として書き出して、「どの段階で何が必要か」を整理してから作り始めていれば、手戻りは半分以下で済みます。
自動化に限った話ではないですが、「まず全体像を描いてから手を動かす」は本当に大事です。見切り発車は結局遠回りになります。
04 SUMMARY まとめ — パソコン業務は、ほぼ全部自動化できる 問題は「できるかどうか」ではなく「やるかどうか」
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実際にやっていることの例をいくつか挙げると——
正直に言うと、パソコン上でやっている業務であれば、ほぼ全部自動化できます。
問題は「できるかどうか」ではなくて、「やるかどうか」と「誰がやるか」だけです。
「これ、自分の業務でもいけるのかな?」というレベルでも全然大丈夫です。何がどこまで自動化できるのか、どれくらい時間やコストが削減できるのか、かなり具体的にお話しできます。
よくある質問
Q. この仕組みの構築にどのくらい時間がかかりましたか?
A. 試行錯誤を含めて約2週間です。ただし、記事でお話しした通り「最初に設計書を書いてから作る」ことで、大幅に短縮できます。業務の書き出しと設計に1〜2日、実装に3〜5日が目安です。
Q. 非エンジニアでもこの仕組みは作れますか?
A. はい、作れます。実際にこの仕組みを構築した菅澤自身がエンジニアではありません。Claude Codeは日本語で指示を出すだけで動くため、プログラミングの専門知識は不要です。ただし、業務を細かく分解して言語化する力は必須です。
Q. 動画のクオリティチェックはどのように行われますか?
A. yt-dlpで動画をダウンロードし、FFmpegで10秒ごとにスクリーンショットを切り出します。AIがそれら全てを台本・マニュアルと照合し、テロップの一致・画像挿入の適切さ・フォントの統一性などを確認します。人間が見落としがちな細かいミスも検出できます。
Q. 動画編集以外の業務にも応用できますか?
A. はい、応用可能です。今回の仕組みの本質は「判断基準が明確な管理業務の自動化」です。例えば、カスタマーサポートの一次対応、採用面談のスクリーニング、レポート作成と配信、在庫管理と発注指示など、ルールベースで判断できる業務であれば同じ考え方で自動化できます。
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