旅行会社向けClaude Codeセミナー|ツアー企画書・添乗指示書・MICE提案書の書類仕事はどこまで自動化できるか
弊社GENAIでは、旅行会社の方向けに Claude Code・Codex の無料オンラインセミナー(60分)を開催しています。本記事では、ツアー企画書の作成、原価試算、添乗指示書の準備という三つの中核業務が、それぞれどこまで自動化できるのかを、セミナーの内容とあわせて詳しく解説します。
旅行会社では、ツアー企画書やMICE提案書、添乗指示書、旅行業者登録の更新書類など、代表や旅行業務取扱管理者の方が日常的に作成する書類が非常に多く、その作成負担は業種特有の課題としてよく知られています。
本記事では、Claude Code・Codexの基本的な仕組みから、旅行会社特有の書類仕事に具体的に何を渡すとどう変わるのか、できることとできないこと、導入時につまずきやすいポイントまでを、順を追って詳しく紹介していきます。
参加無料・60分・オンライン(Google Meet)・1社1枠
01 AI_DIFF 「聞けば答えるAI」と「仕事をやり切るAI」、旅行会社ではどう違うのか Claude CodeとCodex、それぞれ何者で、非エンジニアでも使えるのかを整理します
ChatGPTやGeminiのような生成AIは、質問すると答えてくれる「対話するAI」です。使ったことがある方も多いと思います。
「MICE提案書の構成を教えて」「標準旅行業約款のポイントは」といった質問には、丁寧に答えてくれます。ただし、実際の提案書作成や約款の適用そのものまではやってくれません。
一方、Claude CodeやCodexは、指示した作業を最後まで自分で実行してくれる「仕事をやり切るAI」です。過去のツアー企画書を読み込んで新しい企画書を作る、といった一連の作業を任せられます。
たとえば「今月のツアー企画書の原価を試算して」と頼んだ場合、ChatGPTは一般的な試算の考え方を説明してくれますが、実際に手配コストのデータを開いて計算まではしてくれません。
Claude Codeは、その手配コストのファイルを実際に開いて中身を読み込み、試算結果をその場で作ってくれます。「説明する」のではなく「やってくれる」のが最大の違いです。
1-1. Claude Codeとは
Claude Codeは、Anthropic社が開発した、ターミナルやエディタの画面から指示を出して動かすAIツールです。ツアー企画書や手配コストのデータを読み込ませ、対話しながら試算やドラフト作成を進められます。
📚 用語解説
Claude Code:Anthropic社が開発した、ファイルを読み込んで作業を代行してくれるAIツールです。パソコンの画面から日本語で指示を出して使います。
もともとはソフトウェア開発者向けのツールとして作られましたが、「ファイルを読み込んで作業する」という性質そのものは、プログラミングに限らず、ツアー企画書の作成や添乗指示書の準備にもそのまま応用できます。
1-2. Codexとは
Codexは、OpenAI社が開発した、Claude Codeと似た位置づけのAIツールです。こちらもファイルを読み込ませて作業を任せる使い方が中心で、旅行会社での活用事例はClaude Codeのほうが蓄積が進んでいます。
ChatGPTを開発しているOpenAI社の技術がベースになっているため、ChatGPTに慣れている方には、操作の雰囲気が近く感じられるかもしれません。基本的な考え方はClaude Codeと共通しています。
📚 用語解説
Codex:OpenAI社が開発した、Claude Codeと同じく作業を代行してくれるAIツールです。仕組みは似ていますが、開発元と細かな使い勝手が異なります。
「そもそもどこの会社が作っているのか」という疑問もよく聞きます。Claude CodeはAnthropic社、CodexはOpenAI社がそれぞれ開発しており、どちらも旅行会社向けに特化したツールではなく、汎用のAIツールを業務に応用する形で使います。
| Claude Code | Codex | |
|---|---|---|
| 開発元 | Anthropic | OpenAI |
| できること | ファイル読み込み・試算・書類ドラフト作成 | ファイル読み込み・試算・書類ドラフト作成 |
| 旅行会社での活用事例 | 蓄積が進んでいる | 蓄積は少なめ |
| 非エンジニアの利用 | 日本語の指示文で操作可能 | 日本語の指示文で操作可能 |
| 土台となる技術 | Anthropic独自のAIモデル | ChatGPTと同じOpenAIのAIモデル |
| セミナーでの扱い | 実演の中心として詳しく紹介 | 冒頭で違いを簡単に紹介 |
どちらも専門的なプログラミング知識がなくても、日本語で「この企画書を作って」のように話しかけるだけで使えます。難しい操作を覚える必要はありません。
画面自体は黒い背景に文字が並ぶ、いわゆる「エンジニアっぽい」見た目をしています。ただし操作は日本語のチャットとほぼ同じで、ボタン操作を覚える必要はなく、話しかける言葉の中身のほうが重要です。
Claude CodeもCodexも、専門知識よりも「何を渡して、何を作ってほしいか」を言葉にする力のほうが重要です。セミナーでは実際の画面を動かしながら、この感覚をお見せしています。
1-3. 旅行会社では、具体的に何に使えるのか
「仕事をやり切るAI」と言われても、まだ抽象的に感じるかもしれません。旅行会社の現場で言えば、次のような業務が代表的な使いどころです。
- テーマ別ツアー企画書のドラフト作成
- 原価試算・販売価格設計
- MICE/修学旅行提案書のドラフト作成
- 添乗指示書・緊急連絡網の整備
- 標準旅行業約款の適用チェックと契約書面ドラフト
この先の章では、これらの業務ひとつひとつについて「何を渡すと、何が出てくるか」を具体的に見ていきます。
逆に、お客様との信頼関係づくりや、現地でのトラブル対応のように、状況ごとの機微な判断が求められる業務は、これからも人が担う部分として残ります。AIが代われるのは「作業」であって「判断」ではない、という線引きが基本です。
この線引きを最初に理解しておくと、「AIに何でも任せられる」という過度な期待も、「結局は使えない」という過小評価も、どちらも避けやすくなります。
旅行業界は、コロナ後の需要回復、インバウンド・アウトバウンド両面の伸び、OTA(楽天/じゃらん/Booking.com/Expedia)の寡占、店舗型旅行会社の閉鎖といった変化が同時に進んでいます。中小旅行会社では、代表や旅行業務取扱管理者が受注・手配・添乗・法令対応の全業務を抱え込む状態が珍しくありません。
AIを「ツアー検索だけ」で導入するのは不十分です。企画・受注から手配・添乗員アサイン・販促・法令対応・経営レポートまで、案件の全工程にClaude Code・Codexを組み込むことで、添乗員や手配スタッフが現地交渉やお客様との関係構築といった人にしかできない業務に集中できる体制を作れます。
| 向いている業務 | 向いていない業務 |
|---|---|
| 数字の試算・書類のドラフト作成 | お客様との信頼関係づくり |
| 過去の様式を踏まえた書式変換 | 現地でのトラブルへの最終対応 |
| 繰り返しの多い定型業務 | そのつど状況が変わる交渉ごと |
| 複数資料の突合・横断作業 | 添乗員・取引先との人間関係の構築 |
| データに基づく傾向の把握 | お客様の空気を読んだその場の判断 |
| 用語 | 一言でいうと |
|---|---|
| Claude Code | Anthropic製の「仕事をやり切るAI」 |
| Codex | OpenAI製の「仕事をやり切るAI」 |
| プロンプト | AIへの指示文(日本語の普通の文章でよい) |
| AIエージェント | 複数の作業を自律的に実行し続けるAIの総称 |
| permission mode | AIに許可する操作の範囲を決める設定 |
| MICE | 会議・研修・招待旅行・展示会など法人主導の大型集客イベントの総称 |
02 PLANNING ツアー企画書・原価試算・MICE提案書が、Claude Codeでこう変わる 旅行会社でもっとも時間とお金が動く企画・提案の工程を、入力と出力で見ます
旅行会社でもっとも時間とお金が動くのが、ツアー企画書と原価試算、販売価格設計の工程です。テーマ別ツアーやMICE、修学旅行の提案書の質が、そのままコンペの勝率に直結します。
精度とスピードの両方が求められる一方、案件数が増えるほど代表や旅行業務取扱管理者の負担は膨らみます。専任の企画担当を置けない中小の旅行会社ほど、この負担が代表一人にのしかかりやすくなります。
ツアー企画書ドラフト作成
過去の企画書・顧客要望・地域情報を読み込ませると、テーマ別ツアー企画書のドラフトが出てきます。
原価試算・販売価格設計
航空・ホテル・バス・食事の手配コストデータを渡すと、原価表と販売価格案が出てきます。
MICE/教育旅行提案書
法人や学校からの要望シートを渡すと、MICE提案書や修学旅行プログラムのドラフトが出てきます。
添乗指示書・緊急連絡網
旅程表と添乗員のアサイン情報を渡すと、添乗指示書と緊急連絡網のドラフトが出てきます。
2-1. ツアー企画書のドラフト作成
過去のツアー企画書や顧客要望シート、地域の観光情報をClaude Codeに読み込ませると、テーマ別ツアー企画書のドラフトが出てきます。撮影・食・酒・巡礼といったテーマ型企画も、過去の類似企画を土台に組み立てやすくなります。
これまで代表が過去の企画書を見返しながらゼロから組み立てていた作業のうち、構成案を書き出す部分だけを、AIが下書きとして先に用意しておくイメージです。
もちろん、テーマや価格帯がお客様の要望と合っているかどうかの最終確認は、これまで通り代表や企画担当者が行います。
ツアー企画書のドラフトは、その後の原価試算・販売価格設計・パンフレット作成すべての土台になります。ここを最初に整えることが、以降の工程全体の時間短縮につながります。
| 企画ジャンル | 主な検討項目 |
|---|---|
| テーマ型ツアー(撮影/食/酒/巡礼) | テーマ設定・行程・体験内容 |
| MICE/インセンティブ | 会場・宿泊・プログラム構成 |
| 修学旅行/教育旅行 | 学習プログラム・引率体制 |
| 地方創生ツアー | 地域連携・体験メニュー |
2-2. 原価試算と販売価格設計
テーマ別ツアー企画書のドラフトと、航空・ホテル・バス・食事の手配コストデータを渡すと、原価を積み上げた試算表と、販売価格の案が出てきます。最終的な価格決定は、担当者が行います。
📚 用語解説
MICE:会議(Meeting)・研修旅行(Incentive Travel)・国際会議(Convention)・展示会(Exhibition)の頭文字を取った、法人主導の大型集客イベントの総称です。
募集型企画旅行として売る場合と、法人向けの受注型企画旅行として売る場合とで、価格の見せ方が変わります。募集型向けには一式の販売価格、法人提案向けには内訳が分かる原価表、という使い分けをドラフトの時点で用意させることも可能です。
MICE提案書や修学旅行の見積では、団体割引や貸切バスの台数など、条件による価格の変動要素も多くなります。条件ごとの試算パターンをまとめて出しておくと、コンペの場での即答もしやすくなります。
| 業務 | 何を渡すか | 何が出てくるか |
|---|---|---|
| ツアー企画書ドラフト | 過去の企画書・顧客要望・地域情報 | テーマ別ツアー企画書のドラフト |
| 原価試算 | 航空・ホテル・バス・食事の手配コストデータ | 原価を積み上げた試算表 |
| 販売価格設計 | 原価試算表・過去の販売実績 | 条件別の販売価格案 |
| MICE提案書 | 法人からの要望シート・過去の提案書 | MICE提案資料のドラフト |
| 修学旅行/教育旅行見積 | 学校からの要望シート・過去の見積 | 見積とプログラム提案のドラフト |
| パンフレット原稿 | 企画書・写真素材 | パンフレット掲載用の原稿案 |
たとえば「この顧客要望と地域情報から、テーマ別ツアー企画書を作って」と渡すと、構成案のドラフトが数分で出てきます。
続けて「このドラフトと手配コストデータから原価試算をして」と渡せば、価格案までまとまったシートが出てきます。これを土台に、担当者が価格を調整します。
毎回イチから条件を説明し直す必要はなく、一度使った指示文をメモしておけば、次の案件でもほぼそのまま使い回せます。
2-3. MICE・修学旅行提案でのコンペ対応
法人からのMICE案件や、学校からの修学旅行案件は、コンペ形式で複数社から提案を募られることが多いです。同じ企画書ドラフトの仕組みを使って、提案資料の量そのものを増やせるようになります。
提案資料の作成に時間がかかることを理由に、コンペへの参加自体を見送っていた会社にとっては、参加できる案件数を増やす効果も期待できます。
サステナブル観光やワーケーション、団体旅行/修学旅行/MICE需要のように、テーマが多様化するほど、過去の提案書のパターンを土台にした企画書ドラフトの価値も上がります。ゼロから毎回組み立て直す負担が減るためです。
Claude Codeが担うのは企画書と原価試算の下書きまでです。最終的なテーマ設定と価格判断は、代表や企画担当者が行います。
03 OPERATIONS 添乗指示書・契約書面・旅行業者登録の更新も、同じように変わる 添乗準備、標準旅行業約款の適用、登録更新の書類仕事を具体的に見ます
企画・原価試算以外にも、旅行会社には年間を通じて負担の大きい書類仕事があります。添乗指示書、標準旅行業約款の適用、旅行業者登録の更新などです。
いずれも「毎回・毎年」発生する定型業務という共通点があり、Claude Codeの「型」が効きやすい領域でもあります。ひとつずつ、何を渡すと何が出てくるかを見ていきます。
3-1. 添乗指示書・緊急連絡網の整備
旅程表と添乗員のアサイン情報を読み込ませ、添乗指示書のドラフトと緊急連絡網、健康・安全マニュアルを作らせる、という使い方がAIと相性の良い領域です。
📚 用語解説
添乗指示書:添乗員が現地で行程・宿泊・食事・緊急対応を確認しながら動くための指示書です。旅程が変わるたびに内容の見直しが必要になります。
出発前の3日間が休日返上になりやすいのは、添乗指示書の作成と持参資料の準備、緊急連絡網の整備が重なるためです。旅程が変わるたびに作り直す必要があるため、毎回ゼロから作っている会社ほど負担が大きくなります。
現地でのトラブル対応で代表に深夜連絡が入ることも珍しくありません。過去のトラブル事例を蓄積しておけば、症状や状況のパターンに応じた対応マニュアルのドラフトも作らせられます。
添乗報告書も、音声入力やメモを渡すだけでテキスト化・整形できます。事務所に戻ってからの清書作業がかなり減ります。
| 業務 | 従来のやり方 | Claude Code活用後 |
|---|---|---|
| 添乗指示書作成 | 旅程ごとに手作業で作成 | 旅程表からドラフトを自動作成 |
| 緊急連絡網整備 | 毎回リストを作り直す | 添乗員リストから自動整備 |
| 添乗報告書 | 事務所に戻って清書 | 音声入力・メモから整形 |
3-2. 標準旅行業約款の適用と契約書面
予約フォームのデータや旅程情報を渡すと、標準旅行業約款に沿った契約書面のドラフトと、キャンセル規定の説明書を作らせられます。最終的な書面交付の判断と実務は、旅行業務取扱管理者が行います。
📚 用語解説
標準旅行業約款:旅行会社と旅行者との間の契約条件を定めた、国が示す標準的な約款です。募集型・受注型・手配旅行で適用される条項が異なります。
📚 用語解説
旅行業務取扱管理者:旅行業法に基づき、営業所ごとに選任が義務づけられている国家資格者です。契約書面の交付や取引条件の説明など、旅行会社の独占業務を担います。
募集型企画旅行と受注型企画旅行、手配旅行とで、適用する約款の条項や説明すべき内容が変わります。旅行の種別ごとに、必要な条項をあらかじめ整理しておくと、ドラフトの精度が上がります。
| 業務 | 何を渡すか | 何が出てくるか |
|---|---|---|
| 契約書面ドラフト | 予約フォームデータ・旅程情報 | 標準旅行業約款に沿った契約書面案 |
| キャンセル規定説明 | 旅行開始日・取消料率の条件 | 条件別の説明文ドラフト |
| 添乗指示書 | 旅程表・添乗員アサイン情報 | 添乗指示書・持参資料リスト |
| 緊急連絡網 | 添乗員リスト・関係先連絡先 | 緊急連絡網・対応マニュアル |
キャンセル規定の説明は、お客様とのトラブルになりやすい部分でもあります。旅行開始日までの日数に応じた取消料率を、条件ごとに整理した説明文のドラフトを用意しておくと、窓口対応の負担が減ります。
3-3. 旅行業者登録の更新と営業保証金・旅行業協会対応
旅行業法に基づく旅行業者登録(第1種/第2種/第3種/地域限定)は、更新のタイミングで過去の登録書類を土台にした更新書類のドラフトを作らせられます。
📚 用語解説
営業保証金:旅行業者登録を受ける際に、旅行者保護のために供託が義務づけられている保証金です。旅行業協会に加入する場合は、弁済業務保証金分担金という形で代替できます。
営業保証金や弁済業務保証金の供託状況、旅行業協会への対応状況も、更新のたびに確認が必要な項目です。過去の提出書類を読み込ませておけば、変更点だけを反映した更新ドラフトを用意できます。
第3種旅行業から第2種への昇格を検討している会社では、必要な要件を一覧化しておくことで、どこまで準備が進んでいるかを把握しやすくなります。
月次の経営レポートも、予約データと手配データを読み込ませれば、コンペ参加数や案件別の利益率をまとめたレポートのドラフトが出てきます。
| 指標 | 従来の目安 | AI活用後の目安 |
|---|---|---|
| ツアー企画書/MICE提案書作成時間(1案件) | 30〜100時間 | 8〜25時間程度に圧縮できた例あり |
| 手配業務時間(1ツアーあたり) | 15〜30時間 | 3〜8時間程度に圧縮できた例あり |
| 添乗指示書+事後報告作成時間 | 20〜30時間 | 3〜6時間程度に圧縮できた例あり |
| コンペ参加数(月次) | 3〜8件 | 10〜20件程度に増やせた例あり |
上記の時間はあくまで目安で、案件の規模や社内の運用に応じて変わります。まずは自社の負担が大きい業務から、範囲を絞って試すのが現実的な進め方です。
添乗指示書の作成や契約書面のドラフト作成は、セミナーで実際の画面を動かしながらお見せしています。
AIが担うのはドラフト作成と集計の下準備までです。契約書面の交付、添乗中の安全判断は、これまで通り旅行業務取扱管理者や添乗員が行います。
04 MECHANISM なぜAIが添乗指示書まで作り込めるのか、仕組みの種明かし Claude Codeの仕組みを、専門用語を使わずに説明します
「AIが書類仕事を代わりにやってくれる」と聞くと、仕組みが気になる方も多いと思います。専門用語を使わずに、3つのポイントで説明します。
難しい技術の話ではありません。パソコンが得意な人が、たまたまその得意分野を書類仕事に向けている、というくらいのイメージで読み進めていただければ十分です。
ここまで見てきた企画書や添乗指示書の例も、すべてこの3つの特徴の組み合わせで成り立っています。仕組みが分かると、自社のどの業務に応用できそうかもイメージしやすくなります。
📚 用語解説
AIエージェント:指示を受けて、複数の作業を自律的に実行し続けるタイプのAIの総称です。Claude CodeやCodexは、このAIエージェントの一種です。
4-1. ファイルを直接読み書きできる
Claude Codeは、企画書のWordファイルや手配コストのExcel、予約データといった実際のファイルを、パソコンの中でそのまま開いて中身を読み込めます。読んだ内容をもとに、新しい書類を作ったり、既存の書類を書き換えたりできます。
たとえるなら、資料を渡せば黙々と目を通し、指示通りに整理したり文書を作ったりしてくれる事務員のような存在です。
従来の生成AIとの違いも、まさにここにあります。「試算方法を教えてくれる」のではなく「実際に試算してくれる」——この一歩の差が、書類仕事の時間を大きく左右します。
4-2. 手順を覚えて繰り返せる
一度「この形式で企画書を作って」と教えたやり方は、次回以降も同じ手順で再現できます。毎回イチから指示を考える必要はなく、「型」として使い回せます。
添乗指示書の作成や契約書面のドラフトのように、毎回やることがほぼ決まっている業務ほど、この「型」の効果が出やすくなります。二度目以降は指示の言葉数も減り、確認するだけで済むようになります。
逆に言えば、毎回内容が大きく変わる業務では「型」の恩恵が小さくなります。まずは繰り返しの多い業務から試すのが、効果を実感しやすい進め方です。
最初から完璧な型を作ろうとせず、使いながら少しずつ調整していくほうが、結果的に早く定着します。1つの業務で型ができたら、似た業務にも応用できます。
4-3. 複数の資料を横断できる
予約データ・手配コストデータ・過去の提案書など、別々の場所に保存されている資料を、同時に開いて見比べることができます。MICE提案書の作成はこの「横断」がまさに効いてくる作業で、法人からの要望シート・過去の提案書・手配コストを別々に突き合わせる手間を、まとめて引き受けられます。
添乗準備でも同じことが言えます。旅程表・添乗員のアサイン情報・過去のトラブル事例という、性質の異なる資料を横断して、指示書作成と緊急連絡網整備を一度に進められます。
Claude Codeが担うのは、資料を読み込んでドラフトを作る作業までです。価格の最終判断や、契約書面の交付・送信の判断は、これまで通り人が行います。
| 特徴 | 何ができるか | 旅行会社での具体例 |
|---|---|---|
| ファイルの直接読み書き | 企画書や予約データを開いて、試算やドラフト作成ができる | 手配コストデータから原価試算表を作成 |
| 手順を覚えて繰り返す | 一度教えたやり方を「型」として次回も使える | 毎回の添乗指示書作成を同じ手順で処理 |
| 複数資料の横断 | 予約データ・手配コスト・過去の提案書などをまとめて参照できる | MICE提案書を横断資料から一括作成 |
| 対話しながら進められる | 一度で完璧を求めず、やり取りしながら調整できる | 企画書ドラフトの表現を対話で修正 |
ただし、Claude Codeが自分で判断できないこともあります。どこまで任せて、どこから人が確認するか。次の章で、つまずきやすいポイントとあわせて具体的に説明します。
05 PITFALLS 導入でつまずきやすいポイントと、旅行会社の現実的な対処 セキュリティ・社内定着・ツール選定でよくあるつまずきを整理します
Claude Codeを旅行会社の現場に導入する際、多くの会社が最初につまずくのはセキュリティ面の線引きです。
ここまで紹介してきた便利さの裏側で、実際に導入するとなると出てくる現実的な悩みを、順番に整理していきます。
5-1. セキュリティと情報の取り扱い範囲
permission mode(操作許可の範囲)を適切に設定し、どのデータをAIに渡すか、どこまでの操作を許可するかを事前に線引きしておく必要があります。
📚 用語解説
permission mode:AIにどこまでの操作(読み取り・下書き作成・送信など)を許可するかを制御する設定です。範囲を絞って始め、慣れてから広げる使い方が一般的です。
まず読み取り専用の範囲で運用を始め、慣れてきた段階で許可する操作を広げていく進め方であれば、情報システム担当が不在の会社でも無理なく運用できます。
お客様(個人/団体/法人)の予約データや、旅行業務取扱管理者しか扱えない情報ほど、この設計を丁寧に行うことが導入の前提になります。何を渡して、何を渡さないかを、あらかじめ決めておくということです。
| 段階 | 許可する操作 | 目安の期間 | 関わる担当者 |
|---|---|---|---|
| 導入初期 | 読み取り・試算・下書き作成のみ | 最初の1〜2ヶ月 | 旅行業務取扱管理者・情報システム担当 |
| 慣れてきた段階 | 社内フォーマットへの自動保存を追加 | 3〜6ヶ月目以降 | 業務担当者本人 |
| 定着後 | 業務ごとに必要な操作範囲を個別に調整 | 運用が安定してから | 各業務の責任者 |
5-2. 社内での定着
最初から全業務をAI化しようとせず、企画書のドラフト作成や添乗指示書の準備など、負担の大きい一部の業務から試し、効果を実感してから範囲を広げていくほうが定着しやすくなります。
「便利そうだから」と全社に一斉導入するよりも、まず一人か二人が使いこなせるようになってから、周りに広げていくほうが、結果的に定着のスピードは早くなります。
5-3. ツール選定で押さえておきたいこと
Claude CodeとCodex、どちらが自社に合うかは、実際に画面を見ながら判断するのが早いです。まず自社が最初に試したい業務を決めてから、その業務での使いやすさを比較する順番がおすすめです。
月額料金や課金プランの違いも選定時のポイントですが、機能一覧を比較するよりも、自社の業務で実際に動かしてみたほうが、判断材料としては早く確実です。
「どちらのツールが優れているか」ではなく「自社のどの業務に使いたいか」を先に決めることが、ツール選定で遠回りしないコツです。
| 観点 | 確認しておきたいこと |
|---|---|
| セキュリティ | どのデータをどこまで渡すか、操作許可の範囲 |
| 社内定着 | 最初に試す業務を1〜2個に絞れているか |
| ツール選定 | 自社の業務で実際に動かして比較したか |
| 記録の残し方 | 元データとドラフトを案件フォルダに保存しているか |
| 教育・サポート | 最初の数回、誰が一緒に操作をサポートするか |
5-4. 現場でよくあるつまずきの実例
ひとつは、企画書のドラフト作成と添乗指示書、契約書面のドラフトを、初日からすべて一気に試そうとして途中で止まってしまうケースです。担当者ごとに温度差が生まれ、どの業務も中途半端になりがちです。
📚 用語解説
プロンプト:AIに対して、何をしてほしいかを伝える指示文のことです。難しいコマンドではなく、日本語の普通の文章で構いません。
もうひとつは、添乗員がプロンプトの書き方に戸惑い、結局誰も使わなくなってしまうケースです。「この旅程表から添乗指示書を作って」といった業務の言葉をそのまま入力すれば十分ですが、この点が伝わっていないと、ツールを開かないまま放置されがちです。
三つ目は、旅行の種別(募集型/受注型/手配旅行)の違いを考慮せずに契約書面のドラフトをそのまま使い、条項の不備で差し戻されるケースです。種別ごとの違いを事前に読み込ませておかないと、ドラフトの精度は上がりません。
多くのつまずきに共通するのは、準備段階を飛ばして一気に始めてしまう点です。1つの業務に絞って慣れてから広げるほうが、結果的に早く定着します。
| つまずきポイント | 現実的な対処 |
|---|---|
| 全業務を一度にAI化しようとして頓挫 | 企画書や添乗指示書など、負担の大きい業務を1〜2個に絞って試行 |
| 旅行種別の違いを考慮せず差し戻される | 募集型/受注型/手配旅行の違いを事前に読み込ませ、書式変換の下書きから始める |
| 添乗員がプロンプトの書き方に戸惑う | 最初の数回は旅行業務取扱管理者や情報システム担当が一緒に操作する |
| 読み込ませるデータの範囲を決めずに始める | permission modeで読み取り専用の範囲から着手する |
| 元データとドラフトの保存ルールがない | 案件フォルダにやり取りを保存する運用を決めておく |
AIに読み込ませた元データと、生成されたドラフトを、いつ・どの案件で使ったか分かる形で残しておくことも大切な運用ルールです。案件フォルダにやり取りを保存しておくだけで、最低限の記録になります。
特別なシステムを新たに導入する必要はありません。今使っているフォルダ構成やファイル管理のルールに、AIとのやり取りの保存を一項目加えるだけで十分です。案件フォルダの命名規則さえ揃えておけば、あとから見返すときの手間も増えません。
契約書面や旅行業者登録の更新書類は、後から旅行業協会への説明を求められることもあります。元データとドラフトの保存履歴が、そのまま簡易的な監査ログとして役立ちます。
ここまで見てきたように、つまずきの多くは技術的な難しさではなく、始め方の設計に起因します。業務を絞る、型を作る、記録を残す——この3つを押さえておけば、大きな失敗にはつながりにくくなります。
文章だけでは伝わらない部分は、実際の画面をご覧いただくのが早いです。セミナーでは、企画書の作成や添乗指示書の準備を実際に動かしながらお見せしています。
06 SEMINAR_CONTENT 旅行会社向けセミナー当日、60分で何を話すのか 60分の時間割・実演する業務・よくある質問・参加対象を具体的に紹介します
「結局セミナーで何をするのか」が分からないと、参加を決めにくいと思います。60分の中身を具体的に紹介します。
6-1. 60分の時間割
| 時間帯 | 内容 |
|---|---|
| 最初の10分 | 旅行会社の業務棚卸しと、Claude Code・Codexの全体像整理 |
| 次の25分 | ツアー企画書ドラフトから原価試算、添乗指示書作成の実演デモ |
| 次の15分 | 参加者の悩みを募集し、その場で「うちならこう試すか」を設計 |
| 最後の10分 | 質疑応答と、来週何を試すかの言語化 |
この時間割が基本の流れです。実演デモで扱う具体的な資料例は、参加企業の得意分野(テーマ型ツアー/MICE/修学旅行 等)に応じて多少調整することもあります。
6-2. 実演する業務
実演の中心は、25分間のノーカットデモです。旅行会社の具体的な業務を、画面を動かしながらお見せします。
添乗指示書の作成では、旅程表を読み込ませるところから、指示書・緊急連絡網のドラフトができるまでを実際に動かします。
契約書面のドラフトでは、予約フォームのデータを読み込ませて、標準旅行業約款に沿った書面ができるまでの流れをお見せします。
業務ごとに入力と出力がどう変わるかを比較しながら見ていただくことで、自社ではどの業務から試すのが現実的かを判断しやすくしています。
6-3. その場で答える、こんな質問
| よくある質問 | 当日の回答の方向性 |
|---|---|
| 企画書の作成はどこまで任せられるか | 構成案の下書きまでで、テーマと価格の最終判断は人が行う前提です |
| 契約書面の様式が変わったときはどうするか | 旅行の種別ごとの条項を読み込ませ、変換ドラフトを作ります |
| セキュリティ面でどこまでデータを渡していいか | permission modeでの操作許可範囲の考え方を説明します |
6-4. 参加対象
参加対象は代表・旅行業務取扱管理者・経営層としていますが、添乗員や現場リーダーの方にも参考にしていただける内容です。パソコン操作に不慣れな方でも、専門知識は前提としていません。
一方、書類仕事を人に任せる想定がなく、代表お一人で全ての業務を完結されている場合は、効果を実感しにくいかもしれません。複数人で業務を分担している会社ほど、持ち帰れる材料は多くなります。
地域密着型の中小旅行会社だけでなく、MICEや修学旅行に特化した旅行会社、インバウンド対応が中心の旅行会社からの参加も想定しています。得意分野が違っても、企画書や添乗指示書といった書類仕事の負担という共通点があるためです。
07 SEMINAR_BOOKING 旅行会社向け無料セミナーの予約から当日までの流れ 無料・60分・オンラインの参加方法と、予約から当日までの流れを紹介します
ここまで紹介した内容を、実際の画面を動かしながら確認できる場として、60分の無料オンラインセミナーを開いています。
- 参加費は無料
- 60分・オンライン(Google Meet)開催
- 1社1枠の貸切で、実演を中心に進めます
- 空いている日程からそのまま予約できます
このページ下部の予約フォームで、空き日程を選ぶだけで予約が完了します(日程調整のメール往復はありません)。こちらの予約フォームからお進みください。
日程や内容の詳細はClaude Code セミナーの詳細ページでもご確認いただけます。
| この記事で分かったこと | セミナーで確認できること |
|---|---|
| Claude Code・Codexが何者か | 実際の画面での操作感 |
| 何を渡すと何が出てくるか(理屈) | 自社の業務に置き換えた場合の具体例 |
| 導入時のつまずきポイント | 自社ならどこから試すべきかの判断材料 |
| なぜそれが可能なのか(仕組み) | 実際に動いている様子を見て納得できるか |
| 企画書・原価試算・添乗指示書の変わり方 | 自社の企画書を例にした質疑応答 |
| セキュリティ・社内定着の考え方 | 自社の運用ルールに落とし込む相談 |
この記事を読んで、Claude Code・Codexが何者かはお分かりいただけたと思います。あとは、自社の業務にどこまで使えそうか、実際の画面で確かめていただくだけです。
Claude CodeやCodexが自社に合うかどうかは、実際の画面を見るのが一番早い判断材料になります。押し売りはしませんので、まずは60分、実際の動きを確認してみてください。
参加無料・60分・オンライン(Google Meet)・1社1枠
よくある質問
Q. 公共入札のような厳格な様式はありませんが、旅行業法や標準旅行業約款に関わる書類はAIに任せて大丈夫でしょうか。
A. 過去の契約書面や約款の適用実績を土台にドラフトを作成する使い方が中心です。募集型/受注型/手配旅行で異なる条項もあらかじめ読み込ませておけば反映されます。最終的な確認と交付はこれまで通り旅行業務取扱管理者が行うため、書類の信頼性を保ったまま作成時間を圧縮できます。旅行の種別による違いが大きいほど、事前に読み込ませておく資料の準備が重要になります。
Q. 添乗指示書はツアーごとに内容が変わりますが、対応できますか。
A. 旅程表と添乗員のアサイン情報を渡すたびに、内容を反映したドラフトを作る使い方が可能です。緊急連絡網やトラブル対応マニュアルの整備にも同じ仕組みを使えます。現場での準備の手間そのものを減らす方向で検証しています。旅程の変更が多い案件ほど、都度読み込ませる運用が安定します。
Q. 予約データやお客様の個人情報をAIに読み込ませても問題ないですか。
A. 社内の予約データや手配情報をどこまでAIに渡すか、扱う範囲の線引きも含めてセミナー内で説明しています。permission modeの設定で、最初は読み取り専用の試算・下書き作成のみに限定する運用も可能です。慣れてきた段階で、許可する操作の範囲を少しずつ広げていく進め方が現実的です。導入するかどうかの判断材料としてお持ち帰りいただけます。
Q. パソコン操作に不慣れな添乗員が多い会社でも導入できますか。
A. セミナーではターミナルやエディタの画面を実際に動かしながら説明します。専門知識がなくても、まずは何ができるかを知ることを目的にした内容です。最初の数回は旅行業務取扱管理者や情報システム担当が一緒に操作するところから始める会社が多いです。ボタン操作より、日本語で何を伝えるかのほうが重要になります。
Q. Claude CodeとCodex、どちらを選べばよいですか。
A. どちらも生成AIを使った業務自動化ツールですが、旅行会社の現場業務での活用事例の蓄積が進んでいるのはClaude Codeです。開発元(Anthropic/OpenAI)が異なるだけで、基本的な使い方や非エンジニアでも扱える点は共通しています。まず自社が最初に試したい業務を決めてから、使いやすさを比較するのがおすすめです。
Q. ツアー企画書の精度は、経験の浅い担当者でも保てますか。
A. AIが作るのはあくまで構成案のドラフトで、テーマや価格との整合性の最終確認は企画担当者が行う前提です。ベテランが最終チェックに集中できるようになるため、経験の浅い担当者の育成期間中でも、下書き作成の負担を軽くする使い方ができます。ベテランによる確認そのものは残るため、育成の機会が失われるわけではありません。
Q. Claude Codeを使うと、添乗員や企画担当の仕事が奪われるのではないですか。
A. いいえ。AIが担うのは書類の下書き作成や試算までで、現地での判断やお客様とのやり取り、トラブル対応といった人にしかできない業務はそのまま残ります。書類仕事の時間を減らし、現場やお客様対応に集中する時間を増やすための道具です。むしろ添乗準備に余裕ができたという声もあります。
Q. セミナーは代表本人が参加しないといけませんか。
A. 代表・経営者・会社役員向けを基本としていますが、旅行業務取扱管理者や添乗員の方が実務目線で参加されることも歓迎しています。企画担当と経理担当が一緒に参加し、業務の分担を踏まえて相談される会社もあります。参加人数や役職については、お申し込み時にご相談ください。
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旅行会社の書類仕事は、ツアー企画書・原価試算の段階から、MICE提案書や修学旅行の見積のようにコンペのたびに発生する業務、添乗指示書のように出発のたびに積み重なる業務まで、次々と積み重なっていきます。旅行業者登録の更新や営業保証金の対応など、年次で必ず発生する法令対応も、この積み重なりに拍車をかけます。Claude CodeやCodexが何者かという基本から、実際に何ができて何ができないかまで、文章だけではどうしても掴みにくい部分があります。自社の企画書や旅程表を例に、実際の画面を見ながら自社に合う業務を見極められる場として、60分の無料セミナーを用意しています。
ここから先の進め方は、大きく2つあります。
自社で回せるようになりたい方は、AI鬼管理でClaude Code/Codexの使い方から業務設計・社内定着まで伴走を受けながら、社内に仕組みを作る道があります。
覚えるより任せたい方は、AI社員AIKATAでこの記事のような定型業務を丸ごと預ける道があります。料金は月30万円の月額定額、追加費用は0円です。
どちらが合うかは、業務量と社内体制次第です。無料相談・無料適合診断で、貴社の場合はどちらが向くかからご相談いただけます。
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