【広告代理店・Web制作会社】ヒアリング議事録をClaude Code/Codexで自動化する方法
この記事の内容
広告代理店やWeb制作会社の商談は、提案の起点になる情報の宝庫です。ところが、その場で交わされた課題・要望・予算感・未確認事項・次回までの宿題は、担当ディレクターの走り書きメモと記憶の中にしか残らないことが少なくありません。メモを清書し、社内に共有し、提案の方向性につなげる — この商談後の議事録づくりが一部のディレクターに集中し、提案準備が遅れる原因になりがちです。AIは提案方針を決めるものではありませんが、商談メモを4つの枠に切り分け、抜けている確認事項を洗い出し、社内共有用のドラフトを先に作る補助として使えます。
商談1件あたりのヒアリング議事録づくり (アクシスデザインのモデル事例)
本記事では、AI鬼管理 が支援を想定する アクシスデザイン株式会社 (神奈川県横浜市・Web制作と運用広告の支援が中心・社員18名・月20〜30件の商談) をモデル事例に、Claude Code/Codex でヒアリング議事録を「課題・要望・未確認事項・次回宿題の4枠整理+社内共有ドラフト」まで半自動化する手順を解説します。ヒアリング議事録を制作ディレクターの河西さん(リーダー・在籍8年)が実質1人で担い、1件あたり60分かけて清書していた会社が、若手の宇田川さん(2年目)も議事録の初稿を起こせるようになり、商談から提案までのリードタイムを縮めた流れです。
この記事を最後まで読むと、
- ヒアリング議事録でディレクターが抱えている負荷(清書・論点整理・確認漏れの追跡)が分かる
- Claude Code/Codexで自動化できる3項目(4枠整理/未確認事項の抽出/共有ドラフト)が理解できる
- 5ステップでのPoC〜運用の進め方が分かる
- 商談メモを「課題・要望・未確認・宿題」の4枠に切り分ける型が分かる
- 決定事項とToDoを取りこぼさず、「言った言わない」を防ぐ議事録の作り方が分かる
01 PROBLEM ヒアリング議事録の現場で起きていること 清書・論点整理・確認漏れのトリレンマ
問題1: 議事録の清書がリーダー1人に集中する。商談メモを読める議事録に起こし、社内のデザイナーやコーダーに共有する作業は、アクシスデザインでは実質リーダーの河西さん1人がこなしていました。若手の宇田川さんは「どこを要点として残すか」がつかめず、結局は河西さんの清書待ちになり、河西さんがボトルネックになります。
問題2: 課題・要望・決定事項がメモ上で混ざる。商談中は話が前後します。「今のサイトは問い合わせが少ない」という課題、「採用ページも刷新したい」という要望、「初期費用は◯月の予算で確保済み」という決定事項が、時系列の箇条書きに混在したまま残るため、提案づくりの前に「結局この案件の主要課題は何か」を読み解く作業が毎回発生していました。
問題3: 未確認事項と次回宿題が抜けて出戻りになる。「公開希望日はいつか」「決裁者は誰か」「既存の解析ツールやCMSは何を使っているか」 —こうした未確認事項を商談中に詰めきれず、しかも議事録にも残らないと、提案書を作り込んだ後に前提が崩れ、作り直しになります。アクシスデザインでも、商談が立て込んだ週ほど、この確認漏れによる出戻りが起きていました。
02 WHAT Claude Code/Codexで何を自動化するか 提案方針の判断ではなく、4枠整理と確認漏れの抽出を自動化
📚 用語解説
ヒアリング議事録:商談・ヒアリングで聞き取った内容を、後から提案や見積につなげられる形に整理した記録。単なる発言の書き起こしではなく、「課題」「要望」「決定事項」「次回までの宿題」を切り分けて残すことで、はじめて提案の土台として機能する。何をどの枠に分類するかがディレクターの経験に依存しやすく、属人化の主因になりやすい工程。
処理1: 商談メモを4枠に切り分ける。走り書きのメモや音声の文字起こしから、AIが内容を「課題(困りごと・現状)」「要望(やりたいこと・期待)」「未確認事項(まだ詰めていない点)」「次回宿題(双方の持ち帰りタスク)」の4つの枠に振り分けます。時系列の混在メモが、提案を考える単位に整理されます。
処理2: 未確認事項・確認漏れ候補の抽出。Web制作・広告運用の提案でよく必要になる項目(公開希望日、予算、決裁フロー、既存CMS/解析ツール、素材の支給有無、運用体制など)をAIがチェックリストとして持ち、「今回の商談で触れられていない確認事項」を抜け漏れ候補として出します。提案に入る前に、追加で聞くべきことが分かります。
処理3: 社内共有・顧客向けドラフトの下書き。デザイナーやコーダーに渡す社内共有メモと、顧客への「本日のお打ち合わせ内容の確認」メールのたたき台をAIが文章化します。この共有が早いほど、社内の動き出しが早くなり、顧客との認識ズレも減ります。
| 入力情報 | AIが整理すること | 人(ディレクター)が確認すること |
|---|---|---|
| 商談メモ | 課題・要望・未確認・宿題への振り分け候補 | 分類の妥当性、顧客の真意、優先度 |
| 音声の文字起こし | 要点の抽出と発言の論点整理 | 事実関係、ニュアンス、言い回し |
| 過去案件の議事録 | 今回不足している確認事項の候補 | 案件特性に応じた取捨選択 |
| 提案テンプレ | 次アクション・宿題の下書き | 提案方針、担当割り、納期の現実性 |
AIの役割は4枠への整理・確認漏れ候補・共有ドラフトの下書きまで。どんな施策を提案するか、どの要望を優先するか、見積をいくらにするかは必ずディレクターが判断します。この線引きを最初に決めておくと、現場が安心してAIを使えます。
03 HOW 具体的な進め方 5ステップ 小さくPoCし、分類を直した理由を議事録ルールへ戻す
ヒアリング議事録AI化の5ステップ
新規サイト制作・リニューアル・運用広告など、聞くべき項目が違うタイプを先に分けて対象を1つ選ぶ
「サイト制作なら公開希望日・決裁者・既存CMSを必ず確認」など、河西さんの頭の中の確認軸を文章化する
4枠整理・未確認事項・宿題・共有ドラフトを、確定版ではなく確認用ドラフトとして出す
ディレクターが直した分類と「なぜその枠ではないか」をCLAUDE.mdへ戻し、初稿の精度を上げる
議事録の初稿づくりを若手に任せ、リーダーは確認に回る。うまくいったタイプから横展開する
5ステップで最も大切なのは、STEP 4の「分類を直した理由」を残すことです。AIが「要望」に振り分けた一文を、ディレクターが「これは決定事項だ」と直した場合、その理由を残さないと、次回も同じ取り違えが起きます。逆に、その理由をCLAUDE.mdへ戻せば、AIの議事録はアクシスデザインの分類基準に少しずつ近づきます。
04 RESULT 導入後の変化と数値効果(アクシスデザインの事例) 議事録づくり60分→18分、属人化の解消
- 商談の走り書きメモを、河西さんが読める議事録に手作業で清書していた(1件約60分)
- 課題・要望・決定事項が時系列メモに混在し、提案前に論点を読み解く作業が毎回発生
- 未確認事項(公開日・決裁者・既存CMS)が記録されず、提案後の出戻りが起きていた
- 若手の宇田川さんは議事録を起こせず、河西さん1人に集中して提案準備が遅れていた
- AIが商談メモを4枠に整理し、議事録の初稿づくりは約18分に
- 課題・要望・決定事項が枠ごとに分かれ、提案の優先順位を考えやすくなった
- 案件タイプ別の確認項目から未確認事項を提示し、提案前に追加ヒアリングできるようになった
- 若手の宇田川さんが初稿を起こし、河西さんは確認に専念。提案までのリードタイムが縮んだ
05 PITFALL よくある落とし穴3つ 判断・流用・確認の扱いを誤らない
どの施策を提案するか、どの要望を優先するか、予算配分をどうするかは、顧客と業界を理解したディレクターが判断します。AIは4枠への整理と確認材料の抽出まで。提案方針の決定を任せると、顧客の本当の狙いとズレた提案になります。
案件タイプが同じでも、顧客の課題や決裁フローは一件ごとに違います。似た過去案件は「確認項目の参考」として使い、今回の商談で得た事実はあらためて議事録に残してください。
AIは文脈から確認事項を埋めようとすることがあります。商談で実際に詰めていない点は、AIが推測で埋めるのではなく「未確認」として明示することが重要です。最終的な「確認済み/未確認」の線引きは、商談に出たディレクターの責任で行います。
06 FRAMES 商談メモを「課題・要望・未確認・宿題」の4枠に切り分ける型 枠を分けるだけで、提案の起点が見えてくる
AIの議事録初稿の精度を上げるには、4枠それぞれの定義と「迷ったときの振り分けルール」をCLAUDE.mdに書いておくことが効きます。アクシスデザインで使っている4枠の見方を紹介します。
枠1: 課題 — 顧客が困っている現状
枠2: 要望 — 顧客がやりたいこと・期待
枠3: 未確認事項 — まだ詰めていない点
枠4: 次回宿題 — 双方の持ち帰りタスク
上の4枠の定義と「迷ったときの振り分け例」をCLAUDE.mdに書いておくと、AIが商談メモを4枠に振り分けるようになります。案件タイプが違うと確認項目も変わるので、タイプ別に確認リストを分けて登録するのがコツです。
07 WRITING 決定事項とToDoを取りこぼさない議事録の作り方 「言った言わない」は決定事項の書き方で防ぐ
制作・広告の現場トラブルは、提案の中身より「言った言わない」の認識違いで起きがちです。アクシスデザインが議事録に必ず入れている、決定事項とToDoの書き方の型を紹介します。
型1: 決定事項は「合意した事実」だけを抜き出す
「初期費用は◯月の予算枠で確保済み」「公開希望日は来期頭」「第一フェーズはコーポレートサイトのみ」のように、その場で双方が合意した事実だけを決定事項として抜き出します。要望や検討中の話と混ぜないことで、後から「決まっていたこと」を一目で確認できます。
型2: ToDoは「誰が・いつまでに・何を」で書く
「(自社)提案書ドラフトを◯/◯までに提出」「(顧客)社内稟議を◯/◯までに確認」のように、担当・期限・内容をセットで書きます。主語(自社か顧客か)を明示すると、ボールがどちらにあるかが曖昧になりません。
型3: 未確認は「確認の担い手と期限」まで書く
「既存の解析ツール → 次回までに顧客が確認」「競合サイトの希望イメージ → 顧客が参考URLを共有」のように、未確認事項に確認の担い手と期限を添えます。こうしておくと、未確認のまま提案に突入して出戻る事故が減ります。
上の3つの型をCLAUDE.mdに例文付きで書いておくと、AIが商談メモから決定事項とToDoを定型フォーマットで下書きします。「言った言わない」のトラブルが減り、議事録の品質が担当者によらず安定します。ただし「何を決定事項とするか」の最終判断は、商談に出たディレクターが行います。
08 RELATED 関連記事: 広告代理店・Web制作会社の自動化事例10選(全業務マップ) ヒアリング以外の9業務も含めた事例集
本記事は広告代理店・Web制作会社の自動化事例10選のうち、事例1「ヒアリング議事録」を深掘りした内容です。提案書作成・要件定義・広告レポート・進行管理など他の業務もあわせてご覧ください。→ 広告代理店・Web制作会社の自動化事例10選(全業務マップ)
09 ABOUT AI鬼管理について - ヒアリング議事録の伴走サービス 属人化した議事録を、確認中心の運用へ
本記事を発信している AI鬼管理 は、広告代理店・Web制作会社のAI業務自動化をClaude Code/Codexで設計から伴走するサービスです。ヒアリング議事録は、清書と分類の属人化を解くことで、提案スピードと若手育成に効く打ち手です。
属人化したヒアリング議事録、いっしょに軽くしませんか?
本記事のアクシスデザインの例は、Web制作・運用広告中心・社員18名・議事録がリーダー1人集中というモデルケースです。貴社の案件タイプの構成や商談体制によって、最適な進め方は変わります。まずは今のヒアリングと議事録の作り方をうかがって、貴社に合った設計をご提案します。
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よくある質問
Q. AIにヒアリング議事録の提案方針まで考えさせてもよいですか?
A. 提案方針の決定はおすすめしません。AIは課題・要望・未確認・宿題の4枠整理と、確認漏れ候補・共有ドラフトの下書きまでにし、どんな施策を提案するか・どの要望を優先するかは担当ディレクターが判断する設計が現実的です。
Q. 商談の音声を録音した文字起こしからでも使えますか?
A. 使えます。文字起こしをそのまま渡すと発言の羅列になりがちなので、AIに4枠への整理と要点抽出をさせ、ディレクターがニュアンスや事実関係を確認する流れが向いています。
Q. 個人情報や顧客の機密情報はどう扱いますか?
A. 初回は匿名化した商談メモで検証し、本番前に入力禁止情報、保存場所、アクセス権限を決めます。顧客名や金額などは、運用ルールを決めてから扱うのが安全です。
Q. 議事録のフォーマットが案件によってバラバラでも使えますか?
A. 使えます。むしろ案件タイプ(新規制作/リニューアル/運用広告)ごとに確認項目とフォーマットをCLAUDE.mdへ整理すると、AIがタイプに応じた議事録初稿を作りやすくなります。
Q. 料金やプランを教えてください
A. 料金やサポートプランは AI鬼管理のサービスページをご覧ください。貴社向けの個別ご提案は本記事末尾のNEXT STEPからお問い合わせください。
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