建築設計事務所向けClaude Codeセミナー|確認申請書類・省エネ計算・工事監理はどこまで自動化できるか
弊社GENAIでは、建築設計事務所の方向けに Claude Code・Codex の無料オンラインセミナー(60分)を開催しています。本記事では、基本設計・実施設計、確認申請書類の作成、工事監理報告書のとりまとめといった業務が、どこまで自動化できるかを、セミナーの内容とあわせて解説します。
4号特例廃止や改正省エネ法への対応により、建築設計事務所が扱う書類の種類と量は年々増えています。基本設計から確認申請、工事監理まで案件を横断して管理する代表や一級建築士の方が、判断以外の作業に追われる時間も、それにあわせて増加しています。
本記事では、Claude Code・Codexの基本的な仕組みから、業務ごとに何を渡すと何が出てくるか、導入時につまずきやすいポイントまでを順を追って解説します。
建築設計事務所の方向けの無料セミナーを開催しています。
参加無料・60分・オンライン(Google Meet)・1社1枠
01 AI_DIFF 建築士業務、「答えるAI」と「やり切るAI」の違い Claude CodeとCodex、それぞれ何者で、非エンジニアでも使えるのかを整理します
ChatGPTやGeminiのような生成AIは、質問すると答えてくれる「対話するAI」です。使ったことがある方も多いと思います。
「省エネ計算書の書き方を教えて」「確認申請の必要書類は」といった質問には、丁寧に答えてくれます。ただし、実際の計算や書類作成そのものまではやってくれません。
一方、Claude CodeやCodexは、指示した作業を最後まで自分で実行してくれる「仕事をやり切るAI」です。図面データを読み込んで数値を拾う、書類のドラフトを作る、といった一連の作業を任せられます。
建築設計事務所では、4号特例廃止や改正省エネ法への対応で書類の種類そのものが増えています。「答えてくれるAI」だけでは、この増加分を吸収しきれません。
たとえば「今月の工事監理報告書をまとめて」と頼んだ場合、ChatGPTは一般的な書き方を説明してくれますが、実際に現場写真や図面を開いて照合まではしてくれません。
Claude Codeは、その現場写真や図面のファイルを実際に開いて中身を確認し、是正箇所の検出や報告書ドラフトをその場で作ってくれます。「説明する」のではなく「やってくれる」のが最大の違いです。
1-1. Claude Codeとは
Claude Codeは、Anthropic社が開発した、ターミナルやエディタの画面から指示を出して動かすAIツールです。図面データや構造計算資料などの実際のファイルを読み込ませ、対話しながら書類ドラフト作成を進められます。
📚 用語解説
Claude Code:Anthropic社が開発した、ファイルを読み込んで作業を代行してくれるAIツールです。パソコンの画面から日本語で指示を出して使います。
1-2. Codexとは
Codexは、OpenAI社が開発した、Claude Codeと似た位置づけのAIツールです。こちらもファイルを読み込ませて作業を任せる使い方が中心で、建築設計事務所での活用事例はClaude Codeのほうが蓄積が進んでいます。
📚 用語解説
Codex:OpenAI社が開発した、Claude Codeと同じく作業を代行してくれるAIツールです。仕組みは似ていますが、開発元と細かな使い勝手が異なります。
| Claude Code | Codex | |
|---|---|---|
| 開発元 | Anthropic | OpenAI |
| できること | ファイル読み込み・整形・書類ドラフト作成 | ファイル読み込み・整形・書類ドラフト作成 |
| 建築設計事務所での活用事例 | 蓄積が進んでいる | 蓄積は少なめ |
| 非エンジニアの利用 | 日本語の指示文で操作可能 | 日本語の指示文で操作可能 |
| 土台となる技術 | Anthropic独自のAIモデル | ChatGPTと同じOpenAIのAIモデル |
| セミナーでの扱い | 実演の中心として詳しく紹介 | 冒頭で違いを簡単に紹介 |
どちらも専門的なプログラミング知識がなくても、日本語で「この書類を整えて」のように話しかけるだけで使えます。難しい操作を覚える必要はありません。
Claude CodeもCodexも、専門知識よりも「何を渡して、何を作ってほしいか」を言葉にする力のほうが重要です。セミナーでは実際の画面を動かしながら、この感覚をお見せしています。
1-3. 建築設計事務所では、具体的に何に使えるのか
「仕事をやり切るAI」と言われても、まだ抽象的に感じるかもしれません。建築設計事務所の現場で言えば、次のような業務が代表的な使いどころです。
- 基本設計・実施設計図のドラフト作成
- 建築確認申請書類・省エネ計算書・構造計算書のドラフト
- 工事監理報告書・現場確認チェックリストの作成
- 竣工検査・引渡書類の整形
- コンペ提案書・採用書類のドラフト
逆に、施主との折衝や、設計・監理における最終的な判断のように、状況ごとの機微な判断が求められる業務は、これからも人が担う部分として残ります。AIが代われるのは「作業」であって「判断」ではない、という線引きが基本です。
| 向いている業務 | 向いていない業務 |
|---|---|
| 数字の集計・書類のドラフト作成 | 施主との信頼関係づくり |
| 過去の様式を踏まえた書式変換 | 設計・監理における最終判断 |
| 繰り返しの多い定型業務 | そのつど状況が変わる交渉ごと |
| 複数資料の突合・横断作業 | 職人・協力業者との人間関係の構築 |
| データに基づく傾向の把握 | 現場の空気を読んだその場の判断 |
代表・一級建築士が受注から設計・確認申請・監理・採用までを一人で抱え込みがちなのが、中小の設計事務所に共通する構図です。この線引きを理解しておくと、AIに任せる範囲を決めやすくなります。
| 用語 | 一言でいうと |
|---|---|
| Claude Code | Anthropic製の「仕事をやり切るAI」 |
| Codex | OpenAI製の「仕事をやり切るAI」 |
| プロンプト | AIへの指示文(日本語の普通の文章でよい) |
| AIエージェント | 複数の作業を自律的に実行し続けるAIの総称 |
| permission mode | AIに許可する操作の範囲を決める設定 |
| BIM | Revit・Archicadなど3Dモデルを作成するソフト |
02 DESIGN 基本設計・実施設計が、Claude Codeでこう変わる 建築設計事務所でもっとも時間のかかる工程を、入力と出力で見ます
建築設計事務所でもっとも時間がかかるのが、基本設計・実施設計の工程です。1物件あたり80〜200時間かかることも珍しくなく、代表や一級建築士の稼働の多くをここが占めています。
施主要望のヒアリングから敷地調査、ラフプラン作成、実施設計図・仕様書の作成まで工程が長く、構造・設備設計との連携も必要です。専任スタッフを置けない中小の設計事務所ほど、負担が代表に集中しやすくなります。
基本設計ドラフト
施主要望と敷地条件を読み込ませると、ラフプランのドラフトが出てきます。
実施設計図ドラフト
基本設計の内容と過去の仕様書フォーマットを渡すと、実施設計図のドラフトが出てきます。
構造計算書類
構造データを渡すと、構造計算書類のドラフトと構造設計者への連携メモが出てきます。
工事監理報告書
現場写真と図面を渡すと、是正箇所を検出した監理報告書ドラフトが出てきます。
2-1. 施主要望からラフプランのドラフト作成
施主のヒアリング内容と敷地条件をClaude Codeに渡すと、ラフプランのドラフトが出てきます。ゼロから手描きでたたき台を作る手間を減らせます。
これまで一級建築士が白紙から起こしていた作業のうち、たたき台の部分だけを、AIが下書きとして先に用意しておくイメージです。
もちろん、ドラフトが敷地条件や法規制に合っているかどうかの最終確認は、これまで通り建築士が行います。
施主要望からのラフプラン作成は、その後の実施設計・確認申請すべての土台になります。ここを最初に整えることが、以降の工程全体の時間短縮につながります。
| 工程区分 | ドラフト化できる内容の例 |
|---|---|
| 受注・要望整理 | 施主ヒアリング項目・要望整理メモ・予算試算 |
| 基本設計 | ラフプラン(平面/立面/断面)のたたき台 |
| 実施設計 | 実施設計図・仕様書のドラフト |
| 構造/設備設計連携 | 構造設計者・設備設計者への連携メモ |
2-2. 実施設計図・仕様書のドラフト
基本設計の内容と過去案件の仕様書フォーマットを渡すと、実施設計図のドラフトと仕様書が出てきます。最終的な設計判断と施主への説明は、建築士が行います。
📚 用語解説
BIM:Revit・Archicadなど、建物の3Dモデルを作成するソフトのことです。モデリングそのものが役割で、Claude Codeはその前後工程を担います。
BIMは3Dモデリングそのものが役割で、Claude Codeはその前後工程、要望整理から確認申請書類、監理報告までを横断してカバーします。両方を組み合わせることで効率が上がります。
| 業務 | 何を渡すか | 何が出てくるか |
|---|---|---|
| ラフプランのドラフト | 施主要望・敷地条件 | 平面/立面/断面のたたき台 |
| 実施設計図のドラフト | 基本設計内容・過去の仕様書フォーマット | 実施設計図・仕様書のドラフト |
| 構造/設備設計連携メモ | 基本設計データ・構造条件 | 構造設計者・設備設計者向け連携メモ |
| 施主向け説明資料 | 設計図・仕様書ドラフト | 施主説明用の資料ドラフト |
| 敷地調査結果の整理 | 現地調査メモ・法規制情報 | 敷地条件をまとめた一覧表 |
敷地調査の段階で法規制や近隣状況を整理しておくと、基本設計に入ってからの手戻りを減らせます。この整理作業も、調査メモを渡すだけでドラフトにできます。
たとえば「この施主要望と敷地条件から、ラフプランを作って」と渡すと、平面・立面のたたき台が数分で出てきます。
続けて「このラフプランから実施設計図のドラフトを作って」と渡せば、仕様書込みのドラフトが出てきます。これを土台に、建築士が設計判断を加えます。
2-3. 敷地調査・予算試算のドラフト
敷地調査の結果と施主の希望予算を渡すと、建ぺい率・容積率を踏まえた概算のボリューム試算と、予算試算のドラフトが出てきます。初回打ち合わせ前の下準備として使う事務所もあります。
受注の可否をまだ決めていない段階でも、概算ボリュームと予算感を素早く出せると、施主との初回のやり取りがスムーズになります。ここでも最終的な提示内容の判断は、代表や一級建築士が行います。
複数の施主候補から同時に問い合わせが来る繁忙期でも、初回対応の下準備を型として使い回せると、対応できる件数そのものを増やせます。受注機会を取りこぼしにくくする効果もあります。
Claude Codeが担うのはラフプランと実施設計図の下書きまでです。最終的な設計判断と施主への提示は、建築士が行います。
03 PERMIT 確認申請・省エネ計算・構造計算も、同じように変わる 4号特例廃止で増えた書類負担を、具体的に見ます
4号特例廃止(2025年4月)により、これまで審査が簡略化されていた木造住宅でも構造計算書類の提出が必要になりました。書類作成の負担は事務所全体で増えています。
📚 用語解説
4号特例廃止:2025年4月の建築基準法改正で、木造2階建てなど一部住宅に認められていた構造審査の簡略化(4号特例)が縮小されたことです。構造計算書類の提出が必要な物件が増えました。
構造計算書、省エネ計算書、建築確認申請書類をセットで作る場合、1物件あたり20〜40時間かかることも珍しくありません。改正省エネ法対応も重なり、負担は膨らみ続けています。
3-1. 建築確認申請書類のドラフト作成
図面データと構造計算資料をClaude Codeに読み込ませると、確認申請書類の自動整形ドラフトが出てきます。項目の抜け漏れチェックも一緒に行わせられます。
最終的な申請と行政とのやり取りは、これまで通り建築士が担当します。審査機関からの指摘事項も、過去の対応履歴を渡しておけば返信ドラフトの参考にできます。
| 書類区分 | 主な記載内容 | 主な参照資料 |
|---|---|---|
| 建築確認申請書 | 用途・規模・構造概要 | 設計図・構造計算書 |
| 省エネ計算書 | 断熱性能・設備仕様 | 仕様書・設備データ |
| 構造計算書 | 耐震性能・部材断面 | 構造データ・図面 |
| 関係機関協議メモ | 協議事項・回答内容 | 過去のやり取り記録 |
3-2. 省エネ計算書・構造計算書のドラフト
改正省エネ法対応のための省エネ計算書も、断熱性能や設備仕様のデータを渡せば、計算ドラフトが出てきます。ZEHや省エネ等級6を目指す案件では、この工程の負担が特に大きくなります。
📚 用語解説
管理建築士:建築士事務所ごとに選任が義務づけられている、業務を技術的に統括する建築士のことです。都道府県知事への建築士事務所登録の要件のひとつです。
構造計算書類のドラフトと構造設計者への連携メモも、Claude Codeが下準備できます。最終的な構造判断は、構造設計者が行う前提です。
たとえば「この図面と構造計算資料から、確認申請書類を整えて」と渡すと、項目ごとに整形されたドラフトが出てきます。
| 業務 | 従来の目安時間 | AI活用後の目安 |
|---|---|---|
| 基本設計・実施設計 | 1物件80〜200時間 | 1物件30〜70時間程度に圧縮できた例あり |
| 確認申請書類作成 | 1物件20〜40時間 | 1物件6〜12時間程度に圧縮できた例あり |
| 工事監理報告書作成 | 1回3〜5時間 | 1回30〜45分程度に圧縮できた例あり |
関係機関との協議メモも、過去のやり取りを踏まえたドラフトを作らせられます。担当者は協議内容の最終確認と実際の折衝に集中できます。
ZEHや省エネ等級6、耐震等級3といった性能を求める施主が増えるほど、確認申請にあわせて用意する計算書類の種類も増えます。ドラフト作成を自動化しておくことは、こうした案件を受けやすくすることにもつながります。
3-3. 建築士事務所登録・管理建築士まわりの書類
建築士事務所登録は都道府県知事への申請が必要で、管理建築士の情報や業務実績の更新も定期的に発生します。実績一覧の整形も、過去の案件データを渡せばドラフトを作らせられます。
登録の更新時期と確認申請の繁忙期が重なると、事務スタッフの負担が一気に膨らみます。実績一覧のような蓄積型の書類は、案件が完了するたびに少しずつ更新しておくと、更新時期の負担を分散できます。
AIが担うのはドラフト作成と集計の下準備までです。申請・提出・構造に関する最終判断は、これまで通り有資格者が行います。
04 SUPERVISION 工事監理・竣工検査・営業/採用も、こう変わる 現場監理から採用書類まで、幅広い業務での使いどころを見ます
基本設計や確認申請以外にも、建築設計事務所には工事監理から採用まで幅広い書類仕事があります。ひとつずつ、何を渡すと何が出てくるかを見ていきます。
4-1. 工事監理報告書・現場確認チェックリスト
現場写真と図面をClaude Codeに読み込ませると、自動照合と是正箇所の検出、監理報告書ドラフトの作成ができます。監理担当者は判断と施主報告に集中できます。
複数現場を並走すると、監理品質にムラが出やすくなります。過去の是正指示パターンを蓄積しておくと、次の現場確認で重点的に見るべき箇所が分かりやすくなります。
是正指示書の文面も、過去の指示内容を型として渡しておけば、同じような不具合に対して素早くドラフトを作らせられます。現場ごとの状況に合わせた微調整は、監理担当者が行います。
4-2. 竣工検査・引渡書類
完成検査チェックリストや取扱説明書のドラフトも、過去の様式を読み込ませておけば作成できます。検査済証の取得手続きは、これまで通り担当者が行います。
住宅瑕疵担保責任保険への対応でも、検査記録の整形と提出書類のドラフト作成をあわせて進められます。保険法人ごとに求められる様式が異なる場合も、過去の様式を土台に対応しやすくなります。
📚 用語解説
住宅瑕疵担保責任保険:新築住宅の構造耐力や雨水の浸入に関する瑕疵を保証するため、事業者が加入を義務づけられている保険です。検査記録や書類の整備が必要になります。
4-3. 営業/コンペ・採用書類
コンペ提案書のドラフトや、建築士採用書類の整形にも同じ仕組みが使えます。特定建築物定期報告のような行政手続きの下準備にも応用できます。
📚 用語解説
特定建築物定期報告:一定規模以上の建物の所有者に義務づけられている、建築物の劣化状況などを定期的に行政へ報告する制度です。報告書の作成には現況調査が必要です。
特定建築物定期報告は所有者からの依頼で設計事務所が現況調査や報告書作成を代行するケースもあり、過去の調査記録をひな形として使えるとドラフト作成が早くなります。報告対象の建物が多いほど、この効果は積み上がります。
| 工程 | Claude Codeが担う下準備 |
|---|---|
| 受注・要望整理 | 施主ヒアリング項目・予算試算のドラフト |
| 確認申請・許認可 | 確認申請書類・省エネ計算書・構造計算書のドラフト |
| 施工監理・現場確認 | 監理報告書・是正指示書のドラフト |
| 竣工検査・引渡 | 完成検査チェックリスト・取扱説明書のドラフト |
| 営業/コンペ・採用 | コンペ提案書・採用書類のドラフト |
どの工程でも、AIが担うのは下準備までです。施主折衝や現場での最終判断は、代表や一級建築士がこれまで通り担います。
4-4. 代表と工事監理担当、それぞれの負担
代表には、基本設計から確認申請、監理まで案件を横断して管理するという毎日の判断業務があります。案件ごとの進捗を一覧化しておくだけでも、判断のスピードは変わります。
背景には建築士事務所登録における管理建築士の選任要件もあり、事務所の規模によって配置人数の考え方が変わります。見落とすと事務所運営が止まりかねない、地味だが重要な確認項目です。
📚 用語解説
施工体制台帳:下請業者の情報や技術者の配置状況をまとめた、案件ごとに作成が必要な台帳です。工事監理の現場確認資料としても参照されます。
工事監理責任者側は、複数現場の並走に加えて、住宅瑕疵担保責任保険への対応でも書類作成の負担が発生しやすいです。繁忙期が確認申請シーズンと重なりやすいことも、負担を重くしている要因です。
| 役割 | 日々の悩み | Claude Codeの使いどころ |
|---|---|---|
| 代表・一級建築士 | 設計・確認申請・監理・採用まで全業務を抱え込みがち | 業務全体の書類フローを俯瞰した導入判断 |
| 工事監理責任者 | 複数現場の並走で監理品質にムラが出やすい | 現場写真と図面の自動照合、報告書ドラフト作成 |
| 構造設計者 | 4号特例廃止で構造計算の依頼件数が増加 | 構造計算書類のドラフトと連携メモの整備 |
| 事務スタッフ | 確認申請書類と採用書類の作成が同時期に重なる | 書類ごとのフォーマットに合わせたドラフト作成 |
工事監理責任者がClaude Codeを使う場面は、事務所のパソコンの前とは限りません。現場の合間にスマートフォンで是正箇所の一覧を確認したり、移動中に翌日の確認事項を見直したりする使い方もできます。
事務所に戻ってからまとめて作業する必要がなくなること自体が、残業削減につながる場面も少なくありません。移動時間を有効に使えるようになったという声もあります。
工事監理から採用書類まで、Claude Codeが担うのはドラフト作成と整形までです。提出・報告・折衝といった対外的な判断は人が握ります。
05 MECHANISM なぜAIが確認申請書類まで仕上げられるのか、仕組みの話 Claude Codeの仕組みを、専門用語を使わずに説明します
「AIが書類仕事を代わりにやってくれる」と聞くと、仕組みが気になる方も多いと思います。専門用語を使わずに、3つのポイントで説明します。
📚 用語解説
AIエージェント:指示を受けて、複数の作業を自律的に実行し続けるタイプのAIの総称です。Claude CodeやCodexは、このAIエージェントの一種です。
5-1. ファイルを直接読み書きできる
Claude Codeは、図面のPDFや構造計算のExcelデータといった実際のファイルを、パソコンの中でそのまま開いて中身を読み込めます。読んだ内容をもとに、新しい書類を作ったり、既存の書類を書き換えたりできます。
たとえるなら、資料を渡せば黙々と目を通し、指示通りに整理したり文書を作ったりしてくれる事務員のような存在です。
図面や仕様書は事務所によってフォルダの分け方や命名ルールが異なりますが、一度ルールを伝えておけば、Claude Codeはそのルールに沿ってファイルを探し、読み込んでくれます。
案件が増えるほどファイルの数も増えていきますが、探す手間そのものをAI側に任せられるようになると、事務所全体の情報整理も自然と進みやすくなります。
5-2. 手順を覚えて繰り返せる
一度「この形式で整えて」と教えたやり方は、次回以降も同じ手順で再現できます。毎回イチから指示を考える必要はなく、「型」として使い回せます。
確認申請書類や工事監理報告書のように、毎回やることがほぼ決まっている業務ほど、この「型」の効果が出やすくなります。二度目以降は指示の言葉数も減り、確認するだけで済むようになります。
逆に、毎回内容が大きく変わるコンペ提案のような業務では「型」の恩恵が小さくなります。まずは繰り返しの多い業務から試すのが、効果を実感しやすい進め方です。
最初から完璧な型を作ろうとせず、使いながら少しずつ調整していくほうが、結果的に早く定着します。1つの業務で型ができたら、似た業務にも応用できます。
5-3. 複数の資料を横断できる
図面・構造計算資料・過去の様式など、別々の場所に保存されている資料を、同時に開いて見比べることができます。確認申請書類の整備はこの「横断」がまさに効いてくる作業です。
| 特徴 | 何ができるか | 建築設計事務所での具体例 |
|---|---|---|
| ファイルの直接読み書き | 図面や構造データを開いて、整形やドラフト作成ができる | 図面PDFからラフプランのドラフトを作成 |
| 手順を覚えて繰り返す | 一度教えたやり方を「型」として次回も使える | 毎案件の確認申請書類を同じ手順で処理 |
| 複数資料の横断 | 図面・構造計算資料・過去の様式などをまとめて参照できる | 確認申請の複数書類を横断して一括整形 |
| 対話しながら進められる | 一度で完璧を求めず、やり取りしながら調整できる | 実施設計図ドラフトの表現を対話で修正 |
ただし、Claude Codeが自分で判断できないこともあります。どこまで任せて、どこから人が確認するか。次の章で、つまずきやすいポイントとあわせて具体的に説明します。
06 PITFALLS 建築設計事務所がAI導入でつまずきやすい点と対処法 セキュリティ・社内定着・ツール選定でよくあるつまずきを整理します
Claude Codeを建築設計事務所の現場に導入する際、多くの事務所が最初につまずくのはセキュリティ面の線引きです。
6-1. セキュリティと情報の取り扱い範囲
permission mode(操作許可の範囲)を適切に設定し、どのデータをAIに渡すか、どこまでの操作を許可するかを事前に線引きしておく必要があります。
📚 用語解説
permission mode:AIにどこまでの操作(読み取り・下書き作成・送信など)を許可するかを制御する設定です。範囲を絞って始め、慣れてから広げる使い方が一般的です。
施主情報や敷地条件など、機微な情報を扱う場合ほど、この設計を丁寧に行うことが導入の前提になります。何を渡して、何を渡さないかを、あらかじめ決めておくということです。
情報システム担当が不在の事務所でも、まず読み取り専用の範囲で運用を始め、慣れてきた段階で許可する操作を広げていく進め方であれば無理なく運用できます。
| 段階 | 許可する操作 | 目安の期間 |
|---|---|---|
| 導入初期 | 読み取り・整形・下書き作成のみ | 最初の1〜2ヶ月 |
| 慣れてきた段階 | 社内フォーマットへの自動保存を追加 | 3〜6ヶ月目以降 |
| 定着後 | 業務ごとに必要な操作範囲を個別に調整 | 運用が安定してから |
6-2. 社内での定着
最初から全業務をAI化しようとせず、確認申請書類や工事監理報告書など、負担の大きい一部の業務から試し、効果を実感してから範囲を広げていくほうが定着しやすくなります。
「便利そうだから」と事務所全体に一斉導入するよりも、まず一人か二人が使いこなせるようになってから、周りに広げていくほうが、結果的に定着のスピードは早くなります。
最初に慣れたスタッフが、社内での使い方を簡単にまとめておくと、次に試すスタッフの立ち上がりも早くなります。特別なマニュアルを作り込む必要はありません。
6-3. ツール選定で押さえておきたいこと
Claude CodeとCodex、どちらが自社に合うかは、実際に画面を見ながら判断するのが早いです。まず自社が最初に試したい業務を決めてから、その業務での使いやすさを比較する順番がおすすめです。
月額料金や課金プランの違いも選定時のポイントですが、機能一覧を比較するよりも、自社の業務で実際に動かしてみたほうが、判断材料としては早く確実です。
「どちらのツールが優れているか」ではなく「自社のどの業務に使いたいか」を先に決めることが、ツール選定で遠回りしないコツです。
| 観点 | 確認しておきたいこと |
|---|---|
| セキュリティ | どのデータをどこまで渡すか、操作許可の範囲 |
| 社内定着 | 最初に試す業務を1〜2個に絞れているか |
| ツール選定 | 自社の業務で実際に動かして比較したか |
| 記録の残し方 | 元データとドラフトを案件フォルダに保存しているか |
| 教育・サポート | 最初の数回、誰が一緒に操作をサポートするか |
6-4. 現場でよくあるつまずきの実例
ひとつは、確認申請書類と工事監理報告書とコンペ提案書を、初日からすべて一気に試そうとして途中で止まってしまうケースです。担当者ごとに温度差が生まれ、どの業務も中途半端になりがちです。
もうひとつは、建築士がプロンプトの書き方に戸惑い、結局誰も使わなくなってしまうケースです。「この図面から確認申請書類を整えて」といった業務の言葉をそのまま入力すれば十分ですが、この点が伝わっていないと放置されがちです。
三つ目は、審査機関ごとの書式の違いを考慮せずに確認申請書類のドラフトをそのまま使い、様式不備で差し戻されるケースです。過去の様式との違いを事前に読み込ませておかないと、ドラフトの精度は上がりません。
📚 用語解説
プロンプト:AIに対して、何をしてほしいかを伝える指示文のことです。難しいコマンドではなく、日本語の普通の文章で構いません。
| つまずきポイント | 現実的な対処 |
|---|---|
| 全業務を一度にAI化しようとして頓挫 | 確認申請や工事監理など、負担の大きい業務を1〜2個に絞って試行 |
| 過去の様式との違いを考慮せず精度が上がらない | 過去の確認申請様式を事前に読み込ませ、書式変換の下書きから始める |
| 建築士がプロンプトの書き方に戸惑う | 最初の数回は代表や情報システム担当が一緒に操作する |
| 元データとドラフトの保存ルールがない | 案件フォルダにやり取りを保存する運用を決めておく |
多くのつまずきに共通するのは、準備段階を飛ばして一気に始めてしまう点です。1つの業務に絞って慣れてから広げるほうが、結果的に早く定着します。
AIに読み込ませた元データと、生成されたドラフトを、いつ・どの案件で使ったか分かる形で残しておくことも大切な運用ルールです。案件フォルダにやり取りを保存しておくだけで、最低限の記録になります。
確認申請書類や省エネ計算書は、後から審査機関への説明を求められることもあります。元データとドラフトの保存履歴が、そのまま簡易的な監査ログとして役立ちます。
文章だけでは伝わらない部分は、実際の画面をご覧いただくのが早いです。セミナーでは、確認申請書類の整形や工事監理報告書の作成を実際に動かしながらお見せしています。
07 SEMINAR_CONTENT 建築設計事務所向けセミナー当日、何を話すのか 60分の時間割・実演する業務・よくある質問・参加対象を具体的に紹介します
「結局セミナーで何をするのか」が分からないと、参加を決めにくいと思います。60分の中身を具体的に紹介します。
7-1. 60分の時間割
| 時間帯 | 内容 |
|---|---|
| 最初の10分 | 建築設計事務所の業務棚卸しと、Claude Code・Codexの全体像整理 |
| 次の25分 | 施主要望からラフプラン、確認申請書類、工事監理報告書の実演デモ |
| 次の15分 | 参加者の悩みを募集し、その場で「うちならこう試すか」を設計 |
| 最後の10分 | 質疑応答と、来週何を試すかの言語化 |
この時間割が基本の流れです。実演デモで扱う具体的な資料例は、参加事務所の規模・案件種別に応じて多少調整することもあります。木造中心か、RC・鉄骨も扱うかによっても、見せる例を調整します。
7-2. 実演する業務
実演の中心は、25分間のノーカットデモです。建築設計事務所の具体的な業務を、画面を動かしながらお見せします。
工事監理報告書の作成では、現場写真を読み込ませるところから、自動照合・是正箇所検出・報告書ドラフトまでを実際に動かします。
希望があれば、確認申請書類の項目整形や、省エネ計算書のドラフト作成も、参加事務所の実際の案件データに近い形で実演します。事前にどの業務を見たいかをお伝えいただくとスムーズです。
業務ごとに入力と出力がどう変わるかを比較しながら見ていただくことで、自社ではどの業務から試すのが現実的かを判断しやすくしています。
7-3. その場で答える、こんな質問
| よくある質問 | 当日の回答の方向性 |
|---|---|
| 確認申請書類はどこまで任せられるか | 整形の下書きまでで、最終確認と申請は建築士が行う前提です |
| 4号特例廃止で増えた構造計算にどう対応するか | 構造計算書類のドラフトと連携メモの作成の考え方を説明します |
| セキュリティ面でどこまでデータを渡していいか | permission modeでの操作許可範囲の考え方を説明します |
7-4. 参加対象
参加対象は代表・一級建築士・経営層としていますが、確認申請や工事監理を担当するスタッフの方にも参考にしていただける内容です。パソコン操作に不慣れな方でも、専門知識は前提としていません。
一方、書類仕事を人に任せる想定がなく、代表お一人で全ての業務を完結されている場合は、効果を実感しにくいかもしれません。複数人で業務を分担している事務所ほど、持ち帰れる材料は多くなります。
08 SEMINAR_BOOKING 建築設計事務所向けセミナーの予約から参加までの流れ 無料・60分・オンラインの参加方法と、予約から当日までの流れを紹介します
ここまで紹介した内容を、実際の画面を動かしながら確認できる場として、60分の無料オンラインセミナーを開いています。押し売りはしませんので、まずは判断材料を持ち帰るつもりでご参加ください。
- 参加費は無料
- 60分・オンライン(Google Meet)開催
- 1社1枠の貸切で、実演を中心に進めます
- 空いている日程からそのまま予約できます
このページ下部の予約フォームで、空き日程を選ぶだけで予約が完了します(日程調整のメール往復はありません)。こちらの予約フォームからお進みください。
日程や内容の詳細はClaude Code セミナーの詳細ページでもご確認いただけます。
| この記事で分かったこと | セミナーで確認できること |
|---|---|
| Claude Code・Codexが何者か | 実際の画面での操作感 |
| 何を渡すと何が出てくるか(理屈) | 自社の業務に置き換えた場合の具体例 |
| 導入時のつまずきポイント | 自社ならどこから試すべきかの判断材料 |
| なぜそれが可能なのか(仕組み) | 実際に動いている様子を見て納得できるか |
| 基本設計・確認申請・工事監理の変わり方 | 自社の図面を例にした質疑応答 |
| セキュリティ・社内定着の考え方 | 自社の運用ルールに落とし込む相談 |
この記事を読んで、Claude Code・Codexが何者かはお分かりいただけたと思います。あとは、自社の業務にどこまで使えそうか、実際の画面で確かめていただくだけです。
Claude CodeやCodexが自社に合うかどうかは、実際の画面を見るのが一番早い判断材料になります。押し売りはしませんので、まずは60分、実際の動きを確認してみてください。
参加無料・60分・オンライン(Google Meet)・1社1枠
よくある質問
Q. 確認申請書類は形式が厳格ですが、AIに任せて大丈夫でしょうか。
A. 過去の確認申請書類や発注先ごとの様式を土台にドラフトを作成する使い方が中心です。省エネ計算書や構造計算書との整合性も、あらかじめ読み込ませておけば反映されます。最終的な確認と申請はこれまで通り建築士が行うため、書類の信頼性を保ったまま作成時間を圧縮できます。過去の様式との違いが大きい案件ほど、事前に読み込ませておく資料の準備が重要になります。審査機関が変わる場合も、様式の違いを最初に読み込ませておくことで対応しやすくなります。
Q. 現場写真や手書きのメモも読み込めますか。
A. スマートフォンで撮影した現場写真や手書きの図面メモを読み込ませ、図面との照合や是正箇所の検出に使う運用が可能です。工事監理報告書のドラフト作成にも同じ仕組みを使えます。現場での記録の手間そのものを減らす方向で検証しています。文字が読み取りにくい場合は、音声でのメモと組み合わせる運用が安定します。複数現場を並走している場合でも、現場ごとにフォルダを分けておけば混同しにくくなります。
Q. 施主情報や敷地データをAIに読み込ませても問題ないですか。
A. 社内の設計データや施主情報をどこまでAIに渡すか、扱う範囲の線引きも含めてセミナー内で説明しています。permission modeの設定で、最初は読み取り専用の整形・下書き作成のみに限定する運用も可能です。慣れてきた段階で、許可する操作の範囲を少しずつ広げていく進め方が現実的です。導入するかどうかの判断材料としてお持ち帰りいただけます。情報システム担当が不在の事務所でも、無理のない範囲設定から始められます。
Q. パソコン操作に不慣れなスタッフが多い事務所でも導入できますか。
A. セミナーではターミナルやエディタの画面を実際に動かしながら説明します。専門知識がなくても、まずは何ができるかを知ることを目的にした内容です。最初の数回は代表や情報システム担当が一緒に操作するところから始める事務所が多いです。ボタン操作より、日本語で何を伝えるかのほうが重要になります。操作に慣れるまでの期間は、業務の負担が大きい部分から少しずつ試すのが現実的です。
Q. Claude CodeとCodex、どちらを選べばよいですか。
A. どちらも生成AIを使った業務自動化ツールですが、建築設計事務所の現場業務での活用事例の蓄積が進んでいるのはClaude Codeです。開発元(Anthropic/OpenAI)が異なるだけで、基本的な使い方や非エンジニアでも扱える点は共通しています。まず自社が最初に試したい業務を決めてから、使いやすさを比較するのがおすすめです。セミナーでは両方の画面の違いも簡単にお見せしています。
Q. ラフプランの精度は、経験の浅いスタッフでも保てますか。
A. AIが作るのはあくまでラフプランのドラフトで、敷地条件や法規制との整合性の最終確認は建築士が行う前提です。ベテランが最終チェックに集中できるようになるため、経験の浅いスタッフの育成期間中でも、下書き作成の負担を軽くする使い方ができます。ベテランによる確認そのものは残るため、育成の機会が失われるわけではありません。むしろ下書きを叩き台に、なぜその修正が必要かを説明する教育の機会にもなります。
Q. セミナーは代表本人が参加しないといけませんか。
A. 代表・一級建築士・経営層向けを基本としていますが、確認申請や工事監理を担当するスタッフの方が実務目線で参加されることも歓迎しています。参加人数や役職については、お申し込み時にご相談ください。複数名での参加もご相談に応じます。事務所内で導入を検討するメンバーが複数いる場合は、揃って参加いただくと当日の議論が深まります。
Q. BIM(Revit/Archicad)を既に導入していますが、別途AI導入の意味はありますか。
A. BIMは3Dモデリングそのものが役割で、Claude Codeは要望整理からラフプラン、確認申請書類、工事監理報告までを横断してカバーします。BIM作業の前後工程を効率化する位置づけなので、両立させることで効果が最大化しやすくなります。すでにBIMを使いこなしている事務所ほど、モデリング以外の書類負担が相対的に目立ちやすい傾向があります。
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建築設計事務所の書類仕事は、基本設計・実施設計の段階から、確認申請や省エネ計算のように制度で決まった業務、工事監理報告書のように現場ごとに積み重なる業務まで、次々と積み重なっていきます。4号特例廃止や改正省エネ法への対応も重なり、代表や一級建築士が判断以外の書類作業に追われる時間は増える一方です。Claude CodeやCodexが何者かという基本から、実際に何ができて何ができないかまで、文章だけではどうしても掴みにくい部分があります。自社の図面や工事台帳を例に、実際の画面を見ながら自社に合う業務を見極められる場として、60分の無料セミナーを用意しています。
ここから先の進め方は、大きく2つあります。
自社で回せるようになりたい方は、AI鬼管理でClaude Code/Codexの使い方から業務設計・社内定着まで伴走を受けながら、社内に仕組みを作る道があります。
覚えるより任せたい方は、AI社員AIKATAでこの記事のような定型業務を丸ごと預ける道があります。料金は月30万円の月額定額、追加費用は0円です。
どちらが合うかは、業務量と社内体制次第です。無料相談・無料適合診断で、貴社の場合はどちらが向くかからご相談いただけます。
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