【広告代理店・Web制作会社】提案書作成をClaude Code/Codexで自動化する方法
この記事の内容
広告代理店やWeb制作会社の提案書は、ヒアリングメモ、競合サイトのキャプチャ、過去の提案実績、媒体資料を行き来しながら作ります。とくに骨子づくり — 顧客の課題をどう言語化し、競合との差をどこに置き、どの施策案を提案の軸に据えるか — は経験に依存しやすく、ベテランのプランナーや営業1人に集中しがちです。AIは提案の中身や訴求の良し悪しを決めるものではありませんが、ヒアリング情報の整理、提案骨子のたたき台づくり、説得材料の抜け漏れ候補の抽出を先に行う補助として使えます。
1案件あたりの提案書初稿づくり (ブルーピン制作所のモデル事例)
本記事では、AI鬼管理 が支援を想定する ブルーピン制作所 (福岡県・Web制作と広告運用が半々・月15〜20本の提案書) をモデル事例に、Claude Code/Codex で提案書の初稿を「骨子+施策案の候補+説得材料の抜け漏れ候補」まで半自動化する手順を解説します。提案書をベテランのプランナー辻本さん1人が毎回ゼロから起こし、初稿づくりに1案件120分かかっていた会社が、若手の広瀬さんも骨子を起こせるようになり、提案件数を増やしながら残業を減らした流れです。
この記事を最後まで読むと、
- 提案書作成でプランナー・営業が抱えている負荷(課題の言語化・競合調査の整理・施策案の組み立て)が分かる
- Claude Code/Codexで自動化できる3項目(ヒアリング整理/骨子のたたき台/説得材料の抜け漏れ候補)が理解できる
- 5ステップでのPoC〜運用の進め方が分かる
- 顧客課題・競合・施策案から提案書の骨子を組む型が分かる
- 勝てる提案構成と説得材料の整理の仕方が分かる
01 PROBLEM 提案書作成の現場で起きていること 課題の言語化・競合整理・施策の組み立てのトリレンマ
問題1: 課題の言語化がベテラン1人に集中する。ヒアリングで聞いた「サイトのCVが伸びない」という相談を、「集客は足りているが、ファーストビューと導線で離脱している」という提案上の課題に翻訳する作業は、ブルーピン制作所では実質、辻本さん1人しかできませんでした。若手の広瀬さんは顧客の発言をそのまま転記してしまい、結局辻本さんの書き直し待ちになり、辻本さんがボトルネックになります。
問題2: 競合・参考事例の整理だけで時間が消える。「競合3社のLPはどうなっているか」「似た業種でうまくいった事例はどれか」を集めて見比べ、提案に使える論点に落とすのに、毎回1〜2時間。案件ごとに切り口もバラバラで、提案書の構成も担当者ごとに変わってしまいます。
問題3: 説得材料の入れ忘れが差し戻しになる。提案の方向性は良くても、決裁を通すための材料 — 実績数値、体制図、スケジュール、費用の根拠、リスクへの備え — が抜けると、顧客社内の稟議で止まり、「この点が分からないので持ち帰り」になります。ブルーピン制作所でも、急いで作った提案ほど、この材料漏れで再提案が発生していました。
02 WHAT Claude Code/Codexで何を自動化するか 提案の中身ではなく、整理と骨子のたたき台を自動化
📚 用語解説
提案書の骨子:提案書全体の流れを決める設計図のこと。「現状の課題 → 原因の仮説 → 施策の方向性 → 具体策 → 体制と進め方 → 費用と効果の見立て」といった章立てと、各章で何を言うかの要点を指す。どの課題を軸に据え、どの順で説得するかが提案の成否を左右するため、プランナーの経験に依存しやすく、属人化の主因になりやすい工程。
処理1: ヒアリング情報の整理。商談メモ、ヒアリングシート、顧客から受け取った資料から、AIが「顧客が言った要望」「その背景にありそうな課題」「未確認の事項」を分けて一覧化します。顧客の発言を、提案で使える課題の形に翻訳するたたき台を作ります。
処理2: 提案骨子のたたき台づくり。整理した課題・競合の状況・想定する施策案をもとに、AIが「現状課題 → 原因仮説 → 施策の方向性 → 具体策 → 体制 → 効果見立て」の章立てと各章の要点案を出します。確定版ではなく、プランナーが中身を磨くための下書きです。
処理3: 説得材料の抜け漏れ候補の抽出。過去の勝ち提案でよく入っていた材料(実績数値・体制図・スケジュール・費用根拠・リスク対応)と照らし、「今回の提案に入っていないが、決裁を通すには必要そうな材料」を抜け漏れ候補として並べます。
| 入力情報 | AIが整理すること | 人(プランナー・営業)が確認すること |
|---|---|---|
| ヒアリングメモ | 要望・想定課題・未確認事項の仕分け候補 | 課題の妥当性、顧客の本当の意図 |
| 競合サイト・他社事例 | 差別化の論点、参考にできる打ち手の候補 | 提案として勝てる切り口かの判断 |
| 過去の提案書 | 章立てや説得材料の抜け漏れ候補 | 今回案件への当てはめ、独自性 |
| 媒体資料・自社実績 | 提案に使える数値・強みの候補 | 数値の最新性、表現の妥当性 |
AIの役割はヒアリング整理・骨子のたたき台・説得材料の抜け漏れ候補までです。どの課題を軸にするか、どの施策を提案するか、表現が顧客に刺さるかは必ずプランナーが判断します。この線引きを最初に決めておくと、提案の質を落とさずにスピードだけを上げられます。
03 HOW 具体的な進め方 5ステップ 小さくPoCし、勝ち負けの理由を提案ルールへ戻す
提案書作成AI化の5ステップ
「LP制作の改善提案」「広告運用の新規提案」など、提案の型が揃う案件種別を先に1つに絞る
「LP改善提案なら、現状CV→離脱要因→改善案→実績→体制→費用の順」など、辻本さんの頭の中の型を文章化する
課題整理・骨子・施策案・説得材料の抜け漏れ候補を、確定版ではなく確認用ドラフトとして出す
プランナーが直した箇所と「採否の理由・受注/失注の理由」をCLAUDE.mdへ戻し、骨子の精度を上げる
骨子づくりを若手に任せ、ベテランは課題設定と訴求の磨き込みに回る。打率の良い型から横展開する
5ステップで最も大切なのは、STEP 4の「採否と受注/失注の理由」を残すことです。AIが出した骨子や施策案をプランナーが採用・不採用にしたとき、「なぜその提案にしたのか/しなかったのか」を残さないと、次回も同じズレた案が出ます。さらに、提案後に受注できたか・失注したかの理由をCLAUDE.mdへ戻せば、AIの骨子は少しずつブルーピン制作所の「勝てる型」に近づきます。
04 RESULT 導入後の変化と数値効果(ブルーピン制作所の事例) 提案初稿120分→40分、属人化の解消
- 提案書の初稿を、辻本さんが毎回ゼロから手作業で起こしていた(1案件約120分)
- ヒアリングメモから課題を言語化できるのが辻本さん1人で、提案が属人化していた
- 競合調査や過去の勝ち提案が個人フォルダに散らばり、毎回探すところから始まっていた
- 実績数値・体制図・費用根拠などの説得材料の入れ忘れで、稟議が止まり再提案が発生
- AIがヒアリング情報を課題・要望・未確認に整理し、骨子の初稿を約40分で下書き
- 顧客の発言を提案上の課題に翻訳するたたき台が出て、若手も骨子を起こせるように
- 競合の論点や過去提案の章立てをAIが参照し、提案の切り口候補を先に提示
- 説得材料の抜け漏れ候補を先に出し、入れ忘れによる再提案が減った
05 PITFALL よくある落とし穴3つ 提案内容・流用・事実確認の扱いを誤らない
どの課題を軸にするか・どの施策を提案するか・表現が顧客に刺さるかは、顧客と市場を理解するプランナーが判断します。AIは整理と骨子のたたき台まで。提案内容の最終判断をAIに委ねると、顧客の実態とズレた提案がそのまま出てしまいます。
顧客の状況や課題が違えば、刺さる提案も変わります。過去案件は「型の参考」として使い、今回の顧客課題・競合状況はあらためて確認してください。型の流用は時短に効きますが、中身まで使い回すと提案が刺さらなくなります。
実績数値、他社事例、市場データなどをAIが文章化しても、事実かどうか・最新かどうか・自社が言ってよい数値かは必ず人が確認します。提案書は顧客との約束の土台になるため、根拠のあいまいな数値や誇張表現は載せないでください。
06 SKELETON 顧客課題・競合・施策案から提案書の骨子を作る型 提案は思いつき順ではなく、課題から逆算して組む
提案書でつまずく一番の原因は、施策(やりたいこと)から書き始めてしまい、「なぜその施策が必要か」という顧客課題とのつながりが弱くなることです。ブルーピン制作所では、AIに渡す前に「課題 → 原因 → 施策 → 効果」の順で並べ直す型を決め、CLAUDE.mdにその順序を書いておくことで、AIがこの型に沿って骨子を組むようにしました。
骨子を組む4ブロックの型
競合・施策案をAIに整理させるときの渡し方
競合サイトのキャプチャや気づきメモ、想定している施策案をAIに渡すときは、「この案件の顧客課題は①、競合A/B/Cの特徴はこれ、こちらが想定する施策案はこれ」と前提をそろえて渡すと、AIが「課題に対して、競合と比べてこの施策がなぜ有効か」という論理の流れで骨子を組みやすくなります。バラバラの情報をそのまま渡すと、施策の羅列になりがちです。
上の4ブロックの型をCLAUDE.mdに例文付きで書いておくと、AIがヒアリング情報を「課題 → 原因 → 施策 → 効果」の順に並べた骨子の下書きを作ります。施策の思いつきから書き始めるより、顧客課題から逆算するほうが、「なぜこの提案なのか」が伝わる構成になり、決裁も通りやすくなります。
07 PERSUASION 勝てる提案構成と説得材料の整理 提案は中身だけでなく「決裁を通す材料」で決まる
提案の方向性が良くても、顧客社内の稟議で止まることがあります。原因の多くは、提案を判断する人(担当者の上司・経営層)が必要とする説得材料が足りないことです。ブルーピン制作所が、提案書に必ず入れている説得材料の整理の型を紹介します。
型1: 「なぜ御社か」を示す実績と体制
「似た業種・似た課題での実績数値」と「誰がどう進めるかの体制図」は、提案を判断する人が最初に気にする材料です。"同業のLP改善でCVを1.6倍にした実績があり、担当ディレクターとデザイナーがこの体制で進めます" のように、実績と体制をセットで示すと、提案の信頼性が一段上がります。実績数値は、事実確認のうえで自社が公開してよい範囲に限って載せます。
型2: 費用の根拠とリスクへの備えを先回りで書く
費用は金額だけを示すより、「何にいくらかかるか」「その投資でどんな変化が見込めるか」をあわせて示すと、稟議での説明がスムーズになります。あわせて、想定されるリスク(効果が出るまでの期間、運用負荷など)と、それへの備えを先回りで書いておくと、「そこはどうなるのか」という持ち帰りを減らせます。なお、具体的な料金やプランの提示は、提案担当者が顧客の状況に合わせて行います。
型3: 意思決定者の目線で要約(エグゼクティブサマリ)を冒頭に置く
提案書の冒頭に、「課題・提案・期待できる成果・費用感」を数行でまとめた要約を置くと、忙しい意思決定者が全体像を一目でつかめます。AIはこの要約の下書きが得意ですが、"何を一番のメッセージにするか" の判断は提案担当者が行います。
上の3つの型を「提案前の確認リスト」としてCLAUDE.mdに書いておくと、AIが提案書ごとに「実績・体制・費用根拠・リスク対応・要約が入っているか」をチェックし、足りない説得材料を抜け漏れ候補として出します。提案内容の最終判断は担当者が行う前提で、材料の入れ忘れによる差し戻しを減らせます。
08 RELATED 関連記事: 広告代理店・Web制作会社の自動化事例10選(全業務マップ) 提案書以外の9業務も含めた事例集
本記事は広告代理店・Web制作会社の自動化事例10選のうち、事例2「提案書作成」を深掘りした内容です。ヒアリング議事録・要件定義・広告レポートなど他の業務もあわせてご覧ください。→ 広告代理店・Web制作会社の自動化事例10選(全業務マップ)
09 ABOUT AI鬼管理について - 提案書作成の伴走サービス 属人化した提案書を、確認中心の運用へ
本記事を発信している AI鬼管理 は、広告代理店・Web制作会社のAI業務自動化をClaude Code/Codexで設計から伴走するサービスです。提案書作成は、骨子づくりと説得材料の整理の属人化を解くことで、提案スピードと打率の向上、若手育成に効く打ち手です。
属人化した提案書初稿、いっしょに軽くしませんか?
本記事のブルーピン制作所の例は、Web制作と広告運用が半々・月15〜20本・ベテラン1人集中というモデルケースです。貴社の提案種別の構成や体制によって、最適な進め方は変わります。まずは今の提案書の作り方をうかがって、貴社に合った設計をご提案します。
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よくある質問
Q. AIに提案内容まで考えさせてもよいですか?
A. 骨子のたたき台は作れますが、どの課題を軸にするか・どの施策を提案するか・表現が顧客に刺さるかの最終判断は提案担当者が行う設計が現実的です。AIはヒアリング整理・骨子・説得材料の抜け漏れ候補を出すところまでにします。
Q. ヒアリングメモが断片的でも使えますか?
A. 使えます。断片的なメモでも、「顧客が言った要望」「背景にありそうな課題」「未確認の事項」に仕分けるところから整理できます。未確認事項が見えることで、次回ヒアリングの質問も組み立てやすくなります。
Q. 競合調査や他社事例の整理にも使えますか?
A. 使えます。競合サイトの気づきメモや参考事例を渡すと、差別化の論点や提案に使える打ち手の候補を整理できます。ただし、提案として勝てる切り口かの判断と、載せる事例・数値の事実確認は担当者が行います。
Q. 過去の提案書はどのくらい用意すべきですか?
A. 最初は提案種別ごとに勝ち提案を3〜5本あれば十分です。章立てや説得材料の型を整理し、AIの骨子の下書きに反映させるところから始めます。
Q. 料金やプランを教えてください
A. 料金やサポートプランは AI鬼管理のサービスページをご覧ください。貴社向けの個別ご提案は本記事末尾のNEXT STEPからお問い合わせください。
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