【広告代理店・Web制作会社】広告レポート作成をClaude Code/Codexで自動化する方法
この記事の内容
広告レポートは、各媒体の管理画面から広告費・表示回数・クリック・CV(コンバージョン)を集め、CPA(獲得単価)やROAS(広告費用対効果)を計算し、前月との差を読み解いて、クライアントが分かる言葉で改善コメントまで書く作業です。とくに月初は、Google広告・Meta広告・Yahoo!広告など複数媒体の数字を1枚にまとめ、「先月より良くなったのか・悪くなったのか・次に何をするのか」を言語化する負荷が、アカウント担当1人に集中しがちです。AIは予算配分や入札の最終判断を代わりに下すものではありませんが、数字の集計・要約、変化した指標の抽出、改善コメントの下書きを先に作る補助として使えます。
クライアント1社あたりの月次広告レポート下書き (フォルクレアのモデル事例)
本記事では、AI鬼管理 が支援を想定する フォルクレア (兵庫県神戸市・運用型広告とLP制作中心・月次レポート提出は約18社) をモデル事例に、Claude Code/Codex で広告レポートを「数字の要約+変化の要因候補+改善コメントの下書き」まで半自動化する手順を解説します。アカウント担当の葉山さんが18社分の月次レポートを毎回手作業で作り、1社あたり約45分かかっていた会社が、若手の桐生さんも下書きを起こせるようになり、月初のレポート提出に追われる時間を減らした流れです。
この記事を最後まで読むと、
- 広告レポート作成でアカウント担当が抱えている負荷(複数媒体の集計・指標計算・改善コメント執筆)が分かる
- Claude Code/Codexで自動化できる3項目(数字の要約/変化の要因候補/改善コメントの下書き)が理解できる
- 5ステップでのPoC〜運用の進め方が分かる
- 広告費・CV・CPA・ROASを3層で要約し、改善コメントへつなげる型が分かる
- クライアントが理解できる要因分析と次アクションの書き方が分かる
01 PROBLEM 広告レポート作成の現場で起きていること 複数媒体の集計・指標計算・改善コメントのトリレンマ
問題1: 媒体横断の集計がアカウント担当に集中する。運用型広告は、Google広告・Meta広告・Yahoo!広告などで管理画面も指標の名前も微妙に違います。フォルクレアでは、各媒体からCSVを落として広告費・CV・クリックを1枚に転記する作業を、実質、葉山さん1人が18社分こなしていました。若手の桐生さんは媒体ごとの指標の対応がつかめず、結局、葉山さんの確認待ちになり、葉山さんがボトルネックになります。
問題2: 指標の計算と前月比でミスが起きる。CPAは「広告費÷CV」、ROASは「売上÷広告費」。式は単純でも、媒体ごとにCVの定義(クリックCVか、来店か、購入か)が違ったり、前月の数字を別ファイルから拾い直したりする過程で、桁ずれや拾い間違いが起きます。数字の取り違えはレポートの信頼を一気に下げるため、見直しに神経を使います。
問題3: 改善コメントを書ける人が限られる。「CPAが上がったのは、競合の出稿が増えてクリック単価が上がったため」「CVが伸びたのは、新しいLPの直帰率が下がったため」のように、数字が動いた理由を読み解き、クライアントに伝わる言葉で書くのは、経験のいる仕事です。フォルクレアでも、急いで作ったレポートほど改善コメントが「微増・微減」の一言で終わり、次の提案につながっていませんでした。
02 WHAT Claude Code/Codexで何を自動化するか 予算判断ではなく、数字の要約と改善コメント下書きを自動化
📚 用語解説
CPAとROAS:CPA(Cost Per Acquisition/獲得単価)は「広告費÷CV数」で、1件の成果を取るのにいくらかかったかを表す指標。ROAS(Return On Ad Spend/広告費用対効果)は「広告経由の売上÷広告費」で、広告費1円あたり何円の売上が返ったかを表す指標。どちらも単体の良し悪しでなく、前月比・目標値・媒体間の比較で読むため、数字をどう並べてどう解釈するかが担当者の経験に依存しやすく、属人化の主因になりやすい。
処理1: 媒体横断の数字を要約する。各媒体からエクスポートした広告費・表示回数・クリック・CVのCSVをAIに渡し、広告費・CV・CPA・ROASを媒体別と合計で1枚に要約させます。クリック率(CTR)やコンバージョン率(CVR)もあわせて整理し、「今月の全体像」を見える形にしたうえで、前月の数字との差分も並べます。
処理2: 変化した指標と要因候補の抽出。前月比で大きく動いた指標(例: CPAが30%悪化、ROASが1.5倍)をAIが先に拾い、「クリック単価が上がったのか」「CVRが下がったのか」「予算配分が変わったのか」といった要因の切り分け候補を並べます。AIは断定せず、担当者が確認すべき仮説を提示するところまでを担います。
処理3: 改善コメントの下書き。クライアント向けの「今月のまとめ・要因・来月の打ち手」を、専門用語を噛み砕いた文面で下書きします。この下書きがあるだけで、アカウント担当は「数字をゼロから言語化する」のではなく、「下書きを直して、自分の解釈と提案を足す」だけで済みます。
| 入力情報 | AIが整理すること | 人(アカウント担当)が確認すること |
|---|---|---|
| 各媒体のCSV | 広告費・CV・CPA・ROASの媒体別/合計の要約 | CVの定義の一致、計測タグの正常動作 |
| 前月レポート | 前月比で大きく動いた指標と差分 | 変化が一時要因か継続要因かの解釈 |
| 配信設定メモ | 予算・入札・配信面の変更点の整理 | 変更の意図、効果の因果の妥当性 |
| 過去の改善コメント | トーンに沿った今月のコメント下書き | 提案の最終判断、クライアントへの伝え方 |
AIの役割は数字の要約・要因候補・改善コメントの下書きまで。どの媒体に予算を寄せるか、入札をどう動かすか、配信を止めるかの最終判断は必ずアカウント担当が行います。この線引きを最初に決めておくと、運用の責任があいまいにならず、安心してAIを使えます。
03 HOW 具体的な進め方 5ステップ 小さくPoCし、外したコメント理由をレポートルールへ戻す
広告レポートAI化の5ステップ
媒体構成がシンプルで、レポートの型が安定している既存クライアントから始める
「このクライアントのCVは購入完了」「目標CPAは◯円」など、葉山さんの頭の中の前提を文章化する
数字の要約・変化した指標・要因候補・改善コメントを、確定でなく確認用ドラフトとして出す
アカウント担当が直したコメントと「採用しなかった要因仮説の理由」をCLAUDE.mdへ戻し、下書きの精度を上げる
下書きづくりを若手に任せ、ベテランは解釈と提案の確認に回る。型が近いクライアントから横展開する
5ステップで最も大切なのは、STEP 4の「採用しなかった要因仮説の理由」を残すことです。AIが出した「CPA悪化はクリック単価上昇が原因」という仮説を、アカウント担当が「実際はCVR低下が主因だった」と直した場合、その理由を残さないと、次月も同じ的外れな仮説が出ます。逆に、その理由をCLAUDE.mdへ戻せば、AIの下書きは少しずつフォルクレアの読み筋に近づきます。
04 RESULT 導入後の変化と数値効果(フォルクレアの事例) レポート下書き45分→12分、改善コメントの属人化を解消
- Google・Meta・Yahoo!の管理画面から1社ずつCSVを落とし、葉山さんが手で集計していた(1社約45分)
- CPA・ROASを手計算し前月の数字と並べる過程で、桁ずれや拾い間違いの見直しに時間を取られた
- 改善コメントが書ける人が偏り、月初は18社分のレポートが葉山さん1人に集中していた
- 急ぎのレポートは改善コメントが「微増・微減」で終わり、次の提案につながっていなかった
- AIが媒体CSVから広告費・CV・CPA・ROASを媒体別/合計で要約、下書きづくりは約12分に
- 前月比で大きく動いた指標と要因候補を先に提示し、数字の取り違えの見直しが減った
- 改善コメントの下書きを桐生さんが起こし、葉山さんは解釈と提案の確認に専念できた
- 「まとめ・要因・来月の打ち手」の型でコメントが安定し、次の提案につながりやすくなった
05 PITFALL よくある落とし穴3つ 予算判断・数字の取り違え・断定コメントを誤らない
どの媒体に予算を寄せるか、入札をどう動かすか、配信を止めるかは、クライアントの事業状況と運用の文脈を知るアカウント担当が判断します。AIは数字の要約・要因候補・コメント下書きまで。予算配分の最終判断を任せると、季節性や在庫状況といった現場事情を無視した提案になりかねません。
AIに渡すCSVのCVの定義が媒体ごとにずれていたり、計測タグが一部止まっていたりすると、CPAやROASの数字自体が狂います。AIの要約は便利ですが、CVの定義の一致と計測タグの正常動作は人が確認し、主要な指標は元データと突き合わせて検算してください。
「CPA悪化の原因はクリック単価上昇」と断定しても、実際はCVR低下や着地ページの問題が主因のこともあります。AIの出す要因はあくまで仮説候補です。断定的な原因説明をそのまま載せず、担当者が要因を確認したうえで、確度に応じた表現(「主因と考えられる」「影響の一つ」)に整えてからクライアントへ出します。
06 STRUCTURE 広告費・CV・CPA・ROASを3層で要約し改善コメントにする型 数字の羅列で終わらせず、要約→要因→打ち手の3層に整理する
広告レポートが読みにくくなる一番の原因は、媒体ごとの数字をただ並べて終わることです。フォルクレアでは、AIに渡す前に「3層で書く」型を決め、それをCLAUDE.mdに言語化しました。数字の要約(第1層)→変化の要因(第2層)→来月の打ち手(第3層)の順で組むと、クライアントが「結局どうなって、次に何をするのか」を一読でつかめます。
第1層: 全体サマリー(広告費・CV・CPA・ROAS)
第2層: 変化の要因(なぜその数字になったか)
第1層で大きく動いた指標について、要因の候補を切り分けます。例えばCPAが悪化したなら、「クリック単価(CPC)が上がったのか」「クリック率(CTR)が下がったのか」「コンバージョン率(CVR)が下がったのか」のどれが効いたかを、数字で裏付けて書きます。AIには第1層の数字とあわせて「CPC・CTR・CVRの前月比」も出させ、どの指標が変化を生んだかの要因候補を並べさせると、第2層の下書きが速くなります。
第3層: 来月の打ち手(次に何をするか)
第2層の要因に対して、来月の具体的なアクションを書きます。「CVRが下がった→LPのファーストビューを2案でABテスト」「特定キーワードのCPAが高い→除外キーワードを追加し予算を効率の良い広告グループへ寄せる」のように、要因と打ち手を1対1で結びます。ここはクライアントの事業状況に左右されるため、AIの下書きを土台に、最終的な打ち手と予算配分は担当者が判断します。
第1層(全体サマリー)・第2層(要因)・第3層(打ち手)の見出しと、各層に入れる指標をCLAUDE.mdに例文付きで書いておくと、AIが毎月この型で下書きを作ります。数字の羅列で終わらず、要約から打ち手まで一本の線でつながったレポートが、担当者によらず安定します。
07 TRANSLATE クライアントが理解できる要因分析と次アクションの書き方 専門用語を翻訳し、判断はクライアントと担当者に残す
広告レポートのもう一つの難所は、運用者にしか分からない指標を、クライアントが判断に使える言葉へ翻訳することです。CPAやROASをそのまま書いても、事業側は「で、どうすればいいのか」が分かりません。フォルクレアが要因分析と次アクションで使っている、翻訳の型を紹介します。
型1: 指標を「ビジネスの言葉」に言い換える
「CPAが8,000円から6,500円に改善」ではなく、「1件のお問い合わせを獲得する費用が8,000円から6,500円に下がり、同じ予算でより多くの見込み客に届く状態になりました」のように、指標を事業のメリットに翻訳します。AIには「この指標が良くなると、クライアントの事業にどう効くか」を一文添えさせると、読み手が数字の意味を判断しやすくなります。
型2: 要因は「事実」と「解釈」を分けて書く
「クリック単価が前月比18%上昇した(事実)。競合の出稿強化が背景にあると考えられる(解釈)」のように、確定している数字(事実)と、担当者の読み(解釈)を分けて書きます。AIには事実部分(数字の変化)を正確に出させ、解釈部分は仮説候補として提示させたうえで、最終的な確度の判断と表現は担当者が行います。この分け方をしておくと、後から「あの原因説明は何だったのか」と問われたときに説明がつきます。
型3: 次アクションは「選択肢」と「推奨」をセットで出す
「来月はA案(LP改善を優先)とB案(予算を効率媒体へ再配分)が考えられます。当社としてはA案を推奨します(理由: CVRの低下が主因のため)」のように、選択肢と推奨を並べて出すと、クライアントが判断に参加できます。どの案を選び、いくら予算を動かすかの最終判断はクライアントと担当者が行う前提を明記し、AIには選択肢の整理と推奨理由の下書きまでを任せます。
上の3つの型(指標の言い換え・事実と解釈の分離・選択肢と推奨)をCLAUDE.mdに例文付きで書いておくと、AIが毎月、クライアントに伝わる要因分析と次アクションの下書きを作ります。数値解釈や予算配分の最終判断は担当者が行う前提を崩さないことが、信頼されるレポートの条件です。
08 RELATED 関連記事: 広告代理店・Web制作会社の自動化事例10選(全業務マップ) 広告レポート以外の9業務も含めた事例集
本記事は広告代理店・Web制作会社の自動化事例10選のうち、事例6「広告レポート」を深掘りした内容です。提案書作成・要件定義・制作進行管理など他の業務もあわせてご覧ください。→ 広告代理店・Web制作会社の自動化事例10選(全業務マップ)
09 ABOUT AI鬼管理について - 広告レポート作成の伴走サービス 属人化した広告レポートを、確認中心の運用へ
本記事を発信している AI鬼管理 は、広告代理店・Web制作会社のAI業務自動化をClaude Code/Codexで設計から伴走するサービスです。広告レポート作成は、数字の要約と改善コメントの属人化を解くことで、提出スピードの安定とアカウント担当の負荷分散に効く打ち手です。
属人化した広告レポート、いっしょに軽くしませんか?
本記事のフォルクレアの例は、運用型広告とLP制作中心・月18社のレポート・アカウント担当1人集中というモデルケースです。貴社の媒体構成やクライアントのレポートの型によって、最適な進め方は変わります。まずは今のレポートの作り方をうかがって、貴社に合った設計をご提案します。
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よくある質問
Q. AIに広告の予算配分まで決めさせてもよいですか?
A. おすすめしません。AIは数字の要約・要因候補・改善コメントの下書きまでにし、どの媒体に予算を寄せるか、入札をどう動かすかといった最終判断はアカウント担当が行う設計が現実的です。クライアントの事業状況や季節性は、運用者の判断が欠かせません。
Q. 複数媒体(Google・Meta・Yahoo!)の数字もまとめられますか?
A. まとめられます。各媒体からエクスポートしたCSVを渡せば、広告費・CV・CPA・ROASを媒体別と合計で要約できます。ただしCVの定義が媒体ごとに違う場合があるため、定義の一致と計測タグの正常動作は人が確認してください。
Q. 改善コメントはどこまでAIに任せられますか?
A. 「まとめ・要因・来月の打ち手」の下書きまでです。要因はあくまで仮説候補として出させ、確度に応じた表現への調整と、来月の打ち手・予算配分の最終判断は担当者が行います。断定的な原因説明をそのままクライアントへ出さないことが重要です。
Q. 既存のレポートフォーマットやスプレッドシートと連携できますか?
A. 使えます。既存のスプレッドシートやレポートの項目(媒体・広告費・CV・CPAなど)を読み取れる形に整えれば、その型に沿って数字の要約とコメントの下書きを出せます。いきなり全置き換えにせず、下書きの補助から始めるのが現実的です。
Q. 最初に対象にするクライアントは何がよいですか?
A. 媒体構成がシンプルで、レポートの型が安定している既存クライアントから始めると、AIの下書き精度を上げやすく、PoCの効果も見えやすいです。
Q. 料金やプランを教えてください
A. 料金やサポートプランは AI鬼管理のサービスページをご覧ください。貴社向けの個別ご提案は本記事末尾のNEXT STEPからお問い合わせください。
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