二箇所から給与をもらっている場合の確定申告|甲欄・乙欄の仕組みと必要書類、Claude Code/Codexで年末調整対応を自動化する方法

二箇所から給与をもらっている場合の確定申告|甲欄・乙欄の仕組みと必要書類、Claude Code/Codexで年末調整対応を自動化する方法

「副業先からも給与をもらっている社員がいるのですが、年末調整だけで済みますか?」——中小企業のバックオフィス担当者や経営者から、税理士がこうした相談を受ける場面は少なくありません。複数の勤務先から給与を受け取っている従業員がいる会社では、年末調整の仕組みだけでは所得税の精算が完結しないケースがあるためです。

結論から言うと、2か所以上から給与を受け取っている人は、原則として確定申告が必要です。年末調整は「主たる給与」の支払者でしか行われないため、もう一方の給与(従たる給与)に対する源泉徴収税額は、年末調整では精算されません。ただし、従たる給与の年間収入が20万円以下であれば申告不要になる例外もあり、この線引きを誤って案内すると、従業員に無用な手間をかけさせたり、逆に必要な申告を見落としたりすることになります。

この記事では、甲欄・乙欄の仕組みと確定申告の要否判定、バックオフィスが行うべき従業員への案内・書類対応を実務目線で整理したうえで、後半では対象者の抽出から案内文の作成、源泉徴収票データの取りまとめまでをClaude Code/Codex(AIエージェント)に任せて無人で回す方法を、弊社サービス「AI鬼管理」(運営: 株式会社GENAI)の実践ノウハウとともに解説します。

✔️なぜ2か所給与だと年末調整だけで完結しないのか(甲欄・乙欄の仕組み)
✔️確定申告が必要なケース・不要なケース(20万円ルールとその例外)
✔️バックオフィスが従業員に対して行うべき案内・源泉徴収票の発行対応
✔️実務で起きやすいトラブル事例(源泉徴収票の未回収、案内漏れなど)
✔️Claude Code/Codexで対象者抽出・案内文作成・書類取りまとめを自動化する具体的な仕組み
代表菅澤 代表菅澤
2か所給与の確定申告は、法律自体は単純なのに、現場では「誰が対象で、いつ何を案内すればいいか」が整理されておらず毎年バタつく典型的な業務です。まずは正しい型を押さえて、後半でその型ごと仕組み化する方法を見ていきましょう。
AI鬼管理山崎 AI鬼管理山崎
税理士の先生方からも「顧問先の給与担当者に、毎年同じ説明を繰り返している」というお声をよく伺います。この記事の内容は、そのまま顧問先への案内資料としても使える構成にしています。

記帳・仕訳・申告書作成の「毎月くり返す手作業」を、税理士事務所のまま仕組みで減らす方法を60分で解説します。

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📌 この記事の結論
二箇所から給与をもらっている場合の確定申告|甲欄・乙欄の仕組みと必要書類、Claude Code/Codexで年末調整対応を自動化する方法
複数の勤務先から給与をもらっている従業員がいる場合、確定申告は必要?甲欄・乙欄の仕組みと20万円ルール、バックオフィスが行うべき案内をAI鬼管理(株式会社GENAI)が整理し、Claude Code/Codexで対象者抽出・案内文作成を自動化する方法まで解説します。

01 年末調整をしていても確定申告が必要になる理由 「会社で年末調整したから大丈夫」が通用しないケースを押さえる

会社員は通常、年末調整によって1年間の所得税が精算されるため、確定申告は不要です。しかし、これはあくまで1か所からしか給与を受け取っていない場合の話です。2か所以上の勤務先から給与を受け取っている人は、年末調整だけでは所得税の精算が完結しません。

理由はシンプルで、年末調整は「主たる給与」の支払者でしか行われないためです。もう一方の勤務先(従たる給与)からの給与は年末調整の対象外のまま残り、そこで源泉徴収された税額が正しい年税額と一致しているとは限りません。

📚 用語解説

年末調整:毎月の給与から源泉徴収された所得税の合計額と、その年に納めるべき本来の税額とのズレを、年末に精算する手続き。生命保険料控除や扶養控除などを反映して再計算する。ただし1人の従業員につき、年末調整を行えるのは「主たる給与」の支払者1社のみと定められている。

例えば、主たる勤務先で月額8万円、副業先で月額5万円の給与を受け取っている場合、実際の月収は13万円ですが、年末調整では主たる給与の8万円分しか計算に含まれません。この状態を放置すると、本来納めるべき税額との間にズレが生じたまま年が終わってしまいます。このズレを是正する手続きが、確定申告です。

代表菅澤 代表菅澤
「年末調整をしたのに、なぜ確定申告も必要なのか」という質問は毎年必ず出ます。答えはシンプルで、年末調整はあくまで1社分の精算でしかない、という前提を押さえておくことが第一歩です。

02 甲欄・乙欄とは?主たる給与・従たる給与の仕組み 2か所給与の実務は、この2つの区分を理解しないと始まらない

2か所給与の仕組みを理解する鍵は、「主たる給与」と「従たる給与」の区分です。

区分内容源泉徴収税額表の適用欄年末調整
主たる給与「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出している勤務先からの給与甲欄(税額が低めに設定)対象になる
従たる給与それ以外の勤務先からの給与乙欄(税額が高めに設定)対象外

📚 用語解説

扶養控除等(異動)申告書:通称「マル扶」。従業員が勤務先に提出する書類で、これを提出した勤務先が「主たる給与」の支払者となり、源泉徴収税額表の甲欄が適用される。この申告書は1か所にしか提出できず、提出先が主たる給与の支払者となる。従たる給与の支払者に提出しても、甲欄適用や配偶者控除・扶養控除の適用は受けられず、乙欄のまま源泉徴収される。

乙欄が適用される従たる給与は、扶養控除等を考慮せずに、より高い税率で源泉徴収されるのが特徴です。そのため、従たる給与からは本来の税額より多めに天引きされていることが多く、確定申告によって過不足を精算すると、還付が発生するケースも珍しくありません。

2-1. 源泉徴収税額表の見方

源泉徴収税額の計算には「給与所得の源泉徴収税額表」を用います。月給制であれば月額表、日給制であれば日額表を使い、甲欄・乙欄それぞれの欄で税額を確認します。給与計算ソフトを使っていれば自動計算されますが、複数拠点・複数雇用形態が混在する会社では、どの給与がどちらの欄で計算されているかを人事側が正確に把握しておく必要があります。

AI鬼管理山崎 AI鬼管理山崎
乙欄は「扶養を考慮しない、やや厳しめの税額」というイメージを持っておくと分かりやすいです。副業先の給与明細を見て「思ったより天引きが多い」と感じる方が多いのは、このためです。

03 確定申告が必要なケース・不要なケース(20万円ルール) 「20万円以下なら申告不要」の正しい理解と、見落としがちな例外

2か所以上から給与を受け取っている人がすべて確定申告を要するわけではありません。実務上の判定基準を整理します。

✔️原則:2か所以上から給与を受け取っている場合は確定申告が必要
✔️例外(申告不要):従たる給与の年間収入金額と、給与所得・退職所得を除くその他の所得金額の合計が20万円以下の場合
✔️例外の例外(申告が必要):20万円以下でも、医療費控除など還付を受けるための申告(還付申告)を行う場合は、すべての所得を含めて申告する必要がある
⚠️ 「20万円ルール」は所得税の申告義務の話。住民税は別扱い

従たる給与が20万円以下で所得税の確定申告が不要になったとしても、住民税の申告は別途必要です。所得税の「20万円以下なら申告不要」というルールは住民税には適用されないため、市区町村への住民税の申告を怠ると、後日追徴や問い合わせにつながることがあります。バックオフィスが従業員に案内する際は、この点を混同しないよう特に注意してください。

また、副業が給与ではなく業務委託などの事業所得・雑所得である場合は、給与所得とは別に判定が必要です。「副業=給与」とは限らないため、収入の種類を最初に確認することが、正確な案内の出発点になります。

📚 用語解説

還付申告:源泉徴収された税額が納めすぎになっている場合に、その差額の還付を受けるために行う確定申告。医療費控除・住宅ローン控除(初年度)・寄附金控除(ふるさと納税のワンストップ特例対象外の場合)などが代表例。還付申告をする場合は、20万円以下の従たる給与であっても、正しい税額を計算するためにすべての所得を申告書に含める必要がある。

👤 2か所以上から給与あり
🔍 従たる給与+他の所得が20万円超?
✅ YES→確定申告が必要
❌ NO→原則不要(住民税は別)
💰 還付申告なら20万円以下でも要申告
代表菅澤 代表菅澤
「20万円以下だから申告しなくていい」と早合点した従業員が、実は医療費控除を受けられるはずだったのに申告していなかった、というのはよくある機会損失です。案内するときは、還付申告の可能性もセットで伝えるのが親切です。
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04 バックオフィスが行うべき対応:案内・源泉徴収票・申告書の扱い 従業員から相談された時に、会社側が用意すべきものを整理する

2か所給与の従業員に対して、会社(バックオフィス)が行うべき対応は大きく3つです。

1
源泉徴収票を確実に発行する自社が主たる給与・従たる給与のどちらの立場であっても、その年に支払った給与の源泉徴収票を発行する義務があります。従業員は確定申告の際に、すべての勤務先からの源泉徴収票(またはその情報)が必要になるため、発行の遅れは申告全体の遅れに直結します。
2
扶養控除等申告書の提出状況を確認する自社が主たる給与の支払者なのか、従たる給与の支払者なのかは、扶養控除等申告書の提出有無で決まります。この提出状況を正確に把握していないと、甲欄・乙欄の適用誤りにつながります。
3
確定申告の要否について、案内文で周知する2か所以上から給与を受け取っている可能性のある従業員(副業許可を出している場合など)に対して、年末調整の時期に合わせて確定申告の要否と20万円ルールを案内します。個別の税務相談には応じられない旨を明記しつつ、基本的な仕組みだけは会社として周知するのが実務上のバランスです。
📋 副業許可・扶養控除等申告書の提出状況を確認
👤 主たる/従たる給与の対象者を特定
📧 確定申告の要否を案内
📄 源泉徴収票を発行
✅ 従業員が確定申告

特に、複数の事業所・店舗を持つ会社や、副業を認めている会社では、「誰が2か所給与に該当するか」を人事側が正確に把握できているかが最初の関門になります。従業員からの自己申告に頼りきりだと、把握漏れが生じやすい領域です。

📚 用語解説

源泉徴収票:1年間に支払った給与の総額と、源泉徴収した所得税額をまとめた書類。会社は従業員に対して発行義務があり、従業員が確定申告をする際は、すべての勤務先分の源泉徴収票(または記載内容の情報)が必要になる。2か所給与のケースでは、主たる給与・従たる給与の双方から発行を受ける必要があるため、どちらか一方でも発行が遅れると申告全体が滞る。

AI鬼管理山崎 AI鬼管理山崎
会社としては税務相談まで踏み込む必要はありませんが、「対象になり得る人が誰か」「何を案内すべきか」を仕組みとして持っておくことは、バックオフィスの役割として重要です。

05 実務で起きやすいトラブル事例 毎年同じところでつまずく典型パターンを知っておく

2か所給与に関する実務トラブルは、パターンがある程度決まっています。

✔️源泉徴収票の発行遅れ:退職者や副業先が発行を後回しにし、従業員の申告期限直前になって慌てる
✔️甲欄・乙欄の適用誤り:扶養控除等申告書の提出状況を誤認し、本来乙欄のところを甲欄で計算してしまう
✔️20万円ルールの誤案内:所得税の申告不要と住民税の申告不要を混同し、住民税の申告漏れを招く
✔️還付申告の機会損失:20万円以下だからと申告自体を見送り、医療費控除等の還付を受け損なう
✔️対象者の把握漏れ:副業を会社に届け出ていない従業員が、そもそも案内の対象から漏れる
トラブル主な原因予防策
源泉徴収票が申告期限に間に合わない発行依頼のタイミングが遅い、退職者への連絡が滞る年明け早い段階で発行対象者をリストアップし、依頼を前倒しする
甲欄・乙欄の適用誤り扶養控除等申告書の提出先が複数拠点で分散し把握しづらい提出状況を一元管理し、主たる給与の支払者を明確にする
住民税の申告漏れ所得税の20万円ルールと住民税を同一視した案内案内文に「所得税と住民税は別扱い」と明記する

こうしたトラブルの多くは、「誰が対象で、何を、いつまでに準備すべきか」が仕組みとして整理されていないことが原因です。次の章では、対象者が多い会社ほど、この整理が手作業では追いつかなくなる理由を見ていきます。

代表菅澤 代表菅澤
ここに挙げたトラブルは、毎年ほぼ同じ顔ぶれで起きます。裏を返せば、一度仕組み化してしまえば、毎年同じ苦労を繰り返さずに済むということです。

06 手作業での対象者把握・案内が限界を迎える瞬間 対象者が数名のうちは良いが、拠点・副業者が増えると崩れる

2か所給与への対応は、対象者が数名であれば、担当者が個別に把握して案内すれば十分回ります。問題は、複数拠点を持つ会社や、副業を認めている会社で対象者が増えたときです。

✔️対象者リストが常に最新でない:異動・入退社・副業許可の追加が反映されず、案内漏れが発生する
✔️拠点ごとに扶養控除等申告書の管理がバラバラ:本社と支店で情報が共有されず、甲欄・乙欄の適用を誤る
✔️源泉徴収票の発行状況が可視化されていない:誰に発行済みで、誰が未発行かをExcelの目視チェックに頼っている
✔️案内文が毎年ゼロから作成される:担当者交代のたびに文面が変わり、内容の抜け漏れが起きやすい

こうした事故が目に見えて増え始めるのが、対象者数が「担当者一人の記憶と目視チェックで管理できる範囲」を超えたタイミングです。従来の選択肢は「人事労務システムを導入し、扶養控除等申告書の管理から電子化する」ことでした。もちろんそれも有効な選択肢です。ただし2026年現在は、もう一つの選択肢があります。今の給与計算・人事管理の仕組みをそのまま使い続けながら、対象者の抽出・案内文作成・書類取りまとめの「手作業」部分だけをClaude Code/CodexのようなAIエージェントに肩代わりさせる方法です。

AI鬼管理山崎 AI鬼管理山崎
システムの入れ替えは大がかりですが、「対象者を洗い出して、案内文を作って、発行状況をチェックする」という一連の作業だけなら、既存のExcelやデータのままAIに任せられる場合が多いんです。次の章で具体的に見ていきましょう。
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07 【核心】Claude Code/Codexで2か所給与対応を「無人で回る仕組み」にする 効率化ではなく自動化。トリガーで勝手に走るワークフローに落とし込む

📚 用語解説

Claude Code/Codex:Claude CodeはAnthropic社、CodexはOpenAI社が提供するAIエージェント。ChatGPTのような「質問に答えるAI」と違い、指示を受けてパソコン上のファイル操作・データ集計・文書作成などの作業そのものを実行できる。プログラミング不要で、日本語の指示だけで業務の仕組みを構築できるため、非エンジニアの経営者・バックオフィス担当者の業務自動化ツールとして注目されている。デスクトップアプリで利用可能。

ここからがこの記事の核心です。本記事では以降、操作イメージを弊社が主に使うClaude Codeで説明します(Codexでも同じことができます)。重要なのは、AIに「制度を教えてもらう」のではなく、対象者の把握から案内・書類管理までの業務をワークフローごとAIに渡してしまうという発想の転換です。

7-1. 「AIに聞く」と「AIが勝手にやる」は別物

ChatGPTに「2か所給与の確定申告について教えて」と聞くのは効率化です。人間が作業の主体で、AIは調べ物を速くしてくれるだけ。この使い方では、対象者の把握漏れも案内文の作成負担もなくなりません。

一方、Claude Code/Codexで作るのは自動化です。「人事データと副業許可の記録を照合し、2か所給与に該当しそうな従業員を抽出して、案内文の下書きと源泉徴収票の発行チェックリストを作成する」という一連の流れを最初に一度だけ設計しておけば、あとは決まったトリガーで人間が何もしなくても走り続けます。人間の仕事は、最後に上がってきたリストと文面を確認することだけです。

📅 年末調整の時期(トリガー)
🤖 人事データと副業許可記録を照合
👤 対象者を自動抽出
📧 案内文の下書きを自動生成
📄 源泉徴収票の発行状況をチェック
👤 人は確認して送るだけ

7-2. Claude Code/Codexに任せられる2か所給与対応の作業

これまで人間がやっていた作業Claude Code/Codexに任せた後
副業許可・申告書の記録から対象者を目視で洗い出す人事データを読み込んで対象者を自動抽出
対象者ごとに案内文を都度作成20万円ルール等を踏まえた案内文の下書きを自動生成
源泉徴収票の発行状況をExcelで手動チェック発行済み・未発行を自動集計し、未発行者のみリストアップ
扶養控除等申告書の提出先を拠点ごとに突き合わせデータを統合して甲欄・乙欄の適用状況を自動照合
翌年また同じ案内文をゼロから作成テンプレート化された文面を、その年の制度改正点だけ確認して再利用

ポイントは、今使っている人事・給与データをそのまま活用できることです。新しいシステムへの乗り換えと違って、データの持ち方を大きく変える必要はありません。今の「対象者抽出・文面作成・発行チェック」という手作業部分だけが、AIの仕事に置き換わります。

7-3. 導入は3ステップ(プログラミング不要)

1
現状の運用をClaude Codeに説明するデスクトップアプリのClaude Codeに、いま使っている人事データや副業許可の記録を見せて、「主たる/従たる給与の判定方法・案内のタイミング」を日本語で説明します。仕様書は不要で、会話で伝えれば十分です。
2
ワークフローを一緒に設計してもらう「年末調整の時期になったら対象者を洗い出して、案内文と発行チェックリストを作って」と依頼すると、Claude Codeがデータの照合から文面作成までの一連の手順を組み立てます。
3
毎年決まった時期に動く仕組みに載せる設計したワークフローを、年末調整の時期に合わせて自動的にチェックが走るように設定します。以降は毎年、対象者リストと案内文の下書きが自動で手元に届く状態になります。

7-4. AI鬼管理(株式会社GENAI)での実践例

AI鬼管理では、この「制度対応の業務をClaude Codeのワークフローに落とす」やり方を、クライアント企業の実業務で数多く構築してきました。2か所給与の対象者抽出と同じ構造の定型業務——年末調整の書類回収チェック、社会保険の資格得喪判定、給与改定の反映確認など——をトリガー起動の自動ワークフローに変え、人は「最終確認と例外対応」だけに絞る運用です。毎年繁忙期に数日かかっていたチェック作業が、確認数十分程度になる、というのがクライアント企業での典型的な効果です。もちろん、運営元の弊社(株式会社GENAI)自身のバックオフィスも、すべて同じ仕組みで回しています。

……と、ここまで読むと「明日からできそうだ」と感じるかもしれません。ただし正直にお伝えすると、Claude Codeを検索しながら独学で業務に組み込もうとした会社の多くが、途中で止まります。なぜ止まるのか。次の章で、その「壁」の正体と越え方を説明します。

AI鬼管理山崎 AI鬼管理山崎
Claude Code自体は月数千円から使えるツールなので、「ツールを買えば解決」に見えるんですよね。でも実際に成果が出るかどうかは、ツールではなく設計と運用で決まります。ここからが本題です。

08 ただし独学には「3つの壁」がある——最短で越える方法 Claude Codeは強力。だからこそ、最初の設計を間違えると危ない

2か所給与対応の自動化でつまずくポイントは、ほぼ次の3つに集約されます。

壁1:自社の判定基準を「正確に言語化」できない

Claude CodeやCodexは指示されたとおりに正確に働きますが、指示が曖昧なら曖昧なまま自動化されます。「副業許可の有無をどう判定する?」「扶養控除等申告書はどのデータで管理している?」「20万円ルールの例外はどこまで案内文に含める?」——本記事で見てきたとおり、税務判定は条件分岐の塊です。この言語化を飛ばして作った仕組みは、誤った案内を毎年自動で量産する装置になりかねません。税務に関わる領域だけに、ここが独学の最初で最大の壁です。

壁2:検証のやり方を知らないまま「AIを信じてしまう」

AIの出力は必ず検証が必要です。過去の対象者リストと自動抽出の結果を突き合わせる、あえて例外的なケースのデータを入れて挙動を確かめる——こうしたテストの型を知らないと、「動いているように見えるが正しいかは誰も知らない」状態で本番運用に入ってしまいます。逆に、検証の型さえ身につければ、制度改正があってもAIへの指示を直して再検証するだけで追従できます。

壁3:作った本人しか触れない「第二の属人化」

人事対応の弱点として「担当者しか判定基準を把握していない」問題を挙げましたが、独学のAI自動化は同じ罠にはまりがちです。担当者が一人で作って一人で運用していると、その人の異動と同時に仕組みが止まる。社内の複数人がAIワークフローを読み書きできる状態まで持っていって、初めて「会社の資産」になります。ここは技術ではなく、教育と運用設計の問題です。

独学で導入AI鬼管理(伴走支援)で導入
最初の題材選び手探り。難しい業務から始めて挫折しがち貴社の業務を棚卸しし、成功しやすい定型業務から着手
判定基準の言語化自力で仕様を書き起こす(数十時間規模)実際の人事データ・申告書を見ながら一緒に言語化
検証テストの型を知らず「動いたら本番」になりがち過去データ突合・例外系テストまで型として提供
社内定着担当者1人に依存(第二の属人化)研修形式で複数人が扱える状態まで育成
2か所給与対応の先への展開1業務で力尽きるケースが多い年末調整・社会保険手続き等へ同じ型で横展開

「AI鬼管理」とは——3〜6ヶ月で自動化を叩き込む伴走型トレーニング

この3つの壁を越えるために弊社(株式会社GENAI)が提供しているのが、AI鬼管理です。Claude Code/Codexをはじめとした最新AIによる業務自動化を、3〜6ヶ月間・オンラインセッション形式で伴走するトレーニングプログラムで、ツールの一般論を教える座学ではありません。受講者が自社の実業務——例えば今お使いの人事データや年末調整の案内フローそのもの——を教材に、実際に動く自動化ワークフローを自分の手で作り切るところまでやります。

✔️無料相談(約1時間):現在の業務を棚卸しし、どの業務から自動化すべきかをその場で診断
✔️オンライン伴走セッション:貴社の実データ・実ファイルを使い、ワークフローの設計から構築までを講師と一緒に進める
✔️90日で「不在でも回る仕組み」を完成:最初の3ヶ月で、社長や担当者が張り付かなくても走る自動化を最低1つ稼働させる
✔️検証と保守の型まで習得:過去データとの突合テスト、制度改正時の直し方など、壁2で挫折しないための技術移転
✔️横展開の設計(4〜6ヶ月目):2か所給与対応で作った型を、年末調整・社会保険手続き・給与改定確認など他の定型業務へ展開し、社内に定着させる
1
無料相談で診断(約1時間)現在の業務内容を伺い、「どの業務が・どの順番で・どこまで」自動化できるかをその場で診断します。この段階までは費用がかかりません。
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前半カリキュラム(1〜3ヶ月):最初のワークフローを作り切る自社業務を題材にした伴走セッションで、設計・構築・検証まで完了させ、実際に業務で稼働させます。
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後半カリキュラム(4〜6ヶ月):横展開と社内定着2本目以降を受講者主導で構築し、講師はレビュー役に回ります。プログラム終了時には「自走できる状態」がゴールです。

対象は従業員1名以上の会社の経営層・バックオフィス責任者で、プログラミング経験は問いません。「拠点が増えて申告対応がバタつく」「担当者交代のたびに案内文の質がぶれる」という会社ほど効果が出やすい設計です。作って終わりではなく、検証の型と社内定着までを支援範囲に含めているのは、上の3つの壁がツールの知識だけでは越えられないことを、自社と支援先の両方で嫌というほど見てきたからです。

💡 どの業務から自動化すべきか

2か所給与対応のように「判定基準が明確」「毎年同じ時期に同じ手順」「見落としの影響が大きい」業務は、AI自動化との相性が最も良い領域です。逆に、判断基準が曖昧な業務からAI化を始めると失敗しやすい。自社の業務を「ルールが明確な定型作業」から順に並べて、上から自動化していく——この優先順位付けも、AI鬼管理の初回で必ず一緒に行います。

代表菅澤 代表菅澤
「Claude CodeやCodexがすごい」で終わる記事は世の中にたくさんありますが、すごいツールを買った会社と、業務が実際に自動で回っている会社の間には大きな溝があります。その溝を最短で渡るための伴走が、AI鬼管理だと思ってください。
AI鬼管理山崎 AI鬼管理山崎
「うちは拠点が多くて、申告書の管理がバラバラ」という会社ほど、実は自動化の効果が大きく出ます。まずは今の人事データと申告書の管理状況を見せて相談してみてください。

09 手作業 vs 人事労務システム vs Claude Code/Codex 徹底比較・まとめ 自社の規模と体制に合った2か所給与対応の「正解」を選ぶ

手作業(Excel・目視)人事労務システムClaude Code/Codex自動化
初期コストほぼゼロ初期設定+従業員への展開が必要ワークフロー設計のみ(既存データ流用可)
月額コストゼロ(ただし人件費が隠れコスト)従業員数に応じた月額費用AI利用料のみ(他業務の自動化と共用)
対象者の抽出担当者が目視で洗い出すシステム上のデータから自動抽出(機能があれば)データを照合して自動抽出
案内文の作成毎年ゼロから作成テンプレート機能がある製品も制度の要点を踏まえた下書きを自動生成
自社ルールへの柔軟性高い(ただし属人化)製品仕様の範囲内高い(日本語で仕様変更を指示できる)
2か所給与以外への展開できない人事労務領域のみ経理・請求・レポート等あらゆる定型業務に展開可能

まとめると、判断基準は次のとおりです。

✔️対象者が数名で、当面増えない:手作業+この記事の判定基準で十分。ただし判定ロジックだけは文書化しておく
✔️人事労務全体をシステム化したい:人事労務システムの導入が本命。2か所給与対応は機能の一部として付いてくる
✔️既存のデータ運用を活かしつつ手作業とミスをなくしたい/2か所給与以外の管理業務も自動化したい:Claude Code/Codexによるワークフロー自動化が最有力

2か所給与への対応は、仕組みさえ理解していれば難しい業務ではありません。しかし対象者が増えるほど、問われているのは「理解しているか」ではなく「漏れなく毎年案内し続けられるか」です。人間の記憶に依存した仕組みは、会社の成長とともに必ず限界が来ます。判定を人がやめるのではなく、判定を支える確認作業をAIに置き換える——それが2026年時点での現実的な最適解だと、弊社は考えています。

代表菅澤 代表菅澤
2か所給与対応は入口にすぎません。ここで「業務をAIワークフローに渡す」感覚を掴めば、バックオフィス全体を同じ考え方で作り替えられます。毎年の繁忙期に追われる会社から、仕組みで回る会社へ。その転換を、ぜひ体験してください。

最初の自動化ワークフローを、貴社の実業務で一緒に作りませんか

「うちの2か所給与対応、Claude CodeやCodexでどこまで自動化できる?」「独学で試したが止まってしまった」というご相談、お気軽にどうぞ。
AI鬼管理は、貴社の実際の人事データ・案内フローを題材に、設計・検証・社内定着まで伴走します。3つの壁を、最短距離で越えましょう。

AI鬼管理山崎 AI鬼管理山崎
「AIは触ったことがない」というバックオフィス担当の方でも大丈夫です。まずは無料相談で、いま一番手間がかかっている確認業務を1つ教えてください。それをどう自動化するか、その場で一緒に設計します。

ここから先の進め方は、大きく2つあります。

自社で回せるようになりたい方は、AI鬼管理でClaude Code/Codexの使い方から業務設計・社内定着まで伴走を受けながら、社内に仕組みを作る道があります。

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どちらが合うかは、業務量と社内体制次第です。無料相談・無料適合診断で、貴社の場合はどちらが向くかからご相談いただけます。

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よくある質問

Q. 2か所から給与をもらっている場合、必ず確定申告が必要ですか?

A. 原則として必要です。年末調整は「主たる給与」の支払者でしか行われないため、もう一方の給与(従たる給与)に対する源泉徴収税額は年末調整では精算されません。ただし、従たる給与の年間収入と給与所得・退職所得を除く他の所得の合計が20万円以下であれば、確定申告は不要です。

Q. 甲欄・乙欄とは何ですか?

A. 源泉徴収税額表の適用区分です。「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出している勤務先(主たる給与)には甲欄が適用され、それ以外の勤務先(従たる給与)には乙欄が適用されます。乙欄は扶養控除等を考慮しない、より高めの税率で源泉徴収されます。

Q. 従たる給与が20万円以下なら申告しなくてよいのですか?

A. 所得税の確定申告は原則不要ですが、住民税の申告は別途必要です。所得税の「20万円以下なら申告不要」というルールは住民税には適用されないため、混同して案内すると住民税の申告漏れにつながります。また、医療費控除など還付を受けるための申告をする場合は、20万円以下でもすべての所得を含めて申告する必要があります。

Q. 会社(バックオフィス)は2か所給与の従業員に対して何をすべきですか?

A. 主に3点です。①その年に支払った給与の源泉徴収票を確実に発行すること、②扶養控除等申告書の提出状況を把握し、自社が主たる給与・従たる給与のどちらの立場かを明確にすること、③確定申告の要否や20万円ルールについて、年末調整の時期に合わせて案内文で周知することです。個別の税務相談への対応は必須ではありませんが、基本的な仕組みの周知は会社の役割として重要です。

Q. 副業を許可制にしている会社で、対象者の把握漏れを防ぐにはどうすればよいですか?

A. 副業許可の申請記録と、扶養控除等申告書の提出状況を一元管理し、両方の記録を突き合わせて対象者を洗い出す仕組みを持つことが有効です。従業員からの自己申告だけに頼ると、把握漏れが生じやすくなります。

Q. Claude CodeやCodexで2か所給与の対応業務を自動化するのに、プログラミングの知識は必要ですか?

A. 不要です。Claude CodeやCodexは日本語の指示だけで動くAIエージェントで、既存の人事データや副業許可の記録を見せて判定ルールを説明すれば、対象者の抽出・案内文の作成・源泉徴収票の発行チェックといったワークフローをAI側が組み立てます。AI鬼管理のクライアント企業でも、非エンジニアのバックオフィス担当者が同様の仕組みを運用しています。

Q. Claude CodeやCodexの導入は独学でも可能ですか?

A. 可能ですが、業務で確実に成果を出すまでには「判定基準の言語化」「出力の検証」「社内定着」という3つの壁があります。特に税務判定に関わる業務では、誤った案内を自動で量産してしまうリスクに注意が必要です。最短で確実に立ち上げたい場合は、貴社の実業務を題材に設計から検証・定着まで伴走するAI鬼管理のような支援サービスの活用が近道です。

Q. 人事労務システムの導入とClaude Code/Codexの自動化はどちらを選ぶべきですか?

A. 扶養控除等申告書の電子化や給与計算まで含めて人事労務基盤を一新したい場合は、人事労務システムが本命です。一方、既存のデータ運用を活かしながら対象者抽出・案内文作成といった手作業だけをなくしたい場合や、2か所給与対応に限らず経理・請求・レポート作成など複数の定型業務をまとめて自動化したい場合は、Claude Code/Codexによるワークフロー自動化のほうが投資対効果が高くなります。

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監修 最終更新日: 2026年8月21日
菅澤孝平
菅澤 孝平 株式会社GENAI 代表取締役
  • AI業務自動化サービス「AI鬼管理」を運営 — Claude Code を活用し、経営者の業務を「AIエージェントに任せる仕組み」へ転換するパーソナルトレーニングを 伴走構築 で提供。日報・採用・問い合わせ対応・経費精算・議事録・データ集計・営業リスト等の定型業務を、AIに代行させる体制を経営者と一緒に作り込む
  • Claude Code 実装ノウハウを 経営者・法人クライアント に直接指導。生成AIを「便利ツール」ではなく 「業務を任せる存在」 として運用する手法を体系化
  • 「やらせ切る管理」メソッドの開発者。シンゲキ株式会社(2021年設立・鬼管理専門塾運営)にて累計3,000名以上の学習者を志望校合格に導いた管理メソッドを、AI × 経営者支援 に転用
  • 著書『3カ月で志望大学に合格できる鬼管理』(幻冬舎)、『親の過干渉こそ、最強の大学受験対策である。』(講談社)
  • メディア出演: REAL VALUE / カンニング竹山のイチバン研究所 / ええじゃないかBiz 他
  • 明治大学政治経済学部卒
現在は AI鬼管理(Claude Code活用の伴走型パーソナルトレーニング)を主事業とし、経営者と二人三脚で「AIに業務を任せる仕組み」を実装。「実行を強制する環境」を AI で構築する手法を、自社の実運用知見をもとに発信している。