【2026年8月最新】Microsoft 365 Copilotエージェントの作り方|種類別の手順と運用の考え方
「Microsoft 365 Copilotでエージェントが作れるらしいけど、何から手をつければいいか分からない」——Copilotの導入は進めたものの、エージェント機能まで使いこなせている企業はまだ多くありません。
この記事では、Microsoft 365 Copilotでエージェントを作る具体的な手順を、種類別に整理して解説します。あわせて、作成時に陥りがちな失敗、料金体系の考え方、そして「作って終わり」にせず全社で活用し続けるための運用の考え方まで、非エンジニアの経営者・管理職にも分かる形でお伝えします。
この記事を最後まで読むと、次の6つが明確になります。
01 OVERVIEW Microsoft 365 Copilotエージェントとは(全体像) チャットで答えるだけでなく、業務を代行する存在へ
Microsoft 365 Copilotのエージェントとは、特定の業務・役割に特化させたCopilotの派生版のことです。通常のCopilotが「質問すれば答えてくれる汎用アシスタント」であるのに対し、エージェントは「特定の業務knowledge(ナレッジ)と手順を組み込んだ、専門特化型のアシスタント」と位置づけられます。
📚 用語解説
エージェント(AIエージェント):特定の目的・業務のために、必要な知識や手順を組み込んだAIアシスタント。汎用的なチャットAIと違い、「経費精算の質問に答える」「特定のマニュアルを参照して回答する」など、役割を絞って設計されるのが特徴です。
例えば、「人事規程に関する質問に答える人事エージェント」「営業資料のテンプレートを踏まえて提案書を作る営業エージェント」のように、部署・業務ごとに専用のエージェントを用意することで、汎用Copilotよりも的確で業務に即した回答・成果物を得られるようになります。
Copilotエージェント=「特定の業務に特化させた、専門知識付きのAIアシスタント」。汎用Copilotの上位互換ではなく、用途を絞った専門版という位置づけです。
1-1. なぜ「汎用Copilot」だけでは足りないのか
汎用のCopilotは、様々な質問に幅広く答えられる反面、「この会社の、この部署だけの細かいルール」までは正確に把握していません。例えば「有給休暇の繰越ルール」は会社ごとに異なりますが、汎用のCopilotに聞いても一般論しか返ってきません。
エージェントは、こうした自社固有の情報を組み込んだ上で回答させるための仕組みです。汎用Copilotを「何でも知っている新人」だとすれば、エージェントは「自社のマニュアルを叩き込まれた、特定業務の担当者」に近い存在だとイメージすると分かりやすいでしょう。
02 TWO APPROACHES エージェントを作る2つのアプローチ 宣言型と自律型、それぞれの考え方
Copilotエージェントの作成方法は、大きく「宣言型(Declarative)」と「自律型(Autonomous)」の2つのアプローチに分けられます。
| 項目 | 宣言型エージェント | 自律型エージェント |
|---|---|---|
| 動作の性質 | 指示に応じて回答・作業を行う「対話型」 | 設定したトリガーに応じて自動で動く「自律実行型」 |
| 向いている用途 | FAQ対応、社内マニュアル参照、資料下書き | 定型業務の自動処理、複数ステップの連携作業 |
| 作成の難易度 | 比較的やさしい(ノーコード中心) | やや高い(トリガーやアクション設計が必要) |
| 代表的なツール | Agent Builder、SharePointエージェント作成機能 | Copilot Studio |
宣言型は、いわば「質問に答えるための専門知識を持たせたチャットボット」に近く、人が話しかけることで動き出します。一方の自律型は、「特定の条件が満たされたら自動で処理を実行する」仕組みを組み込めるため、より業務プロセスに深く入り込んだ自動化が可能になります。
📚 用語解説
トリガー:自律型エージェントが処理を開始するきっかけとなる条件。「特定のメールが届いたら」「特定のフォルダにファイルが追加されたら」といった条件を設定しておくことで、人が都度指示しなくても自動的に処理が始まります。
03 FOUR TOOLS 4つの作成ツールを比較する ツールごとの難易度・所要時間・対応エージェント
Copilotエージェントの作成には、主に4つのツールが用意されています。それぞれ対応するエージェントの種類や、必要なスキルレベルが異なります。
| ツール | 対応エージェント | 必要なスキル | 所要時間の目安 |
|---|---|---|---|
| Agent Builder | 宣言型 | ノーコード(誰でも作成可能) | 数十分〜1時間程度 |
| SharePointエージェント作成機能 | 宣言型(ファイルベース) | ノーコード(最も手軽) | 数分〜30分程度 |
| Copilot Studio | 自律型 | ローコード(多少の設定知識が必要) | 数時間程度 |
| プロコードツール(カスタムエンジン) | カスタムエンジン型 | 本格的な開発スキルが必要 | 数日〜数週間 |
多くの企業にとって、実務で必要なユースケースの大半はAgent BuilderまたはSharePointエージェント作成機能でカバーできます。いきなりCopilot Studioやプロコード開発に挑戦する前に、まずはノーコードのツールで小さく試してみることをおすすめします。
「せっかくならフル機能を使いたい」という理由でCopilot Studioやプロコード開発から始めてしまうと、開発・運用の負荷が想定以上に膨らみがちです。まずは目的に対して必要最小限のツールから着手し、物足りなくなったら上位のツールを検討する順序が現実的です。
ツール選定に迷ったときの簡単な判断基準は、「質問に答えてくれればよいのか」「業務プロセスを自動で回してほしいのか」を自問することです。前者であれば宣言型(Agent BuilderまたはSharePointエージェント)、後者であれば自律型(Copilot Studio)というように、目的から逆算してツールを選ぶと迷いにくくなります。開発スキルの有無から選ぶのではなく、まず「何をしてほしいか」を明確にすることが出発点です。
04 AGENT BUILDER 宣言型エージェントの作り方(Agent Builder) ノーコードで最速のエージェント作成
Agent Builderは、Copilotのチャット画面から直接エージェントを作成できるノーコードツールです。基本的な作成の流れは以下の5ステップです。
Agent Builderを開く
エージェントの
役割を記述
ナレッジソース
を追加
推奨プロンプト
を設定
テストと公開
📚 用語解説
ナレッジソース:エージェントが回答の根拠として参照する情報源のこと。社内マニュアルのファイル、SharePoint上のドキュメント、特定のウェブサイトなどを指定でき、エージェントはこの範囲内の情報を優先して回答します。
「役割を記述する」ステップでは、「あなたは人事規程についての質問に答える専門アシスタントです」のように、普段の言葉でエージェントの立場・役割を説明するだけで構いません。専門的なプログラミング用語を使う必要は一切なく、部署の担当者が自分で作成できる設計になっています。
最初の1体は、社内で最も問い合わせの多いFAQ(就業規則、経費精算のルールなど)をナレッジソースにしたエージェントがおすすめです。効果が体感しやすく、社内への説明もしやすいテーマです。
05 SHAREPOINT AGENT SharePointエージェントの作り方 最も手軽な作成方法
既にSharePoint上にファイルを整理している企業であれば、SharePointエージェント作成機能が最も手軽な選択肢です。作成の流れはさらにシンプルで、3ステップで完結します。
対象ファイルを
選択
エージェントを
作成
指示を設定して
公開
SharePoint上の特定のフォルダやファイル群を選択するだけで、その内容を根拠に回答するエージェントがその場で作成されます。既存のファイル資産をそのまま活用できるため、新たにナレッジを整備する手間が最小限で済むのが最大の利点です。
06 COPILOT STUDIO 自律型エージェントの作り方(Copilot Studio) トリガーとアクションを組み合わせた自動化
自律型エージェントを作成する場合はCopilot Studioを使用します。宣言型よりも設定項目が多く、以下の5ステップで構築します。
エージェント作成
と指示記述
ナレッジソース
の設定
アクションの
定義
トリガーの
設定
テストと公開
📚 用語解説
アクション:自律型エージェントが実際に実行する処理内容。「メールを送信する」「特定のシステムにデータを登録する」「承認依頼を回す」など、単なる回答生成にとどまらない具体的な業務操作を指します。
例えば、「経費申請フォームが提出されたら(トリガー)」「金額が一定以下なら自動承認し、超えていれば上長に通知する(アクション)」といった業務フローを、Copilot Studio上で組み立てることができます。宣言型が「質問に答える」役割にとどまるのに対し、自律型は業務プロセスそのものに介入する点が大きな違いです。
トリガーとアクションの組み合わせを誤ると、意図しないタイミングで通知が飛んだり、承認フローが正しく回らなかったりすることがあります。本番運用の前に、必ず限定的なテスト環境で動作を確認することをおすすめします。
07 CUSTOM ENGINE カスタムエンジンエージェント(開発者向け選択肢) Copilot Studioでは足りない高度な要件向け
Copilot StudioやAgent Builderでは対応しきれない、高度に独自の要件がある場合はカスタムエンジンエージェントというプロコード(本格的なプログラミングを伴う)の選択肢があります。これは主に、社内に開発体制を持つ企業向けの選択肢です。
| 構成要素 | 内容 |
|---|---|
| カスタムオーケストレーション | エージェントの処理フローを独自にプログラムで組み立てる仕組み |
| 言語モデルの選択 | 利用するAIモデルを要件に応じて独自に選定・組み込む |
| ホスティング環境 | エージェントを動かすサーバー環境を自社で用意・管理する |
カスタムエンジンエージェントは、Copilot Studioの標準機能では実現できない、複雑な業務ロジックや独自のシステム連携が必要な場合の最終手段です。ただし、開発・運用のコストは他の3つのツールと比べて格段に高くなるため、本当にこのレベルの独自性が必要かどうかを慎重に見極めるべきです。
ほとんどの業務ユースケースは、Agent Builder・SharePointエージェント・Copilot Studioのいずれかでカバーできます。カスタムエンジンエージェントは、それらで実現できない明確な要件がある場合にのみ検討する、上級者向けの選択肢と捉えてください。
08 PITFALLS 作成時の注意点とよくある失敗 ツールの使い方より前に押さえるべきこと
エージェント作成でよく見られる失敗パターンを整理しておきます。
エージェントは作成して公開するだけでは定着しません。誰が更新するか、誰が使い方を周知するか、効果をどう測定するかまで決めておかないと、多くの場合数週間で使われなくなってしまいます。
もう1つ見落とされがちなのが、アクセス権限の設計です。エージェントが参照するナレッジソースに、本来一部の役職者しか見るべきでない情報(人事評価、給与関連など)が含まれていないかを、公開前に必ず確認する必要があります。ナレッジソースの権限設定を誤ると、意図しない範囲の社員が機密情報にアクセスできる状態を作ってしまうリスクがあります。
09 PRICING 料金体系の考え方 ライセンス・利用量に応じたコスト構造
Copilotエージェントの料金体系は、基本的にMicrosoft 365 Copilotのライセンス費用の範囲内で一部の機能が使える一方、より高度な自律型・大量利用のシナリオでは追加のメッセージ従量課金が発生する構造になっています。
📚 用語解説
メッセージ従量課金:エージェントとのやりとりの回数・処理量に応じて追加で発生する課金方式。基本ライセンスに含まれる範囲を超えて多くのエージェントを高頻度で利用する場合、追加コストが発生することがあります。
料金体系は提供形態やライセンス契約によって変動するため、導入前に自社の利用規模(エージェントの数・想定される利用頻度)を見積もった上で、Microsoftまたは販売代理店に具体的な見積もりを確認することをおすすめします。カタログ価格だけで判断せず、実際の利用シナリオに即した試算をしてもらうのが安全です。
特に自律型エージェントを複数部署に展開する場合、当初の想定よりも利用頻度が伸びやすい傾向があります。効果が出ているエージェントほど利用が増え、結果として従量課金部分が膨らむのは、ある意味で「投資が効いている」証拠でもあります。導入前に上限の目安を決めておき、想定を超えて増加した場合は都度コストと効果を照らし合わせて判断する運用にしておくと、想定外の請求に驚くことを防げます。
10 OPERATION 【独自】「作って終わり」にしない全社運用の作り方 エージェントを定着させるための体制づくり
ここまでの作成手順を踏まえた上で、実際にエージェントを社内に定着させるために押さえておくべき運用のポイントを紹介します。
10-1. ナレッジの「更新担当」を最初に決める
エージェントの回答品質は、参照させるナレッジソースの鮮度に直結します。作成時点で、「このエージェントのナレッジは誰が、いつ更新するか」を決めておかないと、数ヶ月後には古い情報を回答し続けるエージェントになってしまいます。
10-2. 「小さく作って、効果を見せてから広げる」順序を守る
最初から全部署・全業務にエージェントを展開しようとすると、ナレッジ整備の負荷が一気に膨らみ、プロジェクトが停滞しがちです。まずは問い合わせの多い1つの業務・1つの部署に絞ってエージェントを作り、効果を数値で示してから横展開する方が定着率は高くなります。
10-3. 利用状況を定期的に振り返る
エージェントの利用回数、よく聞かれる質問、回答できずにエスカレーションされた質問などを定期的に振り返ることで、ナレッジの不足箇所や、追加すべき機能が見えてきます。作って終わりにせず、「育てるもの」として位置づけることが定着の鍵です。
10-4. 「作った人」がいなくなっても回る体制にする
エージェント作成に熱心な担当者が1人でプロジェクトを進めた結果、その人が異動・退職すると誰も更新方法を知らない、という属人化はよくある失敗です。作成手順や更新方法を簡単なマニュアルとして残し、複数人が対応できる体制にしておくことが、長期的な運用の安定につながります。
11 VS CLAUDE CODE 【独自データ】自律型エージェント運用とClaude Codeの違い 「業務に組み込む」自動化のもう1つの選択肢
Microsoft 365 Copilotエージェントは、Microsoft 365環境(Word・Excel・Outlook・SharePointなど)に深く統合された業務自動化の選択肢です。一方で、弊社(株式会社GENAI)ではClaude Codeという、ターミナル・デスクトップ上で動く自律型AIエージェントをMax 20xプラン(月額$200・約30,000円)で全社導入し、営業・広告運用・記事執筆・経理・秘書業務に活用しています。
両者は競合というより、「Microsoft 365環境に統合したいか」「より自由度の高い自律実行を求めるか」で使い分けるものです。既にMicrosoft 365を全社で使っている企業であれば、まずはCopilotエージェントで社内文書ベースのFAQ対応から始め、より複雑な業務横断の自動化(複数ファイルの整形、外部データとの突合、資料の一括生成など)が必要になった場面で、Claude Codeのような汎用エージェントを併用する、という組み合わせが現実的です。
12 CONCLUSION まとめ 作り方より先に「誰が使い続けるか」を決める
この記事では、Microsoft 365 Copilotエージェントの全体像、宣言型・自律型という2つのアプローチ、4つの作成ツール、種類別の具体的な作成手順、よくある失敗、料金体系、そして全社運用の考え方までを整理しました。最後にポイントを振り返ります。
Copilotエージェントの作成そのものは、ノーコードツールを使えば非エンジニアでも十分に着手できます。しかし、本当に難しいのは「作った後、使われ続ける状態を作ること」です。作成手順だけでなく、運用の仕組みまで含めて設計することが、投資対効果を左右する最大のポイントになります。
「作って終わり」にしないAI活用を、AI鬼管理が一緒に設計します
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Claude Codeの実運用ノウハウをベースに、個別に導入設計のご相談を承ります。
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よくある質問
Q. Copilotエージェントを作るのに、プログラミングの知識は必要ですか?
A. 宣言型エージェント(Agent BuilderやSharePointエージェント)であれば、プログラミングの知識は不要です。普段の言葉でエージェントの役割を記述するだけで作成できます。自律型(Copilot Studio)は多少の設定知識が必要になり、カスタムエンジンエージェントは本格的な開発スキルが求められます。
Q. 一度作成したエージェントは、後から修正できますか?
A. はい、いつでも修正可能です。ナレッジソースの追加・変更、指示文の調整、公開範囲の変更などを、作成後も柔軟に行えます。むしろ、公開後に利用状況を見ながら継続的に改善していくことが推奨されています。
Q. 複数の部署でそれぞれ別のエージェントを作ってもよいのですか?
A. 問題ありません。むしろ、部署ごとの業務特性に合わせて専用のエージェントを作る方が、回答精度は高くなる傾向があります。ただし、乱立すると管理が煩雑になるため、どのエージェントが何のために存在するかを一覧管理しておくことをおすすめします。
Q. Copilotエージェントと、ChatGPTのカスタムGPTは何が違いますか?
A. どちらも「特定の役割に特化させたAIアシスタントを作る」という基本コンセプトは似ています。大きな違いは、CopilotエージェントがMicrosoft 365環境(SharePoint、Outlook、Teamsなど)との統合を前提に設計されている点です。Microsoft 365を中心に業務を回している企業にとっては、既存のファイル資産をそのまま活用しやすいという利点があります。
Q. 自律型エージェントは、設定を誤ると危険なことが起きますか?
A. トリガーとアクションの組み合わせを誤ると、意図しないタイミングでの自動通知や、誤った承認フローが発生するリスクはあります。本番運用の前に、必ず限定的なテスト環境・少人数での試行期間を設けて、想定通りに動作するかを確認することが重要です。
Q. エージェントを作った後、効果はどうやって測定すればよいですか?
A. 利用回数、回答できた質問と回答できなかった質問の比率、問い合わせ対応にかかっていた時間の削減幅などを定点観測するのが実践的です。数値化しにくい場合は、まず「導入前に月何件あった問い合わせが、導入後どう変化したか」を追うだけでも効果測定の材料になります。
Q. 情報システム部門がない中小企業でも、Copilotエージェントの運用は続けられますか?
A. 続けられます。専任担当者がいなくても、宣言型エージェント(Agent BuilderやSharePointエージェント)であれば、ナレッジソースとなる社内文書の担当者が兼務で更新を続けられる程度の負荷に収まります。むしろ重要なのは体制の大小より、更新担当を最初に決めておくことです。
Q. エージェントのナレッジソースに古い情報が混ざっていた場合、どうなりますか?
A. 古い情報と新しい情報が矛盾した状態で参照されると、エージェントが誤った回答をしてしまうリスクがあります。定期的にナレッジソースの棚卸しを行い、古い版のファイルは参照対象から外すか、内容を更新してから公開することが重要です。
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