【2026年10月最新】IT重説とは?賃貸管理会社が押さえる流れ・必要なもの・注意点と、契約事務をAIに任せる方法
「入居希望者が遠方で、来店してもらえない。重要事項説明はオンラインでやって大丈夫なのか」「IT重説を始めたいが、何を準備すればよいのか分からない」——賃貸管理会社(賃貸仲介を兼ねる会社を含む)の社長・管理担当の方から、毎年1〜3月の繁忙期が近づくと必ず出てくる相談です。
結論から言うと、IT重説とは、宅地建物取引士がテレビ会議などのITを使って、対面と同じ内容の重要事項説明を行う方法です。賃貸の契約では、国土交通省の資料によると2017年10月から本格運用が始まっています。ただし「オンラインで話せばよい」というものではなく、双方向でやり取りできる環境・事前の書面の送付・宅建士証の提示・相手方の環境確認といった決まりを一つずつ満たす必要があります。
この記事では、賃貸管理会社の実務目線で、IT重説の基本から実施の流れ、必要な機材、メリット・デメリット、トラブルを避ける注意点までを整理します。そのうえで、IT重説の前後に発生する契約まわりの事務作業を、いまの管理システムのまま Claude Code/Codex で自動化する方法を、AI社員AIKATA(運営: 株式会社GENAI)の仕組みとあわせて解説します。
法令・手続きの記述は、国土交通省・e-Gov法令検索など公的機関が公表している内容を前提にしています。制度は改正されることがあるため、実際に運用する前に、必ず国土交通省の最新の資料(「ITを活用した重要事項説明実施マニュアル」など)と、加盟している協会・所管の窓口の案内で確認してください。
01 WHAT IS IT-JUSETSU IT重説とは?重要事項説明の基本と、IT化が進んだ背景 賃貸管理会社が最初に押さえる、制度のあらましと対象となる契約
1-1. 重要事項説明とは
重要事項説明(重説)とは、宅地建物取引業者が、賃貸や売買などの契約が成立するまでの間に、借主・買主などの相手方に対して、物件や取引条件に関する重要な事項を説明する手続きです。宅地建物取引業法(宅建業法)第35条に定められており、説明を行えるのは宅地建物取引士に限られます。
📚 用語解説
重要事項説明(35条書面):宅建業法第35条に基づき、宅地建物取引業者が契約の成立前に、宅地建物取引士を通じて相手方に交付し説明する書面・手続き。物件の権利関係、法令上の制限、設備、契約の解除や損害賠償に関する事項、敷金などの金銭の取り扱いなどが含まれる。説明は宅地建物取引士の独占業務。
賃貸の現場では、物件の概要・設備・契約期間と更新・賃料と敷金などの金銭・解約や違約に関する取り決め・禁止事項や使用上の制限などが、重説の主な中身になります。管理会社が貸主の代理として募集・契約まで担う場合も、仲介会社が借主側に立つ場合も、説明を行うのは宅建士という点は変わりません。
1-2. IT重説とは
📚 用語解説
IT重説:IT(情報通信技術)を活用した重要事項説明の通称。宅地建物取引士が、テレビ会議などの双方向でやり取りできるIT環境を通じて、対面で行う重要事項説明と同様に説明を行う方法。説明の相手方が来店しなくても、自宅や遠方から説明を受けられる。
IT重説では、説明そのものの中身は対面の重説と同じです。違うのは「同じ場所にいなくてもよい」という一点だけで、説明の責任を負うのは引き続き宅建士です。相手方が理解できているかをその場で確認しながら進める点も、対面と変わりません。
1-3. IT重説の経緯と背景(社会実験から本格運用まで)
IT重説は、国土交通省が検討会を設け、「ITを活用した重要事項説明に係る社会実験」を行って課題を確かめたうえで、段階的に認められてきました。国土交通省の公表によると、賃貸取引と法人間の売買取引では2017年10月に本格運用が始まり、その後、個人を含む売買取引も2021年3月に本格運用へ移っています。
背景には、遠方からの転居・転勤で来店が難しい入居希望者の増加、オンラインで済ませられる手続きを増やすという行政の流れ、そして感染症対策を機にした非対面での取引の広がりがありました。今では、非対面式の不動産取引は特別なものではなく、入居希望者から「オンラインでできますか」と聞かれて当たり前の時代です。
1-4. IT重説の対象となる契約と、利用状況
IT重説の対象は、賃貸借契約・売買契約などの宅建業法上の重要事項説明です。賃貸管理会社にとっては、入居希望者への賃貸借契約の重説が中心になります。一方、賃貸住宅管理業法(賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律)に基づく、オーナーへの管理受託契約の重要事項説明などは、別の法律に基づく手続きです。ITを使った実施の可否・要件は、国土交通省の最新の案内で必ず確認してください。
| 場面 | 根拠となる法令 | 説明する人 | IT重説の考え方 |
|---|---|---|---|
| 賃貸借契約の重要事項説明(入居希望者へ) | 宅建業法第35条 | 宅地建物取引士 | 国土交通省のマニュアルの要件を満たせばIT重説が可能 |
| 売買契約の重要事項説明 | 宅建業法第35条 | 宅地建物取引士 | 賃貸と同様に本格運用(時期は賃貸と異なる) |
| 管理受託契約の重要事項説明(オーナーへ) | 賃貸住宅管理業法 | 管理業者側の担当者 | 宅建業法のIT重説とは別の手続き。最新の案内を確認 |
なお、2022年5月18日に施行された宅建業法の改正により、重要事項説明書(35条書面)や契約書面(37条書面)は、相手方の承諾を得たうえで、電磁的方法(電子メールや専用サイトでのダウンロードなど)で提供できるようになりました。IT重説と書面の電子化がそろったことで、契約を非対面で完結させる道が実務上も開けています。
📚 用語解説
37条書面(契約書面):宅建業法第37条に基づき、賃貸借契約などが成立した後に、宅地建物取引業者が契約の当事者に交付する書面。契約の内容(賃料・期間・引き渡し時期など)を記載する。内容の確認と記名は宅地建物取引士が行う。
1-5. IT重説の定義と、ニーズが急拡大した理由(コロナ禍とデジタル庁設立)
IT重説の定義は、宅地建物取引士が、双方向でやり取りできるIT環境を通じて、対面と同じ内容の重要事項説明を行うことです。賃貸取引では2017年10月に本格運用開始となり、不動産売買(個人を含む売買取引)でも2021年3月に本格運用へ移りました。
ニーズが急拡大した背景には、コロナ禍で非対面の手続きが一気に求められたことがあります。あわせて、2021年9月のデジタル庁設立など、行政手続き全体のデジタル化が進み、押印や書面の交付を電子化する流れが不動産取引にも及びました。この流れを受けて、2022年5月18日の宅建業法の改正で、書面の電磁的方法による提供が可能になっています(細かな時期は国土交通省の資料で確認してください)。
02 REQUIREMENTS IT重説の4つの要件と、実施で必ず守る遵守事項 国土交通省のマニュアルをもとに、賃貸管理会社が確認する項目を整理
2-1. IT重説を行うための必須条件
国土交通省の「ITを活用した重要事項説明実施マニュアル」では、IT重説を行うために満たすべき要件が整理されています。ここでは、賃貸管理会社が社内で共有しやすいよう、4つの要件にまとめます(細かな文言は必ずマニュアルの最新版で確認してください)。
2-2. 取引業者の種類と、取引できる人
IT重説を行えるのは宅地建物取引業者で、説明を行うのはその業者に所属する宅建士です。管理会社が仲介を兼ねて重説を行う場合は、自社の宅建士が説明者になります。宅建士が不在のときに事務員が代わりに説明することはできません。繁忙期は、宅建士のスケジュールが集中するため、IT重説の予約枠を宅建士ごとに管理しておくことが現場の工夫になります。
2-3. IT重説における遵守事項
マニュアルに沿って、実施前・実施中に守る事項を、現場の確認項目に落とし込むと次のようになります。
2-3-1. 双方向でやり取りできるIT環境の整備
説明者と相手方が、映像と音声を双方向で、途切れなくやり取りできる環境を整えます。音声が途切れる、映像が固まるといった状況では、説明を続けず、一度中断して環境を直します。説明を行う側も、相手方の画面に宅建士の顔と宅建士証が映る位置にカメラを置きます。
2-3-2. 重要事項説明書等の事前送付
説明を始める前に、重要事項説明書・図面・添付資料などを相手方に届けておきます。郵送で送る場合は、説明の日までに届く日程で逆算します。電子メールや専用サイトで送る場合は、相手方が電磁的方法による提供を承諾していることを確認し、承諾の記録を残しておきます。
2-3-3. 重要事項説明書等の準備とIT環境の確認
当日の前に、重説書面の内容(物件の状況・契約条件・金銭の取り扱い)が最新かを確認します。IT環境の確認は、事前の接続テストが有効です。相手方の通信環境・使用する端末・使用するWeb会議ツールが決まっていれば、前日までに簡単なテストを行って、当日の中断を減らします。
2-3-4. 宅地建物取引士証の確認
宅建士は、説明の冒頭で宅地建物取引士証を画面に映して提示します。相手方が文字や顔写真を判読できる大きさ・明るさで映っているかを、その場で確認します。画面越しで読みにくいときは、カメラに近づける・照明を調整するなどして、必ず相手方が視認できる状態にします。
2-4. IT重説におけるトラブルを回避するための注意事項
2-4-1. IT重説の実施に関する、関係者からの同意
IT重説を行うことについて、相手方の同意を得たうえで進めます。口頭だけでなく、メールの返信やフォームなど、後から確認できる形で記録しておくと安全です。仲介会社と管理会社が別々のときは、関係者の間で「だれがIT重説を担当するか」を事前に取り決めます。
2-4-2. 相手方のIT環境の確認
相手方が、使う端末(パソコン・タブレット・スマートフォン)・通信回線・Web会議ツールの使い方に不安がないかを、事前に確認します。スマートフォンの小さな画面だと重説書面が見にくいため、書面を印刷して手元に置くか、大きめの端末を使うよう案内します。
2-4-3. 説明の相手方が契約当事者であることの本人確認
画面越しの説明では、画面に映っている人が、契約の当事者本人であるかを確認します。身分証明書の提示を受ける、事前に受け取った書類と照合するなど、会社で本人確認の型を決めておきます。本人確認と個人情報の取り扱いは、犯罪収益移転防止法や個人情報保護法の関係もあるため、社内規程と整合させてください。
2-4-4. 説明の相手方に対する内覧の実施
IT重説をしても、物件の内覧そのものが不要になるわけではありません。内覧は契約前に入居希望者が自分で行うか、現地の写真・動画、VR内見などで行います。契約後のトラブルを避けるため、内覧を済ませた、またはしないことを相手方が了解したという記録を残しておくことが大切です。
2-4-5. 録画・録音への対応
録画・録音を行うか、相手方が録画・録音を希望した場合にどうするかは、事前に会社の方針を決め、相手方に伝えておきます。トラブル時の記録として録画を残す運用は有効ですが、その保管の期間・保管場所・閲覧できる人の範囲を、個人情報の取り扱いとして社内規程に定めておく必要があります。
2-4-6. 個人情報保護法に関する対応
画面越しの説明では、入居希望者の氏名・勤務先・収入・連絡先といった個人情報を扱います。説明を行う場所に、関係のない人の声や画面が映り込まないこと、資料の共有に使うサービスのアクセス権限を適切に管理することが、実務上の注意点です。
IT重説の運用で一番差がつくのは、確認そのものより「確認した記録が残っているか」です。同意・接続テスト・本人確認・宅建士証の提示・録画の有無を、案件ごとに1枚のチェック表で管理しておくと、後から経緯を説明するときに困りません。
2-5. 書類事前送付と、同意書・重説実施の記録の型
書類事前送付は、説明の日に相手方の手元へ重要事項説明書が届いていることが前提です。郵送なら到着日から逆算し、電子交付なら承諾の記録と閲覧できたかの確認までを1セットにします。
同意書は、IT重説を行うことへの相手方の同意を、後から確認できる形で残す書面(またはメール・フォームの記録)です。関係者が複数いるときは、貸主・借主・仲介会社・管理会社のうち誰の同意が必要かを案件ごとに整理します。重説実施の日時・参加者・使用ツールとあわせて、同じ書式で保管しておきます。
03 FLOW & EQUIPMENT IT重説を行うまでの流れと、必要なもの・推奨環境 準備段階・当日・事後の3段階で、賃貸管理会社の担当者がその日に使える手順
3-1. IT重説を行うまでの流れ
IT重説の希望を受け付け、実施の同意を記録
重説書面・添付資料を事前に届ける
映像・音声・端末を相手方と確認
宅建士証を提示し、質問を受けながら説明
契約書面の交付と、実施の記録を保管
3-2. 準備段階・当日・事後の確認事項
| 段階 | 管理会社がやること | つまずきやすい点 |
|---|---|---|
| 準備段階 | 宅建士の予定確保/実施の同意の記録/重説書面と添付資料の作成・最新化/事前送付/接続テストの案内 | 書面の最新化漏れ/送付が説明の日に間に合わない/相手方の端末に合わせた案内が抜ける |
| 当日 | 接続の確認/宅建士証の提示/本人確認/重説書面に沿った説明/質問への回答/同意の確認 | 音声が途切れる/相手方が書面を手元に持っていない/本人確認の手順が人によって違う |
| 事後 | 契約書面(37条書面)の準備と交付/実施日時・参加者・使ったツールの記録/契約情報の管理システムへの入力/保証会社・オーナーへの連絡 | 記録の保管場所が人によって違う/契約情報の二重入力でミスが出る/オーナーへの報告が遅れる |
3-3. IT重説に必要なもの
IT重説に必要なものは、大きく機材・通信環境・ソフトウェア・書面の4つです。難しい専用機器は不要で、社内にあるもので始められる会社が大半です。
3-3-1. テレビ画面・カメラ・マイク・端末
宅建士が使う側の機材のポイントは次のとおりです。専用機材を買う前に、いま会議室にあるものでテストしてから判断してください。
3-3-2. ソフトウェア(Web会議ツール)とインターネット回線
IT重説で使えるWeb会議ツールには、Zoom Meetings、Whereby、Google Meet など様々なものがあります。選ぶときは、相手方がアプリのインストールなしで参加できるか・録画できるか・画面共有ができるか・通信が安定しているかを、各社の公式サイトで確認してください。機能や料金は変更されることがあるため、利用前に公式ページで確かめます。
インターネット回線は、有線接続、または安定した無線LANで行うのが基本です。説明の途中で映像・音声が途切れると、中断して接続し直す必要があり、相手方の負担になります。
3-3-3. 重要事項説明書等の書面
相手方に事前に届ける書面は、重要事項説明書と、図面・添付資料です。電磁的方法で提供する場合は、相手方が承諾していること、書面が改ざんされにくい形式で渡すこと、相手方が確実に閲覧できるかを確認してください。
📚 用語解説
電磁的方法による提供:書面の交付の代わりに、電子メールへの添付、専用サイトでのダウンロード、USBメモリなどの電磁的な方法で書面の内容を提供すること。宅建業法では、相手方の承諾を得ることが前提とされている。
3-4. IT重説の実施の流れ(準備段階・重説当日・重説後)
準備段階・当日・事後の流れを、時系列でもう一度整理します。準備段階は、同意の記録から接続テストまで。当日は、宅建士証の提示から説明・質疑まで。重説後は、契約書面の交付と記録の保管までを一続きの業務としてとらえます。
3-5. 不動産物件の室内写真・動画(静止画と360度)で内覧を補うコツ
遠方の入居希望者には、不動産物件の室内写真と動画が、内覧の代わりになります。撮影のコツは、(1)明るい時間帯に、照明をすべてつけて撮る、(2)広く見せるために、部屋の隅から対角へ向けて撮る、(3)水回り・収納・設備の状態が分かるカットを必ず入れる、の3つです。綺麗に見せすぎて実際との差が出ると、入居後のトラブルになるため、傷や汚れも隠さず撮影します。
静止画は物件の全体像と細部を、動画や360度の撮影は部屋の広さや動線を伝えるのに向いています。使い分けを決め、IT重説の前に相手方へ共有しておくと、内覧の確認の記録にもなります。
04 MERIT & DEMERIT IT重説のメリット・デメリットと、不動産会社から見た注意点 非対面式の不動産取引が広がるなかで、管理会社が得るものと抱える負担
4-1. IT重説のメリット
4-2. 不動産会社から見るIT重説を行うメリット
不動産会社の側から見ると、IT重説のいちばんの価値は「契約までの時間を短縮できる」ことです。入居希望者が申し込んでから契約までの間に、来店の予定が合わず1週間以上空いてしまい、その間に別の物件に決められてしまう——という機会損失を減らせます。
4-3. IT重説のデメリットと、問題点
| デメリット・問題点 | 現場で起きること | 管理会社の対応 |
|---|---|---|
| 通信環境に左右される | 映像・音声の途切れで中断し、説明が長引く | 事前の接続テスト/代替の連絡手段(電話)を決めておく |
| 書面の準備・送付の事務が増える | 事前送付の漏れ・遅れで、当日に説明できない | 送付のチェック表で管理/期限から逆算した日程 |
| 本人確認・同意の記録が必要 | 確認の手順が人によって違い、記録が残らない | 確認の型を作り、案件ごとに記録 |
| 相手方の理解度の確認が難しい | 画面越しでは表情が読みづらく、疑問が残る | 要所で質問を促す/説明後に書面の質問窓口を伝える |
| 宅建士の時間が集中する | 繁忙期に説明枠が足りなくなる | 予約枠を宅建士ごとに管理/書面の準備は事務側に回す |
4-4. 不動産のプロに聞く、IT重説で気を付けるポイント
実際にIT重説を運用している現場で、特に気をつけるべき点は次の3つに集約できます。
4-5. IT重説の今後(IT化が拡大する非対面式の不動産取引)
重説書面と契約書面の電子化、電子契約の普及、VR内見などの非対面の内見手段が組み合わさることで、来店ゼロで契約まで完結する取引は、特別なものではなくなってきています。管理会社にとっては、非対面で手続きを進められる体制を整えることが、入居希望者の選ばれやすさに直接つながる時代になりました。
一方で、非対面の取引が増えるほど、書類の準備・送付・記録・入力という事務作業の量も増えます。ここから先が、管理会社の事務の限界の話になります。
4-6. 顧客負担の軽減・感染症対策・記録による解消、そして購入と事前準備・事後対応の整理
オンラインで対応できるため、顧客(入居希望者)の移動の負担が軽減されます。各種感染症対策にもなり、対面を避けたい方にも選ばれやすくなります。説明の様子や同意の確認を記録に残せば、後日の言った言わないのトラブルの解消にもつながります。
一方、会社側には、カメラ・マイクなどの機材を購入する場合の費用や、会社側・顧客側の通信環境に左右される点が負担になります。まずは社内にある機材で試し、足りないものだけを購入するのが現実的です。
なお、撮影の上手な素材づくりや、営業での使い分けは、入居希望者への案内の質を上げるための工夫です。IT重説の実施そのものの要件とは別に、会社の標準を決めておきましょう。
05 MANUAL LIMIT IT重説の前後で膨らむ、管理会社の手作業の限界 説明は30分でも、準備と記録に何倍もの時間がかかる
5-1. 説明は宅建士、事務は誰が回すのか
IT重説で来店対応が減っても、準備する書類の量が減るわけではありません。むしろ、非対面にすることで「事前に送る書面の最新化」「送付と承諾の記録」「接続テストの案内」「実施記録の保管」といった事務が新たに加わります。
5-2. 繁忙期に集中する、物件・オーナーごとに違う条件
ここで、ひとつ大事な発想の転換があります。システムを替えなくても、作業そのものを任せる道がある、ということです。次の章で、その考え方を整理します。
06 AI AUTOMATION IT重説まわりの事務作業を、AIで自動化する 「AIに聞いて早くする」と「AIが毎日の作業を回す」は、まったく別のもの
6-1. 「効率化」と「自動化」の違い
| AIに聞いて早くする(効率化) | AIが毎日・毎月の作業を回す(自動化) | |
|---|---|---|
| 動かす人 | 担当者が、都度AIに質問・依頼する | 決めた手順のとおりに、AIが自動で作業する |
| 担当者の負担 | AIへの依頼と、結果の貼り付けが毎回残る | 承認の確認だけが残る |
| 繁忙期の効果 | 担当者の手が回らなければ変わらない | 件数が増えても、作業の量は同じ手順で処理できる |
| 例 | 書面の文章をAIに添削してもらう | 契約情報の入力・書面の下準備・送付案内を、手順どおりに自動で進める |
📚 用語解説
Claude Code/Codex:AI(大規模言語モデル)を使って、パソコン上の作業を自動で進められる「AIエージェント」型のツール。日本語の指示をもとに、ファイルの作成・更新や、画面の操作、他のシステムとの連携を行える。担当者が一つずつ依頼しなくても、決めた手順に沿って作業を進められる点が、チャット型のAIとの違い。
📚 用語解説
AIエージェント:人が細かく指示しなくても、与えられた目的に向けて、必要な手順を自分で組み立て、実行するAI。IT重説まわりの事務に当てはめると、「契約情報を読み取る→書面の下書きを作る→送付案内を準備する→記録を残す」までを連続して処理できる。
6-2. いまのシステムはそのまま、AIが受け取りから承認待ちまでを回す
弊社のAI社員AIKATAでは、Claude Code/Codex を使い、会社がすでに使っている管理システム・ポータルサイト・書類のひな型を、そのまま使い続けたまま、画面の操作を含めて自動化します。システムの乗り換えや、新しいソフトの導入は要りません。
申込・契約情報を管理システムやメールから取り込む
重説書面・契約書面の下書き、送付案内を作成
管理システム・ポータルへ入力し、条件の食い違いをチェック
担当者が確認し、承認する
実施記録・送付履歴を保管
IT重説に引きつけて言えば、AIが担うのは、説明の前後の事務です。たとえば次のような作業が対象になります。
6-3. 事務員がやっていた作業 vs AIに任せた後
| 作業 | これまで(事務員の手作業) | AIに任せた後 |
|---|---|---|
| 重説書面の下準備 | 物件ごとの条件を見ながら転記。繁忙期は転記ミスが出る | AIが条件を転記し、食い違いを自動で検出。担当者は承認だけ |
| 送付・案内の連絡 | 個別にメールを作成・送付し、送付履歴を手で記録 | AIが文面の下書きと送付履歴を整理。担当者が確認して送付 |
| 実施記録の保管 | 担当者ごとに書式がばらばら | AIが同じ書式で整理。検索しやすい形で保管 |
| 契約情報の二重入力 | 管理システムとポータルに同じ内容を入力 | AIが画面操作で入力し、食い違いを照合 |
| 入金の消込・未入金の確認 | 入金データを見ながら一件ずつ照合 | AIが照合し、未入金の一覧を作成。担当者が確認して連絡 |
6-4. 宅建業法との線引き(AIが担う範囲/宅建士・会社が担う範囲)
重要事項説明と、契約書面(35条書面・37条書面)への記名は、宅地建物取引士が行います。賃貸住宅管理業法に基づく業務管理者による管理・監督、オーナー・入居者との交渉や判断、法的な手続きは会社が行います。AIが担うのは、その前の事務作業(物件情報の入力・更新、書類の下準備、入金消込、問い合わせの一次対応、更新・解約の事務処理)だけです。
なお、郵送物の受け取り・押印・現物の受け渡しなど、人が物理的に動く工程は、自動化しきれません。AIKATAは、画面の中で完結する事務作業が主な対象です。
07 BUILD OR ENTRUST 増員・外注・自作では、繁忙期の事務作業は片づかない 4つの選択肢のうち3つは、会社の悩みを別の悩みに置き換えるだけ
IT重説の前後の事務作業を片づけようとするとき、管理会社が取れる道は大きく4つあります。4つのうち3つは、会社の悩みを別の悩みに置き換えるだけです。
| 選択肢 | よくある期待 | 実際に行き詰まる所 | 判定 |
|---|---|---|---|
| ①事務員を増やす | 人を増やせば、繁忙期の件数をさばける | 採用・教育が繁忙期に間に合わない。閑散期に人件費が残る。担当者ごとのやり方が増え、属人化が進む | ✕ |
| ②従来型の外注・BPO | 外に出せば、会社の手間が減る | 物件・オーナーごとの条件を外注先に説明し、結果の手直しをする作業が会社に残る。繁忙期の増量に追従しにくい | ✕ |
| ③社内でAIを自作する | 自社で作れば、安く自由に使える | 物件・オーナーごとのルールを言語化できない。検証の型がない。作った人しか直せず、第二の属人化が生まれる | ✕ |
| ④AI社員AIKATAに任せる | 作業そのものを手放したい | 郵送・押印など、人が動く工程は自動化しきれない(その部分は会社が担当) | ◎ |
7-1. 「①増員」「②外注」で片づかない理由
7-2. 「③自作」の壁
08 AI SHAIN AIKATA AI社員AIKATAとは?賃貸管理会社の事務作業を丸ごと受託する 業務代行(BPO)としての受託の範囲と、会社の役割
AI社員AIKATA(運営: 株式会社GENAI)は、事務員の方がパソコンで行っている業務を、AIと人の二重体制で丸ごと受託する業務代行(BPO)サービスです。不動産会社向けには、専用のご案内ページを用意しています。
8-1. 受託できる業務の例
8-2. いまのシステムのまま、画面操作を含めて自動化
AIKATAは、特定のシステムに限定しません。会社がいま使っている管理システム・ポータルサイトをそのまま使い、画面操作を含めて自動化します。システムの乗り換えは要りません。物件種別や取引形態ごとの入力ルールを、仕組みに落とし込むため、担当者の経験や繁忙度で精度が落ちません。
8-3. 会社の作業は「承認」だけ
AIの処理結果は、人が品質チェックしたうえで、会社に渡されます。最終確認と承認は会社が行います。会社の日々の作業は、原則として「入力済みの物件情報や、作成済みの書類の承認」だけです。
事務員の操作画面を見ながら、AIKATAが業務を分解・整理
AIKATAがルールを仕組みに落とし込む
画面操作を含めて自動で作業
AIKATA側で確認
最終確認と承認
8-4. 繁忙期も人を増やさずに処理量を増やせる
料金は、月額の定額で、業務量が増えても料金は変わりません。仕組みの構築・運用はAIKATAが行うため、会社にAIの知識は要りません。引き継ぎは、事務員の方の操作画面を見ながら、AIKATAが業務を分解・整理します(マニュアルが無くてもかまいません)。
8-5. 守ること・できないこと
AIKATAを使う不動産会社では、事務員の方が行っていた書類の下準備や入力を、AIKATAの仕組みで処理し、会社の担当者が承認する、という形で運用しています。
09 COMPARISON & SUMMARY 残る道は「作業そのものを任せる」だけ——手作業・システム追加・AIKATAの比較 IT重説まわりの契約事務を、どう片づけるか
| 手作業のまま | システムの追加・乗り換え | AI社員AIKATAに任せる | |
|---|---|---|---|
| 繁忙期の負荷 | ✕ 件数に比例して増える | △ 入力の一部は減るが、運用の手間が残る | ◎ 人を増やさず処理量を増やせる |
| 物件・オーナーごとのルール | △ 担当者の経験に依存 | △ 製品の仕様の範囲内 | ◎ 仕組みに落とし込み、残る |
| 入居者・オーナーへの対応の速さ | ✕ 繁忙期に遅れる | ○ 一部は自動化 | ◎ 一次対応・下準備が早い |
| 事務員の採用と教育 | ✕ 採用難・教育が必要 | △ 新しい操作の教育が必要 | ◎ 採用・教育が不要 |
| 宅建業法の線引き | ○ 会社が管理 | ○ 会社が管理 | ◎ 宅建士・会社の業務と、AIの業務が明確に分かれる |
9-1. AI社員AIKATAが選ばれる5つの理由
増員・外注・自作・乗り換えは、どれも会社が人か仕組みを抱え続ける道です。作業を手放せる道は、AIKATAに任せることだけです。
次の繁忙期を、事務員を増やさずに越える準備を始めませんか
AI社員AIKATAの無料相談(60分・オンライン・Google Meet)では、御社の契約まわりの業務を棚卸しし、どの業務から任せられるかをその場で整理します。人を増やす・システムを替えると決める前に、一度、作業そのものを手放す選択肢を確かめてください。契約の義務はなく、全国から対応しています。
事務員を増やす・外注する・AIを自作する・管理システムを替える——どの道を選んでも、入力・書類づくり・入金の照合・問い合わせの一次対応か、それを回す人と仕組みが会社に残り続けます。
AI社員AIKATAなら、いまお使いの管理システム・ポータルサイトはそのまま、物件や取引ごとのルールも登録して処理し、会社に残るのは仕上がりの確認と承認だけです。どの業務から任せられるかは、無料相談(60分・オンライン)でその場で整理します。
NEXT STEP
管理業務の事務作業を、
AI社員に任せてみませんか?
よくある質問
Q. IT重説とは何ですか?
A. IT重説とは、宅地建物取引士が、テレビ会議などの双方向でやり取りできるIT環境を使って、重要事項説明を行う方法です。説明の中身は対面の重説と同じで、相手方が来店しなくても説明を受けられます。賃貸取引では、国土交通省の公表によると2017年10月から本格運用されています。実施にあたっては、国土交通省の「ITを活用した重要事項説明実施マニュアル」の要件を満たす必要があります。
Q. IT重説は、宅建士以外の事務員でも担当できますか?
A. できません。重要事項説明は宅地建物取引士の独占業務で、IT重説でも同じです。事務員が担当できるのは、重説書面の下準備、事前送付の連絡、接続テストの案内、実施記録の整理といった、説明の前後の事務作業です。繁忙期は宅建士の予約枠が埋まりやすいため、書面の準備などの事務を宅建士以外に回す設計が有効です。
Q. IT重説を行う前に、何を準備すればよいですか?
A. 主な準備は、(1)相手方の実施の同意、(2)重要事項説明書・添付資料の事前送付(電子交付なら承諾の記録)、(3)相手方の端末・通信環境・Web会議ツールの確認と接続テスト、(4)宅建士の予定確保と宅建士証の用意、(5)本人確認の手順、の5点です。説明当日は、映像・音声が双方向でやり取りできることと、宅建士証が相手方に視認できることを確認してから始めます。
Q. IT重説で、重要事項説明書は電子交付できますか?
A. 2022年5月18日に施行された宅建業法の改正により、重要事項説明書(35条書面)や契約書面(37条書面)は、相手方の承諾を得たうえで、電磁的方法で提供できるようになりました。承諾の取り方や提供の形式は、国土交通省の最新の資料で確認し、承諾の記録を残してください。
Q. IT重説の様子は録画しておいたほうがよいですか?
A. 録画の義務を一律に定めたものではなく、会社の方針として決めることになります。トラブル時の記録として有効な反面、録画データは個人情報にあたるため、保管の期間・保管場所・閲覧できる人の範囲を社内規程に定め、録画することを事前に相手方へ伝えておくことが大切です。相手方から録画・録音の希望があった場合の対応も、あらかじめ決めておきましょう。
Q. IT重説を行っても、物件の内覧は不要になりますか?
A. 不要にはなりません。IT重説は重要事項の説明を非対面で行う方法であり、物件の内覧とは別の手続きです。内覧は、入居希望者が現地で行うか、写真・動画・VR内見などで確認します。契約後のトラブルを避けるため、内覧を済ませた、または行わないことを相手方が了解した、という記録を残しておくことが大切です。
Q. 宅建業法上、IT重説の前後の事務作業をAIに任せて問題ありませんか?
A. 重要事項説明と、35条書面・37条書面への記名は、宅地建物取引士が行います。この部分はAIに任せられません。一方、書類の下準備、物件・契約情報の入力・更新、入金消込、問い合わせの一次対応、更新・解約の事務処理といった、その前後の事務作業は、AIに任せることができます。AI社員AIKATAは、宅建士の独占業務は引き受けず、AIの処理結果を人が品質チェックし、最終確認と承認は会社が行う体制です。
Q. 今使っている管理システムのまま、AI社員AIKATAを使えますか?
A. 使えます。AI社員AIKATAは特定のシステムに限定せず、会社が今使っている管理システム・ポータルサイトを、そのまま使い、画面操作を含めて自動化します。システムの乗り換えは要りません。無料相談(60分・オンライン・Google Meet)で、御社の業務を棚卸しし、どこまで任せられるかを整理します。
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