【2026年10月最新】労働保険の年度更新とは?計算方法・手続き・申告書作成の注意点を社労士事務所向けに整理し、事務作業をAIに任せる方法
01 ANSWER FIRST 労働保険の年度更新は、前年度の保険料を確定し、今年度の保険料を概算で納める手続きです
労働保険の年度更新とは、前年度に支払った賃金総額で保険料を精算(確定保険料)し、あわせて当年度の保険料を見込みで申告・納付(概算保険料)する、年に1回の手続きです。厚生労働省の案内では、労災保険と雇用保険をあわせて、事業主が全労働者に支払った賃金総額に保険料率を掛けて保険料を算出します。
令和8年度の申告・納付期間は、労働局の案内で6月1日(月)から7月10日(金)です。社労士事務所にとっては、顧問先の数だけ同じ作業が同じ時期に重なる、年間で最大の繁忙期の一つです。賃金台帳から賃金総額を集め、雇用保険の対象者を分け、新しい料率で計算し、申告書を作成して、電子申請または窓口で提出します。
本記事では、所長・管理者・職員の方に向けて、年度更新の仕組み、スケジュール、計算方法、申告書作成の注意点、延納、一般拠出金、電子申請、よくあるミスを、事務所の確認順に整理します。後半では、集計や入力といった事務作業をAI社員AIKATAに任せ、先生方が判断と提出を担う分担を説明します。料率や期間は年度で変わるため、公表ページで確認できたものに年度を添えて書いています。
出典:栃木労働局「令和8年度 労働保険の年度更新」(2026年10月確認)。
02 OFFICE PRACTICE 年度更新とは・対象・スケジュール・計算・申告書作成を、事務所の確認順に整理します
2-1. 労働保険の年度更新とは:毎年の保険料の精算と見込み納付です
📚 用語解説
労働保険:労働者災害補償保険(労災保険)と雇用保険の総称です。保険料は、原則として両保険を一元的に扱って申告・納付します。
📚 用語解説
年度更新:前年度の保険料を確定して精算し、当年度の保険料を概算で申告・納付する年に1回の手続きです。事業主が行うものです。
労働保険料は、全労働者に支払った賃金総額に保険料率を掛けて算出します。ただし、雇用保険については、被保険者でない人の賃金は除かれます。年度の初めには、その年度に支払う賃金の見込みで保険料を納め(概算保険料)、翌年度の初めに、実際に支払った賃金で確定させます(確定保険料)。
事業主は、前年度の確定保険料と当年度の概算保険料をあわせて、申告・納付します。確定保険料が、先に納めた概算保険料より少なければ、差額は充当または還付の対象になります。多ければ、不足分を納めます。
労働保険の事務を、事業主に代わって行うには、労働保険事務組合に委託する方法や、社会保険労務士に委任する方法があります。社労士事務所が行う場合は、委任を受けた範囲で、申告書の作成や電子申請を行います。
出典:厚生労働省「労働保険の年度更新手続」(2026年10月確認)。
2-2. 年度更新の対象となる事業主と、対象期間です
対象は、労働保険に加入している事業主です。労働者を一人でも雇う事業は、業種や規模を問わず、原則として労災保険の適用事業になり、雇用保険は、一定の要件を満たす労働者がいる事業が対象になります。新たに事業を始めた場合は、保険関係成立の届出を先に行います。
確定保険料の対象期間は前年度の4月1日から3月31日まで、概算保険料の対象期間は当年度の4月1日から3月31日までです。年度の途中で保険関係が成立した事業は、成立した日からの期間で計算します。
顧問先に新規の事業所や、年度の途中で廃止した事業所がある場合は、対象期間を個別に確認します。事務所の管理表には、顧問先ごとに、保険関係の成立日と、直近の年度の申告済みの状況を記録しておきます。
2-3. 令和8年度の申告・納付期間とスケジュールです
栃木労働局と千葉労働局の案内では、令和8年度の年度更新期間は、6月1日(月)から7月10日(金)です。厚生労働省の案内では、手続の窓口は、労働基準監督署、都道府県労働局、金融機関です。ハローワークでは、申告・納付はできません。
事務所の逆算スケジュールは、4月に顧問先へ資料依頼を出し、5月中旬までに賃金台帳と労働者の名簿を回収し、5月下旬までに賃金総額の集計と計算を終え、6月の上旬に申告書を作成して顧問先に確認してもらい、6月中に提出する形が組みやすいです。7月10日の直前に集中させない運用にします。
申告書は、例年、5月下旬から6月ごろにかけて、事業主あてに送付されます。電子申請が義務付けられる事業場には、申告書の送付がなくなる代わりに、電子申請に必要な情報を記載した通知書が送られます。この扱いは、年度ごとに案内が出るため、顧問先ごとに、どちらの対象かを確認します。
出典:千葉労働局「令和8年度 労働保険の年度更新」(2026年10月確認)。
📚 用語解説
確定保険料・概算保険料:確定保険料は、前年度に実際に支払った賃金総額で精算する保険料です。概算保険料は、当年度の賃金総額の見込みで先に納める保険料です。
2-4. 確定保険料と概算保険料:何をいつ計算するかです
確定保険料は、前年度(4月1日から3月31日)に実際に支払った賃金総額を基に、前年度の保険料率で計算します。概算保険料は、当年度の賃金総額の見込額を基に、当年度の保険料率で計算します。見込額は、前年度の賃金総額と大きく違わない場合は、前年度と同額とするのが通常です。
申告書には、確定保険料の算定内訳と、概算保険料の算定内訳の欄があります。確定は旧年度の料率、概算は新年度の料率を使うため、雇用保険料率が変わった年は、特に取り違えに注意します。
令和8年度の雇用保険料率は、労働局の案内では、一般の事業が1,000分の13.5で、前年度から0.1ポイント下がっています。農林水産・清酒製造の事業は1,000分の15.5、建設の事業は1,000分の16.5です。労災保険率は前年度と同率、一般拠出金率は1,000分の0.02で変更がないと紹介されています。メリット制が適用される事業所は、個別の通知で確認します。
| 項目 | 確定保険料 | 概算保険料 |
|---|---|---|
| 対象期間 | 前年度(4月1日〜3月31日) | 当年度(4月1日〜3月31日) |
| 基にする賃金 | 実際に支払った賃金総額 | 支払う見込みの賃金総額 |
| 使う保険料率 | 前年度の料率 | 当年度の料率 |
| 役割 | 精算(過不足の確定) | 前払い(見込みで納付) |
出典:栃木労働局 令和8年度の雇用保険料率・労災保険率・一般拠出金率(2026年10月確認)。
2-5. 賃金総額の集め方:何を含め、何を除くかです
📚 用語解説
賃金総額:事業主が、その年度中に全労働者に支払った賃金の総額です。基本給のほか、残業手当、通勤手当、賞与などを含みます。退職金や出張旅費のように、含めない扱いのものもあります。
賃金総額には、基本給、各種手当、残業代、賞与などを含めるのが原則です。通勤手当も、労働保険の賃金に含める扱いになるため、所得税の非課税の考え方とは分けて整理します。出張旅費や、結婚祝金などの臨時の見舞金のように、含めない扱いのものは、公式の案内で区分を確認します。
雇用保険分の賃金総額は、雇用保険の被保険者である人の賃金だけを集計します。パートや役員、一定の要件に当たらない人は、労災保険分には含めても、雇用保険分には含めない場合があります。このため、労災保険分と雇用保険分の二つの賃金総額を、別々に集計します。
賃金台帳のデータが、賃金計算ソフトから出力できる場合は、年度の合計を出力して使います。ただし、締め日と支払日のずれにより、対象期間に入る賃金の範囲が変わるため、「支払いが確定した日(賃金の対象期間の帰属)」を基準に、対象期間の賃金を確認します。
2-6. 労働保険料の計算方法:賃金総額に保険料率を掛けます
保険料の基本の計算は、賃金総額 × 保険料率です。労災保険料は、労災分の賃金総額に、事業の種類ごとの労災保険率を掛けます。雇用保険料は、雇用保険の対象者の賃金総額に、雇用保険料率を掛けます。この二つに、一般拠出金(労災分の賃金総額 × 一般拠出金率)が加わります。
千円未満の賃金総額は切り捨てるなど、計算の端数処理にも決まりがあります。端数処理は申告書の記載要領で確認します。令和8年度の概算保険料は、新しい料率で、賃金総額の見込額に掛けて算出します。
雇用保険料のうち、労働者の負担分は、毎月の給与から天引きされています。労働局の案内では、令和8年度の一般の事業の内訳は、労働者負担が0.5%、事業主負担が0.85%です。年度の途中で料率が変わる場合は、毎月の給与計算でも、新しい料率への変更が必要です。
2-7. 申告書の作成手順と、記入の注意点です
申告書の作成は、まず算定基礎賃金集計表で、月ごとの賃金を、労災分と雇用分に区分して集計します。次に、申告書本体に、確定保険料の算定内訳と、概算保険料の算定内訳を転記し、差額を算出して納付額を決めます。
記入の注意点は、四つあります。第一に、保険関係成立の年月日と、労働保険番号の誤りがないこと。第二に、確定と概算の料率の取り違えがないこと。第三に、雇用保険の被保険者数を、期間中の月ごとの人数から平均で算出すること。第四に、前年度の申告書の内容と、前年度の数字を比べて、大きな変動の理由を説明できることです。
申告書は、社労士が委任を受けて提出する場合は、事業主の署名や押印の扱い、委任状の整備を確認します。提出前に、顧問先へ内容を確認してもらい、承認の記録を残します。
2-8. 電子申請と、申告書の送付の変更点です
厚生労働省の案内では、労働保険の手続は、自宅や事業場のパソコンから、e-Gov(電子政府の総合窓口)の電子申請システムで行えます。電子申請を使うと、窓口へ出向く時間を減らせます。事務所では、顧問先の分をまとめて電子申請できる環境を整えている場合が多いです。
資本金額が1億円を超える法人など、電子申請が義務付けられる事業場には、申告書の送付がなくなる代わりに、電子申請に必要な情報を記載した通知書が送付されます。顧問先に、この対象の事業場がある場合は、通知書が届いているかを、事前に確認します。
電子申請の場合でも、納付は別の手続です。納付の方法は、電子納付、口座振替、金融機関の窓口などがあり、顧問先ごとに、どの方法を使うかを決めておきます。納付期限に遅れないよう、納付書の準備や、口座の残高の確認も、スケジュールに入れます。
2-9. 延納(分割納付)の考え方です
概算保険料は、一定の要件を満たす場合に、3回に分けて納付する延納が認められます。延納を希望する場合は、申告書の延納の欄に記入して申し出ます。要件の金額や、納付期限は、年度の案内で確認します。
延納の期限を過ぎると、延滞金の対象になる場合があります。延納を使う顧問先は、2回目以降の納付の時期を、管理表に記録して、期限の前に事業主へ知らせます。
なお、一時に納付が難しい場合の猶予制度については、厚生労働省のページに、別途の案内があります。顧問先から相談を受けたときは、最新の公式の案内で、要件と手続を確認して伝えます。
2-10. 一般拠出金とは:アスベスト救済のための拠出です
📚 用語解説
一般拠出金:石綿(アスベスト)による健康被害の救済のため、石綿健康被害救済法に基づいて、労災保険の適用事業主が負担する拠出金です。労働保険料とあわせて申告・納付します。
一般拠出金は、石綿による健康被害の救済費用を、事業主が広く負担する制度です。令和8年度の一般拠出金率は、労働局の案内で、1,000分の0.02で、変更がないと紹介されています。計算は、労災保険分の賃金総額に、この率を掛けます。
一般拠出金は、確定保険料の申告にあわせて、前年度分を申告・納付するのが通例です。概算保険料のように、当年度の分を先に納める性格のものではありません。申告書では、確定保険料の算定内訳の近くに記入欄があるため、記入漏れに注意します。
一般拠出金の額は小さいため、見落とされやすい項目です。点検の一覧に、一般拠出金の欄の記入の有無を入れておくと、漏れを防げます。
2-11. 年度更新を忘れたり遅れたりした場合の扱いです
申告や納付が期限に遅れた場合は、行政が保険料の額を決める認定決定の対象になる場合があります。さらに、納付が遅れると、延滞金や追徴金の対象になる場合があります。具体的な率や要件は、公式の案内で確認します。
顧問先が、期限を過ぎてから資料を出してくることもあります。事務所としては、期限の1か月前、2週間前、1週間前に、資料の提出状況を確認し、催促の記録を残すと、後のトラブルを防げます。
遅れが生じた場合の対応は、事業主への説明と、管轄の労働基準監督署への相談が中心です。事務所が自己判断で、手続の扱いを決めないよう、公式の案内と窓口の指示を確認します。
2-12. 年度更新でよくあるミスと、点検の型です
よくあるミスは、六つに整理できます。賃金総額に含めるべき手当の漏れ、雇用保険の対象外の人の賃金の混入、前年度の料率で概算保険料を計算した誤り、雇用保険の被保険者数の誤り、事業の種類(労災保険率の区分)の誤り、一般拠出金の記入漏れです。
点検の型は、前年度の申告書と今年度の申告書を並べて、差が大きい項目から確認する方法が有効です。賃金総額が前年度から2割以上動いた場合は、理由を、顧問先に確認して記録します。
顧問先ごとに、特有の事情があります。出向者の賃金の扱い、請負や派遣の人の扱い、役員報酬の扱い、年度の途中で締め日が変わった場合などです。事務所の管理表に、顧問先ごとの注意事項を蓄積し、担当が変わっても引き継げる形にします。
2-13. 年度更新と算定基礎届のつながりです
算定基礎届は、社会保険(健康保険・厚生年金)の標準報酬月額を決めるための届出で、例年7月に提出します。年度更新が6月1日から7月10日の期間と、算定基礎届の提出が7月上旬までという時期が重なるため、事務所の繁忙期が連続します。
賃金台帳を回収する機会を、年度更新と算定基礎届で共通にすれば、顧問先への依頼を1回にまとめられます。ただし、労働保険は「年度の賃金総額」、社会保険は「4月から6月の報酬」と、見る期間が違うため、同じ資料から別々に集計します。
二つの手続の資料依頼を一本化し、集計は別々に行う運用が、現実的です。顧問先にとっても、依頼が分かれるより、負担が小さくなります。
2-14. 申告書類の確認から納付方法まで:ステップで進める手順と事前準備です
ステップ1は、申告書類の確認です。例年、緑色の封筒で申告書が届きます。封筒の中身は、申告書、納付書、算定基礎賃金集計表の様式、記入の手引などです。緑色の封筒が届かない場合は、管轄の労働基準監督署や労働局へ問い合わせます。
ステップ2は、前年度の確定賃金総額の集計と、確定保険料の算出です。ステップ3は、今年度(今年4月から翌年3月末までの1年間)の概算保険料の算出です。ステップ4は、差額(精算額)の計算で、概算保険料の精算額を求めます。ステップ5は、申告書の提出と、保険料の納付方法(口座振替・電子納付等)の選択です。
事前準備として、年度更新をスムーズに進めるために、賃金台帳の整理、労働者の名簿の更新、雇用保険の被保険者の確認を、4月のうちに終えておきます。保険年度中に支払いが確定した賃金が対象になるため、「確定」した日を基準に確認します。納付書の金額を間違えた場合は訂正ができないため、金融機関に持ち込む前に、金額を二人で確認します。
2-15. 例外的な事例の扱い:建設業・出向・年度途中の入退社・65歳以上です
建設業と一般事業では、計算方法が異なります。建設業は、労災保険の適用や賃金総額の算定に特有の取扱いがあり、一括有期事業と継続事業の違いも理解が必要です。継続事業は、通常の事業所として年度更新を行い、一括有期事業は、有期事業をまとめて扱う仕組みです。顧問先に建設業がある場合は、事業の区分を、最初に確認します。
出向労働者がいる場合の集計方法は、出向元と出向先のどちらが賃金を負担するか、どちらの労働保険に含めるかで取扱いが変わります。従業員が年度途中で退職・入社した場合の処理方法は、在籍期間の賃金を、そのまま賃金総額に含めます。雇用保険の被保険者数は、月ごとの人数を基に平均で算出するため、年度途中の入退社が、人数の算定に影響します。
65歳以上の高年齢者における手続きにも注意します。以前は、65歳以上の雇用保険料免除の取扱いがありましたが、免除は平成31年度までで、令和2年度から徴収の取扱いに変わっています。高年齢者の対象労働者を、労災保険と雇用保険のそれぞれで確定させる際は、最新の公式の案内で確認します。加入初年度は、保険関係が成立した日の翌日から50日以内に概算保険料を申告・納付するため、年度更新が始まるのは翌年度からです。成立年度の確定保険料は、翌年度の年度更新で精算します。
2-16. 遅れた場合の対処法・申告後の修正・延納の目安と間違えやすいポイントです
手続きを忘れてしまった場合の対処法は、気づいた時点で、すぐに管轄の労働基準監督署へ連絡し、指示に従って申告・納付することです。手続き期限が遅れると、追徴金を課される可能性もあります。申告後に修正が必要な場合は、訂正の方法が、誤りの内容や時期で変わるため、窓口で確認します。
概算保険料が一定額以上なら延納できる、という扱いで、分納が可能になる目安は、概算保険料が40万円以上であると紹介されています。労災保険と雇用保険の片方だけが成立している事業は、金額の目安が異なる場合があるため、公式の案内で確認します。納付期限は、期ごとに決まっています。
間違えやすいポイント・注意点は、概算納付と精算納付の取り違え、雇用保険料率の変更の反映漏れ、労災保険料率の事業区分の誤り、納付書の金額の誤りです。特定法人は、電子申請が義務化されているため、紙の提出で済ませないよう注意します。市販の電子申請ソフトを使う方法もありますが、どの方法でも、事業者の申告内容の確認は欠かせません。
2-17. 年度更新に関するよくある質問への答え方です
「年度更新はいつまでに行いますか」には、令和8年度は6月1日から7月10日までと答えます。「どこで手続しますか」には、労働基準監督署、都道府県労働局、金融機関の窓口で、電子申請も使えると答えます。ハローワークでは申告・納付ができないことも添えます。
「確定保険料と概算保険料は何が違いますか」には、前年度の精算と、当年度の前払いだと答えます。「雇用保険料率は変わりましたか」には、令和8年度は一般の事業で1,000分の13.5と、前年度から0.1ポイント下がったと紹介されていると答え、最終的な数字は公式で確認するよう伝えます。
質問の答えには、必ず年度を添えます。年度を添えない回答は、翌年に古い情報として使われる危険があるためです。
03 BOTTLENECK 年度更新の集計と入力を、職員の手作業だけで回す限界です
3-1. 同じ時期に顧問先の数だけ、同じ作業が重なります
年度更新では、顧問先ごとに、賃金台帳の回収、労災分と雇用分の賃金総額の集計、前年度との比較、申告書への記入、顧問先への確認、電子申請または提出、納付の案内を行います。顧問先が20件、30件と増えれば、同じ工程が6月に集中します。
加えて、料率の変更、様式の変更、電子申請の扱いの変更が毎年あり、確認の観点も増えます。担当者が変われば、顧問先ごとの注意事項の引き継ぎも必要です。
課題は知識の不足ではなく、繰り返し発生する事務作業の量と、期限の集中です。ソフトを替えても、資料の回収と突合の手間は残ります。
3-2. 判断と提出は事務所、集計と下準備は任せる道があります
賃金総額に含める範囲の判断、例外の扱いの決定、申告内容の最終確認、行政機関への提出は、先生方が担います。一方で、賃金台帳の回収状況の管理、台帳データからの集計の下準備、前年度との差の洗い出し、不足資料の一次連絡は、手順を決められる事務作業です。
AI社員AIKATAは、今の給与ソフト・勤怠システムを使って、職員がパソコンで行う事務作業を、AIと人の二重体制で受託します。ソフトの乗り換えを顧問先へ求める前に、年度更新の前工程のどこを任せられるかを整理する道があります。
04 AUTOMATION AI社員AIKATAが事務作業を回し、先生方が判断と承認を担います
4-1. AIに聞く効率化と、毎月の作業を回す自動化は違います
Claude Code/CodexなどのAIツールに、年度更新に関わる賃金台帳の回収・集計・入力の式や確認項目の案を聞くことは効率化です。ただ、職員がその都度質問し、資料を選び、結果を転記する運用では、毎月の作業を起動する人が必要です。制度の説明をAIから得る場合も、法令や公的資料に照らして先生方が内容を確認します。
自動化で目指すのは、毎月発生する資料の回収・集計・入力・チェックを、一連の工程として回すことです。AI社員AIKATAはこの事務作業を受託し、顧問先ごとの締め日・支給日・手当などのルールを登録して処理します。顧問先から回収した賃金台帳や名簿を、顧問先ごとのルールで労災分・雇用分に区分して集計し、前年度との差を洗い出し、申告書の記入の下準備まで進めて、確認待ちの状態にする流れを、一連の工程として処理します。仕組みの構築と運用は、事務所が自ら持ち続ける必要がありません。
次の図は、AI社員AIKATAが受託する事務作業と、事務所が保持する業務の分担を示します。個別の判断事項は、事務所が確認したルールを前提にします。法定の申請書や帳簿書類の作成、行政機関への提出手続きを、AI社員AIKATAが代行する図ではありません。
| これまで職員が行っていた事務作業 | AI社員AIKATAに任せた後 | 事務所に残す役割 |
|---|---|---|
| 顧問先へ資料の提出状況を確認し、催促します。 | 資料回収や一次対応を受託します。 | 必要な資料と照会範囲を確認します。 |
| 賃金台帳から月ごとの賃金を、手で拾って集計します。 | 登録した顧問先ごとのルールに沿って、集計と前年度比較の下準備を行います。 | 賃金総額に含めるかどうかなど、例外の判断を行います。 |
| 集計結果を申告書や給与ソフトに転記します。 | 今のソフトを使い、画面操作を含めて自動化します。 | 作成済みの内容を最終確認・承認します。 |
| 出来上がった集計を見直します。 | AIの処理結果を人が品質チェックします。 | 業務を受任する事務所として最終確認・承認します。 |
| 法定の書類作成や行政機関への手続きを行います。 | 前段階の資料整理・下準備を担います。 | 1号・2号業務そのものは先生方が行います。 |
4-2. 社労士法の線引きは、承認ボタンだけで済ませないことです
社労士法上の1号業務に関わる申請書等の作成・行政機関への提出手続きの代行、2号業務に関わる労働社会保険諸法令に基づく帳簿書類の作成は、先生方が行います。AI社員AIKATAはこれらの独占業務を引き受けません。AI社員AIKATAが担うのは、給与計算、勤怠集計、必要書類の下準備、顧問先への資料回収や一次対応など、その前の事務作業です。
今回のテーマでは、賃金総額に含める範囲の個別の判断、顧問先への助言、行政機関への申告書の提出や納付の手続を、AI社員AIKATAの受託対象と明確に分けます。受託するのは、資料の整理と申告内容の下準備までで、判断と提出は先生方の業務です。1号・2号の書類の作成と提出、帳簿書類の作成も、事務所の業務のままです。
日々の定型的な受託業務では、事務所の作業は原則として計算済みの給与データや作成済みの帳票の最終確認・承認です。ただし、独占業務の実施、顧問先のルール変更に伴う判断、例外的な法的検討までなくなるという意味ではありません。専門業務を保持しながら、その前の集計や転記を手放す分担です。
出典:全国社会保険労務士会連合会「社労士についてのよくある質問」独占業務の説明(2026年10月確認)。
05 MAKE OR DELEGATE 増員・外注・自作では、繁忙期の事務作業は片づかない
4つのうち3つは、事務所の悩みを別の悩みに置き換えるだけです。ここで比較する目的は、年度更新に関わる賃金台帳の回収・集計・入力を回す人・仕組みの管理まで、事務所が抱え続けずに済むかどうかです。特定の会社やソフトの品質を評価する比較ではありません。
| 選択肢 | よくある期待 | 実際に行き詰まる所 | 判定 |
|---|---|---|---|
| ①職員を増やします。 | 担当者が増えれば処理できます。 | 採用・教育が繁忙期に間に合わず、閑散期にも人件費と管理が残ります。 | ✕ |
| ②従来型の外注・BPOを使います。 | 入力工程を外へ出せます。 | 工程だけの委託では、例外の説明・受渡し・手直しを事務所が持ち続けます。 | ✕ |
| ③事務所でAIを自作します。 | 繰り返す作業を自動化できます。 | ルールの言語化・検証・改修を行う人と仕組みが事務所に残ります。 | ✕ |
| ④AI社員AIKATAに任せます。 | 事務作業と仕組みの構築・運用を任せます。 | 事務所は専門業務と最終確認・承認を担う分担にします。 | ◎ |
5-1. 増員と工程単位の外注は、説明する仕事が残ります
増員では、新しい職員に法令と顧問先固有の扱いを覚えてもらう時間が必要です。前任者の表を渡すだけでは、なぜその取扱いを使っているかが伝わりません。顧問先ごとの賃金総額に含める範囲の運用は、前任者の頭の中にあることが多く、引き継ぎの資料にも残りにくい部分です。繁忙期に処理を増やすための採用が、新人の確認と教育を担当する熟練職員の仕事を増やす構造になります。
従来型の工程単位の外注では、資料を整える、例外を説明する、返ってきた結果を確認する、手直しを依頼する仕事が事務所に残ります。入力先と集計元が違い、顧問先のルール変更のたびに仕様を伝え直すなら、外へ出した工程の周囲を事務所がつなぐ状態です。委託件数が増えても、この負担がなくなるわけではありません。
5-2. AIの自作は、作った人しか直せない第二の属人化を生みます
Claude Code/Codexなどを使う場合も、顧問先の締め日、手当、勤怠区分、資料の置き方を言語化する必要があります。法的判断が必要な取扱いと、機械的に処理する条件を区別しなければ、誤った前提をそのまま繰り返す仕組みになります。給与計算の担当者が、その検証と改修まで兼務すると別の管理業務を抱えます。
通常のケースだけでなく、契約変更、申請の取消し、資料不足、退職などの場面を想定して検証します。担当者が異動したときに、処理の根拠と直し方を説明できる状態でなければ、表計算の属人化がAIの仕組みの属人化へ移るだけです。事務所の悩みが「入力する人が足りない」から「直せる人がいない」へ変わります。
06 AIKATA SERVICE AI社員AIKATAは、今のソフトで事務作業を丸ごと受託します
6-1. 勤怠集計から給与計算、資料回収までをAIと人で担います
AI社員AIKATAは、給与計算、勤怠の集計、入退社手続きの書類の下準備、算定基礎届や労働保険の年度更新の下準備、帳票の作成、顧問先への資料回収や一次対応などを受託する業務代行サービスです。法定の申請書や帳簿書類の作成・提出代行は受託範囲から外し、先生方が行います。
年度更新を入口に考えるなら、まず賃金台帳の回収状況の管理と、集計につながる前工程を棚卸しします。どの回収と入力を任せ、どの判断と提出を事務所が行うかを明らかにすることで、年度更新だけを孤立した作業として抱えず、算定基礎届や月次の給与処理とのつながりで分担を整理できます。具体的な受託範囲は無料相談で確認します。
AI社員AIKATAは特定のソフトに限定しません。いま事務所が使っている給与ソフトや勤怠システムをそのまま使い、画面操作を含めて自動化します。顧問先へソフトの乗り換えを頼む必要がないため、事務所の改善のために、顧問先側の運用を一斉に入れ替えることを前提にしなくて済みます。
6-2. 個別ルールを残し、人が品質チェックしてから事務所へ戻します
AI社員AIKATAは、顧問先ごとの締め日・支給日・手当などの個別ルールを仕組みに登録して処理します。職員の記憶の中にある取扱いを、その職員が休んだときにも残る形にする考え方です。AIの処理結果は人が品質チェックし、最終確認と承認は事務所が行います。判断の責任と事務処理の担当を混同しません。
日々の受託した定型事務では、事務所の作業は原則として計算済み給与データや作成済み帳票の承認です。ここでいう帳票は、社労士法の独占業務に当たる帳簿書類の作成をAI社員AIKATAへ移す意味ではありません。先生方の法定業務は保持し、そのための基礎資料を整える事務を任せます。
AI社員AIKATAはNDAを結び、給与・人事データの受け渡しと保管のルールを事務所の規程に合わせて決めます。相談時には、事務所で定めている保存先や受渡し方法を確認し、委託する資料の範囲を整理します。
6-3. 繁忙期の処理量を増やすために、採用と教育を重ねる必要がありません
AI社員AIKATAは、仕組みの構築と運用を行います。事務所にAIの知識は要りません。繁忙期にも人を採用・教育せずに処理量を増やせるため、事務作業のための増員と教育を繰り返す運営から切り替えられます。料金は月額の定額で、業務量が増えても変わりません。
無料相談は60分のオンラインで、Google Meetを使い全国に対応します。業務を棚卸しし、どこまで任せられるかを整理します。契約の義務はありません。所長だけで作業の細部を思い出そうとするより、実際に回収・入力・確認をしている職員の方の状況を整理すると、対象業務を具体化しやすくなります。
07 DECISION 残る道は「作業そのものを任せる」だけです
年度更新に関わる確認を正しく運用するには、事務所の専門性が欠かせません。その専門性を資料探しや転記に使い続けないために、ここでは「事務作業を回す負担を手放す」という目的で3つの道を比較します。記号はこの目的に対する整理であり、製品の性能や法的適合性の優劣を表すものではありません。
| 比較する項目 | 手作業のまま | ソフトの追加・乗り換え | AI社員AIKATAに任せます |
|---|---|---|---|
| 繁忙期の負荷 | ✕ 職員の回収・入力・照合が増えます。 | △ ソフト間の準備や確認を事務所が担います。 | ◎ 採用・教育をせずに受託事務の処理量を増やせます。 |
| 顧問先ごとのルール | ✕ 担当者の記憶と個別のメモに残ります。 | △ 設定と更新を事務所が管理します。 | ◎ 個別ルールを登録し、担当者が変わっても残ります。 |
| 顧問先への負担 | △ 不足資料の照会が繰り返されます。 | △ 新しい操作や受渡しの調整が必要です。 | ◎ 顧問先にソフトの乗り換えを頼む必要がありません。 |
| 職員の採用・教育 | ✕ 処理を増やす人の確保を抱えます。 | △ 運用する職員の教育が残ります。 | ◎ 構築・運用を任せ、AIの知識は不要です。 |
| 社労士法の線引き | ○ 先生方が専門業務を行います。 | ○ 先生方が専門業務を行います。 | ◎ 前段階の事務を受託し、1号・2号業務は先生方が行います。 |
7-1. AI社員AIKATAが選ばれる5つの理由
増員・外注・自作・乗り換えは、どれも事務所が人か仕組みを抱え続けます。作業を手放せる道はAI社員AIKATAに任せることだけです。ここで手放す対象は、委託する集計・入力などの事務作業です。法的判断、独占業務、最終確認・承認は先生方が担います。
08 NEXT ACTION 次の繁忙期を、職員を増やさずに越える準備を始めませんか
8-1. 賃金台帳の回収と集計から、どの作業を任せられるか決めます
人を増やす・ソフトを替えると決める前に、AI社員AIKATAの社労士事務所向け無料相談で、毎年繰り返す作業を棚卸ししてください。「賃金台帳の回収の催促に時間がかかる」「集計を一件ずつ手で確認している」「6月に確認待ちがたまる」といった工程から、どの作業を任せられるかを具体的に整理します。
事務所で使うソフト、顧問先ごとの締め日、職員が毎年行う作業、先生方の承認の流れを確認すれば、最初に任せる業務と事務所に残す専門業務を話し合えます。相談は60分、Google Meetによるオンラインで全国に対応し、契約の義務はありません。給与・人事データの受け渡しと保管は、NDAと事務所の規程に合わせてルールを決めます。
職員を増やす・外注する・AIを自作する・ソフトを替える——どの道を選んでも、集計・入力・確認の作業か、それを回す人と仕組みが事務所に残り続けます。
AI社員AIKATAなら、いまお使いの給与ソフト・手続きソフトはそのまま、顧問先ごとのルールも登録して処理し、事務所に残るのは仕上がりの確認と承認だけです。どの業務から任せられるかは、無料相談(60分・オンライン)でその場で整理します。
NEXT STEP
事務所の定型業務を、
AI社員に任せてみませんか?
よくある質問
Q. 労働保険の年度更新とは何ですか?
A. 前年度の保険料を確定して精算し、当年度の保険料を概算で申告・納付する、年に1回の手続きです。事業主が、全労働者に支払った賃金総額に保険料率を掛けて、労災保険と雇用保険の保険料を算出します。
Q. 令和8年度の年度更新の期間はいつですか?
A. 労働局の案内では、令和8年6月1日(月)から7月10日(金)です。窓口は、労働基準監督署、都道府県労働局、金融機関で、ハローワークでは申告・納付はできません。電子申請も利用できます。
Q. 確定保険料と概算保険料は、何が違いますか?
A. 確定保険料は、前年度に実際に支払った賃金総額で精算する保険料です。概算保険料は、当年度の賃金総額の見込みで前払いする保険料です。使う保険料率の年度も異なります。
Q. 令和8年度の雇用保険料率はどうなりましたか?
A. 労働局の案内では、一般の事業が1,000分の13.5で、前年度から0.1ポイント下がっています。労災保険率は前年度と同率で、一般拠出金率は1,000分の0.02で変更がないと紹介されています。事業ごとの率は公式の案内で確認します。
Q. 保険料を分割して納めることはできますか?
A. 概算保険料が一定の要件を満たす場合は、延納(分割納付)が認められます。要件の金額や期限は年度の案内で確認します。一時に納付が難しい場合の猶予制度については、厚生労働省のページに案内があります。
Q. 年度更新を社労士事務所に任せる場合、どこまで任せられますか?
A. 資料の回収、賃金総額の集計の下準備、前年度との比較、申告内容の整理などの事務作業は、AI社員AIKATAに任せられます。賃金総額に含める範囲の判断、申告書の提出、納付の手続は、事務所の業務のままです。
Q. 社労士法上、AIに任せて問題ないですか?
A. 業務の線引きが前提です。AI社員AIKATAは、給与計算・勤怠集計・資料回収の一次対応・書類の下準備などを担い、1号・2号業務である申請書等や法定帳簿書類の作成、行政機関への提出代行は引き受けません。最終確認・承認は先生方が行います。
Q. 今のソフトのままで使えますか?
A. AI社員AIKATAは特定のソフトに限定せず、今の給与ソフト・勤怠システムを使って画面操作を含めて自動化します。顧問先へソフトの乗り換えを頼む必要はありません。どの資料回収・集計・入力から任せられるかは、無料相談で実際の業務を確認して整理します。
Q. 事務所にAIの知識がなくても相談できますか?
A. 相談できます。AI社員AIKATAが仕組みの構築・運用を行うため、事務所にAIの知識は要りません。無料相談は60分のオンラインで全国に対応します。業務の棚卸しと受託範囲を整理し、契約の義務はありません。
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