【2026年10月最新】賞与(ボーナス)の社会保険料の計算方法|標準賞与額・上限・免除・賞与支払届までを社労士事務所向けに整理し、事務作業をAIに任せる方法

【2026年10月最新】賞与(ボーナス)の社会保険料の計算方法|標準賞与額・上限・免除・賞与支払届までを社労士事務所向けに整理し、事務作業をAIに任せる方法
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【2026年10月最新】賞与(ボーナス)の社会保険料の計算方法|標準賞与額・上限・免除・賞与支払届までを社労士事務所向けに整理し、事務作業をAIに任せる方法
賞与(ボーナス)の社会保険料を社労士事務所向けに解説。標準賞与額と健康保険・介護保険・厚生年金・雇用保険の計算、上限、年4回以上の扱い、産休・育休や月末前退職の例外、賞与支払届と所得税の流れ、顧問先の確認の型を整理し、事務作業をAI社員AIKATAに任せる分担を紹介します。

01 賞与(ボーナス)にも社会保険料はかかります。標準賞与額を基に、給与とは別の計算をします

賞与にも、健康保険料・介護保険料(40歳以上65歳未満)・厚生年金保険料・雇用保険料がかかります。社会保険(健康保険・厚生年金保険)の保険料は、賞与の総支給額から1,000円未満を切り捨てた「標準賞与額」に保険料率を掛けて求め、事業主と被保険者が折半で負担します。雇用保険料は、標準賞与額ではなく賞与の総額に雇用保険料率を掛けて求める点が異なります。

日本年金機構の案内では、賞与を支給したときは「被保険者賞与支払届」を、賞与を支払った日から5日以内に提出します。対象は年3回以下の賞与で、年4回以上支給される賞与は、標準報酬月額の対象(給与と同じ扱い)になります。社労士事務所の繁忙期は、夏季・冬季の賞与の時期と重なるため、顧問先ごとの賞与の有無、支給日、対象者、例外の有無を、早めに把握しておくことが大切です。

本記事では、所長・管理者・職員の方に向けて、賞与の社会保険料の計算、上限、注意点、免除や計算が変わる例外、賞与から引かれる所得税、事業主が行う手続き、顧問先の確認の型を整理します。後半では、集計や入力の事務作業をAI社員AIKATAに任せ、先生方が判断と最終確認を担う分担を説明します。保険料率は年度や都道府県で変わるため、本記事では計算の考え方を中心に書き、具体的な料率は協会けんぽ・日本年金機構・厚生労働省の最新の案内で確認する前提です。

出典:日本年金機構「従業員に賞与を支給したときの手続き」(2026年10月確認)。

✔️この記事でわかること:社会保険上の「賞与」の定義と、保険料がかかる理由です。
✔️健康保険・介護保険・厚生年金・雇用保険の計算方法と、標準賞与額の考え方です。
✔️上限、年4回以上、同月2回以上、休職者・役員・70歳以上など間違えやすい注意点です。
✔️産休・育休中や月末前の退職など、保険料がかからない例外と、所得税・手続きの流れです。
✔️今の給与ソフトを使いながら、AI社員AIKATAに任せる事務作業を切り分ける方法です。
菅澤 菅澤
賞与の時期は、顧問先から「いつもと同じでいいですか」と聞かれる一方で、役員賞与や決算賞与などの例外が混ざります。最初の一言で「年何回払いですか」と聞ける事務所は強いです。
山崎 山崎
賞与は金額が大きい分、計算を間違えたときの影響も大きいです。届出の期限が短いので、支給日の確認が漏れない型を先に作っておきます。

02 賞与の定義・保険料の計算・注意点・例外・所得税・手続きを、事務所の確認順に整理します

2-1. 賞与にも社会保険料がかかります:そもそも賞与とは何か

山崎 山崎
賞与は、給与と別に支払われるボーナスですが、社会保険では「名称」ではなく「実質」で判断します。

📚 用語解説

標準賞与額:賞与の総支給額(税引き前)から1,000円未満を切り捨てた額です。健康保険・厚生年金保険の保険料の計算の基礎になります。上限があります。

📚 用語解説

賞与(社会保険上):労働の対償として支払われ、年3回以下の支給であるものを指します。名称が賞与でなくても、実質が賞与なら対象になりえます。年4回以上の支給は「賞与」ではなく報酬(給与)として扱います。

📚 用語解説

総報酬制:毎月の給与と賞与を合わせた総報酬を基準に、保険料と年金額を決める仕組みです。2003年(平成15年)4月から、賞与も保険料の対象になりました。

📚 用語解説

標準報酬月額:毎月の給与などの報酬を区切りのよい幅に当てはめた額で、毎月の健康保険料・厚生年金保険料の基礎になります。賞与の基礎になる標準賞与額とは別のものです。

そもそも賞与とは、毎月の給与とは別に、夏季・冬季などの時期に支払われる金銭です。名称は賞与、ボーナス、一時金などさまざまです。社会保険では、名称ではなく、労働の対償として支払われ、年3回以下の支給であるものを賞与として扱います。顧問先の就業規則や賃金規程の定めを読み、何がこの賞与に当たるかを確認するのが出発点です。

賞与から社会保険料が控除されるようになったのは、2003年(平成15年)4月からです。それまでは、毎月の給与に対する保険料に比べ、賞与からは特別の保険料しか取られませんでした。給与と賞与を合わせた総報酬を基準に保険料を負担する仕組みへ変わり、賞与も保険料の対象になっています。給与と賞与の負担の公平を図る背景があります。

賞与には、いくつかの種類があります。基本給に連動して支給額が決まる基本給連動型の賞与、会社の業績に応じて支給する業績賞与、決算の結果に応じて支給する決算賞与が代表的です。どの型でも、年3回以下の支給で、労働の対償として支払われるなら、社会保険上の賞与として扱います。名称や決め方の違いで、保険料の取扱いは変わりません。

出典:日本年金機構「従業員に賞与を支給したときの手続き」(2026年10月確認)。

2-2. 給与と賞与で、控除される項目が違います

山崎 山崎
賞与から引かれるものを、給与と並べて理解すると、顧問先の担当者への説明が楽になります。

給与から引かれるものは、社会保険料(健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料)、雇用保険料、所得税、住民税などです。賞与から引かれるものは、社会保険料、雇用保険料、所得税が中心です。住民税は、前年の所得に基づいて毎月の給与から特別徴収されるため、賞与から別に引かれないのが一般的です。

賞与の社会保険料は、毎月の保険料とは別の計算です。毎月の保険料は標準報酬月額に基づきますが、賞与は標準賞与額に基づきます。毎月の保険料を決める標準報酬月額が変わらなくても、賞与の額が変われば、賞与の保険料は変わります。

また、事業主だけが負担する費用もあります。子ども・子育て拠出金は、厚生年金保険の被保険者に対して事業主のみが負担します。労災保険料も事業主のみの負担です。従業員の手取りには直接関係しませんが、賞与を支給すると、事業主の法定福利費も増えます。顧問先の資金繰りの説明では、この点にも触れておきます。

項目給与(毎月)賞与
健康保険料・介護保険料標準報酬月額 × 料率 × 1/2標準賞与額 × 料率 × 1/2
厚生年金保険料標準報酬月額 × 18.3% × 1/2標準賞与額 × 18.3% × 1/2
雇用保険料賃金総額 × 料率(労働者負担分)賞与の総額 × 料率(労働者負担分)
所得税月額表で計算賞与の算出率の表で計算
住民税特別徴収(前年所得に基づく)賞与からは別に引かないのが一般的
子ども・子育て拠出金事業主のみの負担事業主のみの負担

2-3. 標準賞与額と端数処理:計算の出発点です

山崎 山崎
計算の出発点は、総支給額から1,000円未満を切り捨てた標準賞与額です。ここを間違えると、以降の計算が全てずれます。

標準賞与額は、実際に支払われた賞与の総支給額(税引き前)から1,000円未満を切り捨てた額です。たとえば、賞与が50万円ちょうどなら標準賞与額は50万円、50万1,500円なら50万1,000円です。通勤手当などの非課税部分を含めた総額が対象になる点も、実務では確認します。

保険料は、標準賞与額に保険料率を掛けて求め、事業主と被保険者が折半します。折半した額に端数が出た場合の処理は、被保険者負担分の端数が50銭以下なら切り捨て、50銭を超えれば切り上げる、という原則的な扱いがあります。ただし、事業主と被保険者の間で別の定めがある場合は、その定めに従います。事務所は、顧問先の給与ソフトの設定が、この端数処理に合っているかを確認します。

介護保険料は、40歳以上65歳未満の被保険者(介護保険の第2号被保険者)が対象です。賞与を支給する月に40歳になる、または65歳になる従業員がいる場合は、対象になる月の判定に注意します。誕生日の前日が属する月など、年齢の判定の基準日を、日本年金機構や協会けんぽの案内で確かめます。

2-4. 賞与の社会保険料の計算方法:4つの保険料を順に求めます

山崎 山崎
賞与にかかる保険料は、健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料、雇用保険料の4つです。計算式の違いを整理します。

①健康保険料は、標準賞与額に協会けんぽや健康保険組合の保険料率を掛け、2で割って求めます。協会けんぽの場合、保険料率は都道府県ごとに異なり、毎年度見直されます。②介護保険料は、40歳以上65歳未満の被保険者に限り、標準賞与額に介護保険料率を掛け、2で割ります。③厚生年金保険料は、標準賞与額に厚生年金保険料率の18.3%を掛け、2で割ります。この料率は固定で、事業主と被保険者が折半します。

④雇用保険料は、考え方が異なります。標準賞与額ではなく、賞与の総額に雇用保険料率を掛けて求めます。上限額の定めもありません。令和8年度の労働者負担の料率は、厚生労働省の案内で確認します。雇用保険料は、年度の末に確定保険料として精算する対象になるため、賞与の額が労働保険の年度更新にも影響します。

これらを合わせたものが、賞与から控除する保険料です。事業主負担分は、このほかに子ども・子育て拠出金と労災保険料が加わります。給与ソフトで自動計算していても、料率の更新漏れや、介護保険の対象判定の誤りがあれば結果がずれます。事務所は、料率表の更新時期に、ソフトの料率が最新かどうかを確認します。

賞与の総支給額を確認します
→
1,000円未満を切り捨てて標準賞与額を出します
→
健康保険・介護保険・厚生年金を計算します
→
雇用保険は賞与の総額で別に計算します
→
所得税を算出率の表で計算し、明細書へ反映します

2-5. 金額のシミュレーション:賞与50万円・100万円の考え方です

山崎 山崎
数字はあくまで考え方を確かめるための仮の例です。実際の料率は、加入先の最新の案内で確認します。

厚生年金保険料の料率は18.3%で固定です。標準賞与額が50万円の場合、保険料の総額は9万1,500円、被保険者負担分はその半分の4万5,750円です。標準賞与額が100万円なら、総額は18万3,000円、被保険者負担分は9万1,500円です。厚生年金は、この計算が基本になります。

健康保険料は、仮に料率を10%とした場合、標準賞与額50万円では総額5万円、被保険者負担分は2万5,000円です。100万円なら総額10万円、被保険者負担分は5万円です。これは考え方を示す仮の数字で、実際の料率は都道府県や加入先によって異なります。介護保険料は、40歳以上65歳未満の人に、さらに加わります。

雇用保険料は、賞与の総額に労働者負担の料率を掛けます。所得税は、社会保険料等を引いた後の金額に、賞与の算出率の表の税率を掛けます。手取りは、賞与の総額から、これらを引いた額です。顧問先の従業員から手取りの目安を聞かれたとき、事務所は、保険料の種類ごとに計算式を示し、料率は最新のものに差し替えて説明します。

菅澤 菅澤
手取りの質問には、「社会保険料と所得税で、おおよそ2割前後が引かれることが多い」というような経験則を、あくまで目安として添えると伝わりますが、顧問先ごとの実際の計算は必ず確かめます。

2-6. 賞与の社会保険料で間違えやすい注意点①:上限額があります

山崎 山崎
標準賞与額には上限があります。健康保険と厚生年金で、上限の決め方が違います。

日本年金機構の案内では、健康保険の標準賞与額は、年度(4月1日から翌年3月31日まで)の累計で573万円が上限です。累計がこれを超えた場合、超えた部分は保険料の計算に含めません。厚生年金保険の標準賞与額は、1か月あたり150万円が上限です。同じ月に2回以上賞与を支給した場合は、合算した額に上限を適用します。

上限の違いにより、高額の賞与を受ける従業員では、健康保険と厚生年金で、保険料の計算対象額が異なる場合があります。年度の途中で、健康保険の累計が上限に近づいた場合は、特に注意します。累計額は、前の勤務先分は含めず、現在の健康保険の加入先で支給された賞与で数えます。

上限の金額は、法令の改正で変わることがあるため、事務所の手順書には金額と確認日を書いておき、毎年度の初めに最新の案内と照らし合わせます。

出典:日本年金機構「従業員に賞与を支給したときの手続き」上限額(2026年10月確認)。

2-7. 注意点②:年4回以上支給する賞与は「報酬」として扱います

山崎 山崎
年に何回支給するかで、賞与の扱いが変わります。回数を数える範囲に注意します。

賞与の支給が年4回以上の場合、その賞与は標準賞与額の対象ではなく、報酬(給与)として扱います。毎月の標準報酬月額の算定の対象に含め、賞与支払届の提出も不要になります。回数は、直近1年間(前の1年間)の支給回数で判定します。

制度の背景には、年4回以上の支給は実質的に給与と同様の性質とみなされる、という考え方があります。就業規則に「年4回の賞与を支給する」と定められていても、実際には支給されなかった場合など、実態と規程の差があるときは、実際に支給された回数で判断します。顧問先に年の途中で、賞与の回数を増やす予定があるかを、事前に確認します。

また、年4回以上の賞与は、標準報酬月額の算定基礎(定時決定)や随時改定の判定にも影響します。賞与を報酬として扱うと、月額の算定の基礎額が増え、標準報酬月額が上がる場合があります。算定基礎届の時期にも関係するため、賞与の回数の確認は、手続き全体に関わります。

2-8. 注意点③④:同月に2回以上支給する場合と、休職者・役員・非常勤の賞与

山崎 山崎
同じ月に複数回支給した場合や、通常の従業員でない人への賞与は、判断を誤りやすい場面です。

同じ月に2回以上賞与を支給した場合は、合算して1回の賞与として扱います。標準賞与額は、合算額から1,000円未満を切り捨てて求め、上限の判定も合算額で行います。賞与支払届も、まとめて届け出ます。決算賞与と通常の賞与を同じ月に支払う顧問先では、特に注意します。

休職中の従業員に賞与を支給する場合、賞与の支給があれば、保険料の対象になります。休職中に社会保険料の本人負担分を会社が立て替えている場合などは、賞与から控除する扱いを確認します。役員への賞与は、役員報酬との関係や、法人税の取扱い(事前確定届出給与など)が絡むため、社会保険の取扱いと税の取扱いを分けて確認します。社会保険上は、役員でも被保険者であれば、賞与は保険料の対象です。

非常勤の従業員や、短時間のパートタイマーへの賞与も、社会保険の被保険者であれば保険料の対象です。被保険者でない人(社会保険に加入していないパートなど)には、社会保険料はかかりません。雇用保険は、雇用保険の被保険者であれば賞与にもかかります。加入の状況が、保険ごとに異なる点を、一覧で管理しておくと確認が楽です。

2-9. 注意点⑤⑥:インセンティブ・結婚祝金の取扱いと、70歳以上の従業員の賞与です

山崎 山崎
名称が賞与でない支給物や、年齢で加入状況が変わる従業員の賞与は、個別に判断します。

業績に応じて支給するインセンティブや、結婚祝金、出産祝金などの取扱いは、支給の実態で判断します。就業規則や賃金規程に基づき、継続的・恒常的に支給される金銭は、労働の対償として報酬や賞与になりえます。一方、臨時的・恩恵的に支給される結婚祝金などは、報酬や賞与に含めない扱いがある場合があります。判断は、支給の根拠と実態で行います。

70歳以上の従業員は、厚生年金保険の被保険者ではなくなるため、厚生年金保険料はかかりません。ただし、70歳以上でも勤務先の厚生年金保険の適用事業所で働き続ける場合、健康保険は継続するため、健康保険料はかかります。また、70歳以上被用者として、賞与支払届の提出が必要になる場合があります。75歳以上は後期高齢者医療制度に移るため、健康保険の被保険者でなくなります。

こうした年齢による加入状況の変化は、誕生日を境に起こります。賞与の支給日が誕生月に当たる従業員がいる場合、保険料の対象かどうかを、日付ベースで確認します。誕生日の前日が基準になる場合があるため、基準日の考え方を、事務所の手順書に書いておきます。

⚠️ 断定を避ける場面

インセンティブ、祝金、役員への賞与、70歳以上の従業員への賞与などは、顧問先の規程と実態で判断が分かれます。事務所が一律の答えを出さず、年金事務所や協会けんぽの案内で確認し、判断の根拠を記録に残す運用にします。

2-10. 社会保険料がかからない例外①:産前産後休業・育児休業中の賞与です

山崎 山崎
休業中の賞与は、保険料が免除される場合があります。育児休業と産前産後休業で、賞与の免除の条件が異なります。

日本年金機構の案内では、育児休業等の期間中は、事業主を通じた届出により、事業主負担分と被保険者負担分の両方の保険料が免除されます。賞与の保険料は、休業期間中に月末を含む月に支給された賞与が免除の対象です。2022年10月1日以後に開始した育児休業については、賞与月の末日を含む連続した1か月を超えて休業した場合に限り、免除されます。

産前産後休業の期間中も、保険料が免除されます。産前産後休業と育児休業の免除期間が重なる場合は、産前産後休業の免除が優先されます。免除を受けるには、休業中に事業主を経由して、年金事務所へ「育児休業等取得者申出書」などを提出します。申出の漏れがあると、免除されずに保険料が徴収されるため、届出の確認が欠かせません。

育児休業が1か月以内の男性従業員などで、賞与を支給された場合は、賞与の保険料は免除されません。月額の保険料の免除と、賞与の保険料の免除で、条件が異なる点が、実務で最も間違えやすい部分です。顧問先の担当者へ、休業の開始日と終了日、休業の期間が賞与月の末日を含む1か月を超えるかを、必ず確認してもらいます。

出典:日本年金機構「育児休業中の厚生年金保険の保険料はどうなるのですか。」(2026年10月確認)。

2-11. 例外②:賞与支給月の末日より前に退職した従業員です

山崎 山崎
退職の日と賞与の支給月の関係で、保険料がかかるかどうかが変わります。月末退職と月中退職の違いが分岐点です。

📚 用語解説

資格喪失日:社会保険の被保険者でなくなる日です。退職の場合は、退職日の翌日が資格喪失日になります。保険料は、資格を喪失した日の属する月の前月分までかかります。

社会保険の資格喪失日は、退職日の翌日です。月の末日に退職した場合、資格喪失日は翌月の1日になるため、その月は被保険者として扱われ、賞与を支給した月の保険料が発生します。一方、末日より前に退職した場合は、賞与を支給した月に資格を喪失しているため、その月の賞与から社会保険料はかかりません。

具体的には、月末に退職した従業員に賞与を支給すると、保険料がかかります。同じ月の20日に退職した従業員に賞与を支給すると、保険料はかかりません。保険料の負担の有無が、退職日が数日違うだけで変わるため、従業員から質問を受けることが多い場面です。ただし、雇用保険料は、被保険者であった期間に支払われた賃金に対してかかるため、社会保険とは取扱いが異なります。

退職する従業員への賞与は、賞与の支給日と退職日の前後関係で、計算の取扱いが変わります。支給日が退職日の後になる場合の賞与は、在職中の労働の対償として支払われたものか、退職後の支給なのかで、社会保険料や所得税の取扱いが変わる場合があります。判断が難しいときは、先生方の判断に上げる流れにします。

山崎 山崎
「月末に辞めるか、その前に辞めるか」で保険料が変わる話は、従業員からも顧問先からも聞かれます。事務所の手順書に、図を1枚入れておくとすぐ答えられます。

2-12. 社会保険料以外に賞与から天引きするもの:所得税の求め方です

山崎 山崎
賞与の所得税は、毎月の給与の源泉徴収とは別の計算です。前月の給与の金額が、税率を決める基準になります。

賞与にかかる源泉所得税は、「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」を使って計算します。計算の流れは、まず賞与の総額から、社会保険料等(健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料・雇用保険料)の本人負担分を引き、課税の対象になる金額を出します。次に、前月の給与の金額から社会保険料等を引いた額と、扶養親族等の数に応じた算出率を、表で調べます。最後に、課税の対象になる金額に、その算出率を掛けて税額を求めます。

例外として、前月に給与がない場合や、賞与の金額が前月の給与の金額に比べて大きい場合は、別の計算方法を使います。扶養控除等申告書を提出していない従業員は、乙欄の算出率を使います。算出率の表は、年分ごとに更新されるため、使う年分の表を確認します。

所得税の計算は、賞与の社会保険料を引いた後の金額が対象になる点に注意します。社会保険料を引く前の総額に算出率を掛けると、税額が多くなります。給与ソフトで自動計算している場合も、社会保険料の控除項目が正しく入っているかを確認します。

2-13. 賞与支給時に事業主が行う実務手続き:賞与支払届と明細書です

山崎 山崎
賞与を支給したら、届出、明細書、納付の3つを行います。期限が短い手続きを、先に押さえます。

手続きの1つ目は、「被保険者賞与支払届」の提出です。賞与を支払った日から5日以内に、事務センターまたは管轄の年金事務所に提出します。提出方法は、電子申請、電子媒体、郵送、窓口持参から選べます。届出用紙は、賞与の支払予定月の前月に、日本年金機構から事業所へ送付されます。「被保険者賞与支払届総括表」は、令和3年3月に廃止されましたが、電子媒体で届け出る場合は、電子媒体届書総括票の提出が引き続き必要です。

2つ目は、賞与明細書の発行です。賞与の総額、社会保険料等の控除額、所得税の額、差引支給額を記載して、従業員に交付します。控除額の内訳が分かるように作成すると、従業員からの「引かれている金額がおかしい」という問い合わせを減らせます。3つ目は、社会保険料と税金の納付です。社会保険料は、賞与を支給した月の保険料として、翌月末日までに納付します。所得税は、原則として翌月10日までに納めます。

電子申請に対応した給与システムであれば、賞与の計算結果を基に、届出のデータを作成し、そのまま電子申請につなげられます。電子申請のためには、事業所側の準備と、利用するシステムの設定が必要です。顧問先が電子申請を使っているかどうかを、事前に把握しておくと、期限の管理がしやすくなります。

出典:日本年金機構「従業員に賞与を支給したときの手続き」提出期限・提出方法(2026年10月確認)。

賞与の支給日を確認します
→
賞与支払届を作成します(支給日から5日以内)
→
賞与明細書を従業員へ交付します
→
社会保険料と所得税を納付します
→
先生方が内容を最終確認します
✔️賞与の支給日が決まったら、届出の期限(支給日から5日以内)を一覧に入れます。
✔️賞与を年何回支給するかを、顧問先ごとに確認します(年4回以上は報酬扱いです)。
✔️育児休業・産前産後休業中の従業員、月末前に退職した従業員を、支給前に洗い出します。
✔️70歳以上の従業員、介護保険の対象になる従業員を、支給前に洗い出します。
✔️社会保険料・所得税の控除額が、明細書で内訳まで分かるようにします。

2-14. 賞与の社会保険料に関するよくある質問への答え方です

山崎 山崎
質問のパターンは決まっています。答えの型を持てば、誰が対応しても同じ答えになります。

「引かれている金額がおかしいと感じたら」という質問には、まず賞与の総額、標準賞与額、保険料率、控除の内訳を、明細書で一緒に確認します。計算方法が分かれば、多くの疑問は解消します。誤りが見つかった場合は、顧問先の担当者が、給与ソフトの設定や、料率の更新状況を確認します。

「退職時の賞与は社会保険料がかからないのか」という質問には、末日より前に退職すれば、賞与を支給した月の社会保険料はかからず、月末に退職すれば、かかる、と答えます。「同じ月に2回賞与が支給されたら」には、合算して1回として扱うと答えます。「賞与の手取りを増やす方法は」という質問には、社会保険料は法令で決まっており、支払う側が恣意的に変えられるものではない、と答えます。

手取りを増やす目的で、賞与を月例給与に振り替える、賞与の回数を調整するといった相談が出ることがあります。これらは、報酬の設計や、将来の年金額、傷病手当金などの給付にも影響します。保険料を減らすことだけを目的にした提案は避け、全体への影響を説明します。判断は先生方が行います。

菅澤 菅澤
「保険料を減らしたい」という相談には、給付とのバランスまで一緒に説明するのが、社労士事務所の価値です。計算の部分は事務に任せ、説明に時間を使いたいです。

2-15. 賞与支給の負担を軽減する方法:アウトソーシングとチェックリストです

山崎 山崎
賞与の時期の負担を減らすには、作業の標準化と外部の活用があります。事務所の選択肢を整理します。

1つ目は、業務のアウトソーシングです。賞与計算や届出の作成を、外部の専門家やサービスに委託する方法があります。ただし、工程だけを外へ出しても、例外の説明、受け渡し、手直しは事務所に残る点に注意します。2つ目は、業務マニュアルの整備とチェックリストの活用です。顧問先ごとの賞与の有無、支給日、対象者の例外、届出の期限を、チェックリストにしておくと、担当者が変わっても同じ品質で処理できます。

3つ目は、電子申請や給与ソフトの機能の活用です。賞与の計算から届出データの作成までを、ソフトで連動させると、転記の手間が減ります。ただし、ソフトの設定の確認、料率の更新、例外の判断は、人が行う必要があります。ソフトを導入すれば作業が全てなくなる、というわけではありません。

事務所の人手が足りない場合は、繁忙期の作業を、外部に出す、AIに任せる、職員を増やす、といった選択肢を比較します。次章以降で、手作業の限界と、作業そのものを任せる道を整理します。

2-16. 所得税額の計算例と、略称・用語のそろえ方です

山崎 山崎
社内の手順書では、用語と略称をそろえ、計算手順を順番に書いておくと、職員ごとの差が出にくくなります。

用語のそろえ方から整理します。健康保険料率は「健保の料率」、厚生年金保険は「厚年」と略して書く事務所が多くあります。手順書の中で略称を使うなら、最初に正式名称との対応を書いておきます。賞与支給額(総額)、標準賞与額(1,000円未満切り捨て後)、課税対象額(社会保険料控除後の額)は、混同しやすい3つの金額です。計算の各段階で、どの金額を使っているかを明記します。

所得税額の計算例を、仮の数字で示します。賞与の支給額が50万円、本人負担の社会保険料等の合計が7万円と仮定すると、社会保険料控除後の金額は43万円です。前月の給与(社会保険料控除後)の額と扶養親族等の数から、算出率の表で仮に4.084%と求まったなら、所得税額は43万円に4.084%を掛け、1円未満を切り捨てた額です。これは考え方を示す仮の数字で、実際の算出率は、使う年分の表で確認します。

計算手順は、①賞与支給額を確認する、②標準賞与額を求め、社会保険料を計算する、③雇用保険料を賞与の総額から計算する、④社会保険料控除後の金額を出す、⑤前月の給与額と扶養親族等の数で算出率を調べる、⑥所得税額を求める、の順です。順番を固定することで、職員が変わっても同じ結果になります。

2-17. 保険料の双方負担と事業主のみ負担、おもなミスの防止策です

山崎 山崎
誰がどの保険料を負担するかの整理と、ミスが起きやすい場面の防止策を、事務所の標準にしておきます。

負担の整理は次のとおりです。健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料は、従業員と会社の双方が折半して負担します。雇用保険料は、従業員と会社の双方が、定められた割合で負担します。子ども・子育て拠出金(手当拠出金とも呼ばれることがあります)と労災保険料は、会社のみが負担します。会社が負担する法定福利費の見積もりでは、これらを合算して顧問先へ示します。

ミスが起きやすい場面と、対処方法・防止策を整理します。第一に、社会保険料の控除対象の洗い出し漏れです。休業者、退職者、70歳以上の従業員、介護保険の対象者を、支給前に一覧にします。第二に、資格喪失月に当たる従業員の賞与です。支給日と退職日を並べ、該当するかを確認します。第三に、賞与の支払届の期限です。支給後5日以内を、一覧の期限欄で管理します。第四に、雇用保険料の年度末の精算です。賞与の総額が、年度更新の賃金総額に含まれているかを確認します。

計算を正確に行うには、給与ソフトの設定の点検も欠かせません。クラウド型の給与ソフトでも、料率の更新、端数処理の設定、介護保険の対象判定は、事務所が確認する項目です。電子申請対応のソフトでも、届出の内容を人が最終確認する流れは変わりません。基本給連動型賞与のように、算式で支給額が決まる顧問先では、算式の元になる基本給の金額が正しいかも点検します。非常勤従業員やパートの賞与も、被保険者かどうかを確認して、控除対象かどうかを判断します。

✔️休業者・退職者・70歳以上・介護保険対象者の一覧を、支給前に作ります。
✔️資格喪失月に当たる従業員は、支給日と退職日を並べて確認します。
✔️支給後5日以内の届出期限を、一覧の期限欄で管理します。
✔️雇用保険料の年度末の精算に向けて、賞与の総額を年度更新の資料に反映します。
✔️給与ソフトの料率・端数処理・介護保険の判定を、更新時に点検します。

03 賞与の計算・届出を、職員の手作業だけで回す限界です

3-1. 賞与の時期は、顧問先の数だけ確認と届出が重なります

菅澤 菅澤
一件ずつは難しくなくても、時期が集中すると、確認する項目の多さが負担になります。

賞与の時期は、夏季は6月から7月、冬季は12月に集中します。顧問先ごとに、賞与の有無、支給日、対象者、年何回払いか、例外の有無を確認し、計算結果を確かめ、賞与支払届を作成し、期限までに提出します。同じ時期に、算定基礎届、年度更新、年末調整などの繁忙期の業務も重なります。

顧問先ごとのルールも違います。決算賞与がある顧問先、年4回以上の支給がある顧問先、育児休業中の従業員が多い顧問先、高年齢の従業員が多い顧問先では、確認の観点が変わります。担当者の記憶に頼る運用では、引き継ぎのときに、例外が抜け落ちます。

給与ソフトを入れ替えても、賞与額の集計、対象者の洗い出し、ソフトへの入力、届出の作成と突合という事務作業そのものは残ります。課題は知識の不足ではなく、繰り返し発生する事務作業の量です。

3-2. ソフトを替えなくても、作業そのものを任せる道があります

山崎 山崎
判断が必要な部分と、手順にできる事務作業を分ければ、任せる範囲が見えてきます。今のソフトを使ったまま検討できます。

賞与に当たるかどうかの判断、休業や退職の例外の判断、顧問先への助言、行政機関への届出の作成・提出は、先生方が担います。一方で、賞与額の資料の回収、対象者の一覧の整理、ソフトへの入力、計算結果の突合、不足資料の洗い出し、顧問先への一次連絡は、手順を決められる事務作業です。

AI社員AIKATAは、今の給与ソフト・勤怠システムを使って、職員がパソコンで行う事務作業を、AIと人の二重体制で受託します。ソフトの乗り換えを顧問先へ求める前に、賞与の計算の前工程からどこを任せられるかを整理する道があります。

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04 AI社員AIKATAが事務作業を回し、先生方が判断と承認を担います

4-1. AIに聞く効率化と、毎月の作業を回す自動化は違います

菅澤 菅澤
質問の答えが早く出ても、ファイルを探して入力する仕事が残れば職員の担当は変わりません。工程をまとめて任せることが次の段階です。

Claude Code/CodexなどのAIツールに、賞与の資料回収・集計・入力の式や確認項目の案を聞くことは効率化です。ただ、職員がその都度質問し、資料を選び、結果を転記する運用では、毎月の作業を起動する人が必要です。制度の説明をAIから得る場合も、法令や公的資料に照らして先生方が内容を確認します。

自動化で目指すのは、毎月発生する資料の回収・集計・入力・チェックを、一連の工程として回すことです。AI社員AIKATAはこの事務作業を受託し、顧問先ごとの締め日・支給日・手当などのルールを登録して処理します。顧問先から回収した賞与の支給資料や対象者の情報を、顧問先ごとのルールで集計し、給与ソフトへ入力して、確認待ちの状態まで進める流れを、一連の工程として処理します。仕組みの構築と運用は、事務所が自ら持ち続ける必要がありません。

次の図は、AI社員AIKATAが受託する事務作業と、事務所が保持する業務の分担を示します。個別の判断事項は、事務所が確認したルールを前提にします。法定の申請書や帳簿書類の作成、行政機関への提出手続きを、AI社員AIKATAが代行する図ではありません。

AI社員AIKATA:勤怠・資料回収の一次対応
→
AI社員AIKATA:集計・給与データの下準備
→
AI社員AIKATA:今のソフトへ入力・処理
→
AI社員AIKATA:人による品質チェック
→
事務所:判断・法定書類の作成・最終承認
これまで職員が行っていた事務作業AI社員AIKATAに任せた後事務所に残す役割
顧問先へ賞与の支給資料の提出状況を確認し、催促します。資料回収や一次対応を受託します。必要な資料と照会範囲を確認します。
賞与額・対象者・休業者・退職者の一覧を手で集計します。登録した顧問先ごとのルールに沿って、集計と突合の下準備を行います。例外的な事例の判断を行います。
給与ソフトに賞与額や控除項目を入力して、計算します。今のソフトを使い、画面操作を含めて自動化します。計算済みデータを最終確認・承認します。
出来上がった集計を見直します。AIの処理結果を人が品質チェックします。業務を受任する事務所として最終確認・承認します。
法定の書類作成や行政機関への手続きを行います。前段階の資料整理・下準備を担います。1号・2号業務そのものは先生方が行います。

4-2. 社労士法の線引きは、承認ボタンだけで済ませないことです

山崎 山崎
AI社員AIKATAへ渡すのは前段階の事務作業です。独占業務を任せ、事務所が承認だけ押すという分担にはしません。

社労士法上の1号業務に関わる申請書等の作成・行政機関への提出手続きの代行、2号業務に関わる労働社会保険諸法令に基づく帳簿書類の作成は、先生方が行います。AI社員AIKATAはこれらの独占業務を引き受けません。AI社員AIKATAが担うのは、給与計算、勤怠集計、必要書類の下準備、顧問先への資料回収や一次対応など、その前の事務作業です。

今回のテーマでは、賞与に当たるかどうかの判断、産休・育休や退職などの例外の判断、被保険者賞与支払届など行政機関への届出書類の作成・提出手続きを、AI社員AIKATAの受託対象と明確に分けます。受託するのは、資料の回収、一覧の整理、給与データの下準備までで、判断と提出は先生方の業務です。

日々の定型的な受託業務では、事務所の作業は原則として計算済みの給与データや作成済みの帳票の最終確認・承認です。ただし、独占業務の実施、顧問先のルール変更に伴う判断、例外的な法的検討までなくなるという意味ではありません。専門業務を保持しながら、その前の集計や転記を手放す分担です。

出典:全国社会保険労務士会連合会「社労士についてのよくある質問」独占業務の説明(2026年10月確認)。

05 増員・外注・自作では、繁忙期の事務作業は片づかない

4つのうち3つは、事務所の悩みを別の悩みに置き換えるだけです。ここで比較する目的は、賞与の資料回収・集計・入力を回す人・仕組みの管理まで、事務所が抱え続けずに済むかどうかです。特定の会社やソフトの品質を評価する比較ではありません。

選択肢よくある期待実際に行き詰まる所判定
①職員を増やします。担当者が増えれば処理できます。採用・教育が繁忙期に間に合わず、閑散期にも人件費と管理が残ります。✕
②従来型の外注・BPOを使います。入力工程を外へ出せます。工程だけの委託では、例外の説明・受渡し・手直しを事務所が持ち続けます。✕
③事務所でAIを自作します。繰り返す作業を自動化できます。ルールの言語化・検証・改修を行う人と仕組みが事務所に残ります。✕
④AI社員AIKATAに任せます。事務作業と仕組みの構築・運用を任せます。事務所は専門業務と最終確認・承認を担う分担にします。◎

5-1. 増員と工程単位の外注は、説明する仕事が残ります

菅澤 菅澤
賞与の資料回収・集計・入力の例外を説明できる職員が、採用面接や引き継ぎも担うと、繁忙期に使える時間がさらに減ってしまいます。

増員では、新しい職員に法令と顧問先固有の扱いを覚えてもらう時間が必要です。前任者の表を渡すだけでは、なぜその取扱いを使っているかが伝わりません。賞与の有無や支給回数、休業者・退職者の例外の扱いは、前任者の頭の中にあることが多く、引き継ぎの資料にも残りにくい部分です。繁忙期に処理を増やすための採用が、新人の確認と教育を担当する熟練職員の仕事を増やす構造になります。

従来型の工程単位の外注では、資料を整える、例外を説明する、返ってきた結果を確認する、手直しを依頼する仕事が事務所に残ります。入力先と集計元が違い、顧問先のルール変更のたびに仕様を伝え直すなら、外へ出した工程の周囲を事務所がつなぐ状態です。委託件数が増えても、この負担がなくなるわけではありません。

✔️①増員では、繁忙期までの採用と教育を事務所が担い、閑散期にも人件費が残ります。
✔️①増員では、担当顧問先を個人に割り振るほど、その人だけが知る例外が増えます。
✔️②外注では、渡す資料の準備と個別ルールの説明を事務所が繰り返します。
✔️②外注では、戻ったデータの整合確認や手直しの指示まで管理する必要があります。

5-2. AIの自作は、作った人しか直せない第二の属人化を生みます

山崎 山崎
動く仕組みを一度作ることと、顧問先の変更に合わせて運用し続けることは別の仕事です。後者を誰が担当するかまで考えます。

Claude Code/Codexなどを使う場合も、顧問先の締め日、手当、勤怠区分、資料の置き方を言語化する必要があります。法的判断が必要な取扱いと、機械的に処理する条件を区別しなければ、誤った前提をそのまま繰り返す仕組みになります。給与計算の担当者が、その検証と改修まで兼務すると別の管理業務を抱えます。

通常のケースだけでなく、契約変更、申請の取消し、資料不足、退職などの場面を想定して検証します。担当者が異動したときに、処理の根拠と直し方を説明できる状態でなければ、表計算の属人化がAIの仕組みの属人化へ移るだけです。事務所の悩みが「入力する人が足りない」から「直せる人がいない」へ変わります。

✔️③自作では、顧問先の例外を言語化し、判断の条件と計算の条件を区別する必要があります。
✔️③自作では、通常ケースだけでなく、取消し・契約変更・資料不足を含む検証の型が必要です。
✔️③自作では、作った人しか直せない仕組みになると、第二の属人化を抱えます。
菅澤 菅澤
増員・工程だけの外注・自作は、どれも人か仕組みを事務所が抱え続ける道です。AI社員AIKATAは、事務作業を回す仕組みの構築と運用まで引き受けます。

06 AI社員AIKATAは、今のソフトで事務作業を丸ごと受託します

6-1. 勤怠集計から給与計算、資料回収までをAIと人で担います

山崎 山崎
AI社員AIKATAは、質問に答えるだけのサービスではありません。職員の方がパソコンで行っている事務作業を、AIと人の二重体制で引き受けます。

AI社員AIKATAは、給与計算、勤怠の集計、入退社手続きの書類の下準備、算定基礎届や労働保険の年度更新の下準備、帳票の作成、顧問先への資料回収や一次対応などを受託する業務代行サービスです。法定の申請書や帳簿書類の作成・提出代行は受託範囲から外し、先生方が行います。

賞与の計算と届出を入口に考えるなら、まず資料の回収状況と対象者の一覧、給与ソフトへの入力につながる前工程を棚卸しします。どの回収と入力を任せ、どの判断と届出を事務所が行うかを明らかにすることで、賞与の対応だけを孤立した作業として抱えず、月次の給与処理や算定基礎、年度更新とのつながりで分担を整理できます。具体的な受託範囲は無料相談で確認します。

AI社員AIKATAは特定のソフトに限定しません。いま事務所が使っている給与ソフトや勤怠システムをそのまま使い、画面操作を含めて自動化します。顧問先へソフトの乗り換えを頼む必要がないため、事務所の改善のために、顧問先側の運用を一斉に入れ替えることを前提にしなくて済みます。

6-2. 個別ルールを残し、人が品質チェックしてから事務所へ戻します

山崎 山崎
担当者が変わってもルールが残るようにすることが大切です。AIの処理結果は人が確認し、最後は事務所が確認・承認します。

AI社員AIKATAは、顧問先ごとの締め日・支給日・手当などの個別ルールを仕組みに登録して処理します。職員の記憶の中にある取扱いを、その職員が休んだときにも残る形にする考え方です。AIの処理結果は人が品質チェックし、最終確認と承認は事務所が行います。判断の責任と事務処理の担当を混同しません。

日々の受託した定型事務では、事務所の作業は原則として計算済み給与データや作成済み帳票の承認です。ここでいう帳票は、社労士法の独占業務に当たる帳簿書類の作成をAI社員AIKATAへ移す意味ではありません。先生方の法定業務は保持し、そのための基礎資料を整える事務を任せます。

AI社員AIKATAはNDAを結び、給与・人事データの受け渡しと保管のルールを事務所の規程に合わせて決めます。相談時には、事務所で定めている保存先や受渡し方法を確認し、委託する資料の範囲を整理します。

6-3. 繁忙期の処理量を増やすために、採用と教育を重ねる必要がありません

菅澤 菅澤
算定基礎・年度更新・年末調整の時期にも、受託する事務作業の処理量を増やせます。事務所がAIの構築担当者を採用する必要もありません。

AI社員AIKATAは、仕組みの構築と運用を行います。事務所にAIの知識は要りません。繁忙期にも人を採用・教育せずに処理量を増やせるため、事務作業のための増員と教育を繰り返す運営から切り替えられます。料金は月額の定額で、業務量が増えても変わりません。

無料相談は60分のオンラインで、Google Meetを使い全国に対応します。業務を棚卸しし、どこまで任せられるかを整理します。契約の義務はありません。所長だけで作業の細部を思い出そうとするより、実際に回収・入力・確認をしている職員の方の状況を整理すると、対象業務を具体化しやすくなります。

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07 残る道は「作業そのものを任せる」だけです

賞与の社会保険料の計算と届出を正しく運用するには、事務所の専門性が欠かせません。その専門性を資料探しや転記に使い続けないために、ここでは「事務作業を回す負担を手放す」という目的で3つの道を比較します。記号はこの目的に対する整理であり、製品の性能や法的適合性の優劣を表すものではありません。

比較する項目手作業のままソフトの追加・乗り換えAI社員AIKATAに任せます
繁忙期の負荷✕ 職員の回収・入力・照合が増えます。△ ソフト間の準備や確認を事務所が担います。◎ 採用・教育をせずに受託事務の処理量を増やせます。
顧問先ごとのルール✕ 担当者の記憶と個別のメモに残ります。△ 設定と更新を事務所が管理します。◎ 個別ルールを登録し、担当者が変わっても残ります。
顧問先への負担△ 不足資料の照会が繰り返されます。△ 新しい操作や受渡しの調整が必要です。◎ 顧問先にソフトの乗り換えを頼む必要がありません。
職員の採用・教育✕ 処理を増やす人の確保を抱えます。△ 運用する職員の教育が残ります。◎ 構築・運用を任せ、AIの知識は不要です。
社労士法の線引き○ 先生方が専門業務を行います。○ 先生方が専門業務を行います。◎ 前段階の事務を受託し、1号・2号業務は先生方が行います。

7-1. AI社員AIKATAが選ばれる5つの理由

菅澤 菅澤
今のソフトと顧問先のルールを使いながら、事務作業を引き受ける点が理由です。先生方が担う専門業務を残したまま分担できます。
✔️今のソフトのまま:給与ソフト・勤怠システムをそのまま使い、画面操作も含めて自動化します。
✔️顧問先ごとのルールが残ります:締め日・支給日・手当を登録し、担当者が変わっても引き継げます。
✔️事務所は原則として承認だけです:受託した定型事務の結果を人が品質チェックし、事務所が最終確認・承認します。独占業務は先生方が行います。
✔️繁忙期も人を増やさず、月額の定額です:採用・教育をせず処理量を増やせ、業務量が増えても料金は変わりません。
✔️AIの知識は不要で、社労士法の線引きが明確です:構築・運用はAI社員AIKATAが担い、1号・2号業務を受託しません。

増員・外注・自作・乗り換えは、どれも事務所が人か仕組みを抱え続けます。作業を手放せる道はAI社員AIKATAに任せることだけです。ここで手放す対象は、委託する集計・入力などの事務作業です。法的判断、独占業務、最終確認・承認は先生方が担います。

菅澤 菅澤
資料の回収と集計から始めると、その結果を使う給与計算や、届出、年度更新の下準備まで、仕事のつながりが見えてきます。次の繁忙期までに、どの事務を任せるか整理しましょう。

08 次の繁忙期を、職員を増やさずに越える準備を始めませんか

8-1. 賞与の資料回収と集計から、どの作業を任せられるか決めます

山崎 山崎
無料相談では、いまの賞与資料の集め方と給与ソフトへの入力までの流れを伺い、どの作業から任せられるかをその場で整理します。先生方が行う判断や書類作成も切り分けます。

人を増やす・ソフトを替えると決める前に、AI社員AIKATAの社労士事務所向け無料相談で、毎年繰り返す作業を棚卸ししてください。「賞与資料の回収の催促に時間がかかる」「対象者の例外を一覧で追っている」「繁忙期に確認待ちがたまる」といった工程から、どの作業を任せられるかを具体的に整理します。

事務所で使うソフト、顧問先ごとの賞与のルール、職員が毎月行う作業、先生方の承認の流れを確認すれば、最初に任せる業務と事務所に残す専門業務を話し合えます。相談は60分、Google Meetによるオンラインで全国に対応し、契約の義務はありません。給与・人事データの受け渡しと保管は、NDAと事務所の規程に合わせてルールを決めます。

職員を増やす・外注する・AIを自作する・ソフトを替える——どの道を選んでも、集計・入力・確認の作業か、それを回す人と仕組みが事務所に残り続けます。

AI社員AIKATAなら、いまお使いの給与ソフト・手続きソフトはそのまま、顧問先ごとのルールも登録して処理し、事務所に残るのは仕上がりの確認と承認だけです。どの業務から任せられるかは、無料相談(60分・オンライン)でその場で整理します。

NEXT STEP

事務所の定型業務を、
AI社員に任せてみませんか?

AI社員AIKATA — 社労士事務所の給与計算・手続きの下準備を丸ごと代行

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よくある質問

Q. 賞与にも社会保険料はかかりますか?

山崎 山崎
賞与の保険料は、給与とは別の計算です。

A. かかります。健康保険料・介護保険料(40歳以上65歳未満)・厚生年金保険料は標準賞与額を基に、雇用保険料は賞与の総額を基に計算します。事業主と被保険者が折半で負担する保険料は、賞与を支給するときに被保険者負担分を控除できます。

Q. 標準賞与額とは何ですか?

山崎 山崎
上限は健康保険と厚生年金で違います。

A. 賞与の総支給額(税引き前)から1,000円未満を切り捨てた額です。健康保険は年度累計573万円、厚生年金保険は1か月150万円が上限です。同じ月に2回以上支給した場合は合算して上限を判定します。

Q. 賞与支払届はいつまでに出しますか?

山崎 山崎
期限が短いので、支給日の確認を先に行います。

A. 賞与を支払った日から5日以内に、事務センターまたは管轄の年金事務所に提出します。対象は年3回以下の賞与で、年4回以上の支給は標準報酬月額の対象になるため、賞与支払届は不要です。

Q. 育児休業中や産前産後休業中の従業員の賞与はどうなりますか?

山崎 山崎
休業の期間が1か月を超えるかを確認します。

A. 育児休業中の賞与は、2022年10月1日以後に開始した休業の場合、賞与月の末日を含む連続した1か月を超えて休業したときに、保険料が免除されます。産前産後休業中も免除の対象です。免除には事業主を経由した届出が必要です。

Q. 退職する従業員に賞与を支給した場合、社会保険料はかかりますか?

山崎 山崎
月末退職か月中退職かで分かれます。

A. 月の末日に退職した場合は、資格喪失日が翌月1日になるため、賞与を支給した月の社会保険料がかかります。末日より前に退職した場合は、賞与を支給した月に資格を喪失しているため、社会保険料はかかりません。雇用保険料は取扱いが異なります。

Q. 賞与から引かれる所得税は、どう計算しますか?

山崎 山崎
社会保険料を引いた後の金額で計算します。

A. 賞与の総額から社会保険料等を引いた金額に、「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」の税率を掛けて求めます。税率は、前月の給与の金額と扶養親族等の数で決まります。例外的な計算方法もあるため、使う年分の表を確認します。

Q. 社労士法上、AIに任せて問題ないですか?

山崎 山崎
専門業務を保持して、その前段階の事務を任せます。

A. 業務の線引きが前提です。AI社員AIKATAは、給与計算・勤怠集計・資料回収の一次対応・書類の下準備などを担い、1号・2号業務である申請書等や法定帳簿書類の作成、行政機関への提出代行は引き受けません。最終確認・承認は先生方が行います。

Q. 今のソフトのままで使えますか?

山崎 山崎
いまの業務を起点に分担を検討できます。

A. AI社員AIKATAは特定のソフトに限定せず、今の給与ソフト・勤怠システムを使って画面操作を含めて自動化します。顧問先へソフトの乗り換えを頼む必要はありません。どの資料回収・集計・入力から任せられるかは、無料相談で実際の業務を確認して整理します。

Q. 事務所にAIの知識がなくても相談できますか?

山崎 山崎
まず毎月の回収・入力・確認の流れを整理します。

A. 相談できます。AI社員AIKATAが仕組みの構築・運用を行うため、事務所にAIの知識は要りません。無料相談は60分のオンラインで全国に対応します。業務の棚卸しと受託範囲を整理し、契約の義務はありません。

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監修 最終更新日: 2026年10月23日
菅澤孝平
菅澤 孝平 株式会社GENAI 代表取締役
  • AI業務自動化サービス「AI鬼管理」を運営 — Claude Code を活用し、経営者の業務を「AIエージェントに任せる仕組み」へ転換するパーソナルトレーニングを 伴走構築 で提供。日報・採用・問い合わせ対応・経費精算・議事録・データ集計・営業リスト等の定型業務を、AIに代行させる体制を経営者と一緒に作り込む
  • Claude Code 実装ノウハウを 経営者・法人クライアント に直接指導。生成AIを「便利ツール」ではなく 「業務を任せる存在」 として運用する手法を体系化
  • 「やらせ切る管理」メソッドの開発者。シンゲキ株式会社(2021年設立・鬼管理専門塾運営)にて累計3,000名以上の学習者を志望校合格に導いた管理メソッドを、AI × 経営者支援 に転用
  • 著書『3カ月で志望大学に合格できる鬼管理』(幻冬舎)、『親の過干渉こそ、最強の大学受験対策である。』(講談社)
  • メディア出演: REAL VALUE / カンニング竹山のイチバン研究所 / ええじゃないかBiz 他
  • 明治大学政治経済学部卒
現在は AI鬼管理(Claude Code活用の伴走型パーソナルトレーニング)を主事業とし、経営者と二人三脚で「AIに業務を任せる仕組み」を実装。「実行を強制する環境」を AI で構築する手法を、自社の実運用知見をもとに発信している。