【2026年10月最新】年末調整の控除一覧|社労士事務所の申告書・確認手順とAI社員AIKATAへの任せ方
年末調整の控除は、本人・家族の状況に応じる控除と、保険料などの支払に応じる控除を分けると整理できます。基礎控除、配偶者控除、扶養控除だけでなく、特定親族特別控除や各種保険料控除も確認対象です。一方、医療費控除・雑損控除・寄附金控除は年末調整で適用するものではありません。住宅ローン控除は原則として初年の確定申告と、その後の年末調整を分けて扱います。
社労士事務所で大切なのは、控除名を覚えることだけではありません。顧問先ごとに対象者を確定し、当年の申告書と証明書を集め、判断が必要な案件を分け、給与データへ反映するまでの道筋をそろえることです。同じ「未完了」でも、本人の回答待ちと税務判断待ちでは、次に動く人が違います。
本記事は、2026年10月27日時点で公表されている国税庁の令和8年分資料を基に、社労士事務所の所長・管理者・職員の方が使う確認の順序を整理します。令和8年度改正の基礎控除等は原則として2026年12月1日施行です。改正前の月次源泉徴収と、12月に行う年末調整を混同せず、対象年分と処理日を確認してください。
以下は制度の一般的な整理と、資料回収・集計・転記の運用例です。社労士資格だけで税務代理・税務書類の作成・税務相談を受託できるという意味ではありません。顧問先本人が行う処理と税理士等が担う業務を先に定め、事務所やAI社員AIKATAが個別の控除適用を独自に判断する運用にはしません。
01 DEDUCTION MAP 年末調整の控除一覧と、2026年分で最初に確認すること 所得控除・税額控除・給与所得控除の違いを整理します
1-1. 所得控除と税額控除は、差し引く場所が違います
所得控除は、税率を適用する前の所得から差し引く仕組みです。税額控除は、計算した税額から差し引く仕組みです。したがって、生命保険料控除の額が増えたからといって、その額がそのまま給与へ還付されるわけではありません。年末調整では、年税額とすでに源泉徴収した税額を比較して過不足を精算します。
📚 用語解説
所得控除:本人や家族の状況、保険料などの支払を踏まえて所得から差し引く仕組みです。支払った額の全額を使うものと、計算式や限度額があるものを区別します。
📚 用語解説
税額控除:算出した税額から直接差し引く仕組みです。年末調整に関係する代表例が住宅借入金等特別控除です。所得控除と同じ欄へ合算しません。
給与所得控除は、給与収入から給与所得を求める段階の控除です。基礎控除などの所得控除とは処理の位置が異なります。職員の方が入力前の資料を整える際には、「収入」「所得」「所得控除」「税額」「還付・追加徴収」の欄を分けてください。似た見出しを一列に集めると、配偶者の給与収入を合計所得金額の欄に入れるような誤りが起きやすくなります。
図は計算段階の概略です。実際には対象年分の給与所得の計算表、端数処理、復興特別所得税などを含めて確認します。社労士事務所は顧問先・税理士等が確定した条件を受け取って資料を整え、計算結果だけを見て控除の適否を決めない運用にします。
出典:国税庁「年末調整のしかた」。令和8年分の説明として2026年10月27日に確認しています。
1-2. 令和8年分の改正は、前年の早見表をそのまま使わず確認します
国税庁は、令和8年度税制改正による基礎控除、給与所得控除の最低保障額、扶養親族等の所得要件の変更を案内しています。原則として令和8年12月1日施行、令和8年分以後の所得税に適用され、令和8年11月までの源泉徴収事務には変更が生じないとしています。改正後の年間控除額を、秋の月次給与の税額へ独自に当てはめることは避けます。
以下の実務説明は、主として国内居住者の令和8年12月の年末調整を想定しています。死亡・出国などに伴って施行日前に年末調整を行うケースや、非居住者の控除は同じ扱いにしません。顧問先の対象者一覧に処理区分を設け、通常の年末処理と混ぜず、税理士等へ確認する対象を明らかにします。
出典:国税庁「令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等について」(2026年10月27日確認)。
| 確認する変更点 | 令和8年分の確認内容 | 事務所の作業への影響 |
|---|---|---|
| 基礎控除 | 本人の合計所得金額に応じて控除額を確認します | 給与以外の所得見積りを含む回答が必要です |
| 給与所得控除 | 令和8年分・令和9年分の表を確認します | 前年の換算式や給与ソフトの年分設定を見直します |
| 扶養親族等の所得要件 | 改正後の基準と適用時期を確認します | 前年に対象外だった親族も当年の回答で整理します |
| 生命保険料控除 | 23歳未満の扶養親族がいる場合の特例を確認します | 証明書だけでなく、扶養親族の情報も必要です |
1-3. 控除一覧は、申告書と確認資料を一緒に見ます
| 控除の種類 | 主な確認材料 | 事務所が見落としやすい点 |
|---|---|---|
| 基礎控除 | 本人の合計所得金額の見積り | 給与以外の所得や申告書の提出漏れ |
| 配偶者控除・配偶者特別控除 | 本人と配偶者それぞれの所得 | 収入と所得の取り違え、双方の所得区分 |
| 扶養控除・特定親族特別控除 | 親族の年齢・所得・生計関係 | 同一親族の重複、所得増加による区分変更 |
| 障害者控除 | 本人・対象親族の該当状況 | 扶養控除の対象年齢と別の確認が必要です |
| ひとり親控除・寡婦控除 | 本人の所得、家族・婚姻の状況 | 名称だけで選ばず、それぞれの要件を確認します |
| 勤労学生控除 | 本人の在学状況と所得 | 親が受ける扶養控除と別の制度です |
| 生命保険料控除・地震保険料控除 | 控除証明書、保険料控除申告書 | 新旧契約、支払者、対象年分、限度額 |
| 社会保険料控除 | 給与控除の実績と本人の支払資料 | 給与から控除済みの額を再度加算しません |
| 小規模企業共済等掛金控除 | 本人の掛金と証明書 | 事業主負担分や家族分を混ぜません |
| 住宅借入金等特別控除 | 住宅関係の申告書・必要資料 | 所得控除ではなく税額控除です |
表は制度の分類と資料整理のための一覧です。「配偶者控除と配偶者特別控除」などを一つにまとめて数えるかによって、紹介資料の控除の種類数は変わります。種類数を暗記するより、控除名と当年の申告欄を一つずつ対応させる方が実務には有効です。次章では、年末調整で扱う所得控除を個別に確認します。
02 PRACTICAL CHECKS 各控除の条件・控除額・証明書を社労士事務所で整理する方法 公式の限度額と、顧問先への確認事項をつなぎます
2-1. 基礎控除は、本人の合計所得金額を確認します
令和8年分の基礎控除は、居住者で合計所得金額が489万円以下の場合は104万円、489万円超655万円以下の場合は67万円、655万円超2,350万円以下の場合は62万円です。さらに所得が高い区分では控除額が段階的に変わり、2,500万円超の場合は適用がありません。全員に最大額を入力するのではなく、国税庁の当年分の表へ照合します。
ここで使う合計所得金額は、顧問先が支払った給与額そのものではありません。副業や公的年金など、本人から申告を受けなければ把握できない所得があります。事務所の回収表では「本人回答済み」「給与資料との照合済み」「税理士等への照会あり」を分け、空欄を自動的に所得なしへ置き換えないようにします。
基礎控除申告書の提出も必要です。独身で扶養親族がいない方でも、年末調整の書類がすべて不要になるわけではありません。提出対象者名簿から基礎控除申告書の回収状況を確認し、家族情報の回収表だけで完了判定をしないことが大切です。
出典:国税庁「基礎控除」。令和8年分の説明として2026年10月27日に確認しています。
📚 用語解説
合計所得金額:控除の判定に使う所得金額です。給与収入と同じ意味ではなく、給与以外の所得を含めた確認が必要になる場合があります。申告書の案内に従って見積りを集め、個別の算定判断は税理士等へ確認します。
2-2. 配偶者控除・配偶者特別控除は、本人と配偶者の二つの所得を見ます
令和8年12月の年末調整で用いる配偶者控除の所得要件は、配偶者の合計所得金額62万円以下です。給与だけの場合の収入基準は136万円以下と国税庁が案内しています。本人の合計所得金額が1,000万円を超えると配偶者控除を受けられません。民法上の配偶者であること、生計を一にすること、事業専従者に関する条件も確認します。
配偶者控除の額は本人の所得区分と配偶者の年齢で変わります。例えば本人の合計所得金額が900万円以下で、一般の控除対象配偶者に該当すれば38万円、老人控除対象配偶者に該当すれば48万円です。本人の所得が上がる区分では控除額も変わるため、前年と同じ額を残す扱いにしません。
配偶者の合計所得金額が62万円を超えても、133万円以下で他の要件を満たせば、配偶者特別控除の確認対象になります。控除額は本人と配偶者の所得区分に応じて決まります。配偶者控除の対象から外れた時点で「控除なし」と確定せず、どちらの申告欄で確認するかを切り替えます。夫婦が互いに配偶者特別控除を受けることもできません。
事務所で作る照会メモには、配偶者の給与収入、給与以外の所得の有無、集計に使った期間、見積りの更新日を残します。「扶養内です」という回答だけでは税務上の要件を確認できません。社会保険の被扶養者認定と所得税の配偶者控除は別制度なので、社会保険の登録があることを根拠に税の控除を適用しないようにします。
出典:国税庁「配偶者控除」。令和8年分の説明として2026年10月27日に確認しています。
出典:国税庁「配偶者特別控除」。令和8年分の説明として2026年10月27日に確認しています。
2-3. 扶養控除は、年齢・所得・生計関係と重複を確認します
扶養控除は、配偶者以外の親族等で、生計を一にすることなどの要件を満たす人について確認します。国内居住者の一般的なケースでは、控除対象扶養親族の年齢はその年12月31日現在で16歳以上です。令和8年分の改正後の所得要件は合計所得金額62万円以下です。年の途中の就職やアルバイト収入の増減がある場合は、年初の申告から変更がないか確認します。
控除額は一般の控除対象扶養親族が38万円、19歳以上23歳未満の特定扶養親族が63万円です。70歳以上の老人扶養親族は同居老親等以外が48万円、同居老親等が58万円となります。「高齢の親と住所が同じ」だけでなく、直系尊属であることや普段の同居状況などを確認します。病気治療による長期入院と、老人ホームへの入所では同居の取扱いが異なる点も確認対象です。
親族の範囲は子どもだけに限定されません。国税庁は配偶者以外の6親等内の血族・3親等内の姻族などを案内しています。ただし、関係が該当するだけで控除が決まるわけではなく、生計関係、所得、事業専従者の条件、他の所得者との重複を整理します。国外居住親族では年齢区分等により追加の条件があるため、国内の親族と同じ確認欄だけで完了させません。
職員の方は「親族一人につき一行」の資料整理表を作ると、家族単位の回答と給与ソフトの登録を対応させやすくなります。氏名だけに頼らず続柄・生年月日を確認し、どの所得者の申告で扱うかを明確にします。単に人数を集計する方法では、親族の入れ替わりや区分変更を見落とします。
出典:国税庁「扶養控除」。令和8年分の説明として2026年10月27日に確認しています。
2-4. 特定親族特別控除は、扶養控除と別の申告欄で確認します
特定親族特別控除は、生計を一にする19歳以上23歳未満の親族等で、控除対象扶養親族に該当しない人について確認する制度です。配偶者は対象に含みません。令和8年分の改正後は、合計所得金額62万円超123万円以下の区分で、所得に応じた控除額を確認します。扶養控除と重ねて同じ親族へ適用する制度ではありません。
国税庁の令和8年分の表では、特定親族の合計所得金額が62万円超85万円以下の区分の控除額は63万円です。その上の所得区分では段階的に減り、120万円超123万円以下の区分は3万円となります。給与収入の目安だけを独自に丸めず、当年の給与所得の計算表と所得区分を使って照合します。
事務所の回収では、親族の生年月日、給与等の年間見積り、給与以外の所得、他の所得者の申告との関係を確認します。本人が「子は扶養を外れた」とだけ回答すると、この申告が抜ける可能性があります。国税庁の様式にある特定親族特別控除申告書の欄を案内し、前年の扶養控除等申告書のコピーだけで完了にしません。
出典:国税庁「特定親族特別控除」。令和8年分の説明として2026年10月27日に確認しています。
2-5. 生命保険料控除は、新旧契約と23歳未満の扶養親族の特例を確認します
生命保険料控除は、一般の生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料を分けて計算します。平成24年1月1日以後の新契約と、平成23年12月31日以前の旧契約では計算式が異なります。控除証明書の契約区分、保険料の区分、対象年、受取人、支払者を確認し、証明書に書かれた支払額をそのまま控除額へ転記しないようにします。
通常の新契約では各区分の控除額は最高4万円です。旧契約は一般生命保険料と個人年金保険料でそれぞれ最高5万円となります。生命保険料控除全体の合計限度額は12万円です。新旧の両方がある場合には、単純に各上限を足すのではなく、旧契約のみで計算する場合との関係を含め、公式の計算方法を確認します。
令和8年分は、23歳未満の扶養親族がいる場合、新契約の一般生命保険料について控除の上限が6万円となる特例の確認が必要です。介護医療保険料や個人年金保険料まで同じ上限に変更するものではなく、全体の合計限度額12万円も変わりません。年齢だけではなく扶養親族の所得要件もあるため、保険料控除申告書の該当欄と親族情報を確認します。
| 計算を確かめる仮定例 | 公式の計算式による結果 | 照合する点 |
|---|---|---|
| 通常の新契約で対象保険料が30,000円 | 30,000円×1/2+10,000円=25,000円 | 特例の適用がない区分の例です |
| 旧契約で対象保険料が60,000円 | 60,000円×1/4+25,000円=40,000円 | 同じ支払額でも新旧で式が異なります |
| 23歳未満の扶養親族の特例が適用される新生命保険料が90,000円 | 90,000円×1/4+30,000円=52,500円 | 特例の要件と契約区分を先に確認します |
上表は令和8年分の公式計算式を使った独自の仮定例です。剰余金や割戻金などがある場合は対象保険料の扱いも確認します。証明書の額、申告した額、ソフトへ入力した額を別々に追えるようにし、試算結果を見てから逆算で資料を整えることはしません。
出典:国税庁「生命保険料控除」。令和8年分の説明として2026年10月27日に確認しています。
保険料申告書の回収と照合を詳しく確認する際は、社労士事務所向けの年末調整・保険料控除の整理も併せてご覧ください。保険証明書の確認を一つの作業として独立させると、家族情報の照会と混在しにくくなります。
📚 用語解説
控除証明書:控除対象となる支払や契約区分を確認する資料です。受領しただけで入力完了にはせず、対象年分、申告した本人、申告書の記載との一致を確認します。
2-6. 地震保険料控除は、旧長期損害保険料との関係を整理します
地震保険料控除は、地震等損害部分の保険料等を支払った場合に確認する控除です。令和8年分の所得税では、地震保険料について最高5万円です。一定の旧長期損害保険料は最高1万5,000円となり、両方がある場合の合計限度額は5万円です。火災保険などの契約全体の支払額を入力するとは限りません。
旧長期損害保険料の経過措置では、平成18年末までの契約であることに加え、保険期間の始期、満期返戻金、契約期間、契約変更の有無などの条件があります。古い契約であればすべて対象になるわけではありません。一つの契約に基づく保険料が地震保険料と旧長期損害保険料の両方に該当する場合は、いずれか一方を選択する取扱いも確認します。
例えば、旧長期損害保険料の対象となる年間支払額を16,000円と仮定すると、公式の該当区分の式では16,000円×1/2+5,000円で13,000円です。地震保険料の区分へ同じ式を流用しません。資料整理表では契約番号等で同一契約かどうかを照合し、証明書の枚数をそのまま契約数とみなさないようにします。
出典:国税庁「地震保険料控除」。令和8年分の説明として2026年10月27日に確認しています。
2-7. 社会保険料控除は、給与控除分と本人申告分を分けます
社会保険料控除は、本人または生計を一にする配偶者その他の親族の負担すべき保険料を本人が支払った場合に確認します。健康保険、厚生年金保険、国民年金、国民健康保険、介護保険、雇用保険などが対象に含まれ、控除額はその年に実際に支払った額や給与・公的年金から差し引かれた額です。
事務所の給与データには、給与や賞与から控除した社会保険料が既に含まれている場合があります。同じ金額を保険料控除申告書の申告分として加えると二重になります。中途入社の方は前職分も関係するため、資料の集計範囲を明示し、前職の源泉徴収票の額と当事務所で計算した額の重複を確認します。
家族分を申告する場合は、誰が実際に支払ったかが重要です。家族の公的年金から特別徴収されている保険料を、別の家族が自分の支払額として扱うことはできません。国税庁「No.1130 社会保険料控除」は、国民年金基金の加入員として負担する掛金を社会保険料控除の対象に含め、国民年金保険料と国民年金基金の掛金について証明書類の添付・提示等を案内しています。国民年金基金と、次節で扱うiDeCoの個人型年金加入者掛金(小規模企業共済等掛金控除)は別の区分です。未納の額や請求された額を、支払済みの額と同一視しないようにします。
国外の社会保障制度の保険料などには、年末調整で扱えない取扱いもあります。海外勤務者の資料が混ざった場合は、国内保険料と同じ欄へ機械的に合算せず、顧問先・税理士等へ確認する案件として分けます。一般的な控除一覧の「全額」という表示を、あらゆる支払に適用できるという意味に広げないことが必要です。
出典:国税庁「社会保険料控除」。令和8年分の説明として2026年10月27日に確認しています。
2-8. 小規模企業共済等掛金控除は、本人の掛金と証明書を照合します
小規模企業共済等掛金控除の対象には、一定の小規模企業共済の掛金、企業型年金加入者掛金、個人型年金加入者掛金、地方公共団体が実施する一定の心身障害者扶養共済制度の掛金があります。iDeCoの掛金もこの区分で整理します。控除できるのは、その年に支払った対象掛金の全額です。
「全額控除」を、加入制度の拠出限度額がないという意味で説明してはいけません。控除の計算と各制度の掛金ルールは別です。また、企業型年金については事業主掛金と加入者掛金を区別し、会社が負担したものをそのまま従業員本人の控除へ移さないようにします。
社会保険料控除の家族分と同じ感覚で、配偶者の掛金まで本人の欄に入れないことも確認点です。本人が直接支払った対象掛金の証明書を回収し、給与から差し引いた額がある場合は月次データとの重複を照合します。顧問先の役員分だけ別ファイルで届く場合も、従業員分と同じ受付番号の体系で管理すると回収漏れを減らせます。
出典:国税庁「小規模企業共済等掛金控除」。令和8年分の説明として2026年10月27日に確認しています。
2-9. 障害者控除は、扶養控除と年齢条件を混同しません
障害者控除は、本人、同一生計配偶者、扶養親族が所得税法上の障害者に該当する場合に確認します。控除額は障害者27万円、特別障害者40万円、同居特別障害者75万円です。同居特別障害者の区分は、特別障害者である同一生計配偶者や扶養親族との同居状況等によって確認するもので、本人が特別障害者であるというだけで75万円にはなりません。
扶養控除が適用されない16歳未満の扶養親族でも、障害者控除の対象となる場合があります。また、障害者手帳だけでなく、市町村長等による認定など、国税庁が示す対象範囲の確認が必要なケースがあります。職員の方が介護の程度や病名から区分を推測するのではなく、必要な事実と資料をそろえて税理士等へつなぎます。
障害に関する情報は、業務上必要な担当者に限って扱う運用にします。顧問先全員へ配る進捗表に詳細な事情を書かず、進捗表は照会中か確認済みかの管理に使い、根拠資料は定めた保管先で管理します。誰が確認を終えたかを残すことで、別の職員が同じ事情を繰り返し聞くことも避けやすくなります。
出典:国税庁「障害者控除」。令和8年分の説明として2026年10月27日に確認しています。
2-10. ひとり親控除と寡婦控除は、それぞれの要件を確認します
令和8年分のひとり親控除は35万円です。本人の合計所得金額が500万円以下であること、生計を一にする一定の子がいること、事実上の婚姻関係と同様の事情にある一定の人がいないことなどを確認します。婚姻歴や性別だけで対象を限定するものではありません。改正後の子の総所得金額等の要件は62万円以下で、他の人の同一生計配偶者や扶養親族になっていないことも確認します。
寡婦控除は27万円です。ひとり親に該当しないことに加え、夫との離婚後か死別後等かによって、扶養親族の要否が異なります。本人の合計所得金額500万円以下や、事実上の婚姻関係に関する条件も確認します。離婚の事実だけで適用を決めたり、ひとり親控除と重ねて入力したりしないようにします。
前年の資料に「寡夫控除」などの古い区分名が残っていても、その名称を現在の控除欄に機械的に移しません。当年の公式様式で扱うひとり親控除・寡婦控除の該当関係を整理します。回収担当者は、変更の有無と確認先を記録し、個別の税務判断が必要なときは税理士等へ確認する流れを守ります。
出典:国税庁「ひとり親控除」。令和8年分の説明として2026年10月27日に確認しています。
出典:国税庁「寡婦控除」。令和8年分の説明として2026年10月27日に確認しています。
2-11. 勤労学生控除は、学生本人の控除です
勤労学生控除は、本人に勤労による所得があり、一定の所得要件を満たし、特定の学校の学生・生徒である場合に確認する制度です。控除額は27万円です。令和8年分の改正後は、合計所得金額89万円以下、かつ勤労による所得以外の所得が10万円以下であることが要件となります。
勤労による所得以外を、単純に「給与以外」と読み替えないことにも注意します。本人の所得の種類に応じた確認が必要です。学校の区分によって証明書の添付・提示が必要な場合があり、学生証を受け取ったことだけで、すべての確認を終えたことにしません。不明な学校区分は本人から学校の窓口へ確認してもらう方法も国税庁が案内しています。
事務所では、学生本人が提出する扶養控除等申告書の勤労学生欄と、親が申告する扶養控除・特定親族特別控除を混同しないようにします。本人が勤労学生控除を受けることと、親がその子について扶養控除を受けられることは同じ判定ではありません。顧問先から「学生だから扶養」とだけ伝えられた場合も、各制度の確認資料へ戻ります。
出典:国税庁「勤労学生控除」。令和8年分の説明として2026年10月27日に確認しています。
03 DOCUMENT WORKFLOW 申告書・期限・対象外の控除を、顧問先ごとの進行表へ落とし込みます 回収から修正まで、途中で止まった理由が分かる形にします
3-1. 扶養控除等申告書と、基礎控除等の兼用申告書を分けて管理します
給与所得者の扶養控除等(異動)申告書は、扶養親族などがいない人も提出する書類です。原則としてその年最初の給与の支払を受ける日の前日までに、主たる給与の支払者へ提出します。年末には当年分の異動を確認しますが、翌年分の準備も並行するため、当年分と翌年分を取り違えないようにします。
基礎控除、配偶者控除等、特定親族特別控除、所得金額調整控除は、兼用様式のそれぞれの欄を確認します。正式名称は「給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 給与所得者の特定親族特別控除申告書 兼 所得金額調整控除申告書」です。提出済みでも、適用を受ける欄に記載がなければ確認が必要です。
所得金額調整控除は、基礎控除と同じ所得控除の欄へ合算するのではなく、給与所得の金額を計算する際の調整です。令和8年分の国税庁の案内では、給与収入が850万円を超え、本人が特別障害者、23歳未満の扶養親族がいる、または特別障害者である同一生計配偶者・扶養親族がいるなどの場合が年末調整での確認対象です。親族の重複に関する扱いも扶養控除と同一とは限らず、各欄の記載要領に従います。
| 管理する単位 | 確認項目の例 | 完了の判断 |
|---|---|---|
| 対象者名簿 | 当年の在籍・給与支払・年末調整の対象区分 | 顧問先と対象範囲を確認しています |
| 扶養控除等(異動)申告書 | 対象年分、本人、親族情報、異動の有無 | 当年分の変更が確認できています |
| 基礎控除等の兼用申告書 | 本人・配偶者・特定親族の所得見積り、該当欄 | 必要な欄が埋まり、判断待ちが分かれています |
| 保険料控除申告書 | 保険区分、支払額、証明書、親族の特例欄 | 申告内容と資料の対応が取れています |
| 住宅関係資料 | 初年か継続か、当年の申告書、必要な残高資料 | 方式に応じた必要資料を確認しています |
出典:国税庁「給与所得者(従業員)の方へ(令和8年分)」(2026年10月27日確認)。提出様式と具体的な記載例も同ページから確認できます。
3-2. 保険料控除申告書は、証明書との対応表を作ります
保険料控除申告書では、生命保険料、地震保険料、本人が直接支払った社会保険料、小規模企業共済等掛金などを整理します。証明書ごとに本人・契約・年分・保険区分を対応させ、どの申告欄に使ったかを追えるようにします。同じ証明書が紙と電子データの両方で届いた場合も、二重計上にならないようにします。
国税庁は、電子データによる申告事項と証明事項の提供についても案内しています。ただし、画像を受け取ったことと、制度上必要な証明書類の提出・提示等を満たしたことは同じとは限りません。顧問先で採用する方法と給与ソフトの公式案内を確認し、紙の原本、電子証明書、確認用の画像を区別して扱います。
生命保険料の証明書に年末までの見込額が記載されていても、途中解約や払込状況の変化があれば確認が必要です。職員の方が金額を選び直すのではなく、本人の申告と必要資料をそろえて判断担当へ回します。ソフトの自動計算結果がある場合も、入力元の契約区分や支払額が正しいかを確認する工程は残ります。
事務所のチェック表には、顧問先、本人、対象年分、申告書名、証明書の受付、差戻し理由、回答期限、確認者を持たせます。この管理用テンプレートは、国税庁の申告書そのものの代わりではありません。改正後の様式は公式ページで取得し、管理用の列と申告欄を混同しないようにします。
3-3. 年末調整で適用できない控除は、確定申告の案内へ分けます
医療費控除、雑損控除、寄附金控除は、年末調整で適用する所得控除ではありません。社労士事務所が資料回収の窓口になっていると、医療費の領収書や寄附金の受領証も一緒に届くことがあります。その場合は保険料控除の添付資料に混ぜず、本人・税理士等が確定申告で確認する資料として案内します。
医療費控除は、支払った医療費から保険金等の補てんを考慮して計算する制度です。領収書の合計だけで還付を約束せず、医療費控除の明細書や医療費通知などの確認先を伝えます。セルフメディケーション税制との選択が関係する場合も、年末調整の保険料控除とは別に扱います。出典:国税庁「医療費控除」(令和8年分、2026年10月確認)。
雑損控除は、一定の資産が災害・盗難・横領によって損害を受けた場合の制度です。損害額だけでなく保険金等や関連支出を確認し、公式の二つの計算方法を比較することがあります。地震保険料控除は保険料の支払に関する控除であり、災害による損失の控除とは別です。出典:国税庁「雑損控除」(令和8年分、2026年10月確認)。
寄附金控除は、国や地方公共団体等への一定の寄附が対象です。寄附額がすべてそのまま還付される仕組みではありません。ふるさと納税の資料も、年末調整の給与計算へ加算するものではなく、本人が利用する申告方法に応じて確認します。出典:国税庁「寄附金控除」(令和8年分、2026年10月確認)。
なお、特定親族特別控除は年末調整で適用を受けられる控除です。名称が新しいことや、前年の回収表に欄がないことを理由に、確定申告でしか扱えないものとして分類しないでください。当年の申告書に対応した受付項目を作る必要があります。
3-4. 住宅借入金等特別控除と住民税は、所得税の控除一覧と区別します
住宅借入金等特別控除は税額控除です。初めて適用を受ける年分は確定申告が必要で、給与所得者は2年目以降、必要な申告書等により年末調整で適用を受けられます。年末残高の情報は、証明書方式と調書方式によって受け取る資料が異なります。残高証明書が見当たらないことだけで対象外と決めず、採用されている方式を確認します。
借換え、連帯債務、居住状況の変更などがある場合は、前年の控除額や借入残高を単純にコピーしません。事務所は必要資料の受領状況と変更点を整理し、適用の可否や計算の判断は本人・税理士等へつなぎます。具体的な資料の整理は、住宅ローン控除と年末調整の事務所対応でも確認できます。
住民税にも所得控除等がありますが、給与の年末調整は所得税等の精算であり、住民税の年税額を同時に精算する手続ではありません。所得税と住民税では控除額や適用年度が異なる場合があります。顧問先への説明では「年末調整で控除したから、住民税も同額が戻る」と案内せず、給与支払報告等の情報を受けた自治体の取扱いを確認します。
住宅の控除に関する出典:国税庁「給与所得者(従業員)の方へ(令和8年分)」住宅借入金等特別控除申告書の説明(2026年10月27日確認)。住民税については顧問先従業員の居住自治体の公式案内と当該年度の通知を照合します。
3-5. 年末調整の期限は、資料回収日・給与支払日・修正対応を分けます
年末調整は通常、その年最後の給与を支払う際に行います。事務所が顧問先に設定する回収期限は、その給与計算・確認・承認に間に合わせるための業務上の期限です。「年末調整はすべて翌年1月末まででよい」と一括して説明せず、年末調整の実施、源泉徴収票等の作成・交付、法定調書等の提出を分けて管理します。
顧問先ごとの進行表には、最後の給与支払日、事務所への資料提出日、不備回答日、計算資料の確認日、税務判断が必要な案件の照会先を記載します。従業員の最終回答が来る日から逆算し、未回答者の一覧を顧問先へ返す時点も決めておくと、締切直前に全件を見直す負担を減らせます。
年末調整に間に合わない資料がある場合は、提出漏れ、証明書の再発行待ち、家族の所得見積り変更、年末調整後の異動など、理由を分けて確認します。国税庁は、扶養親族等が増える場合のやり直しでは、源泉徴収票を作成・交付する日までに異動申告書を受ける取扱いを案内しています。やり直しをしない場合には、本人の確定申告による還付の方法があります。
一方、扶養親族等の数が減って徴収不足がある場合は、翌年1月末以降であっても年末調整をやり直す必要があると国税庁は示しています。「期限を過ぎたので全件を本人任せにする」という扱いにはしません。事務所は変更資料と以前の計算結果を整理し、顧問先・税理士等が必要な訂正を判断できる状態へつなぎます。
出典:国税庁「年末調整の後に扶養親族等の人数が異動したとき」。令和8年分の説明として2026年10月27日に確認しています。
3-6. 控除しきれない場合と、追加徴収しきれない場合を分けます
所得控除には、支払額全額が対象になるものと、区分ごとに上限があるものがあります。上限を超えた支払額が、そのまま現金で戻るわけではありません。また、所得税から引ききれない住宅ローン控除がある場合の取扱いは、一般の所得控除の余りと同じではありません。該当する制度と年度に応じて本人・税理士等が確認します。
年税額に対して徴収済みの税額が不足する場合は、年末調整をする月の給与から徴収し、それでも不足する場合はその後の給与から順次徴収する取扱いがあります。さらに、一定の手取給与の要件等を満たす場合には、所轄税務署の承認を受けて徴収を繰り延べる手続があります。職員の方が独自に分割方法を決めるのではなく、顧問先・税理士等へ該当条件を確認します。
反対に、徴収済みの額が年税額より多ければ過納額の還付です。顧問先で納付する源泉徴収税額から差し引いて還付し、還付しきれない場合はその後の納付額から順次還付する方法や、条件に応じた税務署への請求があります。控除額の計算と、従業員へいつどのように精算するかは別の管理項目です。
出典:国税庁「年末調整の過不足額の精算」。令和8年分の説明として2026年10月27日に確認しています。
顧問先への精算連絡は、年末調整の還付金と支払時期を整理した記事も参考に、計算済み・承認済み・給与反映済みを分けて進めてください。承認前の試算額を確定額として伝えないことが、再連絡を減らす基本です。
3-7. 年末調整で起きやすい間違いを、回収時の確認に変えます
年末調整業務の効率化を進める際は、対象者名簿の確定、公式様式の配布、申告書と証明書の対応、差戻し理由の統一、承認時点の記録という順序で整えます。これはソフトの機能数を比較する前に、事務所側で決められる作業の型です。
Web化には、離れた顧問先から資料を集めやすいこと、未提出の状態を共有しやすいこと、同じ資料の再転記を減らしやすいことがあります。ただし、導入した製品がこれらにどう対応するかは公式仕様を確認します。実際の画面や契約による違いを確かめず、すべてのソフトが自動判定や連携に対応すると約束しないようにします。
04 OFFICE BOTTLENECK 控除を理解しても、事務所の手作業が繁忙期に集中します 顧問先ごとの違いを職員の記憶だけで吸収しない仕組みが必要です
4-1. 顧問先ごとの締め日と回収方法が、確認の二度手間を生みます
ある顧問先は紙、別の顧問先は共有フォルダ、さらに別の顧問先は給与システム上で申告します。事務所の職員の方は、資料の内容を読む前に、どこへ何が届いたかを探す必要があります。同じ顧問先でも、従業員分と役員分で窓口が違うと、回収済みの判断はさらに複雑になります。
締め日、支給日、手当、精算月が異なる中で、年末調整と通常の給与計算が同時に進みます。算定基礎届や年度更新の繁忙期にも見られるように、処理量が増える時期ほど、担当者への確認が集中します。詳しい職員の方が一人で例外を覚えていると、その人の不在がそのまま処理待ちにつながります。
ここで不足しているのは、控除の説明資料だけではありません。受領した資料、未回答の項目、確認済みの条件、承認待ちの結果をつなぐ運用です。職員がソフトへ入力し、別の表へ進捗を転記し、メールで回答状況を調べ直す構造では、入力が速くなっても作業全体の負担は残ります。
4-2. ソフトを替えなくても、作業そのものを任せる道があります
ソフトは計算や記録の重要な土台です。一方で、誰が資料を回収し、不備を確かめ、確定した条件を入力するかという役割は、ソフトの選択とは分けて考える必要があります。顧問先に新しいソフトへの移行を頼めば、説明や初期設定、運用の擦り合わせという別の作業も発生します。
事務所の課題を「今のソフトの機能が足りない」と決めつけず、現在のソフトを使い続ける前提で、前後の事務作業を誰が担うかを整理してください。AI社員AIKATAは、その事務作業をAIと人の二重体制で受託するサービスです。ソフトを替えなくても、作業そのものを任せる道があります。
05 AI WORKFLOW AI社員AIKATAに向けて、事務作業を自動化する範囲を整理します 質問への回答を得る使い方から、承認前の作業を回す運用へ進めます
5-1. AIに聞いて早くする効率化と、AIが作業を回す自動化は違います
AIに質問して回答を得る使い方は、調べものや説明の下書きを早くする効率化です。対して自動化では、決めた入力資料、顧問先のルール、処理手順、確認条件に沿って作業を進め、結果を承認待ちへ渡す流れを作ります。年末調整であれば、控除の可否をAIに自由に決めさせることではなく、判断に使う資料をそろえる部分を整理します。
Claude Code/CodexのようなAIツールを業務に取り入れる場合でも、ツール名を知るだけで運用は完成しません。顧問先の資料の置き場所、入力先、照合する項目、判断待ちで止める条件を定める必要があります。ここで示すのは事務作業の設計例であり、ツールを起動するだけですべての給与ソフトを無条件に操作できるという説明ではありません。
📚 用語解説
効率化と自動化:効率化は職員が行う作業を速くすることです。自動化は、定めた範囲の処理を仕組みで進め、人が確認すべき結果や例外を取り出せるようにすることです。判断と承認の責任まで移す意味ではありません。
| これまで職員がやっていた作業 | AIに任せた後の事務作業の設計 | 事務所に残す確認 |
|---|---|---|
| 顧問先ごとに勤怠と資料を集めます | 回収・集計の作業を任せます | 対象期間と資料の範囲を確定します |
| 給与ソフトへ数字を入力します | 確定したルールに基づく入力を任せます | 個別ルールと変更内容を確認します |
| 計算結果と資料を行き来して照合します | AIの処理結果を人が品質チェックします | 計算済みデータと例外を最終確認します |
| 不足資料の状況を毎回探します | 資料回収と一次対応の作業を任せます | 判断が必要な質問の回答方針を決めます |
| 手続きに必要な情報をそろえます | 書類の下準備に必要な事務作業を任せます | 1号・2号業務と最終承認を行います |
5-2. 今の給与ソフトを使い、回収から承認待ちまでをつなぎます
AI社員AIKATAは、特定のソフトに限定せず、事務所が使っている給与ソフト・勤怠システムをそのまま使い、画面操作も含めて自動化します。顧問先の締め日・支給日・手当などの個別ルールを仕組みに登録するため、担当者が変わってもルールが残ります。顧問先へソフトの乗り換えを頼む必要はありません。
年末調整の準備では、通常の給与計算に追加される回収項目を整理するところから考えます。例えば、年間給与の集計資料と本人の申告が一致しない場合、どの点を顧問先へ確認するかを明らかにします。回答がないまま前年値で補完するのではなく、未確定の項目として取り出す運用を事務所で決めます。
この確認の型は、一般的な運用設計上の留意点です。AI社員AIKATAについて、個別のソフトとの連携方式、導入日数、誤りがなくなる割合など、ここに記載していない性能を約束するものではありません。実際に任せる範囲は、現在の資料と作業を棚卸しして整理します。
5-3. 社労士法の1号・2号業務と最終確認・承認は先生方が行います
AI社員AIKATAが担うのは、給与計算・勤怠集計・書類の下準備・顧問先への資料回収の一次対応など、専門業務の前にある事務作業です。社会保険労務士法の1号・2号業務に当たる提出手続きの代行・帳簿書類の作成は引き受けません。先生方が行い、最終確認と承認も事務所が行います。
帳票という言葉も分けて扱います。確認用の給与計算データや資料の整理と、労働社会保険諸法令に基づく帳簿書類の作成は同じではありません。「AIが下準備をしたから、提出もそのまま任せる」という境界の曖昧な運用にはしません。社労士事務所が必要な法的判断を行い、自らの業務として完成・提出する範囲を明確にします。
また、年末調整には税理士業務との区別もあります。個別の控除適用の税務判断、税務相談、税務書類の作成・税務代理を、AIや無資格の事務代行へ移す説明はしません。顧問先本人・税理士等が担う部分と、確定した内容に沿う資料整理等の部分を分けます。社労士事務所の承認があれば、あらゆる税務業務を外部へ委託できるという意味でもありません。
法令の確認先:e-Gov法令検索「社会保険労務士法」、国税庁「税理士制度に関するQ&A」。本文の運用整理は2026年10月時点のものです。
06 FOUR OPTIONS 自分たちで作るか、AI社員AIKATAに任せるか 繁忙期の事務作業を事務所が抱え続ける構造から考えます
4つのうち3つは、事務所の悩みを別の悩みに置き換えるだけです。ここで比較しているのは、資料回収・集計・入力の運用を事務所が抱え続けずに済むかという点です。人材や外注先の能力を評価する比較ではなく、事務所に残る管理負担に着目しています。
6-1. 増員・外注・自作では、繁忙期の事務作業は片づかない
| 選択肢 | よくある期待 | 実際に行き詰まる所 | 判定 |
|---|---|---|---|
| 職員を増やします | 処理できる人数を増やしたいと考えます | 採用・教育が必要で、閑散期にも人員の管理が残ります | ✕ |
| 従来型の外注・BPOを使います | 入力等の作業を外へ出したいと考えます | 外注先への説明、資料整理、手直しの管理が残ります | ✕ |
| 事務所でAIを自作します | 自分たちのルールで自動化したいと考えます | ルールの言語化、検証、修正の担当を抱え続けます | ✕ |
| AI社員AIKATAに任せます | 事務作業と仕組みの構築・運用を任せます | 専門業務と最終確認・承認は事務所が担います | ◎ |
職員の増員では、採用できた時点で全顧問先の事情を理解しているわけではありません。年末調整の繁忙期に間に合わせるには、どの資料がどこにあるか、どの顧問先の回答を待つか、誰へ判断を求めるかを教える工程が必要です。増員の効果を得るまで、既存の職員の方にも教育の負担がかかります。
従来型の外注では、作業を渡すための説明と、戻ってきた結果の手直しを事務所が担い続ける場合があります。「この顧問先だけ別扱い」という条件が口頭で伝わる運用では、担当の変更や翌年の更新のたびに説明が繰り返されます。外へ渡した量だけを見て、受渡しに残る作業を見落とさないことが必要です。
Claude Code/Codexを用いて事務所でAIを自作する場合も、顧問先のルールを言語化し、正しく処理できたか確かめ、様式や画面が変わったときに直す担当者が必要です。作った本人だけが仕組みを理解していると、従来の給与担当者への依存が、今度は自動化を作った人への依存に置き換わります。
07 AIKATA SERVICE AI社員AIKATAは、事務所の事務作業をAIと人の二重体制で受託します 今のソフト・顧問先のルール・先生方の承認を残します
7-1. AI社員AIKATAが担う作業と、事務所に残る役割
AI社員AIKATAは、給与計算、勤怠の集計、入退社手続きの書類の下準備、算定基礎届や労働保険の年度更新の下準備、帳票の作成、顧問先への資料回収や一次対応など、職員の方がパソコンで行う事務作業を受託する業務代行サービスです。AIの処理結果を人が品質チェックし、事務所が最終確認と承認を行います。
事務所の日々の作業は、原則として計算済みの給与データや作成済み帳票の承認です。ただし、ここでいう事務作業の受託には、社労士法の独占業務である提出手続きの代行・帳簿書類の作成は含みません。年末調整の税務判断も別に整理します。作業を任せることで先生方の専門業務がなくなるのではなく、その業務に集中できるよう前段を任せます。
AI社員AIKATAは、今の給与ソフト・勤怠システムをそのまま使うため、顧問先へソフトの乗り換えを依頼する必要がありません。顧問先ごとの締め日、支給日、手当などのルールを仕組みに登録して処理し、担当者が変わってもルールが残ります。特定のソフト会社との提携や、公式に確認していない連携機能を前提とする説明ではありません。
7-2. AI社員AIKATAは、仕組みの構築・運用と繁忙期の処理を担います
AI社員AIKATAが仕組みの構築・運用を行うため、事務所にAIの知識は要りません。算定基礎、年度更新、年末調整といった繁忙期にも、人を採用・教育せずに処理量を増やせます。料金は月額の定額で、業務量が増えても変わりません。ここでは料金の金額や、公開されていない削減時間・削減額・導入実績の数字は挙げません。
年末調整のために集めた資料は、毎月の給与計算や今後の手続き準備と接点があります。しかし、目的の異なる処理へ無条件に転用するのではなく、事務所が定める業務範囲に沿って整理します。任せる作業の入口と完成状態を言葉にすることが、翌月も翌年も同じ説明を繰り返さないための準備になります。
📚 用語解説
承認待ち:必要な事務処理と品質チェックを経て、事務所が最終確認する段階です。計算結果を受け取っただけで行政機関への提出や税務上の判断が完了したという意味ではありません。
7-3. AI社員AIKATAとの受渡しは、事務所の規程に合わせて決めます
AI社員AIKATAはNDAを結び、給与・人事のデータの受渡しと保管のルールを事務所の規程に合わせて決めます。データをどの方法で渡すか、誰が扱うか、何を事務所で確認するかは、作業を任せる範囲と一緒に整理する事項です。ここに記載していない保存期間、設備、認証、利用環境の保証を追加するものではありません。
年末調整をきっかけに相談する場合は、顧問先から資料が届く経路、今使っているソフト、職員の方が手で処理している工程を棚卸しします。どの控除が多いかだけでなく、証明書の確認、集計、入力、差戻しのどこに作業が残るかを整理すると、任せる範囲を具体化しやすくなります。
AI社員AIKATAの無料相談は60分のオンラインで、Google Meetを使用します。全国に対応し、業務の棚卸しと、どこまで任せられるかの整理を行います。相談に契約の義務はありません。出典:AI社員AIKATAの社労士事務所向け案内。本章のサービス説明は同案内の範囲に基づきます。
08 NEXT DECISION 残る道は「作業そのものを任せる」だけです 年末調整の控除確認を、毎年の手作業から切り離します
比較の基準は、社労士事務所が回収・集計・入力の運用を抱え続けるかどうかです。以下の記号はその観点で整理したもので、個々の給与ソフトや外部サービスの機能・品質を評価したものではありません。どの方法でも、専門業務と法令上の責任の線引きは必要です。
| 比較する点 | 手作業のまま | ソフトの追加・乗り換え | AI社員AIKATAに任せる |
|---|---|---|---|
| 繁忙期の負荷 | ✕ 職員へ処理が集中します | △ 設定と運用する担当が必要です | ◎ 採用・教育せず処理量を増やせます |
| 顧問先ごとのルール | ✕ 担当者の記憶に依存しやすくなります | △ 登録と維持の運用が残ります | ◎ 個別ルールを仕組みに登録します |
| 顧問先への負担 | △ 資料照会が繰り返されます | △ 移行や操作説明が必要になります | ◎ 今のソフトのまま進められます |
| 職員の採用・教育 | ✕ 処理を担う人を確保し続けます | △ 操作や運用の習得が必要です | ◎ 事務所にAIの知識は不要です |
| 社労士法の線引き | ○ 事務所が担います | ○ 事務所が担います | ○ 1号・2号業務と最終確認・承認は事務所が行います |
8-1. AI社員AIKATAが選ばれる5つの理由
年末調整の控除確認では、資料がそろうまでの待ち時間と、受領後の転記・照合が積み重なります。そこを担当者の努力で毎年吸収するのではなく、事務作業を任せる単位に分けることが出発点です。制度の確認を丁寧に行うほど、先生方が判断すべきことと、仕組みに沿って進められる作業が見えてきます。
増員・外注・自作・乗り換えは、どれも事務所が人か仕組みを抱え続けます。作業を手放せる道はAI社員AIKATAに任せることだけです。この比較でいう「手放す」のは、受託対象の事務作業と仕組みの構築・運用です。独占業務、税務判断、最終確認・承認まで外すという意味ではありません。
8-2. 次の繁忙期を、職員を増やさずに越える準備を始めませんか
控除の説明資料を増やすだけでは、顧問先への資料回収と入力は残ります。AI社員AIKATAの60分・オンラインの無料相談では、いまの給与ソフト、顧問先ごとのルール、回収・集計・入力の流れを棚卸しし、どの作業から任せられるかをその場で整理します。人を増やす・ソフトを替えると決める前に、事務作業そのものを任せる範囲を具体化してください。契約の義務はなく、全国の社労士事務所に対応しています。
職員を増やす・外注する・AIを自作する・ソフトを替える——どの道を選んでも、集計・入力・確認の作業か、それを回す人と仕組みが事務所に残り続けます。
AI社員AIKATAなら、いまお使いの給与ソフト・手続きソフトはそのまま、顧問先ごとのルールも登録して処理し、事務所に残るのは仕上がりの確認と承認だけです。どの業務から任せられるかは、無料相談(60分・オンライン)でその場で整理します。
NEXT STEP
事務所の定型業務を、
AI社員に任せてみませんか?
よくある質問
Q. 年末調整で受けられる控除には何がありますか?
A. 基礎控除、配偶者控除・配偶者特別控除、扶養控除、特定親族特別控除、障害者控除、ひとり親控除、寡婦控除、勤労学生控除、生命保険料控除、地震保険料控除、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除などがあります。控除ごとの要件と当年の申告書を対応させて確認します。住宅借入金等特別控除は税額控除として区別します。
Q. 令和8年分は前年の控除額を引き継いでよいですか?
A. そのまま引き継がず、当年の公式資料で確認します。令和8年度改正の基礎控除等は原則として12月1日施行で、11月までの源泉徴収事務と12月の年末調整を区別します。顧問先の給与ソフトの対象年分と公式更新情報、本人の当年の申告を照合してください。
Q. 医療費やふるさと納税の資料も年末調整に入れますか?
A. 医療費控除や寄附金控除は年末調整で適用するものではありません。事務所は年末調整の申告書・証明書と混ぜず、本人や税理士等が確認する資料として分けます。支払った金額がそのまま還付されるとも限らないため、個別の税務判断は適切な確認先へつなぎます。
Q. 特定親族特別控除は年末調整で扱えますか?
A. 必要な申告書の提出などにより年末調整で適用を受けられます。19歳以上23歳未満の親族等について、所得、生計関係、他の所得者との関係などを確認します。扶養控除の対象から外れたという回答だけで控除なしと決めず、当年の公式要件で整理してください。
Q. 書類が締切に間に合わない場合はどう整理しますか?
A. 事務所の回収期限と制度上の処理時期を分け、未提出、証明書待ち、所得見積りの変更などの理由を残します。やり直しや本人の確定申告が必要かはケースごとに確認します。徴収不足がある場合には翌年1月末以降も訂正が必要なことがあり、一律に処理を打ち切りません。
Q. 社労士法上、AIに任せて問題ないですか?
A. 任せる業務の範囲を分けることが前提です。AI社員AIKATAが担うのは給与計算・勤怠集計・資料回収の一次対応・書類の下準備等の事務作業です。1号・2号業務である提出手続きの代行・帳簿書類の作成と最終確認・承認は先生方が行います。年末調整の税務判断や税務書類の作成等も、顧問先本人・税理士等が担う範囲として別に整理します。
Q. 今のソフトのままで使えますか?
A. AI社員AIKATAは特定のソフトに限定せず、いま使っている給与ソフト・勤怠システムをそのまま使い、画面操作を含めて自動化します。顧問先にソフトの乗り換えを頼む必要はありません。実際の作業と顧問先ごとのルールを棚卸しして、任せる範囲を整理します。
Q. AIの知識がない職員でも相談できますか?
A. AI社員AIKATAが仕組みの構築・運用を行うため、事務所にAIの知識は要りません。無料相談では現在の資料回収、勤怠集計、給与入力などの作業を説明し、どこから任せられるかを整理します。専門用語を覚えることから始める必要はありません。
Q. 給与・人事のデータの受渡しや相談方法はどうなりますか?
A. AI社員AIKATAはNDAを結び、データの受渡しと保管のルールを事務所の規程に合わせて決めます。無料相談は60分のオンラインでGoogle Meetを使い、全国に対応します。業務の棚卸しと任せられる範囲を整理する場で、契約の義務はありません。
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