【2026年10月最新】未払賃金立替払制度とは?対象者・8割と上限額・請求の流れと、顧問先が倒産したときの社労士事務所の実務をAIで支える方法
01 ANSWER FIRST 未払賃金立替払制度は、倒産で賃金が払われないまま退職した労働者に、国が未払分の8割を立て替える制度です
未払賃金立替払制度は、企業の倒産により賃金が未払のまま退職した労働者に対して、未払賃金の一部を国が事業主に代わって払う制度です。根拠は「賃金の支払の確保等に関する法律」第7条で、請求と支払の事務は独立行政法人労働者健康安全機構が行います。立替払の額は、退職日から見て6か月前から請求日の前日までに支払期日が来た未払賃金(定期給与と退職金。ボーナスは含みません)の総額の8割です。総額が2万円に満たないときは対象外です。
8割には、退職日の年齢ごとの上限があります。未払賃金総額の限度額は、30歳未満で110万円、30歳以上45歳未満で220万円、45歳以上で370万円で、立替払はその8割(88万円、176万円、296万円)が最大です。厚生労働省の資料でこの考え方が示されています。請求できる期間は、破産手続開始の決定等(事実上の倒産の場合は認定)の日の翌日から2年以内で、遅れると請求できません。
顧問先が資金繰りに行き詰まったとき、事務所には「従業員に何を案内すればよいか」「会社として協力すべき書類は何か」という相談が届きます。本記事は、所長・管理者・職員の方に向けて、制度の仕組み、対象となる事業主と労働者、立替払額、事実上の倒産の認定、請求の流れ、事務所の実務、よくある注意点までをまとめます。後半では、書類の収集や台帳の整理をAI社員AIKATAに任せ、先生方が判断と助言を担う分担を説明します。金額と要件は、厚生労働省の公表資料と法律の原文で確かめた範囲で書いています。
出典:厚生労働省「未払賃金立替払制度の概要」(労働条件分科会 令和7年12月24日 資料)(2026年10月確認)。
出典:e-Gov法令検索「賃金の支払の確保等に関する法律」第7条(未払賃金の立替払)(2026年10月確認)。
02 OFFICE PRACTICE 制度の仕組み・対象・立替払額・手続の流れ・事務所の実務を、確認順に整理します
2-1. 未払賃金の回収方法と、立替払制度が必要になる理由です
📚 用語解説
未払賃金立替払制度:企業倒産により賃金が支払われないまま退職した労働者に対し、国が未払賃金の一部を事業主に代わって弁済する制度です。賃金の支払の確保等に関する法律に基づき、請求先と支払の事務は独立行政法人労働者健康安全機構が担っています。
会社が倒産しても、働いた分の賃金を受け取る権利はなくなりません。倒産手続には、破産、民事再生、会社更生などがあります。賃金や退職金は、他の債権者より優先的に扱われる部分がありますが、その範囲や順位は手続の種類で異なります。個別の優先順位は、先生方が破産管財人等の案内と法令に照らして確認します。
一方で、優先的に扱われるといっても、会社に残る財産が少なければ、全額を回収できないことがあります。税金や担保付きの債権など、他にも優先される債権があるためです。そのような場合に、労働者の生活を支える仕組みとして用意されているのが、未払賃金立替払制度です。
顧問先の従業員の立場で考えると、倒産の知らせの直後から、次の給料も退職金も見通せなくなります。制度の存在を早く知らせ、必要な書類を整えられるように支えることが、事務所の役割になります。
2-2. 対象になる事業主の要件(労災保険の適用事業で1年以上)です
制度の対象になる事業主は、労働者災害補償保険の適用事業の事業主で、その事業を1年以上行っていたものです。法律の条文でも、厚生労働省令で定める期間以上事業を行っていたものに限る、とされています。設立後間もない会社は、この期間の要件を満たすかを確認します。
次に、事業主が倒産していることが必要です。倒産には、法律上の倒産と事実上の倒産の2種類があります。法律上の倒産は、破産手続開始の決定、特別清算開始の命令、再生手続開始の決定、更生手続開始の決定などを受けた場合です。事実上の倒産は、中小企業の事業主に限り、事業活動が停止し、再開の見込みがなく、賃金を支払う能力がない状態で、労働基準監督署長の認定を受けた場合です。
顧問先が小規模な会社であれば、事実上の倒産の認定を使うことが多くなります。認定を受けるには、労働者が期限内に認定を申請する必要があるため、早めに案内することが重要です。
📚 用語解説
事実上の倒産:法律上の倒産手続は行われていませんが、事業活動が停止し、再開の見込みがなく、賃金を支払う能力がない状態をいいます。中小企業の事業主に限って、労働基準監督署長の認定を受けることで、立替払の対象になります。
2-3. 対象になる労働者の要件(退職の時期)です
労働者に係る要件は、破産手続開始等の申立て(事実上の倒産の場合は認定の申請)の日の6か月前の日から、2年間の間に退職していることです。つまり、申立日から見て、6か月前より前に退職した人や、申立てから2年より後に退職した人は、対象外になります。倒産が近い時期に退職した従業員は、退職日と申立日の関係を確かめる必要があります。
労働者は、労働基準法上の労働者であることも求められます。役員や個人事業主として働いていた人は、実態として労働者といえるかの判断が分かれることがあります。名称だけでなく、指揮命令の下で働き、賃金を受けていたかなど、実態で確認します。個別の判断は、先生方が行います。
在職中の人は、この制度の対象外です。退職していることが前提のため、倒産後も在職している従業員については、退職の手続と時期を別に整理します。
2-4. 立替払の対象になる賃金と、立替払額(8割と上限)です
立替払の対象になる賃金は、退職日の6か月前から立替払請求日の前日までに、支払期日が来ている未払賃金です。定期給与と退職金が対象で、ボーナス(賞与)は含まれません。未払賃金の総額が2万円に満たないときは、対象外です。
立替払額は、未払賃金総額の8割です。ただし、退職日における年齢ごとに、未払賃金総額に限度額があります。未払賃金が限度額を下回るときは、その8割を立て替えます。未払賃金が限度額を上回るときは、限度額の8割が立替払額になります。
| 退職日の年齢 | 未払賃金総額の限度額 | 立替払額の上限(限度額の8割) |
|---|---|---|
| 30歳未満 | 110万円 | 88万円 |
| 30歳以上45歳未満 | 220万円 | 176万円 |
| 45歳以上 | 370万円 | 296万円 |
出典は、厚生労働省の公表資料(令和7年12月時点)です。限度額は制度の見直しで変わる可能性があるため、案内の直前に、厚生労働省や労働者健康安全機構の最新の案内で確認します。顧問先の従業員への案内文に金額を書くときは、確認した日付を添えます。
立替払を受けた後に、未払賃金のうち立替払を受けなかった分(残りの2割や上限を超えた分)がある場合は、事業主に対する請求権が残ります。破産手続の中での配当や、労働債権の届出は、別の手続として整理します。
出典:厚生労働省「未払賃金立替払制度の概要」(2026年10月確認)。
2-5. 請求できる期間(2年以内)と、認定申請の期限です
立替払の請求は、破産手続開始の決定等の日の翌日、または事実上の倒産の認定の日の翌日から、2年以内に行う必要があります。この期限を過ぎると、立替払を受けられません。倒産の知らせから時間がたつほど、書類の収集が難しくなるため、早めに動くことが基本です。
事実上の倒産の場合は、その前段階として、退職日の翌日から6か月以内に、労働基準監督署へ事実上の倒産の認定を申請する必要があります。この6か月の期限を過ぎると認定を受けられず、その後の立替払の請求もできません。期限の起算日と条件の詳細は、労働基準監督署の案内で確認します。
二つの期限を混同しないよう、顧問先の従業員への案内では、「認定の申請の期限」と「立替払の請求の期限」を分けて書きます。事務所の一覧表に、退職日、認定申請の期限、請求の期限を並べて管理すると、取りこぼしを防げます。
認定の申請は退職日の翌日から6か月以内、立替払の請求は倒産手続開始決定等(認定)の日の翌日から2年以内です。期限の起点が違います。従業員ごとに退職日が異なる場合は、一人ずつ期限を計算します。
📚 用語解説
労働者健康安全機構:労災保険の関連業務などを担う独立行政法人です。未払賃金立替払制度では、立替払の請求を受け付け、審査して支払う窓口になります。
2-6. 請求までの流れ(証明書・確認通知書・請求)です
法律上の倒産の場合、未払賃金の額などは、破産管財人等が証明します。労働者は、裁判所や破産管財人に申請して、倒産の事実と未払賃金の内容を示す証明書を受け取ります。この証明書で足りるときは、労働基準監督署での別の確認は要りません。
事実上の倒産の場合は、まず労働基準監督署長に事実上の倒産の認定を申請します。認定を受けたあと、未払賃金の額などについて、労働基準監督署長の確認を受けます。法律の条文でも、未払賃金の額などについて労働基準監督署長の確認を受けた者に限って立替払の請求ができる場合があると定められています。
必要な書類がそろったら、労働者健康安全機構に立替払を請求します。請求書に証明書または確認通知書などを添えて提出し、審査を受けます。審査を経て立替払が決まれば、請求のときに指定した口座に振り込まれます。
| 区分 | 倒産の事実 | 未払賃金額の証明・確認 | 請求先 |
|---|---|---|---|
| 法律上の倒産 | 破産手続開始決定等で確認されます。 | 破産管財人等の証明書です。 | 労働者健康安全機構 |
| 事実上の倒産(中小企業のみ) | 労働基準監督署長が認定します。 | 労働基準監督署長の確認通知書です。 | 労働者健康安全機構 |
手順を四つに分けると、(1)証明書を入手する、(2)確認通知書を入手する、(3)立替払いを請求する、(4)口座振込みで支払いを受ける、の順になります。法律上の倒産では(1)、事実上の倒産では(2)を入手します。書類を入手する段階で期限に間に合うかを確かめます。
未払賃金の8割までが回収可能になる点が、この制度の大きな意味です。倒産手続の配当を待つ間に生活費が尽きる従業員にとって、制度を利用できるかどうかは大きな分かれ目です。事務所は、制度を利用できる可能性があることを早めに伝え、書類の入手先を案内します。
2-7. 顧問先が倒産したときの、事務所の実務の流れです
顧問先の倒産が分かったとき、事務所がまず行うのは、状況の整理です。法律上の倒産手続に入るのか、事実上の倒産として整理するのかによって、従業員に案内する手続が変わります。どちらかが決まっていない段階では、両方の可能性を示し、確定した時点で案内を更新します。
次に、従業員ごとの情報を整理します。氏名、入社日、退職日、年齢、未払の賃金と退職金の内訳、支払期日、賃金台帳や出勤簿の所在です。年齢は退職日の年齢で見るため、退職日と生年月日が必要です。これらの情報は、証明書や確認通知書の作成、立替払額の試算に使われます。
事務所が保管している賃金台帳、労働者名簿、雇用契約書、給与計算の記録は、未払賃金の額を裏づける資料になります。保管の期限と所在を確認し、管財人や労働基準監督署から求められたときに、すぐ出せる状態にします。
📚 用語解説
確認通知書:事実上の倒産の場合に、労働基準監督署長が未払賃金の額などを確認したことを示す書類です。立替払の請求書に添えて提出します。
2-8.事務所が顧問先の従業員に案内するときの注意点です
従業員への案内で最も大切なのは、立替払が全額ではないことと、期限があることを、正確に伝えることです。「国が全額払ってくれる」という誤解を招く表現は避けます。立替払額は未払賃金総額の8割で、年齢ごとの上限があることを、確認した日付とあわせて説明します。
個別の受給の可否や金額は、機構と労働基準監督署の判断になります。事務所が受給を保証するような案内をしてはいけません。制度の概要を伝え、手続は労働基準監督署または労働者健康安全機構に確認するよう促します。
社労士が労働者個人の代理で請求書類を作成する場合は、社労士法の業務範囲に当たるかを確認します。顧問先の従業員は、事務所の顧問契約の相手ではない点にも注意が必要です。事務所が誰の依頼を受けて何を行うのかを、先に整理します。
2-9. 事業主の協力と、虚偽の証明のリスクです
賃金の支払の確保等に関する法律は、偽りその他不正の行為により立替払を受けた者に対して、政府が返還を命じることができると定めています。さらに、事業主が偽りの報告または証明をしたために弁済が行われたときは、事業主にも、弁済を受けた者と連帯して、返還または納付を命じることができます。
つまり、事業主の側が作成する資料の正確さは、従業員の請求にも影響します。賃金台帳や支払の記録を正しく整え、事実と異なる内容を作らないことが、事業主と事務所の双方にとって重要です。事務所は、顧問先から未払の内訳の確認を求められても、事実に基づいて整理します。
資料の整備を急ぐあまり、日付や金額を後から合わせることは、決して行わないよう、顧問先にも伝えます。
📚 用語解説
特定受給資格者:倒産や解雇などにより離職した雇用保険の被保険者で、失業等給付の受給で手厚く扱われる区分です。該当するかは公共職業安定所が判断します。
2-10.立替払を受けた後の取り扱いです
立替払を受けた金額に、所得税や社会保険料がどう関わるかは、受け取る内容と時期によって扱いが異なります。税の取扱いは、国税庁の案内と所轄の税務署に確認します。事務所が一律の扱いを断定せず、税理士や税務署への確認を案内することが安全です。
雇用保険については、離職票の交付と、失業等給付の手続が関わります。倒産で離職した労働者は、特定受給資格者に該当する場合があります。離職票の作成と交付の手続は、事務所の通常業務と連動します。顧問先が倒産しても、離職証明書の作成を急ぐ必要があるため、雇用保険の手続を優先して進めます。
健康保険と厚生年金保険は、資格喪失の手続と、従業員が国民健康保険や国民年金へ切り替える案内が必要になります。切り替えの期限がある手続なので、倒産の知らせの直後に、切り替えの案内を準備します。
2-11. 倒産に備える、平時の顧問先支援です
倒産の相談が来てからでは、整備できる情報に限りがあります。平時から、賃金台帳、出勤簿、労働者名簿、雇用契約書、就業規則を、最新の状態で保管するよう顧問先に勧めます。これらは、未払賃金の額の証明に直接使われます。
資金繰りが厳しい顧問先には、賃金の遅配が出始めた段階で、事務所に相談してもらう関係づくりが大切です。賃金の支払の確保等に関する法律は、賃金の支払の確保のための措置を定めています。遅延利息の定めもあるため、遅配が出た時点で、先生方が個別に確認して助言します。
最終的に事業を整理する場合の、解雇の手続、解雇予告、離職票、社会保険の喪失などの一連の流れを、チェックリストにして事務所に備えておくと、いざというときに慌てずに済みます。
未払賃金立替払制度は、制度の骨格と期限を押さえ、従業員ごとの情報を一覧にし、証明に使える資料を整えることで、事務所が支えられる範囲が広がります。個別の判断は先生方が行い、その前段階の収集と整理を型にしておくことが、短い時間で正確に動く近道です。
03 BOTTLENECK 突然の相談に備えた書類の整理を、職員の手作業だけで回す限界です
3-1. 倒産のような突発の相談は、通常業務と同時に来ます
顧問先の倒産のような相談は、予告なしに届きます。従業員ごとの退職日・年齢・未払の内訳の整理、賃金台帳や出勤簿の所在確認、離職票の準備、社会保険の喪失手続が、短い期間に同時に必要になります。しかも、算定基礎届や労働保険の年度更新、年末調整といった通常の繁忙業務は止まりません。
顧問先ごとに、賃金台帳の形式、勤怠の記録、給与の支払日、退職金の規程が違います。突発の相談が来たとき、これらを探して一覧にする作業に、職員の時間が大きく取られます。
特定の職員だけが、顧問先の記録の保管場所を知っている状態も、危うい点です。その職員が不在のときに、資料が見つからないと、期限に間に合わなくなります。
3-2. ソフトを替えなくても、作業そのものを任せる道があります
倒産の相談で、先生方が担うのは、制度の適用の判断、従業員や顧問先への助言、行政機関への手続や法定の書類の作成にあたる業務です。一方で、賃金台帳や出勤簿の所在の確認、従業員ごとの退職日・年齢・未払の内訳の一覧づくり、期限の一覧の作成、資料の回収は、手順を決められる事務作業です。
AI社員AIKATAは、いまの事務所のシステムを使って、職員がパソコンで行う事務作業をAIと人の二重体制で受託します。ソフトの乗り換えを求める前に、相談を受けてから資料の一覧ができるまでの工程のうち、どこを任せられるかを整理する道があります。
04 AUTOMATION AI社員AIKATAが事務作業を回し、先生方が判断と承認を担います
4-1. AIに聞く効率化と、毎月の作業を回す自動化は違います
Claude Code/CodexなどのAIツールに、従業員ごとの退職日・年齢・未払内訳の一覧づくりと、賃金台帳等の回収の式や確認項目の案を聞くことは効率化です。ただ、職員がその都度質問し、資料を選び、結果を転記する運用では、毎月の作業を起動する人が必要です。制度の説明をAIから得る場合も、法令や公的資料に照らして先生方が内容を確認します。
自動化で目指すのは、毎月発生する資料の回収・集計・入力・チェックを、一連の工程として回すことです。AI社員AIKATAはこの事務作業を受託し、顧問先ごとの締め日・支給日・手当などのルールを登録して処理します。顧問先から届く資料について、提出状況を管理し、従業員ごとの退職日・年齢・未払内訳を整理して、登録した顧問先ごとのルールに沿って、期限の一覧と確認項目の一覧まで作る流れを、一連の工程として処理します。仕組みの構築と運用は、事務所が自ら持ち続ける必要がありません。
次の図は、AI社員AIKATAが受託する事務作業と、事務所が保持する業務の分担を示します。個別の判断事項は、事務所が確認したルールを前提にします。法定の申請書や帳簿書類の作成、行政機関への提出手続きを、AI社員AIKATAが代行する図ではありません。
| これまで職員が行っていた事務作業 | AI社員AIKATAに任せた後 | 事務所に残す役割 |
|---|---|---|
| 顧問先へ賃金台帳や出勤簿の提出を依頼し、催促します。 | 資料回収や一次対応を受託します。 | 必要な資料と照会範囲を決めます。 |
| 従業員ごとの退職日・年齢・未払内訳を、一件ずつ表へ書き写します。 | 登録した顧問先ごとのルールに沿って整理・更新します。 | 制度の適用の判断と助言を行います。 |
| 期限の一覧と確認項目の一覧を準備します。 | 今のシステムを使い、画面操作を含めて下準備まで進めます。 | 結果を確認し、従業員への案内を承認します。 |
| 出来上がった集計を見直します。 | AIの処理結果を人が品質チェックします。 | 業務を受任する事務所として最終確認・承認します。 |
| 法定の書類作成や行政機関への手続きを行います。 | 前段階の資料整理・下準備を担います。 | 1号・2号業務そのものは先生方が行います。 |
4-2. 社労士法の線引きは、承認ボタンだけで済ませないことです
社労士法上の1号業務に関わる申請書等の作成・行政機関への提出手続きの代行、2号業務に関わる労働社会保険諸法令に基づく帳簿書類の作成は、先生方が行います。AI社員AIKATAはこれらの独占業務を引き受けません。AI社員AIKATAが担うのは、給与計算、勤怠集計、必要書類の下準備、顧問先への資料回収や一次対応など、その前の事務作業です。
今回のテーマでは、立替払の請求書類の作成や、労働基準監督署・労働者健康安全機構への手続、制度の適用の判断を、AI社員AIKATAの受託対象と明確に分けます。受託するのは、資料の回収と整理、一覧づくりまでで、判断と手続は先生方の業務です。
日々の定型的な受託業務では、事務所の作業は原則として計算済みの給与データや作成済みの帳票の最終確認・承認です。ただし、独占業務の実施、顧問先のルール変更に伴う判断、例外的な法的検討までなくなるという意味ではありません。専門業務を保持しながら、その前の集計や転記を手放す分担です。
出典:全国社会保険労務士会連合会「社労士についてのよくある質問」独占業務の説明(2026年10月確認)。
05 MAKE OR DELEGATE 増員・外注・自作では、繁忙期の事務作業は片づかない
4つのうち3つは、事務所の悩みを別の悩みに置き換えるだけです。ここで比較する目的は、資料の回収・従業員ごとの情報の整理・期限の一覧づくりを回す人・仕組みの管理まで、事務所が抱え続けずに済むかどうかです。特定の会社やソフトの品質を評価する比較ではありません。
| 選択肢 | よくある期待 | 実際に行き詰まる所 | 判定 |
|---|---|---|---|
| ①職員を増やします。 | 担当者が増えれば処理できます。 | 採用・教育が繁忙期に間に合わず、閑散期にも人件費と管理が残ります。 | ✕ |
| ②従来型の外注・BPOを使います。 | 入力工程を外へ出せます。 | 工程だけの委託では、例外の説明・受渡し・手直しを事務所が持ち続けます。 | ✕ |
| ③事務所でAIを自作します。 | 繰り返す作業を自動化できます。 | ルールの言語化・検証・改修を行う人と仕組みが事務所に残ります。 | ✕ |
| ④AI社員AIKATAに任せます。 | 事務作業と仕組みの構築・運用を任せます。 | 事務所は専門業務と最終確認・承認を担う分担にします。 | ◎ |
5-1. 増員と工程単位の外注は、説明する仕事が残ります
増員では、新しい職員に法令と顧問先固有の扱いを覚えてもらう時間が必要です。前任者の表を渡すだけでは、なぜその取扱いを使っているかが伝わりません。顧問先ごとの賃金台帳の保管場所、勤怠の記録の形式、退職金の規程、連絡の窓口は、担当者の頭やメモに残っていることが多く、引き継ぎの資料にも残りにくい部分です。繁忙期に処理を増やすための採用が、新人の確認と教育を担当する熟練職員の仕事を増やす構造になります。
従来型の工程単位の外注では、資料を整える、例外を説明する、返ってきた結果を確認する、手直しを依頼する仕事が事務所に残ります。入力先と集計元が違い、顧問先のルール変更のたびに仕様を伝え直すなら、外へ出した工程の周囲を事務所がつなぐ状態です。委託件数が増えても、この負担がなくなるわけではありません。
5-2. AIの自作は、作った人しか直せない第二の属人化を生みます
Claude Code/Codexなどを使う場合も、顧問先の締め日、手当、勤怠区分、資料の置き方を言語化する必要があります。法的判断が必要な取扱いと、機械的に処理する条件を区別しなければ、誤った前提をそのまま繰り返す仕組みになります。給与計算の担当者が、その検証と改修まで兼務すると別の管理業務を抱えます。
通常のケースだけでなく、契約変更、申請の取消し、資料不足、退職などの場面を想定して検証します。担当者が異動したときに、処理の根拠と直し方を説明できる状態でなければ、表計算の属人化がAIの仕組みの属人化へ移るだけです。事務所の悩みが「入力する人が足りない」から「直せる人がいない」へ変わります。
06 AIKATA SERVICE AI社員AIKATAは、今のソフトで事務作業を丸ごと受託します
6-1. 勤怠集計から給与計算、資料回収までをAIと人で担います
AI社員AIKATAは、給与計算、勤怠の集計、入退社手続きの書類の下準備、算定基礎届や労働保険の年度更新の下準備、帳票の作成、顧問先への資料回収や一次対応などを受託する業務代行サービスです。法定の申請書や帳簿書類の作成・提出代行は受託範囲から外し、先生方が行います。
顧問先の倒産のような突発の相談を入口に考えるなら、まず顧問先ごとの賃金台帳・勤怠記録の集まり方と、従業員情報の一覧の作り方を棚卸しします。どの回収・整理を任せ、どの判断を事務所が行うかを明らかにすることで、突発の相談を孤立した作業にせず、給与計算や社会保険の手続きとのつながりで分担を整理できます。具体的な受託範囲は無料相談で確認します。
AI社員AIKATAは特定のソフトに限定しません。いま事務所が使っている給与ソフトや勤怠システムをそのまま使い、画面操作を含めて自動化します。顧問先へソフトの乗り換えを頼む必要がないため、事務所の改善のために、顧問先側の運用を一斉に入れ替えることを前提にしなくて済みます。
6-2. 個別ルールを残し、人が品質チェックしてから事務所へ戻します
AI社員AIKATAは、顧問先ごとの締め日・支給日・手当などの個別ルールを仕組みに登録して処理します。職員の記憶の中にある取扱いを、その職員が休んだときにも残る形にする考え方です。AIの処理結果は人が品質チェックし、最終確認と承認は事務所が行います。判断の責任と事務処理の担当を混同しません。
日々の受託した定型事務では、事務所の作業は原則として計算済み給与データや作成済み帳票の承認です。ここでいう帳票は、社労士法の独占業務に当たる帳簿書類の作成をAI社員AIKATAへ移す意味ではありません。先生方の法定業務は保持し、そのための基礎資料を整える事務を任せます。
AI社員AIKATAはNDAを結び、給与・人事データの受け渡しと保管のルールを事務所の規程に合わせて決めます。相談時には、事務所で定めている保存先や受渡し方法を確認し、委託する資料の範囲を整理します。
6-3. 繁忙期の処理量を増やすために、採用と教育を重ねる必要がありません
AI社員AIKATAは、仕組みの構築と運用を行います。事務所にAIの知識は要りません。繁忙期にも人を採用・教育せずに処理量を増やせるため、事務作業のための増員と教育を繰り返す運営から切り替えられます。料金は月額の定額で、業務量が増えても変わりません。
無料相談は60分のオンラインで、Google Meetを使い全国に対応します。業務を棚卸しし、どこまで任せられるかを整理します。契約の義務はありません。所長だけで作業の細部を思い出そうとするより、実際に回収・入力・確認をしている職員の方の状況を整理すると、対象業務を具体化しやすくなります。
07 DECISION 残る道は「作業そのものを任せる」だけです
資料の回収と従業員情報の一覧づくりを正しく運用するには、事務所の専門性が欠かせません。その専門性を資料探しや転記に使い続けないために、ここでは「事務作業を回す負担を手放す」という目的で3つの道を比較します。記号はこの目的に対する整理であり、製品の性能や法的適合性の優劣を表すものではありません。
| 比較する項目 | 手作業のまま | ソフトの追加・乗り換え | AI社員AIKATAに任せます |
|---|---|---|---|
| 繁忙期の負荷 | ✕ 職員の回収・入力・照合が増えます。 | △ ソフト間の準備や確認を事務所が担います。 | ◎ 採用・教育をせずに受託事務の処理量を増やせます。 |
| 顧問先ごとのルール | ✕ 担当者の記憶と個別のメモに残ります。 | △ 設定と更新を事務所が管理します。 | ◎ 個別ルールを登録し、担当者が変わっても残ります。 |
| 顧問先への負担 | △ 不足資料の照会が繰り返されます。 | △ 新しい操作や受渡しの調整が必要です。 | ◎ 顧問先にソフトの乗り換えを頼む必要がありません。 |
| 職員の採用・教育 | ✕ 処理を増やす人の確保を抱えます。 | △ 運用する職員の教育が残ります。 | ◎ 構築・運用を任せ、AIの知識は不要です。 |
| 社労士法の線引き | ○ 先生方が専門業務を行います。 | ○ 先生方が専門業務を行います。 | ◎ 前段階の事務を受託し、1号・2号業務は先生方が行います。 |
7-1. AI社員AIKATAが選ばれる5つの理由
増員・外注・自作・乗り換えは、どれも事務所が人か仕組みを抱え続けます。作業を手放せる道はAI社員AIKATAに任せることだけです。ここで手放す対象は、委託する集計・入力などの事務作業です。法的判断、独占業務、最終確認・承認は先生方が担います。
08 NEXT ACTION 次の繁忙期を、職員を増やさずに越える準備を始めませんか
8-1. 資料の回収と一覧づくりから、どの作業を任せられるか決めます
人を増やす・ソフトを替えると決める前に、AI社員AIKATAの社労士事務所向け無料相談で、毎月繰り返す作業を棚卸ししてください。「突発の相談のたびに資料探しに時間がかかる」「顧問先ごとの記録の形式がばらばら」「期限の管理が属人的」といった工程から、どの作業を任せられるかを具体的に整理します。
事務所で使うシステム、顧問先ごとの記録の形式、職員が毎月行う作業、先生方の承認の流れを確認すれば、最初に任せる業務と事務所に残す専門業務を話し合えます。相談は60分、Google Meetによるオンラインで全国に対応し、契約の義務はありません。給与・人事データの受け渡しと保管は、NDAと事務所の規程に合わせてルールを決めます。
職員を増やす・外注する・AIを自作する・ソフトを替える——どの道を選んでも、集計・入力・確認の作業か、それを回す人と仕組みが事務所に残り続けます。
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NEXT STEP
事務所の定型業務を、
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よくある質問
Q. 未払賃金立替払制度とは何ですか?
A. 企業倒産により賃金が未払のまま退職した労働者に対し、国が未払賃金の一部を事業主に代わって弁済する制度です。賃金の支払の確保等に関する法律第7条に基づき、請求と支払は独立行政法人労働者健康安全機構が行います。
Q. いくら受け取れますか?
A. 退職日の6か月前から請求日の前日までに支払期日が来た未払賃金(定期給与と退職金。ボーナスは含みません)の総額の8割です。退職日の年齢ごとに限度額があり、立替払額の上限は、30歳未満88万円、30歳以上45歳未満176万円、45歳以上296万円です。総額が2万円未満のときは対象外です。
Q. 対象になる労働者の条件は?
A. 破産手続開始等の申立て(事実上の倒産の認定申請)の日の6か月前から2年間に退職した労働者です。労働基準法上の労働者であることも必要です。在職中の人は対象外です。
Q. 事実上の倒産とは何ですか?
A. 法律上の倒産手続は行われていませんが、事業活動が停止し、再開の見込みがなく、賃金を支払う能力がない状態です。中小企業の事業主に限り、労働基準監督署長の認定を受けることで、立替払の対象になります。
Q. 請求できる期間はいつまでですか?
A. 破産手続開始の決定等(事実上の倒産の認定)の日の翌日から2年以内です。事実上の倒産の場合は、その前に、退職日の翌日から6か月以内に認定の申請が必要です。期限の詳細は、労働基準監督署の案内で確認してください。
Q. 請求先と手続の流れを教えてください。
A. 法律上の倒産では破産管財人等の証明書、事実上の倒産では労働基準監督署長の認定と確認通知書を受け、労働者健康安全機構へ立替払を請求します。審査を経て、指定した口座に振り込まれます。
Q. 虚偽の証明をするとどうなりますか?
A. 偽りその他不正の行為により立替払を受けた場合、政府は返還を命じることができます。事業主が偽りの報告や証明をしたときは、受けた者と連帯して、事業主にも返還や納付が命じられることがあります。
Q. 社労士法上、AIに任せて問題ないですか?
A. 業務の線引きが前提です。AI社員AIKATAは、給与計算・勤怠集計・資料回収の一次対応・書類の下準備などを担い、1号・2号業務である申請書等や法定帳簿書類の作成、行政機関への提出代行は引き受けません。最終確認・承認は先生方が行います。
Q. 今のソフトのままで使えますか?
A. AI社員AIKATAは特定のソフトに限定せず、今の給与ソフト・勤怠システムを使って画面操作を含めて自動化します。顧問先へソフトの乗り換えを頼む必要はありません。どの資料回収・集計・入力から任せられるかは、無料相談で実際の業務を確認して整理します。
Q. 事務所にAIの知識がなくても相談できますか?
A. 相談できます。AI社員AIKATAが仕組みの構築・運用を行うため、事務所にAIの知識は要りません。無料相談は60分のオンラインで全国に対応します。業務の棚卸しと受託範囲を整理し、契約の義務はありません。
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