【2026年10月最新】パートの年収の壁(106万円・130万円・178万円)|令和8年の変更点と年末前の確認のしかた、顧問先ごとの確認作業を社労士事務所がAIで任せる方法
「今年は何万円まで働いても大丈夫ですか」「年収の壁は178万円になったと聞きましたが、パートの扶養はどうなりますか」——10月を過ぎると、顧問先の担当者を通じて、パート従業員からの質問が事務所に届き始めます。
結論から言うと、いま「年収の壁」と呼ばれているものは、1つではなく、税金(所得税)の壁・社会保険(加入)の壁・扶養認定の壁・会社の手当の壁の4系統に分かれます。しかも令和8年(2026年)は、所得税の壁が178万円に変わり、社会保険の106万円の賃金要件が撤廃されるなど、制度が大きく動いている年です。事務所が間違えやすいのは、「どの壁の話をしているのか」を取り違えたまま、顧問先ごとのパートに回答してしまうことです。
この記事では、年収の壁の全体像、令和8年の変更点、年末前に確認すべきパートの年収と勤務希望の聞き取りのしかたを、事務所の実務目線で整理します。後半では、顧問先ごとの年収見込みの集計や確認連絡といった事務作業を、AI社員AIKATA(運営: 株式会社GENAI)に任せる方法を、社労士法の線引きとあわせて解説します。
01 WALL MAP 年収の壁とは?4つの系統と、令和8年の現在地 「何の壁か」を取り違えないために、まず全体像を1枚で整理する
年収の壁とは、パート・アルバイトの年収が一定の金額を超えると、税金や社会保険料の負担が発生したり、配偶者の扶養から外れたりして、手取りが減る境目のことです。この境目を意識して、年末にかけて勤務時間を調整する従業員がいるため、顧問先の人手不足や、年末調整の事務にも影響します。
📚 用語解説
年収の壁:パート・アルバイトなどの年収が一定額を超えたときに、所得税・住民税の発生、社会保険への加入、配偶者の扶養からの外れ、配偶者手当の支給停止などで、手取りが減る境目の総称。制度ごとに基準額が異なり、「103万円の壁」「106万円の壁」「130万円の壁」などと呼ばれてきた。
1-1. 壁は「税金」「社会保険の加入」「扶養認定」「会社の手当」の4系統
| 系統 | 代表的な基準額 | 何が起きるか | 令和8年の動き |
|---|---|---|---|
| 所得税 | 令和8年分は給与収入178万円(令和7年分は160万円) | 給与収入がこの額を超えると、所得税がかかり始める | 基礎控除・給与所得控除の最低保障額が引き上げられ、178万円へ |
| 社会保険の加入(106万円の壁) | 週20時間以上など。賃金要件(月額8.8万円)は撤廃 | 勤務先の社会保険(健康保険・厚生年金)に加入し、保険料を負担する | 2026年10月に賃金要件が撤廃。企業規模要件は段階的に拡大 |
| 被扶養者認定(130万円の壁) | 年間収入130万円未満(19歳以上23歳未満は150万円未満) | 基準を超えると、配偶者の扶養から外れ、自分で保険料を負担する | 労働契約の内容で判定する運用。一時的な収入増は事業主証明で対応 |
| 会社の手当(配偶者手当など) | 会社ごとに定めた収入要件 | 要件を超えると、配偶者手当などが支給されなくなる | 会社の就業規則・賃金規程による(法律の壁ではない) |
この表で大切なのは、4つの壁は、基準額も、判定する人も、判定の対象となる「年収」の数え方も、それぞれ違うという点です。たとえば、所得税の壁は給与収入で見ますが、被扶養者認定は「今後1年間に見込まれる収入」で見ます。同じパート従業員でも、壁ごとに数字が異なるため、事務所が回答するときは、まず「どの壁についての質問か」を確認する必要があります。
1-2. 「年収」の数え方は、壁ごとに違う
「所得税の壁は、その年に実際にもらった給与で判定します。扶養の壁は、これからの1年間に見込まれる収入で判定します。同じ年収の話でも、数え方が違います。」——この2文を顧問先の掲示用文面に入れておくと、従業員からの質問がまとまります。
02 INCOME TAX WALL 所得税の壁は178万円へ——令和8年分の変更点と施行時期 「いつから何が変わるか」を、年末調整のスケジュールで整理する
所得税の壁は、かつて「103万円の壁」と呼ばれていました。令和7年分で160万円になり、令和8年度の税制改正により、令和8年分では給与収入178万円が、所得税がかからない目安になります。財務省・国税庁の公表資料やTKCの解説によると、その内訳は、基礎控除104万円と給与所得控除の最低保障額74万円の合計です。
| 項目 | 令和7年分 | 令和8年分(令和8・9年分の特例を含む) |
|---|---|---|
| 基礎控除(合計所得金額489万円以下) | 95万円 | 104万円(本則62万円+特例42万円) |
| 給与所得控除の最低保障額 | 65万円 | 74万円(本則69万円+特例5万円) |
| 所得税がかからない給与収入の目安 | 160万円 | 178万円 |
📚 用語解説
基礎控除・給与所得控除の最低保障額:基礎控除は、すべての納税者が受けられる所得控除。給与所得控除は、給与収入から一定額を差し引く、いわば会社員の必要経費にあたる控除で、給与収入が少ない場合でも最低限保障される金額(最低保障額)がある。令和8年度税制改正で、いずれも引き上げられた。
2-1. 施行は令和8年12月——毎月の源泉徴収は11月まで従来どおり
国税庁の案内によると、所得税の基礎控除の引上げ、給与所得控除の最低保障額の引上げ、扶養親族等の所得要件の改正は、原則として令和8年12月1日に施行され、令和8年分以後の所得税に適用されます。したがって、令和8年11月までの毎月の源泉徴収事務に変更はなく、令和8年12月に行う年末調整から、新しい控除を反映して精算することになります。給与収入が178万円以下のパートの方は、年末調整で、毎月引かれていた源泉所得税が還付されるケースがあります。
2-2. 特例は令和8年・9年分の時限措置
基礎控除の特例(本則への上乗せ)と、給与所得控除の最低保障額の特例(5万円の上乗せ)は、令和8年分・令和9年分に適用される措置とされています。令和10年分以降の取り扱いは、今後の税制改正で確定するため、顧問先に説明するときは「令和8年分・9年分の措置」と期間を明示するのが安全です。基礎控除の本則は、今後、物価の上昇に連動して見直される仕組みも創設されています。
178万円は、所得税がかからない給与収入の目安です。超えた部分にだけ、税率に応じた所得税がかかるのであって、超えた瞬間に収入全体に課税されるわけではありません。また、住民税は別の基準で判定されるため、所得税がかからなくても住民税がかかる場合があります。顧問先には、所得税と住民税を分けて説明するよう案内してください。
2-3. 扶養に関わる所得要件の改正と、申告書の様式
令和8年度税制改正では、扶養親族等の所得要件も引き上げられました。これに伴い、給与所得者の基礎控除申告書など、年末調整で使う各種申告書が前年分から変更されています。令和8年分の年末調整では、23歳未満の扶養親族がいる場合の生命保険料控除の特例も設けられています。具体的な所得要件の金額や、申告書の記載のしかたは、国税庁の「令和8年分 年末調整のしかた」で必ず確認してください。顧問先の担当者にも、前年の様式を使わないよう、案内しておくことが大切です。
03 SOCIAL INSURANCE WALL 社会保険の壁(106万円)——賃金要件の撤廃と、適用拡大の流れ 2026年10月の変更と、企業規模要件の段階的な拡大スケジュール
パート従業員が、勤務先の社会保険(健康保険・厚生年金保険)に加入するかどうかは、勤務時間や勤務先の規模などの要件で決まります。かつて「106万円の壁」と呼ばれていたのは、この要件の1つである賃金要件(所定内賃金が月額8.8万円以上)のことです。厚生労働省の案内によると、この賃金要件は2026年10月に撤廃されました。
3-1. 短時間労働者の加入要件と、令和8年10月の変更
| 要件 | 変更前 | 令和8年10月以降 |
|---|---|---|
| 週の所定労働時間 | 20時間以上 | 20時間以上(変更なし) |
| 賃金要件 | 所定内賃金が月額8.8万円以上 | 撤廃(賃金の水準は問われない) |
| 学生 | 加入の対象外 | 加入の対象外(変更なし) |
| 企業規模要件 | 従業員51人以上の企業 | 段階的に縮小・撤廃(次の表) |
賃金要件の撤廃により、週20時間以上働く方は、賃金額にかかわらず、勤務先が適用対象の事業所であれば、社会保険の加入対象になります。最低賃金が上昇しているため、週20時間以上働けば、賃金要件は自然に満たすことになり、賃金要件を意識する必要がなくなった、という整理です。
3-2. 企業規模要件の段階的な拡大
| 企業規模(従業員数)の目安 | 対象となる時期 |
|---|---|
| 51人以上 | すでに対象 |
| 36人以上 | 2027年10月から |
| 21人以上 | 2029年10月から |
| 11人以上 | 2032年10月から |
| 10人以下 | 2035年10月から |
従業員が10人以下の小規模な顧問先でも、2035年10月以降は、週20時間以上働くパートが社会保険の加入対象になります。顧問先の経営者には、「いまは対象でなくても、時期が来れば対象になる」ことを、人件費・採用計画の観点から、早めに伝えておく必要があります。時期や対象の判定は、厚生労働省・日本年金機構の最新の案内で確認してください。
3-3. 社会保険に加入した場合の保険料負担
パート従業員が社会保険に加入すると、給与から健康保険料・厚生年金保険料などが引かれるため、手取りが減ります。一方、将来の厚生年金の額が増えたり、傷病手当金・出産手当金の対象になったりする、給付面のメリットがあります。保険料の決め方は、社会保険料の決め方(標準報酬月額・定時決定・随時改定)の記事で整理しています。顧問先からの相談では、保険料の負担額の試算と、加入によって得られる給付をセットで説明できる資料を、事務所が用意しておくと役立ちます。
04 DEPENDENT WALL 被扶養者認定の壁(130万円)——労働契約で判定する運用と事業主証明 一時的に収入が増えた場合の取り扱いを、顧問先に説明できるようにする
配偶者などの会社員の健康保険に被扶養者として入っている場合、年間収入が一定額を超えると、被扶養者から外れ、自分で保険料を負担することになります。この基準が、いわゆる「130万円の壁」です。厚生労働省の案内によると、被扶養者の認定では、労働契約の内容(基本給・諸手当など)から見込まれる年間収入が130万円未満であり、他に収入の見込みがなく、主に被保険者の収入で生計を維持していると認められる場合に、原則として被扶養者に該当します。
📚 用語解説
被扶養者(第3号被保険者):会社員などの健康保険の被保険者に扶養されている配偶者・親族のうち、年間収入などの要件を満たす人。健康保険の被扶養者になると、本人が保険料を負担せずに、健康保険の給付を受けられる。被扶養配偶者のうち、国民年金の第3号被保険者にあたる人も、本人が保険料を負担しない。
4-1. 「見込み」で判定する——実績の年収ではない
被扶養者の認定は、過去の年収の実績ではなく、労働契約の内容から見込まれる今後1年間の収入で判断するのが基本です。そのため、月ごとの残業代の増減で一時的に収入が上がっても、直ちに扶養から外れるわけではありません。ただし、通勤手当などの非課税の手当も、収入に含めて判定される点に注意が必要です。
4-2. 一時的な収入増は、事業主の証明で扶養を継続できる
人手不足による労働時間の延長などで、一時的に年間収入が130万円以上になった場合でも、事業主が「一時的な収入変動である」ことを証明すれば、原則として連続2回までは、扶養に入り続けられる取り扱いがあります。証明には、給与明細、雇用契約書、課税証明書などをあわせて提出します。事務所は、顧問先から「パートの勤務時間が一時的に増えた」と相談があったとき、事業主証明の対象になるかどうかを、最初に確認する流れを持っておくと安心です。
4-3. 会社の手当(配偶者手当など)の壁は、会社が決める
配偶者手当や家族手当の支給に収入要件を設けている会社では、パート従業員の配偶者が、その要件の収入を超えると、手当が支給されなくなります。この壁は、法律ではなく、会社の就業規則・賃金規程で決めているものです。税金や社会保険の壁が緩和される中で、この会社の壁だけが残ると、従業員の就業調整の原因になります。顧問先から相談があった場合は、手当の収入要件の見直しを、人件費の影響とあわせて提案する余地があります。
05 YEAR-END CHECK 年末前に確認する、パートの年収見込みと勤務希望 10月〜11月の聞き取りで、年末調整とシフト調整の両方を支える
年収の壁の対応で、顧問先が最も効果を感じるのが、年末前の年収見込みと勤務希望の確認です。パート従業員が年末に向けて働く時間を調整する前に、顧問先が現在の年収の見込みと、今後の勤務希望を把握しておけば、人員計画にも、年末調整の準備にも役立ちます。
5-1. 聞き取りの項目と、確認の順番
| 確認項目 | 確認する理由 | 使う壁 |
|---|---|---|
| 今年のこれまでの給与収入と、年末までの見込み | 所得税の壁(178万円)に対する位置を把握する | 所得税 |
| 週の所定労働時間と、今後の変更予定 | 週20時間の前後で社会保険の加入要否が変わる | 社会保険の加入 |
| 配偶者の勤務先の健康保険に加入しているか | 被扶養者認定の対象かどうかを確認する | 被扶養者認定 |
| 今後1年間の勤務の見込み(労働契約の内容) | 130万円未満かどうかを、見込みで判定する | 被扶養者認定 |
| 配偶者の会社の手当の収入要件 | 配偶者手当などへの影響を確認する | 会社の手当 |
| 勤務の希望(増やしたい・減らしたい・今のまま) | 人員計画と、シフトの調整に使う | 全体 |
5-2. 年末調整の準備とつなげる
年収の見込みの確認は、年末調整の書類の回収と同じ時期に行うと効率的です。扶養控除等(異動)申告書や、基礎控除申告書兼配偶者控除等申告書などの記入内容は、パート従業員の年収見込みと、配偶者の年収見込みに基づくため、年収見込みの確認が済んでいれば、書類の回収と記載内容の確認が、スムーズに進みます。控除証明書の回収については、年末調整で必要な控除証明書の記事を参考にしてください。
5-3. 個人事業主向け・青色申告の顧問先で気をつけること
顧問先が青色申告の個人事業主の場合、雇っているパートが生計を一にする家族かどうかで、扱いが分かれます。家族を青色事業専従者として給与を支払う場合は、事業主の所得税の計算や、家族の扶養の扱いが別のルールになります。家族以外のパートであれば、ここまで説明した年収の壁の考え方が基本どおり当てはまります。家族従業者の扱いは、国税庁の案内で最新の要件を確認したうえで、顧問先に説明してください。
06 THE LIMIT 年収の壁の確認が、事務所の繁忙期を重くする理由 顧問先ごとにパートの人数・勤務条件・使う壁が違う
ここまで見てきたとおり、年収の壁の仕組み自体は、整理すれば難しくありません。しかし、複数の顧問先・多数のパート従業員を抱える事務所が、年末前の短い期間にこの確認をすべて行うと、次のような負荷が積み重なります。
これらは「年収の壁を理解しているか」では解決しません。顧問先ごとの条件を踏まえて、短い期間に集計と確認を繰り返す事務作業そのものが負荷の根本原因です。ソフトを替えても、顧問先ごとにソフトが違う以上、乗り換えの依頼や説明の負担が、事務所に新たに生まれます。
07 AUTOMATE WITH AI 【核心】パートの年収見込みの集計と確認連絡をAIで自動化する 「AIに聞く」効率化ではなく、集計と確認の作業そのものを渡す自動化へ
📚 用語解説
Claude Code/Codex:Claude CodeはAnthropic社、CodexはOpenAI社が提供するAIエージェント。ChatGPTのような「質問に答えるAI」と違い、指示を受けてパソコン上のデータ集計・ファイル操作・文書作成などの作業そのものを実行できる。日本語の指示だけで業務の仕組みを構築できるため、事務所のバックオフィス業務の自動化にも使われている。
7-1. 「AIに聞く」と「AIが毎年の確認を自動で回す」は別物
Claude CodeやCodexに「130万円の壁の要件を教えて」と聞くのは効率化です。調べ物が速くなるだけで、顧問先ごとのパートの年収を集計し、壁との位置関係を確認する作業は、人間が行う必要があります。
一方、本当に効果が出るのは自動化です。「10月になったら、顧問先ごとの賃金台帳と勤怠のデータを読み込み、パート従業員ごとの年内の給与収入の見込みと、週の所定労働時間を集計し、壁に近い従業員を抽出し、確認連絡文の下書きまで作る」という流れを、最初に一度設計しておけば、以降は毎年、決まった時期に仕組みが集計と抽出を済ませます。人の仕事は、最後に上がってきた一覧を確認し、顧問先への連絡を承認することだけです。
7-2. 社労士法との線引きを必ず入れる
ここで重要なのが、社労士法上の業務の切り分けです。行政機関への提出手続きの代行や、帳簿書類の作成(社労士法の1号・2号業務)は、社会保険労務士である先生方の業務であり、AIが行うことはできません。社会保険の加入手続き、被扶養者の認定に関する書類の作成・提出についても同様で、最終的な確認・作成・提出は、先生方・職員が行います。
AIが担当できるのは、賃金データ・勤怠データの集計、年収見込みの算出、壁に近い従業員の抽出、確認連絡文の下書き作成など、書類を作る前の事務作業です。加入の要否の最終判断、届出書の作成・提出、顧問先・従業員への助言は、必ず事務所の先生方・職員が行います。
7-3. Claude Code/Codexに任せられる事務作業
| これまで職員がやっていた作業 | AIに任せた後 |
|---|---|
| 顧問先ごとの賃金台帳から、パートの年内の給与収入を手で集計 | 賃金データを読み込み、従業員ごとに年内の収入見込みを自動で算出 |
| 週の所定労働時間を、勤怠表から1人ずつ確認 | 勤怠データから週の労働時間を自動で集計し、20時間前後の従業員を抽出 |
| 壁に近い従業員を、顧問先からの連絡と記憶で把握 | 基準額との差を自動で計算し、壁に近い従業員を一覧化 |
| 顧問先ごとに、確認の連絡文・聞き取り表を作成 | 従業員・顧問先ごとの連絡文と聞き取り表の案を自動生成 |
| 回答の回収状況を表計算ソフトで管理し、未回答者に督促 | 回答状況を自動で集計し、未回答者向けの督促文を自動生成 |
パートの年収見込みの集計は、「計算式と基準額が決まっている」「毎年同じ時期に繰り返す」「件数が顧問先のパートの人数に比例して増える」という、自動化と相性の良い条件がそろっています。基準額が毎年変わっても、仕組みの設定を更新すれば、翌年以降も同じ仕組みを使える点が、手作業との大きな違いです。
08 BUILD OR OUTSOURCE 増員・外注・自作では、繁忙期の確認作業は片づかない 4つの選択肢のうち3つは、事務所の悩みを別の悩みに置き換えるだけ
年収の壁の確認のように「年末前の限られた期間に集中し、顧問先のパートの人数に比例して作業量が増える」事務作業を楽にする方法は、4つの選択肢に整理できます。ただしそのうち3つは、事務所の悩みを別の悩みに置き換えるだけです。
| 選択肢 | よくある期待 | 実際に行き詰まる所 | 判定 |
|---|---|---|---|
| ①職員を増やす | 人を増やせば確認が間に合う | 年末前の繁忙期のためだけに年間で人を抱えるのは非効率。採用・教育も繁忙期に間に合わない | ✗ |
| ②従来型の外注・BPO | 外に出せば事務所の手間がなくなる | 顧問先ごとの勤務条件・規程の説明と、戻ってきた結果の手直しが、事務所に残る | ✗ |
| ③事務所でAIを自作する | Claude Code/Codexなら自分たちで作れる | 顧問先ルールの言語化・検証の型・作った人しか直せない第二の属人化という壁がある | ✗ |
| ④AI社員AIKATAに任せる | 集計と下準備を丸ごと渡せる | 事務所に残る業務は最終確認・承認と、顧問先への助言のみ | ★ |
8-1. 「①増員」「②外注」で片づかない理由
8-2. 「③自作」の壁
09 WHAT IS AIKATA 「AI社員AIKATA」とは——事務所の定型事務作業を丸ごと代行 集計・下準備は預ける、最終判断と1号・2号業務は先生方のまま
この壁を事務所自身で越えなくても、こうした集計・確認作業そのものを丸ごと預ける道があります。それが弊社(株式会社GENAI)が運営する業務代行サービス「AI社員AIKATA」です。
📚 用語解説
AI社員AIKATA:株式会社GENAIが運営する業務代行サービス。社労士事務所などのバックオフィス業務のうち、パソコン上で行う定型的な事務作業を、AIと人の二重体制で丸ごと受託する。特定の給与ソフトや勤怠システムに縛られず、事務所が使っている既存の環境をそのまま使って自動化する点が特徴。
無料相談(60分・オンライン/Google Meet)では、事務所の業務を棚卸しし、どこまで任せられるかを一緒に整理します。契約の義務はありません。利用にあたってはNDAを結び、給与・人事データの受け渡しと保管のルールを事務所の規程に合わせて決めます。料金は、業務量が増えても変わらない月額の定額制です。
10 COMPARISON & SUMMARY 残る道は「作業そのものを任せる」だけ 手作業のまま/ソフトの追加・乗り換え/AIKATAに任せる 比較とまとめ
| 手作業のまま | ソフトの追加・乗り換え | AIKATAに任せる | |
|---|---|---|---|
| 繁忙期の負荷 | 顧問先数・パートの人数に比例して増大(✕) | ソフト次第で一部軽減(△) | 処理量が増えても事務所側の作業は変わらない(◎) |
| 顧問先ごとのルール | 担当者の頭の中にあり、属人化(✕) | 顧問先ごとに設定し直す必要がある(△) | 仕組みに登録され、担当が変わっても残る(◎) |
| 顧問先への負担 | 確認・連絡のたびに個別対応(✕) | 乗り換え時の周知コストが発生(△) | 既存のやり方のまま、顧問先側の負担は増えない(◎) |
| 職員の採用・教育 | 繁忙期のための人員確保が難しい(✕) | ソフト操作の教育が必要(△) | 増員・教育なしで処理量を増やせる(◎) |
| 社労士法の線引き | 問題なし(全て職員が実施)(○) | 問題なし(○) | 1号・2号業務は先生方のまま。AIはその手前のみ(◎) |
10-1. AI社員AIKATAが選ばれる5つの理由
増員・外注・自作・乗り換えは、どれも事務所が人か仕組みを抱え続けます。作業そのものを手放せる道は、AI社員AIKATAに任せることだけです。パートの年収確認は、所得税はいくらから発生するかの確認や、年末調整の書類回収、算定基礎届といった事務所の他の定型業務とも同じ構造を持っています。一つの業務で仕組みを作る感覚をつかめば、同じ考え方で他の業務にも広げられます。
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職員を増やす・外注する・AIを自作する・ソフトを替える——どの道を選んでも、集計・入力・確認の作業か、それを回す人と仕組みが事務所に残り続けます。
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よくある質問
Q. 令和8年の「年収の壁」は、いくらになりましたか?
A. 所得税については、令和8年度税制改正により、令和8年分で給与収入178万円が、所得税がかからない目安になります(令和7年分は160万円)。内訳は、基礎控除104万円(本則62万円+特例42万円)と給与所得控除の最低保障額74万円(本則69万円+特例5万円)です。特例は令和8年分・9年分の措置とされています。社会保険の106万円の賃金要件は2026年10月に撤廃されました。
Q. 所得税の178万円の壁は、いつから手取りに反映されますか?
A. 国税庁の案内によると、基礎控除等の引上げは原則として令和8年12月1日に施行され、令和8年12月に行う年末調整から変更が生じます。令和8年11月までの毎月の源泉徴収は従来どおりで、年末調整で新しい控除を反映して精算します。そのため、毎月の手取りがすぐ増えるのではなく、12月の年末調整で還付などの形で反映されるのが基本です。
Q. 社会保険の106万円の壁は、なくなったのですか?
A. 厚生労働省の案内によると、短時間労働者の社会保険の加入要件のうち、賃金要件(所定内賃金が月額8.8万円以上)は2026年10月に撤廃されました。ただし、週の所定労働時間が20時間以上であることなどの要件は残っており、学生は対象外です。企業規模要件(従業員51人以上)も、2027年10月から36人以上というように、段階的に縮小・撤廃されます。
Q. 130万円の壁を超えると、必ず扶養から外れますか?
A. 必ずしも外れません。被扶養者の認定は、労働契約の内容から見込まれる今後1年間の収入で判定するのが基本です。また、人手不足による労働時間の延長などで一時的に収入が130万円以上になった場合は、事業主が一時的な収入であることを証明すれば、原則として連続2回までは扶養を継続できる取り扱いがあります。19歳以上23歳未満の被扶養者は、年間収入の要件が150万円未満に引き上げられています。
Q. 年収の壁の確認は、年末調整の前にどう進めるのがよいですか?
A. 10月〜11月に、顧問先からパート従業員へ、年内の給与収入の見込み、週の所定労働時間、配偶者の健康保険の加入状況、今後の勤務の希望を聞き取ります。年末調整の申告書の回収と同じ時期に行うと、顧問先の担当者の負担がまとまり、申告書の記載内容の確認もスムーズに進みます。令和8年分は申告書の様式が前年分から変わっているため、前年の様式を使い回さないよう案内してください。
Q. 年収の壁の確認作業をAIに任せても、社労士法上問題ありませんか?
A. 行政機関への提出手続きの代行や帳簿書類の作成(社労士法の1号・2号業務)は、社会保険労務士である先生方の業務であり、AIが代わりに行うことはできません。AI社員AIKATAが担うのは、賃金データ・勤怠データの集計、年収見込みの算出、壁に近い従業員の抽出、確認連絡文の下書き作成など、書類を作る前の事務作業に限られます。最終確認と承認、届出書の作成・提出は、必ず事務所の先生方・職員が行う設計です。
Q. 今使っている給与ソフトのままで、AIに集計や確認を任せられますか?
A. 任せられます。AI社員AIKATAは特定のソフトに限定せず、事務所が現在使っている給与ソフト・勤怠システムをそのまま使い、画面操作を含めて自動化します。顧問先にソフトの乗り換えを依頼する必要はなく、顧問先ごとの締め日・手当などの個別ルールも仕組みに登録して処理するため、担当者が変わっても引き継がれます。
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