【2026年10月最新】平均賃金の計算方法は?算定期間・賃金総額・最低保障額と、休業手当・解雇予告手当の用途、顧問先の計算作業をAI社員AIKATAに任せる方法【社労士事務所向け】
平均賃金とは、解雇予告手当や休業手当などを決めるために、労働基準法第12条で定められた方法で求める「1日あたりの賃金額」です。原則は、算定事由が発生した日より前の3か月間に支払われた賃金の総額を、その期間の総日数(暦日数)で割って求めます。日給・時給・出来高払いの人には、賃金総額を実際に働いた日数で割って6割をかけた「最低保障額」があり、原則の額より高ければそちらを使います。
顧問先から「明日から会社都合で休業させたい」「問題のある社員を解雇したい」「減給の懲戒をしたい」と連絡が来たとき、先生方や職員の方がまず手を動かすのが、この平均賃金の計算です。毎月の給与計算と違い、いつ来るか分からない突発の依頼で、しかも算定期間の特定、賃金総額の仕分け、除外期間の控除、最低保障額との比較と、確認する点が多い計算です。
この記事は、社労士事務所の所長・管理者・職員の方に向けた実務整理です。平均賃金の意味と使う場面、算定期間と賃金総額の考え方、月給制とパートの計算例、休業手当・解雇予告手当・年次有給休暇・労災補償・減給制裁での使い方、雇入れ後3か月未満や産前産後休業がある場合の注意点を、条文と公式の情報で確かめられる内容を中心に説明します。後半では、今の給与ソフトを使ったまま、資料の回収や集計といった前工程をAI社員AIKATAに任せる方法も紹介します。
以下の内容は2026年10月確認時点で、労働基準法の条文と、厚生労働省などの公開情報に基づいています。算定の取扱いは通達で補われている部分があり、個別の事案は最新の公式な案内で確認してください。
01 BASICS 平均賃金とは?労働基準法第12条の定義と、使う5つの場面 「平均給与」とは別物。補償や制裁の基準になる1日あたりの額
1-1. 平均賃金は、各種の手当や補償を決める「1日あたりの賃金額」
平均賃金とは、労働基準法第12条に定められた、各種の手当や補償の金額を決めるための基準になる1日あたりの賃金額です。条文では、これを算定すべき事由の発生した日以前3か月間に、その労働者に支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で割った金額と定めています。出典:e-Gov法令検索「労働基準法」第12条。
世間でいう「平均給与」や「平均年収」は、複数の人の給与をならした数字です。平均賃金は、その労働者本人の直近の賃金をもとに、1日あたりいくらかを求める数字で、考え方がまったく違います。会社の都合で普段どおりの賃金を受け取れない状況で、公平な補償額を決めることが目的です。
顧問先の社長や担当者には、「平均賃金は、ふだんの日給の目安を、法律のルールで決めた額」と説明すると伝わりやすくなります。計算の結果は、労働者の生活を支える補償額に直結します。数字に自信がない状態で、顧問先に回答しないことが大切です。
📚 用語解説
平均賃金:労働基準法第12条に定める、算定事由発生日以前3か月間に支払われた賃金の総額を、その期間の総日数(暦日数)で割った額です。解雇予告手当・休業手当・年次有給休暇中の賃金・休業補償・減給制裁の限度額などの基準になります。
📚 用語解説
算定事由発生日:平均賃金を算定しなければならない事由が発生した日です。解雇予告手当なら解雇を予告した日、休業手当なら休業日(休業が続くときは最初の日)、年次有給休暇なら取得した日、減給制裁なら制裁の意思表示が相手に到達した日、などと整理されます。
1-2. 条文の目的は「生活の保障」と「算定方法の統一」
平均賃金を条文で決めている目的は、補償や手当の額を決める基準を統一し、労働者の生活を守って、適切な労働環境を維持することにあります。平均賃金を正しく理解しておくことは、労使双方を守ることにつながります。基準が会社ごとに違えば、解雇や休業のたびに額をめぐる争いが起きます。算定方法が決まっていることで、使用者は適正な額を計算でき、労働者は最低限保障される額が分かります。
平均賃金には、原則の計算のほかに、日給制や時給制の人が不利にならないようにする最低保障額があります。また、産前産後休業のように賃金が下がる期間は算定から除くなど、通常の賃金をありのままに反映する工夫もされています。計算のルールを知らないまま、手元の給与明細だけで暗算すると、これらを見落とします。
1-3. 平均賃金を使う5つの場面(解雇・休業・年休・災害補償・減給)
平均賃金を使う場面は、労働基準法などで決められています。顧問先からの依頼は、この5つのどれかに当たるはずです。場面ごとに、根拠となる条文と基準を整理します。
| 場面 | 根拠 | 平均賃金の使い方 | 算定事由発生日 |
|---|---|---|---|
| 解雇予告手当 | 労働基準法第20条 | 30日前に予告しないとき、不足日数分の平均賃金を支払う(30日分以上) | 解雇の予告をした日 |
| 休業手当 | 労働基準法第26条 | 使用者の責めに帰すべき休業の日に、平均賃金の6割以上を支払う | 休業した日(続くときは最初の日) |
| 年次有給休暇の賃金 | 労働基準法第39条第9項 | 就業規則で定める場合、平均賃金で支払う方法を選べる | 年次有給休暇を取得した日 |
| 災害補償 | 労働基準法第76条ほか/労災保険法 | 休業補償は平均賃金の6割。労災保険の給付基礎日額の基礎にもなる | 事故が発生した日、または診断で疾病が確定した日 |
| 減給の制裁 | 労働基準法第91条 | 1回の額は平均賃金の1日分の半額まで。総額は一賃金支払期の賃金の10分の1まで | 制裁の意思表示が相手方に到達した日 |
この表で大切なのは、算定事由発生日が場面ごとに違うことです。同じ労働者でも、解雇を予告した日と、休業を始めた日では、さかのぼる3か月が変わります。顧問先に確認するときは、「どの場面で、いつの日付を基準にするのか」を先にそろえてから、賃金データを集めます。
1-4. 平均賃金の計算は「給与計算」とは別の仕事
毎月の給与計算は、勤怠の締め日から支給日までの手順で回っています。平均賃金の計算は、突発的な事由の日付から、さかのぼって賃金を集め直す作業です。通常の給与計算とは対象期間の切り方も、含める賃金の範囲も違います。
たとえば、給与計算では賞与も基本給も手当もすべて支給額として扱いますが、平均賃金では賞与の多くが除かれます。また、通勤手当の非課税分は所得税では課税対象外でも、労働基準法上は賃金に含めて計算します。税法上の考え方と、労働基準法上の考え方を混同しないことが、ミスを防ぐ第一歩です。
02 HOW TO CALCULATE 平均賃金の計算方法:算定期間・賃金総額・最低保障額・端数処理 原則の式と最低保障額を比べて、高い方を使う
2-1. 基本の式は「3か月間の賃金総額 ÷ 3か月間の総日数」
平均賃金の原則の式は、算定期間中の賃金総額を、その期間の総日数(暦日数)で割ることです。総日数は、勤務した日数ではなく、休日や休業日も含めたカレンダーどおりの日数です。3か月の合計がおおむね90日から92日になるのはこのためです。
一方、日給制・時給制・出来高払制の人や、賃金の一部がそうした形で決まっている人には、最低保障額があります。賃金総額を実際に労働した日数で割り、その6割にあたる額です。原則の額と最低保障額を両方計算し、高い方を平均賃金とします。出典:e-Gov法令検索「労働基準法」第12条第1項。
| 区分 | 計算式 | 使う場面 |
|---|---|---|
| 原則 | 算定期間中の賃金総額 ÷ 算定期間の総日数(暦日数) | すべての労働者の基本 |
| 最低保障額(日給・時給・出来高払) | 賃金総額 ÷ 算定期間中に労働した日数 × 60% | 日給制・時給制・出来高払制の労働者。原則の額より高いとき採用 |
| 最低保障額(月給等と併用) | 月給等の部分 ÷ 総日数 + その他の部分 ÷ 労働日数 × 60% | 月給に残業代が加わるなど、賃金の一部が月・週で決まるとき |
📚 用語解説
最低保障額:日給・時給・出来高払いなどで、労働日数が少ないと原則の計算では平均賃金が低くなりすぎるため、賃金総額を労働日数で割った額の60%を下限として保障する制度です。原則の額と比べて、高い方を平均賃金とします。
2-2. 算定期間は「直前の賃金締切日」からさかのぼる3か月
算定期間は、算定事由発生日以前の3か月間です。ただし、賃金締切日がある場合は、直前の賃金締切日から起算してさかのぼります。算定事由発生日そのものは、期間に含めません。事由発生日が賃金締切日にあたるときは、その前の締切日から数えます。
たとえば、毎月末日が締切日の会社で、10月16日に解雇を予告した場合、直前の賃金締切日は9月30日です。ここからさかのぼる3か月は、7月1日から9月30日までで、総日数は92日(31日+31日+30日)です。毎月20日が締切日で、7月10日に休業を始めた場合は、直前の締切日が6月20日となり、算定期間は3月21日から6月20日まで、総日数は92日です。
| 賃金締切日 | 算定事由発生日 | 算定期間 | 総日数 |
|---|---|---|---|
| 毎月末日 | 10月16日 | 7月1日〜9月30日 | 92日 |
| 毎月20日 | 7月10日 | 3月21日〜6月20日 | 92日 |
| 毎月末日 | 8月10日 | 5月1日〜7月31日 | 92日 |
| 毎月15日 | 2月5日 | 10月16日〜1月15日 | 92日 |
総日数は、月の日数の組み合わせで90日、91日、92日と変わります。平年の2月が入ると89日になる場合もあります。分母は必ずカレンダーで数え直し、前回の案件の数字を使い回さないでください。
2-3. 賃金総額に含めるもの・含めないもの
賃金総額の内訳を確認するときは、算定期間中に労働の対償として支払われた賃金の総額を、税金や社会保険料を差し引く前の額で集めます。基本給のほか、役職手当・資格手当・家族手当・住宅手当などの各種手当、通勤手当、時間外・休日労働・深夜労働の割増賃金、年次有給休暇の日の賃金も含めます。割増賃金の種類ごとの計算は徹底解説したガイドや資料が多く公開されていますが、平均賃金では、その結果として実際に支払われた額を賃金総額に入れます。残業代の計算は残業代の計算方法で整理しているとおり、割増賃金は別に正しく計算されているかを先に確認します。
一方で、法律で除外が決まっているのは、臨時に支払われた賃金(結婚祝金、見舞金、退職金など)、3か月を超える期間ごとに支払われる賃金(年2回の賞与など)、通貨以外のもので支払われた賃金のうち、法令や労働協約に基づかないものです。出典:e-Gov法令検索「労働基準法」第12条第4項。
| 賃金の種類 | 賃金総額への算入 | 補足 |
|---|---|---|
| 基本給・役職手当・資格手当・家族手当・住宅手当 | 含める | 毎月支払われる手当は原則すべて含める |
| 通勤手当 | 含める | 所得税で非課税の部分も、労働基準法上は賃金 |
| 残業代・休日出勤手当・深夜手当 | 含める | 算定期間に支払われた割増賃金 |
| 年次有給休暇を取得した日の賃金 | 含める | 通常どおり支払われた賃金として扱う |
| 年2回の賞与(3か月を超える期間ごと) | 含めない | 支給間隔が3か月以内の定期支給は事情が変わる |
| 結婚祝金・見舞金・退職金など臨時の賃金 | 含めない | 就業規則に支給条件があっても臨時の賃金は除く |
| 労働協約等に基づかない現物支給 | 含めない | 社宅や食事など、根拠がある場合は評価して扱う場合がある |
通勤手当は、所得税の非課税限度額内であっても、平均賃金の賃金総額に含めます。賞与は、3か月を超える期間ごとに支払われるものを除きますが、支給の実態が毎月の給与の一部を賞与名目で後払いしているような場合などは、個別に確認が必要です。顧問先の賃金規程と実際の支給状況を、賃金台帳で突き合わせてから分類します。
2-4. 計算例①:月給制の正社員(月給30万円+残業代)
この計算例でシミュレーションします。前提は次のとおりです(数値は説明用の例です)。賃金締切日は毎月末日、解雇を予告した日は10月16日、月給は30万円(基本給25万円、役職手当3万円、通勤手当2万円)、算定期間中の残業代は7月12,000円・8月18,000円・9月15,000円で合計45,000円、算定期間中の労働日数は7月22日・8月21日・9月22日で合計65日です。
算定期間は7月1日から9月30日まで、総日数は92日です。賃金総額は、月給900,000円(30万円×3か月)に残業代45,000円を加えた945,000円です。原則の式では、945,000円÷92日=10,271.739…円で、銭未満を切り捨てた10,271円73銭になります。
最低保障額も確認します。月給の部分900,000円÷92日=9,782.608…円と、残業代の部分45,000円÷65日×60%=415.384…円を合算すると、10,197.993…円(10,197円99銭)です。原則の10,271円73銭のほうが高いので、この例の平均賃金は10,271円73銭です。
| 項目 | 計算 | 結果 |
|---|---|---|
| 算定期間・総日数 | 7/1〜9/30 | 92日 |
| 賃金総額 | 900,000円+45,000円 | 945,000円 |
| 原則の額 | 945,000円 ÷ 92日 | 10,271円73銭 |
| 最低保障額(月給部分+残業代部分) | 900,000円÷92日 + 45,000円÷65日×60% | 10,197円99銭 |
| 平均賃金(高い方) | 原則の額を採用 | 10,271円73銭 |
月給制の労働者は、ほとんどの場合、原則の額のほうが高くなります。それでも、残業代など月給以外の部分があるときは、2号の合算額(月給部分は総日数で割り、その他の部分は労働日数で割って6割)と比較するのが正確な手順です。計算の抜けを避けるため、比較の工程を省かない型にしておきます。
2-5. 計算例②:時給制のパート・アルバイト
前提は、賃金締切日が毎月末日、解雇を予告した日が10月16日、時給制のパートで、7月は15日勤務して94,800円、8月は14日勤務して88,200円、9月は16日勤務して105,600円の支払いがあったとします(数値は説明用の例です)。算定期間は7月1日から9月30日までの92日、賃金総額は288,600円、実際に労働した日数は45日です。
原則の額は、288,600円÷92日=3,136.956…円(3,136円95銭)です。最低保障額は、288,600円÷45日=6,413.333…円に60%をかけた3,848円(3,848円00銭)です。後者のほうが高いので、この人の平均賃金は3,848円になります。
週の勤務日が少ないパートの場合は、この例のように最低保障額が採用されることが多くなります。原則の式だけで計算すると、金額が低く出て、休業手当や解雇予告手当が不足するおそれがあります。パート・アルバイトの有給休暇の扱いはパートの有給休暇の管理でも整理しています。
平均賃金を求めたら、必ず「賃金総額÷労働日数×60%」と比べます。日給制・時給制・シフト制のパートが多い顧問先では、原則の額より最低保障額が高くなるのが普通です。依頼を受けた時点で、賃金体系を確認してから計算の手順を選びます。
2-6. 端数処理:銭未満は切り捨て、支払時は円未満を四捨五入
平均賃金を計算すると、10,271.7391…円のように割り切れない数になります。この場合、銭未満(1円の100分の1未満)の端数は切り捨てて、10,271円73銭とするのが一般的な取扱いです。この取扱いは通達で示されているため、細部は厚生労働省の公開資料で確認してください。
実際に解雇予告手当や休業手当を支払うときは、平均賃金に日数や割合をかけた結果の円未満の端数を四捨五入して整えます。たとえば、平均賃金10,271円73銭の6割は6,163.038円ですが、5日分では30,815.19円なので、支払額は30,815円です。端数処理の方法は、賃金規程で別に定める場合もあるので、顧問先の規程を先に確認します。
労災保険の給付基礎日額は、平均賃金に相当する額として求めますが、1円未満の端数は1円に切り上げます。同じ「平均賃金に相当する額」でも、端数の扱いが違う点は、混同しやすい箇所です。出典:e-Gov法令検索「労働者災害補償保険法」第8条。
2-7. 算定期間に含まれる「除外する期間」は、日数も賃金も控除する
算定期間中に次の期間が含まれるときは、その日数と、その期間中の賃金を、算定期間と賃金総額の両方から控除します。出典:e-Gov法令検索「労働基準法」第12条第3項。
たとえば、算定期間のうち1か月が業務災害による療養休業だった場合、その1か月の日数と賃金を除き、残りの期間の賃金と日数で割ります。除外を忘れると、賃金が低い月を含むことになり、平均賃金が不当に低く出ます。控除の対象になる期間かどうかは、顧問先の休業・休職の記録を見ないと判断できないため、依頼を受けたときに最初に確認する項目です。
03 USES 平均賃金の主な用途:休業手当・解雇予告手当・年休・労災・減給制裁 場面ごとに、平均賃金をどう使うかを例で確認する
3-1. 休業手当:平均賃金の6割以上を休業日ごとに支払う
使用者の責めに帰すべき事由で労働者を休業させたときは、使用者は、休業期間中、平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければなりません(労働基準法第26条)。出典:e-Gov法令検索「労働基準法」第26条。設備の故障、業績の悪化による一時休業、資材の不足などが典型です。
計算は、平均賃金×60%×休業日数です。2-4の例で、平均賃金が10,271円73銭の労働者を、5日間休業させたとします。1日あたりの下限は6,163円04銭、5日分は30,815.19円で、支払額は30,815円になります。6割は最低ラインなので、顧問先が10割支払うことも差し支えありません。
注意したいのは、休業手当が必要かどうかの判断です。天災地変のような不可抗力による休業は、使用者の責めに帰すべき事由に当たらないことがあります。ただし、不可抗力かどうかの判断は個別に慎重な検討が必要で、金額の計算より先に整理しておくべき点です。判断は先生方が行い、計算の前工程を事務が整えます。
3-2. 解雇予告手当:30日に足りない日数分の平均賃金を支払う
使用者が労働者を解雇しようとするときは、少なくとも30日前に予告するか、30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払う必要があります(労働基準法第20条)。予告の日数が30日に満たないときは、その不足日数分の平均賃金を支払うことで、予告に代えられます。出典:e-Gov法令検索「労働基準法」第20条。
計算は、平均賃金×(30日−予告日数)です。平均賃金が10,271円73銭の労働者に、10日前に予告して解雇する場合は、不足する20日分の205,434.6円を四捨五入して205,435円です。即日解雇の場合は30日分で、308,151.9円、支払額は308,152円になります。
解雇予告が不要な場合も、条文で決まっています。天災事変などのやむを得ない事由で事業の継続が不可能になった場合や、労働者の責めに帰すべき事由による解雇で行政官庁の認定を受けた場合です。また、日々雇い入れられる者や、試みの使用期間中の者などは、一定の期間内であれば予告の規定の対象外です(第21条)。顧問先から「予告手当は不要だと思う」と聞いたときは、条文のどれに当たるのかを確認します。試用期間中の解雇は試用期間中の解雇の記事で整理しています。
3-3. 年次有給休暇を取得した日の賃金:3つの方法から選ぶ
年次有給休暇を取得した日の賃金計算は、就業規則その他これに準ずるもので定めるところにより、平均賃金、所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金、または健康保険法の標準報酬日額(労使協定が必要)のいずれかで支払います(労働基準法第39条第9項)。多くの会社は、月給制なら通常の賃金とし、毎月の給与から欠勤控除をしない運用です。
平均賃金で支払う方法を選んでいる顧問先では、年休を使うたびに平均賃金を計算し直す必要があります。算定事由発生日は年次有給休暇を取得した日で、取得のたびに期間が変わります。パート・アルバイトは日々の労働時間が変わりやすく、通常の賃金で支払うか、平均賃金で支払うかによって、1日あたりの額が違ってきます。
3-4. 労災補償と、労災保険の給付基礎日額
労働者が業務上の負傷や疾病で療養のため働けないときは、使用者は、平均賃金の100分の60の休業補償を行います(労働基準法第76条)。実務では、労災保険から休業補償給付が支給され、使用者が直接負担するのは、休業の最初の3日間(待期期間)の分が中心です。
労災保険の休業(補償)給付の額は、給付基礎日額をもとに計算します。給付基礎日額は、原則として労働基準法の平均賃金に相当する額で、1円未満の端数は1円に切り上げます。給付の額や特別支給金の仕組みは、労災保険の公式な案内で確認してください。算定事由発生日は、事故が発生した日、または診断によって疾病の発生が確定した日です。
3-5. 減給制裁の上限額:1回は平均賃金の半額まで、総額は10分の1まで
就業規則で労働者に対する減給の制裁を定める場合、その減給は、1回の額が平均賃金の1日分の半額を超えてはならず、総額が一賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超えてはなりません(労働基準法第91条)。出典:e-Gov法令検索「労働基準法」第91条。
平均賃金が10,271円73銭の労働者なら、1回の減給の上限は、その半額の5,135円ほどです。月の賃金総額が33万円なら、一賃金支払期(1か月)の減給の総額の上限は33,000円です。1回の事案に対して、平均賃金の半額を超える額を減給することはできません。懲戒の流れと始末書の位置づけは始末書の書き方と顧問先対応を参照してください。
| 用途 | 計算の考え方 | 例(平均賃金10,271円73銭) |
|---|---|---|
| 休業手当 | 平均賃金×60%以上×休業日数 | 5日間の休業で30,815円 |
| 解雇予告手当 | 平均賃金×(30日−予告日数) | 10日前の予告で205,435円。即日解雇で308,152円 |
| 年次有給休暇の賃金 | 就業規則で平均賃金を選んだ場合のみ | 1日あたり10,271円73銭(円未満の端数処理は規程による) |
| 休業補償・給付基礎日額 | 休業補償は平均賃金の60%。給付基礎日額は平均賃金に相当する額 | 給付基礎日額は1円未満切り上げ |
| 減給の制裁 | 1回は平均賃金の半額まで。総額は賃金総額の10分の1まで | 1回の上限は5,135円ほど |
04 CAUTIONS 平均賃金の計算で間違えやすい注意点と、ミスを防ぐ確認の型 例外のケースと、事務所でよく起きるミスを事前に把握する
4-1. 雇入れ後3か月に満たない労働者
雇入れ後3ヶ月に満たない労働者の場合は、実務でもっとも質問が多い例外です。算定期間が雇入れ後の期間になります(労働基準法第12条第6項)。賃金締切日がある場合は、原則として直前の賃金締切日から起算しますが、雇入れ後の期間が一賃金締切期間に満たないときは、事由が発生した日からさかのぼって算定するという取扱いが通達で示されています。
たとえば、毎月末日が締切日の会社に4月10日に入社した労働者に、5月20日に事由が発生したとします。直前の締切日(4月30日)から起算すると、4月10日から4月30日までの21日間となり、一賃金締切期間に満たないため、4月10日から5月19日までの40日間の賃金と日数で計算します。
入社直後の試用期間中に休業や解雇の話が出ることは珍しくありません。入社日・締切日・事由の日付を並べて、どの取扱いに当たるかを確認してから賃金データを集めます。
4-2. 産前産後休業・育児介護休業・業務上の療養・会社都合の休業がある場合
2-7で整理した除外期間は、算定期間の中に含まれていることに気づきにくいものです。産前産後休業や育児休業から復帰した直後の労働者に、解雇や休業の話が出たときは、算定期間の3か月に休業期間が重なっていないかを必ず確認します。除外を忘れると、賃金が低い月を含んで平均賃金が小さくなり、手当が不足します。
算定期間のすべてが除外期間に当たるような場合は、通常の方法で計算できません。この場合は、厚生労働大臣が定める方法によるとされています(労働基準法第12条第8項)。個別性が高い事案なので、先生方の判断を仰ぎ、公式の解説で取扱いを確認します。
4-3. 日雇い労働者の場合
日々雇い入れられる労働者の平均賃金は、厚生労働大臣の定めるところによります(労働基準法第12条第7項)。通常の3か月間の算定が難しいため、告示で別の方法が定められています。一般の事務所ではまれですが、派遣や建設、イベント関連の顧問先では日雇いの人がいる場合があります。
日雇い労働者に当たるかどうかは、雇用の実態で判断します。契約書の名称だけで決めないでください。該当しそうなときは、厚生労働省の告示と解説で計算方法を確認してから進めます。
4-4. パート・アルバイト、試用期間中の休業、ボーナス・通勤手当の扱い
こうした質問は、顧問先の担当者が自分で調べて間違えやすい点です。事務所として回答の型を持っておくと、依頼を受けてから返信するまでの時間が短くなります。
4-5. よくある計算ミスと、防ぐ確認ポイント
| ミスの内容 | 起きる理由 | 防ぐ確認 |
|---|---|---|
| 算定期間を間違える | 締切日の確認漏れ。事由発生日の取り違え | 場面ごとの算定事由発生日を先に確定する |
| 最低保障額との比較を省く | 月給制は原則で足りると思い込む | 日給・時給・出来高・割増賃金がある場合は必ず比較する |
| 除外期間を控除しない | 休業・休職の記録が手元にない | 算定期間と休業期間を並べて確認する |
| 賞与や臨時の賃金を入れてしまう | 支給項目の仕分けが担当者任せ | 賃金台帳の項目ごとに算入・除外を決めた一覧を作る |
| 端数処理を混同する | 計算の途中と支払時の処理が別 | 銭未満切り捨て、支払時は円未満を四捨五入と区別する |
| 通勤手当を除いてしまう | 税法上の非課税と混同 | 労働基準法上は賃金として算入すると確認する |
4-6. 計算ツールの使い方と、賃金台帳・出勤簿の保存
平均賃金の計算に便利なツールとして、表計算ソフトや、ウェブ上の計算ツール、給与ソフトの機能が使えます。ただし、ツールに入れる数字は、算定期間の特定、賃金の仕分け、除外期間の控除がすべて済んだ後のものです。ツールを使っても、前提を決めるのは人間で、ここを間違えると、計算がきれいに出ても結果は誤りです。
計算の根拠となる賃金台帳や出勤簿などの出勤記録は、労働基準法に基づき保存する義務があります。賃金台帳の作成は第108条、記録の保存は第109条に定めがあり、保存期間は法律上5年(当分の間は3年)です。顧問先から「平均賃金がなぜこの額になるのか」を問われたときに、算定期間、賃金総額、除外した項目を、台帳に基づいて説明できる状態にしておきます。
割増賃金や時間外労働の管理、36協定の範囲での労働時間管理、労働条件通知書や雇用契約書の整備といった日ごろの労務管理が整っているほど、平均賃金の計算に使うデータも正確になります。点検の入口は労働基準法違反の点検の記事でも整理しています。
4-7. 平均賃金の誤りは、労基法違反と労使トラブルにつながる
平均賃金の算出を誤り、解雇予告手当や休業手当が不足すると、顧問先は労基法違反として是正を求められるおそれがあります。人事労務担当者が遵守すべき基本ルールは、必要な場面で平均賃金を算出して適用すること、最低保障額の適用漏れをなくすこと、算定期間と賃金総額を正しく把握すること、賃金台帳と出勤記録を適正に残すことの4つです。第12条関連の計算は、このうち3つが同時に関わります。
労働基準法の基本と実務では、企業がやりがちなNG事項として、賃金の支払い、労働時間の管理、労働条件の明示が繰り返し挙げられます。時間外労働の管理や36協定の締結・更新、割増賃金の支払いが適切でないと、そのまま賃金総額の誤りに影響します。労働時間管理の基本ルールは、社労士解説の資料で整理されているので、顧問先に案内するときの入口になります。
トラブル回避のメソッドとして有効なのは、入口の労働条件通知書・雇用契約書で、賃金の締切日、手当の内訳、休業時の取扱いをあらかじめ明記しておくことです。契約と賃金規程がそろっていれば、休業や解雇の場面で平均賃金を計算するときに、算入する賃金の範囲で迷う時間が減り、労使双方の納得も得やすくなります。
4-8. 新入社員・高額所得者などの特殊ケースと、適用漏れの防ぎ方
新入社員は、算定期間が短くなる特殊ケースの代表です。雇入れ後の期間で計算し、賃金締切日からの起算が使えるかを確認します。高額所得者については、平均賃金そのものに上限はありませんが、労災保険の給付など、他の制度では給付基礎日額に上限や下限が設けられている場合があります。他制度と組み合わせて使うときは、その制度の公式な案内で確認します。
特殊なケースは、年に数回しか来ません。そのたびに職員が手順を思い出す運用では、最低保障額の適用漏れや除外期間の控除漏れが起きやすくなります。依頼の種類ごとにチェック項目を型にしておくこと、そして型に沿って集める資料と計算を確実に実行できる仕組みを用意することが、適用漏れを防ぐ現実的な方法です。
05 MANUAL WORK 平均賃金の知識があっても、事務所の手作業は残ります 突発の依頼ほど、資料回収と仕分けに時間を取られる
5-1. 突発の依頼は、繁忙期の最中にも来る
平均賃金の計算は、毎月の定例業務ではなく、顧問先の事情で突然発生します。しかも、解雇や休業の相談は、先生方が顧問先の経営者と話をした直後に、「いくらになるか」を急いで出す必要があります。依頼が来た日から数日で回答を求められることも多く、定例業務を止めて対応することになります。
労働保険の年度更新や算定基礎届、年末調整の繁忙期と重なれば、職員は複数の締切を同時に抱えます。人員を増やすには採用と教育の時間がかかり、繁忙期が過ぎると人件費だけが残ります。突発の計算依頼は、職員の予定を崩す原因の一つです。
5-2. 顧問先ごとに、資料のそろい方が違う
平均賃金の計算に必要なのは、直近3か月分の賃金台帳(または給与明細)、出勤簿、休業・休職の記録、賃金規程です。顧問先によって、給与ソフトで出力した帳票が届く場合もあれば、表計算ファイルや紙の資料が届く場合もあります。締切日、手当の種類、賞与の支給月もそれぞれ違い、同じ式に入れるために一件ずつ読み替えが必要です。
担当の職員が「この顧問先は通勤手当を別の項目で管理している」「あの顧問先は賞与が年3回で、扱いに注意が必要」といった事情を、記憶やメモで持っている事務所は少なくありません。担当が休むと、その事情が分からなくなる属人化が起こります。
5-3. 転記と確認の二度手間
賃金台帳の金額を計算用のシートに転記し、算入する項目を選び、日数を数え、結果を元の資料と突き合わせます。この確認作業は、人の目で行うほど時間がかかり、確認を二重にするほど手間が増えます。ソフトに問題があるのではなく、ソフトに渡す前の資料整理と、処理後の確認を誰が行うかという運用の課題です。
ソフトを替えなくても、作業そのものを任せる道があります。AI社員AIKATAは、職員がパソコンで行っている事務作業を、AIと人の二重体制で受託する業務代行サービスです。次の章では、AIに質問して作業を速くする「効率化」と、AIが決まった流れを回す「自動化」の違いから説明します。
06 AUTOMATION AIに聞く効率化から、計算の前工程を任せる自動化へ Claude Code/Codexの使い方と、事務所に残す判断の線引き
6-1. Claude Code/Codexに質問するだけでは、毎回の作業は回りません
AIに「平均賃金の計算方法を教えてください」と質問して、説明のたたき台を得るのは効率化です。職員がその回答を読み、実際の資料を開き、顧問先に連絡し、結果を入力する工程は残ります。Claude Code/Codexというツール名を覚えることが目的ではなく、事務所がどこまでの操作と確認を仕組みに任せるのかを決めることが目的です。
自動化では、処理を始める条件、受け取る資料、顧問先のルール、確認が必要な差異、停止する条件、承認する人をつなげます。ここで示すのは業務設計の考え方で、Claude Code/Codexを導入するだけで給与や労務の処理が完成するという意味ではありません。定型の前工程を動かす仕組みの構築と運用を、誰が担うかまで決める必要があります。
AI社員AIKATAは仕組みの構築と運用を担い、事務所にAIの知識を求めません。事務所は、任せる業務と最終確認の範囲を整理します。
📚 用語解説
Claude Code/Codex:Claude CodeはAnthropic社、CodexはOpenAI社が提供するAIエージェントです。質問に答えるだけでなく、パソコン上のファイル操作・データ集計・文書作成などの作業そのものを、指示に従って実行できます。
📚 用語解説
効率化と自動化:効率化は職員が行う作業を速くすること、自動化は条件と確認の流れを決めて定型の処理を仕組みで進めることです。どちらも、専門家が担う判断や承認の範囲を曖昧にしないことが前提です。
6-2. 今の給与ソフトのまま、資料の回収から承認待ちまでつなげる
AI社員AIKATAは、特定の給与ソフトや勤怠システムに限定せず、事務所が使っている環境の画面操作を含めて自動化します。次の図は、受託範囲を確認したうえでの、平均賃金の計算依頼を受けたときの前工程の流れです。解雇や休業の可否の判断、顧問先への助言、行政機関への手続きを自動で受託する流れではありません。
| これまで職員がやっていた作業 | AI社員AIKATAに任せた後 | 事務所に残す役割 |
|---|---|---|
| 顧問先へ資料を依頼し、届いた形式を読み替える | 資料回収や一次対応を、受託範囲に整理して進めます | 依頼範囲と受け渡しルールを確認します |
| 締切日・手当・賞与の扱いを思い出して仕分ける | 顧問先ごとの個別ルールを仕組みに登録して処理します | ルールの確定・変更内容を確認します |
| 賃金総額と日数を転記して計算する | 今のソフトや表計算を使い、画面操作も含めて自動化します | 計算済みの結果を最終確認します |
| 結果を元の資料に戻って確かめる | AIの処理結果を人が品質チェックします | 仕上がりを承認します |
| 内部の集計資料と法定の書類を一続きに扱う | 受託する事務作業と独占業務を区分します | 先生方が申請書・帳簿書類の作成と提出を担います |
事務所の承認を軽くするには、何を確認すればよいかが分かる状態が必要です。無料相談に持ち込む業務メモには、今の給与ソフト名、資料が届く経路、顧問先別の締切日、職員が確認している箇所を書き出しておきます。平均賃金との接点は、算定期間の特定と賃金の仕分けに必要な材料が、顧問先ごとに正しくそろい、整理されることです。
6-3. 1号・2号業務と最終確認・承認は先生方が行う
社労士法上の1号・2号業務に当たる申請書等の作成、行政機関への提出手続きの代行、帳簿書類の作成は、先生方が行います。AI社員AIKATAは独占業務を引き受けません。担うのは、その前の給与計算、勤怠集計、書類の下準備、資料回収の一次対応などの事務作業です。最終確認と承認も事務所に残します。制度の根拠はe-Gov法令検索「社会保険労務士法」で確認できます。
サービス説明にある帳票の作成は、独占業務に当たる法定帳簿書類まで代行するという意味ではありません。作業を委ねる際は、内部の集計資料と法定帳簿書類を区別してください。また、解雇や休業の可否の判断、顧問先への個別の助言、紛争の対応は、AIが引き受ける領域ではありません。
本記事でAI社員AIKATAに任せる対象として説明するのは、資料回収、勤怠・賃金の集計、整理、入力などの事務作業です。平均賃金を使って顧問先へ行う助言、解雇予告や休業の判断、行政機関への提出手続きの代行を、AI社員AIKATAが受託するという意味ではありません。社労士法上の独占業務も先生方が行います。
07 FOUR CHOICES 増員・外注・自作では、突発の計算依頼と繁忙期の事務作業は片づきません 自分たちで作るか、作業と運用を任せるかを決める
7-1. 4つの選択肢を、同じ目的で比べる
4つのうち3つは、事務所の悩みを別の悩みに置き換えるだけです。ここでは「資料の回収・集計・入力を、事務所が人や仕組みを抱え続けずに手放す」という目的で比べます。職員を増やす、従来型の外注を使う、自分たちでAIを作るという選択では、その人や仕組みを事務所が運用する課題が残ります。
以下の判定は、この目的に対する本記事の整理です。特定の会社やソフトの品質、対応範囲を評価するものではありません。AI社員AIKATAは事務作業の受託に加え、仕組みの構築と運用を担うため、事務所が取り組みたい「作業そのものを任せる」という方向につながります。専門判断と承認の責任を手放すことを勧める比較ではありません。
| 選択肢 | よくある期待 | 実際に行き詰まる所 | 判定 |
|---|---|---|---|
| ①職員を増やす | 手作業を分担できる | 採用・教育、顧問先ルールの引継ぎを事務所が続ける | ✕ |
| ②従来型の外注・BPOを使う | 作業の一部を外へ出せる | 指示の整理、確認、手直しの運用が事務所に残る | ✕ |
| ③事務所でAIを自作する | 自分たちのルールで動かせる | 構築・検証・保守の担当を抱え続ける | ✕ |
| ④AI社員AIKATAに任せる | 事務作業と仕組みの運用を任せられる | 受託範囲を決め、事務所が最終確認と承認を行う | ◎ |
7-2. 増員・外注に残る負担と、AI自作の第二の属人化
平均賃金の計算を例にすると、増員しても新しい職員に「顧問先ごとの賃金項目の仕分けや締切日の癖」を教える仕事は残ります。外注では、渡す資料の版をそろえ、顧問先ルールを説明する役目が残ります。AIを自作する場合も、法改正や通達の更新のたびに判定ロジックを検証し直す担当を決めなければなりません。
この負担を繁忙期のたびに事務所で繰り返すのか、それとも受託範囲と承認点を決めて任せるのかが分かれ目です。導入前に見るべきなのは、最初に動くデモだけではありません。顧問先のルールが変わったときも、毎月の運用を誰が担うかです。
08 AIKATA AI社員AIKATAは、AIと人の二重体制で事務作業を受託します 提出手続き・最終確認は先生方のまま、その手前の作業を預ける
8-1. 給与計算・勤怠集計・資料回収を、今のソフトで任せる
AI社員AIKATAは、給与計算、勤怠の集計、入退社手続きの書類の下準備、算定基礎届や労働保険の年度更新の下準備、帳票の作成、顧問先への資料回収や一次対応など、職員がパソコンで行っている事務作業を、AIと人の二重体制で丸ごと受託する業務代行サービスです。AIが処理した結果を人が品質チェックし、最後は事務所が確認・承認します。AIだけで完結する無確認の運用ではありません。
特定のソフトに限定せず、現在使っている給与ソフト・勤怠システムをそのまま使い、画面操作を含めて自動化します。顧問先にソフトの乗り換えを頼む必要がありません。顧問先ごとの締め日・支給日・手当などの個別ルールは、仕組みに登録して処理します。担当者が変わってもルールが残るため、職員が毎回記憶から再現する運用を見直せます。
ただし、ルールの登録によって、独占業務や法的な判断をAI社員AIKATAへ移すものではありません。何を任せ、どこを先生方が担うかを分けます。
8-2. 繁忙期の処理と、事務所に残す承認
AI社員AIKATAは、算定基礎・年度更新・年末調整などの繁忙期にも、人を採用・教育せずに処理量を増やせます。辞めない、休まない仕組みで、月額の定額で、業務量が増えても料金は変わりません。この記事では料金の金額や、導入による削減時間・削減額を示していません。事務所ごとに異なる作業範囲は、無料相談で棚卸しして確認します。
事務所の日々の作業は、原則として計算済みの給与データや作成済み帳票の承認です。ここでいう帳票は、独占業務に当たる帳簿書類まで含めた代行の約束ではありません。解雇や休業に関する顧問先への助言は、先生方が行います。仕組みの構築・運用はAI社員AIKATAが行い、所長が新たにAIの保守担当者を採用する必要はありません。
8-3. データの受け渡しと保管は、事務所の規程に合わせて決める
AI社員AIKATAはNDAを結び、給与・人事のデータの受け渡しと保管のルールを事務所の規程に合わせて決めます。事務所が定めている取扱規程と、現在の受け渡し方法を確認し、どのように運用するかを整理します。
相談前に整理しておきたいのは、資料を受領する窓口、処理に必要な情報、社内の閲覧担当、顧問先との約束です。相談用の業務一覧に、個々の従業員の情報を並べる必要はありません。資料の種類と作業の流れが分かれば、どこで時間がかかり、どこに承認が必要かを説明できます。
09 DECISION 残る道は「作業そのものを任せる」だけです 手作業・ソフトの追加・乗り換え・AIKATAを比べる
事務所が人や仕組みを抱え続けずに前工程を手放す、という目的で比較をまとめます。手作業のままでは実行と確認が職員に残り、ソフトの追加・乗り換えだけでは資料回収や顧問先ルールの整理を誰が行うかが残ります。以下は特定製品の機能比較ではなく、事務所に残る運用負担の比較です。
| 比較する点 | 手作業のまま | ソフトの追加・乗り換え | AI社員AIKATAに任せる |
|---|---|---|---|
| 繁忙期の負荷 | ✕ 職員の処理時間に集中する | △ 操作する人と前後工程が残る | ◎ 採用・教育せず処理量を増やせる |
| 顧問先ごとのルール | ✕ 担当者の記憶に依存しやすい | △ 設定と更新の運用が残る | ◎ 個別ルールを仕組みに登録する |
| 顧問先への負担 | △ 問い合わせと差戻しが残る | △ 移行時の調整が必要になる | ○ 今のソフトをそのまま使う |
| 職員の採用・教育 | ✕ 作業量に応じた確保が課題 | △ 操作と運用の習得が必要 | ◎ 仕組みの構築・運用を任せられる |
| 社労士法の線引き | ○ 事務所が独占業務を行う | ○ ソフトを変えても先生方が担う | ○ 独占業務は受託せず、先生方が担う |
9-1. AI社員AIKATAが選ばれる5つの理由
平均賃金の計算に戻ると、式と条文は公式の案内から確認できます。しかし、突発の依頼のたびに顧問先へ資料を頼み、賃金を仕分け、除外期間を確かめる負担は、手順書を読み直すだけでは減りません。AI社員AIKATAを検討する理由は、解雇や休業の判断を任せることではなく、その前に積み上がる事務作業を任せることです。
増員・外注・自作・乗り換えは、どれも事務所が人か仕組みを抱え続けます。作業を手放せる道はAI社員AIKATAに任せることだけです。この結論は、本記事で比較した選択肢と、前工程の運用を手放すという目的についてのものです。先生方が担う専門判断・法定業務・最終承認までなくなるという意味ではありません。
10 FREE CONSULTATION 次の繁忙期を、職員を増やさずに越える準備を始めませんか
10-1. 人を増やす・ソフトを替えると決める前に、任せる作業を整理します
AI社員AIKATAの無料相談では、どの作業から任せられるかを、その場で業務の棚卸しを通じて整理します。平均賃金のような突発の計算依頼や、毎月の給与計算で困っている事務所なら、顧問先ごとの資料の届き方、確認している項目、職員が毎回悩む箇所を書き出しておくと、相談の焦点が定まります。何を任せるかと、どの判断を残すかを一緒に確認してください。
無料相談は60分、Google Meetでのオンライン実施で、全国対応です。契約の義務はありません。人を増やす・ソフトを替えると決める前に、いまの給与ソフト・勤怠システムと顧問先の運用を使いながら、職員のパソコン作業をどこまで任せられるか確認しましょう。仕組みの構築・運用を事務所だけで抱え込む必要はありません。
職員を増やす・外注する・AIを自作する・ソフトを替える——どの道を選んでも、集計・入力・確認の作業か、それを回す人と仕組みが事務所に残り続けます。
AI社員AIKATAなら、いまお使いの給与ソフト・手続きソフトはそのまま、顧問先ごとのルールも登録して処理し、事務所に残るのは仕上がりの確認と承認だけです。どの業務から任せられるかは、無料相談(60分・オンライン)でその場で整理します。
NEXT STEP
事務所の定型業務を、
AI社員に任せてみませんか?
※この相談で整理する事務作業の受託範囲には、社労士法上の独占業務は含めません。行政機関への提出手続きの代行や、顧問先への法的な助言は、先生方が行います。
よくある質問
Q. 平均賃金の計算方法を、簡単に教えてください。
A. 原則は、算定事由発生日より前の3か月間に支払われた賃金の総額を、その期間の総日数(暦日数)で割ります。賃金締切日があるときは、直前の締切日から3か月さかのぼります。日給制・時給制・出来高払制の人は、賃金総額を労働日数で割って60%にした最低保障額とも比べ、高い方が平均賃金です。
Q. 平均賃金はどのような場面で使いますか。
A. 解雇予告手当、休業手当、年次有給休暇を取得した日の賃金(就業規則で平均賃金を選んだ場合)、労災の休業補償や労災保険の給付基礎日額、減給の制裁の上限額の5つが代表的です。場面ごとに算定事由発生日が違うので、依頼を受けたらまず場面と日付を確認します。
Q. 賞与や通勤手当は、賃金総額に含めますか。
A. 3か月を超える期間ごとに支払われる賞与(年2回など)は含めません。通勤手当は、所得税で非課税の部分も含めて、賃金総額に入れます。臨時に支払われた賃金(結婚祝金や見舞金、退職金など)も除きます。支給の実態によって判断が分かれる場合は、賃金台帳と賃金規程を突き合わせて確認します。
Q. パート・アルバイトの平均賃金は、正社員と計算方法が違いますか。
A. 式は同じですが、原則の額と最低保障額(賃金総額÷労働日数×60%)の両方を計算して、高い方を採用します。労働日数が少ないパートやアルバイトは、最低保障額のほうが高くなることが多いため、比較を省かないことが大切です。
Q. 産前産後休業や育児休業の期間がある場合は、どう計算しますか。
A. 算定期間にその期間が含まれるときは、その日数と期間中の賃金を、算定期間と賃金総額の両方から控除します。業務上の療養休業、使用者の責めに帰すべき休業、試用期間も同様です。算定期間のすべてが除外期間に当たる場合などは、厚生労働大臣の定める方法によります。
Q. 雇入れから3か月に満たない労働者の平均賃金は、どう求めますか。
A. 雇入れ後の期間を算定期間として、その期間の賃金総額を総日数で割ります。賃金締切日がある場合は、原則として直前の締切日から起算しますが、雇入れ後の期間が一賃金締切期間に満たないときは、事由が発生した日からさかのぼって算定する取扱いが通達で示されています。
Q. 平均賃金の端数は、どう処理しますか。
A. 平均賃金を求める計算では、銭未満(1円の100分の1未満)の端数を切り捨てるのが一般的です。休業手当や解雇予告手当を実際に支払うときは、円未満の端数を四捨五入して整えます。労災保険の給付基礎日額は、1円未満を1円に切り上げます。賃金規程で別に定める場合もあるため、顧問先の規程を確認してください。
Q. 社労士法上、AIに任せて問題ないですか。
A. 任せる業務の範囲を区分することが前提です。AI社員AIKATAは給与計算・勤怠集計・書類の下準備・資料回収などの事務作業を担い、1号・2号業務に当たる申請書や帳簿書類の作成、提出手続きの代行は引き受けません。先生方が法定業務、最終確認、承認を行います。
Q. 今のソフトのままで使えますか。
A. AI社員AIKATAは特定ソフトに限定せず、現在の勤怠システム・給与ソフトを使い、画面操作を含めて自動化します。顧問先に乗り換えを頼む必要はありません。使っている環境と実際の作業を無料相談で確認し、どこから任せるかを整理します。
Q. 無料相談では何が決まりますか。
A. 60分のオンライン(Google Meet)で、業務の棚卸しと、どこまで任せられるかの整理を行います。契約の義務はなく、全国対応です。NDAを結び、給与・人事データの受け渡しと保管のルールは事務所の規程に合わせて決めます。
あわせて読みたい:同じテーマの記事
AI社員AIKATAへのお問い合わせ
この記事を読んで気になった方へ。
専門スタッフが、御社に最適な
業務自動化・業務代行プランを無料でご提案します。



