【2026年10月最新】106万円の壁撤廃とは?賃金要件の廃止・残る加入要件・顧問先の実務対応を社労士事務所向けに整理
01 ANSWER FIRST 106万円の壁(賃金要件)は、令和8年10月1日に撤廃されました
日本年金機構の案内によると、令和7年年金制度改正法(令和7年法律第74号)に基づき、短時間労働者の社会保険の加入要件のうち、賃金要件(所定内賃金が月額8.8万円以上)は、令和8年(2026年)10月1日に撤廃されました。いわゆる「106万円の壁」のうち、賃金の基準が無くなったことになります。ただし、壁がすべてなくなったわけではありません。週の所定労働時間が20時間以上であること、学生でないこと、勤め先が従業員51人以上の企業であること(企業規模要件)は、現在も加入要件として残っています。
企業規模要件は、厚生労働省の資料では、10年かけて段階的に縮小・撤廃されます。時期は、勤め先の規模によって異なり、令和9年10月から段階的に始まる予定です。顧問先が、今は対象外の規模でも、数年のうちに対象になる可能性があります。
本記事は、所長・管理者・職員の方に向けて、改正の内容、現行の加入要件、106万円の壁と130万円の壁の違い、顧問先に対して事務所が行う実務対応(対象者の洗い出し、コストの試算、手続き、給与計算、従業員への説明)を、公式資料で確認した範囲で整理します。後半では、顧問先ごとの勤務データの回収や台帳の更新といった事務作業を、AI社員AIKATAが引き受け、先生方が判断と提出を担う分担を説明します。
出典:日本年金機構「2026(令和8)年10月に社会保険の短時間労働者に係る賃金要件が撤廃されました」(2026年10月確認)。
02 OFFICE PRACTICE 撤廃の内容・残る要件・壁の違い・顧問先の実務対応を、事務所の確認順に整理します
2-1. 「106万円の壁」撤廃へ:社会保険の適用拡大の全体像です
📚 用語解説
106万円の壁:短時間労働者が、社会保険(健康保険・厚生年金保険)に加入する要件のうち、月額8.8万円以上という賃金の基準を指す通称です。月額8.8万円を年収に直すと、およそ106万円になるため、この名前で呼ばれてきました。賃金要件は、令和8年10月1日に撤廃されています。
📚 用語解説
企業規模要件:短時間労働者が社会保険に加入する要件の一つで、勤め先が一定の人数以上の企業であることを求めるものです。現在は従業員51人以上が対象で、令和9年10月から、10年をかけて段階的に縮小・撤廃されます。
改正の根拠は、令和7年年金制度改正法です。厚生労働省の資料では、この改正で、短時間労働者の加入要件のうち、企業規模要件を10年かけて段階的に縮小・撤廃し、賃金要件は、法律の公布から3年以内に撤廃する、と整理されています。賃金要件の撤廃は、全国の最低賃金の動きを見極めて判断する、とも説明されています。
企業規模要件と賃金要件の両方が撤廃されると、週20時間以上働く短時間労働者は、企業の規模にかかわらず、社会保険に加入する形になります。つまり、最終的には、労働時間だけが、短時間労働者の加入要件として残る方向です。個人事業所の適用拡大も、あわせて予定されています。常時5人以上を使用する個人事業所で、法定17業種に限っていた対象が、全業種に広がります。ただし、施行時点で既に存在する事業所は、当分の間、対象外とされています。
出典:厚生労働省「社会保険の加入対象の拡大について」(2026年10月確認)。
2-2. 現行の加入要件をおさらいします:残る3つの要件です
令和8年10月以降、短時間労働者が社会保険に加入する要件は、日本年金機構の案内では、次のとおりです。第一に、週の所定労働時間が20時間以上であること。第二に、学生でないこと。第三に、勤め先が従業員51人以上の企業であること(企業規模要件)です。賃金要件(月額8.8万円以上)は、撤廃されました。
月額8.8万円の賃金要件があった時期は、所定内賃金が月額8.8万円未満なら、加入しなくて済みました。その確認の手間は、無くなります。ただし、最低賃金法の特例許可を受けている特定減額特例対象者で、所定内賃金が月額8.8万円未満の方は、原則として加入対象外で、本人の申し出により加入できます。この特例の対象者は限られるため、顧問先に、特例の許可の有無を確認します。
📚 用語解説
特定減額特例対象者:最低賃金法第7条の特例許可を受けている労働者です。所定内賃金が月額8.8万円未満の場合は、原則として社会保険の加入対象外ですが、本人の申し出により加入できます。
| 要件 | 令和8年10月より前 | 令和8年10月以降 |
|---|---|---|
| 週の所定労働時間 | 20時間以上です。 | 20時間以上です(変わりません)。 |
| 賃金 | 所定内賃金が月額8.8万円以上です。 | 要件が撤廃されました。 |
| 学生 | 学生は対象外です。 | 学生は対象外です(変わりません)。 |
| 企業規模 | 従業員51人以上です。 | 従業員51人以上です(令和9年10月から段階的に撤廃されます)。 |
2-3. 適用拡大の3つのポイントです
1つ目は、賃金要件の撤廃です。これにより、所定内賃金の額を理由に加入対象から外れていた従業員が、週20時間以上であれば、対象になり得ます。最低賃金が上昇した結果、週20時間以上働くと、月額賃金が8.8万円を超えるケースが増えたことが、背景にあります。
2つ目は、企業規模要件の段階的な撤廃です。現在の51人以上から、令和9年10月以降、基準となる人数が、段階的に引き下げられ、最終的には、企業規模による制限が無くなります。具体的な時期と人数は、厚生労働省の最新の資料で確認し、顧問先の規模に当てはめます。
3つ目は、個人事業所の適用拡大と、保険料負担の軽減措置です。厚生労働省の資料では、従業員50人以下の企業などで働き、新たに加入対象となる、標準報酬月額が一定額以下の短時間労働者について、3年間の時限的な措置として、事業主が負担割合を増やして、被保険者の負担を軽減できる仕組みが説明されています。要件と金額は、公式資料で最新のものを確認します。
2-4. 106万円の壁と130万円の壁の違いです
106万円の壁は、勤め先の社会保険(健康保険・厚生年金保険)に、自分で加入するかどうかの基準でした。勤め先の要件を満たすと、本人が被保険者になり、保険料を負担します。
130万円の壁は、配偶者などの被扶養者として、扶養に入れるかどうかの基準です。厚生労働省の資料では、年収130万円以上になると、労働時間にかかわらず、第3号被保険者から外れる、と説明されています。扶養認定の収入の基準は、保険者の案内で確認します。
2つの壁の関係として、勤め先の社会保険に加入すれば、本人が被保険者になるため、扶養からは外れます。賃金要件が撤廃されたことで、週20時間以上で、企業規模などの要件を満たす従業員は、収入が130万円未満でも、勤め先で加入する場面が増えます。「扶養内で働きたい」という希望と、加入の要件の関係を、本人に、丁寧に説明する必要があります。
📚 用語解説
第3号被保険者:厚生年金保険の被保険者に扶養されている配偶者で、国民年金の保険料を自分で納めずに、年金制度に加入する扱いの人です。年収130万円以上になるなど、扶養の要件を外れると、第3号被保険者から外れます。
| 項目 | 106万円の壁 | 130万円の壁 |
|---|---|---|
| 何の基準か | 勤め先の社会保険に加入する基準です。 | 配偶者などの扶養に入れる基準です。 |
| 加入する制度 | 健康保険・厚生年金保険です。 | 扶養から外れると、国民健康保険・国民年金などに加入します。 |
| 賃金・収入の基準 | 賃金要件は撤廃されました。 | 年収130万円以上で扶養から外れます。 |
| 事務所の確認点 | 週20時間、学生、企業規模です。 | 扶養認定の基準と、保険者の案内です。 |
2-5. 撤廃される理由・背景と、改正の時系列です
背景には、働き方の多様化があります。短時間で働く人が増えた一方、勤め先の社会保険に入れる人と入れない人で、将来の年金や、病気のときの保障に差が出てきました。賃金要件があることで、収入が一定の額を超えないように、就業時間を調整する人が出る、という課題も指摘されてきました。
時系列では、平成28年10月に、従業員501人以上の企業を対象に、短時間労働者への適用拡大が始まりました。その後、令和4年10月に、従業員101人以上、令和6年10月に、従業員51人以上へ広がりました。令和7年の年金制度改正法で、賃金要件の撤廃と、企業規模要件の段階的な撤廃が決まり、令和8年10月に、賃金要件が撤廃されました。改正により、新たに加入する人の数の見込みは、厚生労働省の資料で、改正の年と出典を確認して書きます。
撤廃の後の課題として、企業の保険料負担の増加があります。事業主は、被保険者の保険料の半分を負担するため、新たに加入する従業員が増えると、負担が増えます。保険料負担の支援として、前述の軽減措置が、用意されています。
2-6. 実務対応①:自社が対象になる時期と、対象者の洗い出しです
まず、顧問先が、いつから対象になるかを確認します。従業員51人以上の企業は、すでに企業規模要件を満たしており、令和8年10月に、賃金要件が撤廃されたため、対象者が増える可能性があります。従業員50人以下の企業は、現在は企業規模要件で対象外ですが、令和9年10月以降の段階的な撤廃で、対象になる時期が来ます。
次に、新たに加入対象になる従業員を洗い出します。週の所定労働時間が20時間以上で、学生でなく、以前は月額8.8万円未満だったために対象外だった人が、候補です。雇用契約書や、シフト表、賃金台帳から、所定労働時間と賃金を確認します。顧問先の従業員の一覧を、勤務の条件ごとに整理する表を作ると、漏れを防げます。
週20時間の判定は、原則として、雇用契約書などで定められた、所定労働時間で行います。契約上は20時間未満でも、実際の労働時間が、連続する月で20時間以上となる状態が続くと、加入対象になる場合があります。厚生労働省の資料では、20時間以上の状況が2か月を超えて続く場合は、加入対象となることがある、と説明されています。残業で、一時的に20時間を超える場合の扱いは、日本年金機構の案内で確認します。
2-7. 実務対応②:コストの試算と、保険料負担の軽減措置です
企業の保険料負担を試算するには、新たに加入対象になる従業員の標準報酬月額を想定し、健康保険料と厚生年金保険料の事業主負担分を、計算します。保険料率は、協会けんぽや健康保険組合の、年度ごとの料率で、変わります。数字は、必ず、加入する保険者の最新の公式ページで確認します。
負担を軽減する措置として、前述の、事業主が負担割合を増やし、被保険者の負担を軽減できる時限的な仕組みが、厚生労働省の資料で説明されています。また、短時間労働者を、社会保険の加入に合わせて処遇改善する企業を支援する助成金が、用意される場合があります。助成金の名称、要件、金額は、年度ごとに変わります。記事や資料に書くときは、必ず、公式ページで最新の内容を確認し、時点を明記します。
試算では、保険料の増加額だけでなく、従業員の手取りの変化も、あわせて確認します。社会保険に加入すると、保険料が給与から控除されるため、手取りが減ります。一方で、将来の年金の増額や、傷病手当金などの保障が、加入のメリットです。両面を、顧問先の経営者と従業員に、説明します。
📚 用語解説
標準報酬月額:健康保険・厚生年金保険の保険料や給付額を計算するために、毎月の報酬を一定の幅で区切って決める額です。資格取得時の報酬月額などをもとに決まり、保険料の額に直結します。
2-8. 実務対応③:手続き・給与計算・シフトの段取りです
加入の手続きは、被保険者資格取得届を、事実の発生から5日以内に、事務センターまたは管轄の年金事務所へ提出します。今回の改正で、新たに対象になる従業員がいる場合は、対象になる日を基準に、届出の期限を数えます。提出が遅れると、さかのぼって保険料を納める問題が起きます。資格取得届の記入や提出先は、同じ事務所の別の記事で、整理しています。
給与計算とシステムの設定では、社会保険料の控除の開始月を、確認します。保険料は、資格を取得した月から発生し、控除は、翌月の給与から行うのが一般的です。控除の初回の月と、金額を、顧問先の給与の締め日と支給日に照らして、確認します。給与計算ソフトに、新たに加入する従業員の標準報酬月額と、保険料率を、登録します。
シフトと就業調整では、本人の希望の確認と、労働条件の見直しが必要です。加入したくない従業員が、週20時間未満に勤務時間を減らす場合は、会社の人員配置に影響します。逆に、加入して働き続けたい従業員には、労働時間を増やす選択肢もあります。顧問先と相談しながら、人員配置と業務の見直しを、進めます。
2-9. 実務対応④:従業員への説明と、意向確認です
扶養内で働き続けたい従業員には、何が変わり、何が変わらないかを、伝えます。賃金要件が撤廃されても、週20時間未満であれば、原則として加入対象になりません。ただし、20時間以上の状況が続くと、対象になる場合があるため、勤務時間の管理が重要になります。
手取りの減少を不安視する従業員には、保険料の控除額の目安と、加入のメリットを、あわせて伝えます。厚生年金に加入すると、基礎年金に加えて厚生年金を受け取れる、健康保険から傷病手当金などの保障を受けられる、という説明が、厚生労働省の資料にあります。
加入を前向きに考えている従業員には、手続きの流れと、保険証の扱いを、案内します。説明の内容は、書面にして、配布すると、後日の確認に役立ちます。意向確認の結果は、台帳に記録し、勤務時間の調整や、契約の見直しに、反映します。
従業員の不安は、壁がなくなるという言葉から生まれます。賃金要件は撤廃されましたが、週20時間、学生、企業規模の要件は残っている、という事実を、先に伝えます。
2-10. 週20時間の判定方法と、求人票・面接・労働条件通知書の見直しです
求人票に、扶養内OKや、106万円以内で調整可、といった表記がある顧問先は、見直しが必要です。賃金要件が撤廃されたため、年収を106万円未満に抑えても、週20時間以上で、他の要件を満たす場合は、社会保険に加入します。表記が、実態と合わないと、応募者に誤解を与えます。
面接では、シフトの希望を、週の時間数で確認します。労働条件通知書は、求人票と同じ時間数で、書きます。内定のときに、加入の対象になる場合と、ならない場合の条件を、書面で説明します。
いつまでに何をするかは、対象の時期、対象者の確認、説明、手続き、給与計算の準備の順に、スケジュールに載せます。対応が遅れるほど、コストの対策も、従業員への説明も、余裕が無くなります。
2-11. 月額賃金88,000円の考え方と、よくある質問です
月額賃金88,000円は、これまでの加入要件で、所定内賃金として判定していました。基本給や、諸手当は含み、残業代、賞与、通勤手当、臨時に支払われる賃金などは、含まない、という整理でした。令和8年10月以降は、この要件が、撤廃されたため、判定の必要がありません。ただし、特定減額特例対象者の確認では、月額8.8万円未満かどうかが、関係します。
従業員50人以下の会社も、10月から加入が必要になるのかという質問には、企業規模要件が、現在も51人以上であるため、原則として、50人以下の企業の短時間労働者は、対象外と答えます。ただし、企業が任意で、適用を受ける方法や、将来の段階的な撤廃は、別に説明します。
年収を106万円未満に抑えれば、加入しなくて済むかという質問には、賃金要件が撤廃されたため、年収の額では判断できない、と答えます。週20時間以上で、学生でなく、従業員51人以上の企業であれば、加入の対象になります。週20時間未満の契約で、残業により20時間を超える月がある場合は、継続して20時間以上となる状況が続くかを、日本年金機構の案内で確認します。
2-12. 施行までの対応スケジュールと、顧問先向けのToDoリストです
早めに着手すれば、コスト対策も、従業員への説明も、計画的に進められます。令和9年10月以降の企業規模要件の段階的な撤廃に向けて、顧問先ごとの対象時期の一覧を、先に作っておくと、毎年の案内が、楽になります。
2-13. 改正内容の理解から社会保険の加入手続きまで:企業の人事・労務担当者が押さえる流れです
最新の改正内容を正確に理解することが、最初の一歩です。変更前は、賃金要件と企業規模要件の両方がありました。変更後は、賃金要件が撤廃され、企業規模要件は、現在も従業員51名以上のままで、段階的に撤廃される予定です。変更点を、現行制度と並べて整理し、顧問先の労務担当者へ共有します。改正後に、新たに加入する人の数の見込みは、厚生労働省の公表資料の年と出典を確認して、書きます。
次に、自社の従業員の状況を把握します。対象者数とコストを把握するには、短時間労働者の人数、所定労働時間、賃金、学生の有無を、一覧にします。社会保険料負担の増加試算は、標準報酬月額の想定から、事業主負担分を計算して行います。一覧づくりは、ツールの活用で、漏れなく確実に進められます。ヒントとして、勤怠や賃金台帳のデータを、同じ形式にそろえると、洗い出しが速くなります。
対象従業員への周知は、書面で行います。対象になる時期、保険料の控除、加入のメリット、扶養との関係を、まとめます。社会保険の加入手続きは、資格取得届を5日以内に提出する流れで、給与計算では、翌月控除の初回を、必ず確認します。雇用契約や人員計画の見直しでは、本人の希望確認と、労働条件の見直しを、あわせて行います。
保険料の負担を軽くする仕組みは、事業主が負担割合を増やして、被保険者の負担を軽減できる、時限的な措置です。解説記事の中には、この仕組みを、保険料調整制度と呼ぶものがあります。また、短時間労働者の処遇改善を支援するキャリアアップ助成金などがありますが、名称、要件、金額は、年度ごとに変わるため、公式ページで最新の内容を確認します。
採用では、面接と内定時に、勤務時間と加入の条件を、確認します。社保加入要件の説明は、社会保険適用条件の表を、一枚にまとめて渡すと、伝わりやすくなります。年収の壁に関するガイドは、厚生労働省が公開しており、顧問先の担当者へ案内できます。
03 BOTTLENECK 顧問先ごとの対象者の洗い出しと、勤務時間の確認を、職員の手作業だけで回す限界です
3-1. 顧問先の数だけ、勤務条件・要件の判定・説明の記録が増えます
顧問先が10社、20社と増えると、短時間労働者の洗い出しも、同じ数だけ必要になります。従業員数、所定労働時間、学生の有無、契約の変更が、顧問先ごとに違い、一覧の表を、そのまま使えません。
令和9年10月以降は、企業規模要件が数年おきの段階で変わるため、段階ごとに対象になる顧問先が増えていきます。勤務時間の変更や、新しい採用のたびに、対象かどうかを、見直します。確認を、担当職員の記憶に頼る運用では、漏れが出ます。
算定基礎届や年度更新、年末調整の繁忙期と重なると、職員の時間が足りなくなります。ソフトを足しても、勤務のデータを集め、台帳へ転記し、期限を管理する人が同じなら、事務所の仕事の持ち方は変わりません。
3-2. ソフトを替えなくても、作業そのものを任せる道があります
加入対象の判断、顧問先の経営者への説明、資格取得届の作成と提出、保険料の控除に関する助言は、先生方が担います。一方で、顧問先ごとの勤務データの回収状況の管理、不足データの催促、台帳への転記、対象者一覧の更新、案内の準備は、手順と分担を整理できる事務作業です。
AI社員AIKATAは、今の事務所のシステムを使って、職員がパソコンで行う事務作業を、AIと人の二重体制で受託します。ソフトの乗り換えを求める前に、適用拡大の対応の前工程から、どこを任せられるかを整理する道があります。
04 AUTOMATION AI社員AIKATAが事務作業を回し、先生方が判断と承認を担います
4-1. AIに聞く効率化と、毎月の作業を回す自動化は違います
Claude Code/CodexなどのAIツールに、適用拡大に伴う勤務データの回収・対象者台帳の更新・案内の準備の式や確認項目の案を聞くことは効率化です。ただ、職員がその都度質問し、資料を選び、結果を転記する運用では、毎月の作業を起動する人が必要です。制度の説明をAIから得る場合も、法令や公的資料に照らして先生方が内容を確認します。
自動化で目指すのは、毎月発生する資料の回収・集計・入力・チェックを、一連の工程として回すことです。AI社員AIKATAはこの事務作業を受託し、顧問先ごとの締め日・支給日・手当などのルールを登録して処理します。顧問先ごとの勤務データの回収状況、対象者の一覧、説明の記録を台帳で管理し、見直しの時期が来たら案内の下書きを整える流れを、一連の工程として処理します。仕組みの構築と運用は、事務所が自ら持ち続ける必要がありません。
次の図は、AI社員AIKATAが受託する事務作業と、事務所が保持する業務の分担を示します。個別の判断事項は、事務所が確認したルールを前提にします。法定の申請書や帳簿書類の作成、行政機関への提出手続きを、AI社員AIKATAが代行する図ではありません。
| これまで職員が行っていた事務作業 | AI社員AIKATAに任せた後 | 事務所に残す役割 |
|---|---|---|
| 顧問先へ勤務データの提出を依頼し、催促します。 | 資料回収や一次対応を受託します。 | 必要な資料と照会範囲を確認します。 |
| 所定労働時間や従業員数を、台帳へ手で書き写します。 | 登録した顧問先ごとのルールに沿って整理・更新します。 | 加入対象の判断と助言を行います。 |
| 対象者一覧と案内を、一件ずつ準備します。 | 今のシステムを使い、画面操作を含めて下書きまで進めます。 | 案内の内容を確認し、送付を承認します。 |
| 出来上がった集計を見直します。 | AIの処理結果を人が品質チェックします。 | 業務を受任する事務所として最終確認・承認します。 |
| 法定の書類作成や行政機関への手続きを行います。 | 前段階の資料整理・下準備を担います。 | 1号・2号業務そのものは先生方が行います。 |
4-2. 社労士法の線引きは、承認ボタンだけで済ませないことです
社労士法上の1号業務に関わる申請書等の作成・行政機関への提出手続きの代行、2号業務に関わる労働社会保険諸法令に基づく帳簿書類の作成は、先生方が行います。AI社員AIKATAはこれらの独占業務を引き受けません。AI社員AIKATAが担うのは、給与計算、勤怠集計、必要書類の下準備、顧問先への資料回収や一次対応など、その前の事務作業です。
今回のテーマでは、加入対象の判断、被保険者資格取得届の作成、行政機関への提出手続きの代行を、AI社員AIKATAの受託対象と明確に分けます。受託するのは、データの回収と台帳の更新、案内の下書きまでで、判断と提出は先生方の業務です。
日々の定型的な受託業務では、事務所の作業は原則として計算済みの給与データや作成済みの帳票の最終確認・承認です。ただし、独占業務の実施、顧問先のルール変更に伴う判断、例外的な法的検討までなくなるという意味ではありません。専門業務を保持しながら、その前の集計や転記を手放す分担です。
出典:全国社会保険労務士会連合会「社労士についてのよくある質問」独占業務の説明(2026年10月確認)。
05 MAKE OR DELEGATE 増員・外注・自作では、繁忙期の事務作業は片づかない
4つのうち3つは、事務所の悩みを別の悩みに置き換えるだけです。ここで比較する目的は、勤務データの回収・対象者台帳の更新・案内の準備を回す人・仕組みの管理まで、事務所が抱え続けずに済むかどうかです。特定の会社やソフトの品質を評価する比較ではありません。
| 選択肢 | よくある期待 | 実際に行き詰まる所 | 判定 |
|---|---|---|---|
| ①職員を増やします。 | 担当者が増えれば処理できます。 | 採用・教育が繁忙期に間に合わず、閑散期にも人件費と管理が残ります。 | ✕ |
| ②従来型の外注・BPOを使います。 | 入力工程を外へ出せます。 | 工程だけの委託では、例外の説明・受渡し・手直しを事務所が持ち続けます。 | ✕ |
| ③事務所でAIを自作します。 | 繰り返す作業を自動化できます。 | ルールの言語化・検証・改修を行う人と仕組みが事務所に残ります。 | ✕ |
| ④AI社員AIKATAに任せます。 | 事務作業と仕組みの構築・運用を任せます。 | 事務所は専門業務と最終確認・承認を担う分担にします。 | ◎ |
5-1. 増員と工程単位の外注は、説明する仕事が残ります
増員では、新しい職員に法令と顧問先固有の扱いを覚えてもらう時間が必要です。前任者の表を渡すだけでは、なぜその取扱いを使っているかが伝わりません。顧問先ごとのシフトの例外や、契約の更新の運用は、担当者の頭の中にあることが多く、引き継ぎの資料にも残りにくい部分です。繁忙期に処理を増やすための採用が、新人の確認と教育を担当する熟練職員の仕事を増やす構造になります。
従来型の工程単位の外注では、資料を整える、例外を説明する、返ってきた結果を確認する、手直しを依頼する仕事が事務所に残ります。入力先と集計元が違い、顧問先のルール変更のたびに仕様を伝え直すなら、外へ出した工程の周囲を事務所がつなぐ状態です。委託件数が増えても、この負担がなくなるわけではありません。
5-2. AIの自作は、作った人しか直せない第二の属人化を生みます
Claude Code/Codexなどを使う場合も、顧問先の締め日、手当、勤怠区分、資料の置き方を言語化する必要があります。法的判断が必要な取扱いと、機械的に処理する条件を区別しなければ、誤った前提をそのまま繰り返す仕組みになります。給与計算の担当者が、その検証と改修まで兼務すると別の管理業務を抱えます。
通常のケースだけでなく、契約変更、申請の取消し、資料不足、退職などの場面を想定して検証します。担当者が異動したときに、処理の根拠と直し方を説明できる状態でなければ、表計算の属人化がAIの仕組みの属人化へ移るだけです。事務所の悩みが「入力する人が足りない」から「直せる人がいない」へ変わります。
06 AIKATA SERVICE AI社員AIKATAは、今のソフトで事務作業を丸ごと受託します
6-1. 勤怠集計から給与計算、資料回収までをAIと人で担います
AI社員AIKATAは、給与計算、勤怠の集計、入退社手続きの書類の下準備、算定基礎届や労働保険の年度更新の下準備、帳票の作成、顧問先への資料回収や一次対応などを受託する業務代行サービスです。法定の申請書や帳簿書類の作成・提出代行は受託範囲から外し、先生方が行います。
適用拡大の対応を入口に考えるなら、まず顧問先ごとの勤務データの回収状況と、対象者の一覧の更新を棚卸しします。どの整理を任せ、どの判断と提出を事務所が行うかを明らかにすることで、制度の変更を孤立した作業として抱えず、入社の手続きや算定基礎とのつながりで分担を整理できます。具体的な受託範囲は無料相談で確認します。
AI社員AIKATAは特定のソフトに限定しません。いま事務所が使っている給与ソフトや勤怠システムをそのまま使い、画面操作を含めて自動化します。顧問先へソフトの乗り換えを頼む必要がないため、事務所の改善のために、顧問先側の運用を一斉に入れ替えることを前提にしなくて済みます。
6-2. 個別ルールを残し、人が品質チェックしてから事務所へ戻します
AI社員AIKATAは、顧問先ごとの締め日・支給日・手当などの個別ルールを仕組みに登録して処理します。職員の記憶の中にある取扱いを、その職員が休んだときにも残る形にする考え方です。AIの処理結果は人が品質チェックし、最終確認と承認は事務所が行います。判断の責任と事務処理の担当を混同しません。
日々の受託した定型事務では、事務所の作業は原則として計算済み給与データや作成済み帳票の承認です。ここでいう帳票は、社労士法の独占業務に当たる帳簿書類の作成をAI社員AIKATAへ移す意味ではありません。先生方の法定業務は保持し、そのための基礎資料を整える事務を任せます。
AI社員AIKATAはNDAを結び、給与・人事データの受け渡しと保管のルールを事務所の規程に合わせて決めます。相談時には、事務所で定めている保存先や受渡し方法を確認し、委託する資料の範囲を整理します。
6-3. 繁忙期の処理量を増やすために、採用と教育を重ねる必要がありません
AI社員AIKATAは、仕組みの構築と運用を行います。事務所にAIの知識は要りません。繁忙期にも人を採用・教育せずに処理量を増やせるため、事務作業のための増員と教育を繰り返す運営から切り替えられます。料金は月額の定額で、業務量が増えても変わりません。
無料相談は60分のオンラインで、Google Meetを使い全国に対応します。業務を棚卸しし、どこまで任せられるかを整理します。契約の義務はありません。所長だけで作業の細部を思い出そうとするより、実際に回収・入力・確認をしている職員の方の状況を整理すると、対象業務を具体化しやすくなります。
07 DECISION 残る道は「作業そのものを任せる」だけです
適用拡大に伴う勤務データの回収と対象者の台帳管理を正しく運用するには、事務所の専門性が欠かせません。その専門性を資料探しや転記に使い続けないために、ここでは「事務作業を回す負担を手放す」という目的で3つの道を比較します。記号はこの目的に対する整理であり、製品の性能や法的適合性の優劣を表すものではありません。
| 比較する項目 | 手作業のまま | ソフトの追加・乗り換え | AI社員AIKATAに任せます |
|---|---|---|---|
| 繁忙期の負荷 | ✕ 職員の回収・入力・照合が増えます。 | △ ソフト間の準備や確認を事務所が担います。 | ◎ 採用・教育をせずに受託事務の処理量を増やせます。 |
| 顧問先ごとのルール | ✕ 担当者の記憶と個別のメモに残ります。 | △ 設定と更新を事務所が管理します。 | ◎ 個別ルールを登録し、担当者が変わっても残ります。 |
| 顧問先への負担 | △ 不足資料の照会が繰り返されます。 | △ 新しい操作や受渡しの調整が必要です。 | ◎ 顧問先にソフトの乗り換えを頼む必要がありません。 |
| 職員の採用・教育 | ✕ 処理を増やす人の確保を抱えます。 | △ 運用する職員の教育が残ります。 | ◎ 構築・運用を任せ、AIの知識は不要です。 |
| 社労士法の線引き | ○ 先生方が専門業務を行います。 | ○ 先生方が専門業務を行います。 | ◎ 前段階の事務を受託し、1号・2号業務は先生方が行います。 |
7-1. AI社員AIKATAが選ばれる5つの理由
増員・外注・自作・乗り換えは、どれも事務所が人か仕組みを抱え続けます。作業を手放せる道はAI社員AIKATAに任せることだけです。ここで手放す対象は、委託する集計・入力などの事務作業です。法的判断、独占業務、最終確認・承認は先生方が担います。
08 NEXT ACTION 次の繁忙期を、職員を増やさずに越える準備を始めませんか
8-1. 勤務データの回収と対象者台帳の更新から、どの作業を任せられるか決めます
人を増やす・ソフトを替えると決める前に、AI社員AIKATAの社労士事務所向け無料相談で、制度の変更のたびに繰り返す作業を棚卸ししてください。「顧問先の勤務データの催促が漏れる」「対象者の一覧の更新に時間がかかる」「繁忙期に職員の手が足りない」といった工程から、どの作業を任せられるかを具体的に整理します。
事務所で使うシステム、顧問先ごとの要件の見直しの時期、職員が毎月行う作業、先生方の承認の流れを確認すれば、最初に任せる業務と事務所に残す専門業務を話し合えます。相談は60分、Google Meetによるオンラインで全国に対応し、契約の義務はありません。給与・人事データの受け渡しと保管は、NDAと事務所の規程に合わせてルールを決めます。
職員を増やす・外注する・AIを自作する・ソフトを替える——どの道を選んでも、集計・入力・確認の作業か、それを回す人と仕組みが事務所に残り続けます。
AI社員AIKATAなら、いまお使いの給与ソフト・手続きソフトはそのまま、顧問先ごとのルールも登録して処理し、事務所に残るのは仕上がりの確認と承認だけです。どの業務から任せられるかは、無料相談(60分・オンライン)でその場で整理します。
NEXT STEP
事務所の定型業務を、
AI社員に任せてみませんか?
よくある質問
Q. 106万円の壁は、いつ撤廃されましたか?
A. 日本年金機構の案内では、短時間労働者の加入要件のうち賃金要件(所定内賃金が月額8.8万円以上)が、令和8年(2026年)10月1日に撤廃されました。根拠は、令和7年年金制度改正法です。
Q. 撤廃で、加入の要件はすべてなくなりましたか?
A. いいえ。週の所定労働時間が20時間以上であること、学生でないこと、勤め先が従業員51人以上の企業であること(企業規模要件)は、残っています。企業規模要件は、令和9年10月から段階的に撤廃される予定です。
Q. 年収を106万円未満に抑えれば、加入しなくて済みますか?
A. 賃金要件が撤廃されたため、年収の額だけでは判断できません。週20時間以上で、学生でなく、従業員51人以上の企業に勤めていれば、加入の対象になります。
Q. 従業員50人以下の会社は、対象になりますか?
A. 現在は企業規模要件が51人以上のため、原則として対象外です。ただし、令和9年10月から段階的に撤廃される予定で、顧問先の規模によって、対象になる時期が来ます。
Q. 106万円の壁と130万円の壁は、何が違いますか?
A. 106万円の壁は、勤め先の社会保険に加入する基準で、130万円の壁は、配偶者などの扶養に入れるかの基準です。扶養認定の基準は、保険者の案内で確認します。
Q. 週20時間未満の契約で、残業で20時間を超える月があるときは?
A. 原則として、契約上の所定労働時間で判断しますが、実際の労働時間が20時間以上の状況が続く場合は、加入対象になることがあります。厚生労働省の資料では、2か月を超えて続く場合と説明されているため、日本年金機構の案内で確認します。
Q. 企業の保険料負担を軽くする方法はありますか?
A. 厚生労働省の資料では、従業員50人以下の企業などで新たに加入する短時間労働者について、事業主が負担割合を増やして被保険者の負担を軽減できる、3年間の時限的な措置が説明されています。助成金を含め、要件と金額は、公式ページで最新の内容を確認します。
Q. 社労士法上、AIに任せて問題ないですか?
A. 業務の線引きが前提です。AI社員AIKATAは、給与計算・勤怠集計・資料回収の一次対応・書類の下準備などを担い、1号・2号業務である申請書等や法定帳簿書類の作成、行政機関への提出代行は引き受けません。最終確認・承認は先生方が行います。
Q. 今のソフトのままで使えますか?
A. AI社員AIKATAは特定のソフトに限定せず、今の給与ソフト・勤怠システムを使って画面操作を含めて自動化します。顧問先へソフトの乗り換えを頼む必要はありません。どの資料回収・集計・入力から任せられるかは、無料相談で実際の業務を確認して整理します。
Q. 事務所にAIの知識がなくても相談できますか?
A. 相談できます。AI社員AIKATAが仕組みの構築・運用を行うため、事務所にAIの知識は要りません。無料相談は60分のオンラインで全国に対応します。業務の棚卸しと受託範囲を整理し、契約の義務はありません。
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