【2026年10月最新】懲戒解雇の退職金はどうなる?不支給・減額の判断と注意点を整理し、顧問先の退職金対応を支える社労士事務所の進め方

【2026年10月最新】懲戒解雇の退職金はどうなる?不支給・減額の判断と注意点を整理し、顧問先の退職金対応を支える社労士事務所の進め方
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📌 この記事の結論
【2026年10月最新】懲戒解雇の退職金はどうなる?不支給・減額の判断と注意点を整理し、顧問先の退職金対応を支える社労士事務所の進め方
懲戒解雇の退職金が不支給・減額になる条件を社労士事務所向けに整理。退職金規程の定め、全額不支給が認められる考え方、賃金全額払の原則、解雇予告、失業給付、税金、退職後に発覚した不正の扱いまで解説し、事務作業をAI社員AIKATAに任せる分担も紹介します。

01 懲戒解雇でも、退職金を不支給にできるとは限りません。規程の定めと、行為の重さの両方が要ります

懲戒解雇の場合に退職金を不支給または減額にできるのは、就業規則や退職金規程にその定めがあり、かつ、それまでの勤続の功労を打ち消すほどの重大な背信行為がある場合に限られます。「懲戒解雇だから退職金はゼロ」と一律に決めることはできません。規程に定めがなければ、原則どおり支払う必要があります。

社労士事務所には、顧問先の経営者から「社員を懲戒解雇にする。退職金は払わなくてよいか」「すでに退職したあとで不正が見つかった。退職金を返してもらえるか」という相談が届きます。逆に、解雇された本人から「退職金が出ないと言われた。本当か」と問い合わせを受けることもあります。

本記事では、所長・管理者・職員の方に向けて、退職金の法的な位置づけ、不支給・減額が認められる考え方、賃金全額払の原則、解雇予告との関係、失業給付・税金・年金への影響、退職後に不正が分かった場合の扱いを、公的資料で確かめられる範囲で整理します。懲戒免職との違いや懲戒処分の7原則は、既に公開している関連記事で整理しているため、本記事は退職金に絞って深掘りします。後半では、顧問先ごとの退職金規程の回収や手続き期限の管理といった事務作業を、AI社員AIKATAが引き受け、先生方が判断と助言に集中する分担を説明します。

✔️この記事でわかること:退職金の法的な位置づけと、規程が果たす役割です。
✔️不支給・減額が認められる考え方と、判断の要素です。
✔️賃金全額払の原則、解雇予告、離職票、税金など、退職金の周辺手続きです。
✔️退職後に不正が見つかったときの扱いと、規程の整え方です。
✔️退職金まわりの事務作業を、AI社員AIKATAに任せる切り分け方です。
菅澤 菅澤
退職金の相談は、感情が先に立ちます。「あれだけのことをしたのだから払いたくない」という気持ちは分かりますが、払わない根拠が書面にあるかを先に確認する順番を、事務所が示せます。
山崎 山崎
懲戒解雇と退職金は、セットで聞かれるのに、答えは「規程次第」になりがちです。確認する順番を表にしておくと、顧問先への説明が楽になります。

02 退職金の位置づけ・不支給と減額の考え方・周辺手続きを、事務所の確認順に整理します

2-1. 退職金とは:法律で支払いが義務づけられたものではありません

山崎 山崎
最初に押さえるのは、退職金は「規程があって初めて請求できる」ものだという点です。

📚 用語解説

退職金(退職手当):労働者が退職するときに、会社から支払われるお金です。法律で一律に支払いが義務づけられているわけではなく、就業規則や退職金規程、労働契約で支給条件が定められている場合に、賃金として請求できます。

📚 用語解説

退職金規程:退職金の対象者、支給額の計算方法、支払い時期、不支給・減額の事由などを定めた社内規程です。就業規則の一部として扱われ、作成・変更には就業規則と同じ手続きが必要です。

労働基準法には、退職金を必ず支給しなさいという規定はありません。ただし、退職手当の制度を設ける場合は、適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算および支払の方法、支払の時期を、就業規則に記載する必要があります(労働基準法第89条第3号の2)。

そして、就業規則や労働契約であらかじめ支給条件が明確に定められている退職金は、労働の対償としての賃金に当たると解されています。賃金になると、賃金の支払いに関するルール(全額払の原則など)が適用されます。つまり、退職金の有無と中身は、会社が定めた規程次第であり、規程が無い会社に、懲戒解雇かどうかにかかわらず、支払い義務は生じません。

顧問先から相談を受けたら、最初に「退職金規程はありますか。最新版はいつ改定しましたか」と聞きます。規程が口頭の慣行だけで書面が無い場合や、改定履歴が不明な場合は、その整理から始めるのが実務です。

出典:e-Gov法令検索「労働基準法」第11条・第89条(2026年10月確認)。

2-2. 懲戒解雇と退職金の関係:「懲戒解雇なら不支給」は規程があって初めて言えます

山崎 山崎
懲戒解雇と退職金の関係は、法律ではなく、会社の規程で決まります。

懲戒解雇とは、労働者が重大な企業秩序違反を行ったときに、制裁として使用者が労働契約を一方的に終了させる、民間企業の最も重い懲戒処分です。懲戒解雇そのものの定義や、公務員の懲戒免職との違いは、関連記事で整理しています。ここで大切なのは、「懲戒解雇になったこと」と「退職金を不支給にできること」は、別々の問題だという点です。

多くの会社の退職金規程には、「懲戒解雇された者には、退職金の全部または一部を支給しない」という趣旨の条項があります。この条項がある場合は、懲戒解雇が有効であることを前提に、不支給や減額の検討に進めます。条項が無い場合は、懲戒解雇であっても、退職金は規程どおりに計算して支払うのが原則です。

また、懲戒解雇自体が無効と判断されれば、不支給の前提が崩れます。労働契約法第15条は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない懲戒を、権利の濫用として無効としています。退職金を争う場面では、まず懲戒解雇の有効性、次に不支給条項の有効性と適用の妥当性、という二段階で見られます。

出典:e-Gov法令検索「労働契約法」第15条(2026年10月確認)。

2-3. 退職金が不支給・減額となる場合の考え方:功労を打ち消すほどの背信行為

山崎 山崎
不支給が認められるかは、規程の文言だけでなく、行為の重さで判断されます。

📚 用語解説

退職金の功労報償的性格:退職金には、賃金の後払いという面と、長年の勤務への功労に報いるという面があります。懲戒解雇の際の不支給条項は、後者の面を根拠に、功労を打ち消すほどの背信行為があったときに働くと考えられています。

退職金の全額を不支給にできるかは、裁判で争われる論点です。裁判例では、不支給条項があっても、それまでの勤続の功労を抹消または減殺してしまうほどの重大な不信行為があった場合に限って、不支給が認められるという考え方が示されています。つまり、懲戒解雇に値する行為があっただけでは足りず、退職金の全額を失わせるだけの重さが必要になります。

具体的には、行為の内容、会社が受けた損害の大きさ、故意か過失か、勤続年数や在職中の功績、反省や弁済の状況などを総合して判断します。横領や背任のように会社に直接の損害を与えた場合は、不支給が認められやすい傾向があります。一方、勤務時間外の私生活上の非行は、会社の業務への影響が限られるため、全額不支給は認められにくく、一部を支給すべきとした裁判例もあります。

このため、顧問先には「不支給」か「全額支給」かの二択で考えず、規程に減額の定め(たとえば、本来の額の何割を支給する)があれば、それを使う道があると示します。減額の割合は、規程に定めた範囲で、個々の事情に応じて決めます。個別の裁判例の評価は分かれるため、争いになりそうな案件は、弁護士に相談することを勧めます。

行為の例会社への影響退職金への傾向
業務上の横領・背任会社に直接の金銭的損害があります。全額不支給が認められやすい類型です。
重大な経歴詐称採用や処遇の前提が崩れます。事案により、不支給または減額が検討されます。
無断欠勤の長期化業務の停滞が生じます。期間や影響で、減額にとどまる例があります。
悪質なハラスメント職場環境と会社の信用に影響します。事案により、減額が検討されます。
私生活上の非行業務への影響が限られる場合があります。全額不支給は認められにくく、一部支給の判断もあります。
懲戒解雇が有効かを確かめます
→
退職金規程に不支給・減額の条項があるかを確かめます
→
行為の重さと勤続の功労を比べます
→
不支給か減額か、支給かを決めます
→
理由を書面にして本人へ通知します
菅澤 菅澤
「懲戒解雇=不支給」と覚えている経営者は多いです。規程と行為の重さの二つを確かめる流れを、図にして見せると納得してもらえます。

2-4. 賃金全額払の原則と退職金:損害賠償と勝手に相殺できません

山崎 山崎
不支給にしない場合の「差し引き」は、別の問題として慎重に扱います。

労働基準法第24条は、賃金は通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならないと定めています。退職金が賃金に当たる場合、会社が一方的に、損害賠償額を退職金から差し引くことは、全額払の原則に反するおそれがあります。たとえば、横領された金額を、退職金から勝手に天引きして払うことは、原則として認められません。

一方で、退職金の不支給や減額は、規程に基づいて、そもそも支給額を確定させる問題です。全額払の原則は、確定した賃金を全額払うことを求めるルールで、規程に基づく不支給・減額の可否とは区別して考えます。会社が損害を請求したい場合は、退職金の支払いとは別に、損害賠償として請求し、必要に応じて本人の合意を得て精算する形が基本です。

なお、労働基準法第16条は、労働契約の不履行について違約金を定めたり、損害賠償額を予定する契約をしてはならないと定めています。「懲戒解雇なら退職金を返す」といった定め方は、内容によっては、この規定との関係が問題になります。規程の条文を整える際は、事務所が確認するポイントです。

また、退職金の支払い時期は、規程に定めがあればそれに従います。労働者が退職時に賃金の支払いを請求した場合は、労働基準法第23条により、7日以内に支払う義務がありますが、退職金のように支払い時期が規程で定められている賃金は、その時期に支払えば足りるとされています。

出典:e-Gov法令検索「労働基準法」第16条・第23条・第24条(2026年10月確認)。

2-5. 懲戒解雇の手続きと退職金:解雇予告、除外認定、理由の通知

山崎 山崎
退職金とあわせて確認する、解雇の手続きです。

📚 用語解説

解雇予告除外認定:労働基準法第20条により、解雇は30日前の予告か、30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)の支払いが必要です。労働者の責めに帰すべき事由による解雇で、労働基準監督署長の認定を受けた場合は、この予告が不要になります。

懲戒解雇でも、解雇予告のルールは自動的に免除されません。労働基準法第20条により、予告なしの即時解雇は、解雇予告手当を支払うか、労働基準監督署長の除外認定を受けた場合に認められます。懲戒解雇だからという理由だけでは、予告も予告手当も不要にはなりません。退職金の不支給とは別の論点ですが、同じ時期に処理するため、顧問先には一緒に整理して伝えます。

解雇の理由については、労働者が請求した場合、使用者は遅滞なく証明書を交付しなければなりません(労働基準法第22条)。解雇の理由を書面で示すときは、退職金を不支給にする理由も、同じ事実関係に基づく形で整理しておくと、説明が一貫します。退職金の不支給通知には、適用する規程の条項、不支給または減額とする理由、算定の根拠を書面で記載します。

手続きの順番としては、事実の調査、本人の弁明の機会、懲戒委員会などでの審議、処分の決定、書面での通知、そのうえで退職金の扱いの決定と通知、という流れが安全です。処分の通知と退職金の通知を、同じ日に、別々の書面で行う会社もあります。

事実を調査し、証拠を保全します
→
本人に弁明の機会を与えます
→
懲戒の処分を決定し、書面で通知します
→
予告・除外認定の要否を確かめます
→
退職金の扱いと離職票・資格喪失を処理します

出典:e-Gov法令検索「労働基準法」第20条・第22条(2026年10月確認)。

2-6. 退職金を不支給とするときの注意点:事実認定、規程、通知書の三点

山崎 山崎
実務で争いになりやすい点を、順に確認します。

第一に、事実の認定です。不支給は、懲戒解雇の理由となった事実が、証拠で裏付けられていることが前提です。関係者への聞き取り、書類やログの保全、本人の弁明の記録が揃っていないと、不支給の理由を説明できません。

第二に、規程の整合です。退職金規程の不支給条項と、就業規則の懲戒解雇の事由が、食い違っていないかを確認します。たとえば、懲戒解雇の事由に当たる行為でも、退職金規程の不支給事由には書かれていないという例があります。その場合は、規程の文言に沿って、不支給にできる範囲を慎重に判断します。

第三に、通知書です。退職金の不支給や減額を通知するときは、対象となる規程の条項、事実、算定の方法を、書面で明示します。「懲戒解雇のため支給しません」だけの通知は、後で争われたときに説明が足りません。顧問先の記録として、通知書の控えを事務所でも保管しておくと、紛争時の資料になります。

第四に、他の従業員との公平です。過去に同じ程度の行為で、退職金を支給した例があるのに、今回だけ不支給にすると、平等取扱いの観点から問題になります。顧問先の過去の処分と退職金の取り扱いを、事務所が一覧で把握していると、助言の一貫性が保てます。

✔️懲戒解雇の理由となった事実を、証拠で確認しましたか。
✔️退職金規程に、不支給・減額の条項がありますか。
✔️懲戒解雇の事由と、退職金規程の不支給事由が整合していますか。
✔️勤続年数と在職中の功績を、判断の要素に入れましたか。
✔️過去の同種事案と、退職金の扱いが揃っていますか。
✔️不支給・減額の理由と根拠条項を、書面で通知しますか。

2-7. 退職金の減額・一部支給の決め方:割合は規程の範囲で、理由を残します

山崎 山崎
不支給と全額支給の間に、減額という選択肢があります。

退職金規程に「懲戒解雇の場合は、退職金の全部または一部を支給しないことがある」という定めがあれば、会社は、事案に応じて、支給額を減らすことができます。減額の割合は、規程に具体的な定めがなければ、行為の重さと勤続の功労を考えて、個別に決めることになります。

決めた割合の根拠を示せるように、判断の経過を記録します。たとえば、勤続年数、行為の内容、会社の損害の額、本人の弁済や反省の状況、過去の類似の事例を、懲戒委員会の議事録に残します。割合の数字だけを決め、理由が残っていない状態は、後から説明が難しくなります。

諭旨解雇(本人に退職を促し、応じれば退職の形で終わらせる処分)では、退職金を一部支給する運用が多いです。懲戒解雇と諭旨解雇のどちらにするかで、退職金の扱いも変わるため、処分を決める段階から、退職金の見通しを顧問先と共有しておきます。

2-8. 退職後に不正が発覚した場合の退職金:懲戒解雇はできず、返還は規程次第です

山崎 山崎
退職届を出して辞めたあとに不正が分かるケースは、実務でよくあります。

懲戒処分は、雇用関係が続いている間に行うものです。すでに退職した人に、あとから懲戒解雇をすることはできません。したがって、退職後に不正が分かった場合は、退職金の扱いが、規程の定めに左右されます。

規程に「退職後に、懲戒解雇に相当する事由が判明した場合は、退職金を支給しない、または返還させる」という趣旨の定めがあれば、それを根拠に、不支給や返還の請求を検討できます。定めが無い場合は、すでに支払った退職金を返還させることは、難しくなります。顧問先には、退職金規程にこの条項を入れておくよう勧めます。

退職届が提出された後でも、退職日までの間であれば、懲戒処分を行う余地があります。退職届が出されても、退職の効力が生じるのは退職日であり、民法の定めでは、期間の定めのない雇用の場合、退職の申し入れから2週間で終了します。懲戒解雇の手続きを進める間に本人が退職届を出した場合は、退職日と処分の時期の関係を整理し、顧問先に説明します。

懲戒解雇を避けるために、本人が自主退職を申し出るケースもあります。この場合、会社が退職金を支給するかどうかは、規程の「自己都合退職」の扱いに従うのか、不支給とするのかを、事案ごとに整理します。合意退職の形にするなら、退職金の扱いも含めて、合意書に記載しておくと、後日の紛争を防げます。

場面懲戒処分退職金の扱い
在職中に不正が発覚し、懲戒解雇が有効懲戒解雇を行えます。規程の定めと行為の重さで、不支給・減額を判断します。
退職届の提出後、退職日前に発覚退職日までなら処分を検討できます。処分の時期と退職日の関係を整理して判断します。
退職後に発覚懲戒解雇はできません。退職後の不支給・返還の条項があれば、それを根拠に検討します。
合意退職にした懲戒解雇は行いません。合意書で退職金の扱いを定めておきます。

2-9. 懲戒解雇と失業給付・年金・社会保険:退職金とは別の制度で動きます

山崎 山崎
退職金を不支給にしても、社会保険の手続きは省略できません。

懲戒解雇になった場合でも、年金の受給権が失われることはありません。厚生年金や国民年金の給付は、保険料の納付実績に基づくもので、退職金や懲戒の有無とは別の制度です。健康保険・厚生年金保険の資格喪失届は、通常の退職と同じく、退職の事実があった日から5日以内に提出します(雇用保険の資格喪失届は期限が異なります)。

雇用保険の失業給付(基本手当)は、離職理由で扱いが変わります。自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇(実務では重責解雇と呼ばれます)に当たる場合は、特定受給資格者にならず、雇用保険法第33条により、一定期間、基本手当が支給されない給付制限が付きます。離職票の離職理由は、事業主が記載し、本人が確認して、異議があれば申し立てます。

就業規則の懲戒解雇と、雇用保険上の重責解雇は、必ずしも一致しません。懲戒解雇でも、重責解雇に当たらない例があり得るため、離職証明書を作成する際は、ハローワークの基準で確認します。給付制限の期間は制度改正で変わるため、最新の内容は、ハローワークの案内で確認します。

出典:e-Gov法令検索「雇用保険法」第33条(2026年10月確認)。

📚 用語解説

重責解雇:雇用保険の実務で、自己の責めに帰すべき重大な理由によって解雇されたことを指す呼び方です。この区分になると、基本手当に給付制限が付きます。就業規則上の懲戒解雇と、必ず一致するわけではありません。

2-10. 退職金を支払う場合の税金:懲戒解雇でも退職所得として扱います

山崎 山崎
退職金を一部でも支払うとき、源泉徴収の扱いも確認します。

懲戒解雇であっても、退職金を支給する場合は、税務上は退職所得として扱われます。国税庁の案内では、退職手当などを受け取るときは、退職所得控除の適用があり、「退職所得の受給に関する申告書」を提出した場合は、その控除を踏まえた源泉徴収が行われます。申告書が提出されない場合は、一定の税率で源泉徴収される扱いです。

減額して支給する場合も、実際に支払う金額を基準に、退職所得の計算を行います。不支給とする場合は、そもそも退職手当の支払いがないため、源泉徴収の問題は生じません。ただし、退職金の代わりに別名目で金員を支払う場合は、名目に応じた所得区分の判断が必要になります。具体的な計算は、税理士の業務領域のため、顧問先には、税理士と連携して確認するよう案内します。

事務所の実務としては、退職金の支給有無が決まった時点で、源泉徴収票の交付や住民税の異動届など、付随する手続きの期限を、一覧にして管理します。

出典:国税庁「退職金を受け取ったとき(退職所得)」(2026年10月確認)。

2-11. 退職金規程の整え方:不支給・減額・返還の条項を、顧問先の規程に入れておく

山崎 山崎
紛争を減らす一番の方法は、規程を事前に整えておくことです。

退職金規程には、次の点を明記しておくと、争いを減らせます。第一に、懲戒解雇の場合の扱いです。「全部または一部を支給しない」ことがある、と書くのか、「減額する」と書くのかで、運用が変わります。第二に、諭旨解雇の場合の扱いです。第三に、退職後に懲戒解雇の事由が判明した場合の不支給・返還です。第四に、在職中の調査や懲戒手続きの最中に退職を申し出た場合の取扱いです。

規程を作成または変更するときは、労働者の過半数代表者の意見を聴き、労働基準監督署へ届け出て、従業員へ周知する手続きが必要です(労働基準法第90条・第106条)。不利益な方向への変更は、労働契約法第10条などの合理性の判断も関わるため、現行の退職金が下がる変更を検討するときは、慎重に進めます。

顧問先に提案するときは、規程の条文の例を、そのまま写すのではなく、顧問先の業種や運用に合わせて整えます。事務所の側で、顧問先ごとの規程の改定履歴と、周知の記録を台帳にまとめておくと、いざ処分の相談が来たときに、すぐ確認できます。

✔️懲戒解雇の場合の不支給・減額の条項が、規程にありますか。
✔️諭旨解雇の場合の退職金の扱いが、規程にありますか。
✔️退職後に事由が判明した場合の不支給・返還の条項がありますか。
✔️規程の改定を、過半数代表者の意見聴取、届出、周知まで済ませていますか。
✔️規程の改定履歴と、周知の記録を、台帳で管理していますか。

2-12. 退職金の請求権の時効と、本人から請求があったときの対応

山崎 山崎
不支給の通知後に、本人が請求してくるケースです。

退職手当の請求権の時効は、労働基準法第115条により、5年とされています。不支給とされた本人が、後から退職金の支払いを請求する場合、この期間内であれば、請求や労働審判、訴訟を起こすことができます。

本人から請求があったときは、不支給の根拠となった規程の条項、事実、判断の過程を、書面で整理して説明できるようにします。感情的なやり取りは避け、書面で対応する形を基本にします。ここで事実の記録が不足していると、会社側の説明が難しくなります。

特定社会保険労務士は、一定の個別労働関係紛争について、あっせん手続の代理を行えます。ただし、懲戒解雇の有効性や退職金の請求を訴訟で争う場面は、弁護士の業務です。事務所の役割は、紛争になる前の規程と記録の整備、必要に応じた弁護士への橋渡しです。

出典:e-Gov法令検索「労働基準法」第115条(2026年10月確認)。

2-13. 顧問先から出やすい疑問:払いたくない、返してほしい、いつ払うか

山崎 山崎
退職金に関する、典型的な質問への答え方です。

「懲戒解雇にしたので、退職金は一円も払いたくない」という相談には、規程に不支給の条項があるか、行為が功労を打ち消すほど重大かを、先に確認します。条項が無ければ、払う義務があります。条項があっても、減額にとどめる判断が妥当な場合があると伝えます。

「横領された分を、退職金から引いて払いたい」という相談には、全額払の原則があるため、一方的な天引きは避け、本人の同意を得た精算か、別途の請求にすることを案内します。「退職金はいつまでに払うか」という相談には、規程の支払い時期に従う、と答えます。

「すでに退職金を払ったあとで、不正が分かった」という相談には、返還を求める規程の条項があるかを確認し、無い場合は、損害賠償としての請求の検討になるため、弁護士への相談を勧めます。いずれの質問でも、規程の文言と事実関係を確認してから、助言します。

✔️規程:不支給・減額の条項はありますか。
✔️事実:懲戒解雇の理由を、証拠で示せますか。
✔️重さ:功労を打ち消すほどの行為ですか。
✔️手続き:弁明の機会と書面通知を行いましたか。
✔️精算:天引きではなく、同意または別請求にしていますか。
✔️付随:予告、離職票、資格喪失、源泉徴収票の期限を管理していますか。

2-14. 退職金不支給の判断を支える基本的な整理:背信性、具体例、証拠の収集

山崎 山崎
「基本的には支払う」を出発点に、不支給が可能になる条件を、顧問先と一緒に確かめます。

懲戒解雇の場合でも、基本的には退職金を支払う必要があります。そのうえで、退職金不支給が可能になるのは、就業規則または退職金規定に不支給・減額事由が明記されており、かつ、対象者の行為に著しい背信性が認められる場合です。この二つの要件が揃っているかを、顧問先と一緒に確かめるのが、事務所の最初の仕事です。

懲戒解雇に相当する行為の具体例としては、犯罪行為(横領、窃盗、傷害など)、業務命令違反(正当な指示に従わない、重大な規律違反)、正当な理由のない無断欠勤、悪質なハラスメント、重大な経歴詐称などがあります。ただし、同じ類型の行為でも、程度や会社への影響で、背信性の評価は変わります。たとえば、軽微な業務命令違反を理由に、退職金の全額を不支給にすることは、認められにくいと考えます。

裁判例には、退職金の不支給が認められたもの、認められなかったもの、減額が認められたもの、認められなかったものがあります。結論を分けるのは、行為の重さと、会社への損害、勤続の功労、規程の定めです。個々の判決の評価は専門的で、事案ごとの事情に左右されるため、顧問先には「判例がこうだから必ずこうなる」とは伝えず、傾向と考え方にとどめて説明します。

手続きの面では、十分な調査による証拠の収集が欠かせません。関係者の聞き取り、メールやログ、会計の記録を保全し、本人の弁明も記録に残します。そのうえで、懲戒解雇の妥当性を慎重に検討し、懲戒解雇通知を書面で交付します。通知書には、懲戒の事由と根拠となる就業規則の条項、退職金の扱いを記載します。

懲戒解雇に関する各種テンプレート(通知書、弁明の機会の通知、懲戒委員会の議事録、退職金の不支給通知書など)は、事務所の側でひな形を持っておくと、顧問先ごとの手戻りが減ります。ひな形は、顧問先の就業規則の言葉に合わせて調整して使います。

退職金を不支給にするか減給(減額)にとどめるかの判断基準は、次の三つで整理すると伝わります。一つ目は、行為の重さと会社の損害です。二つ目は、勤続年数と在職中の功績です。三つ目は、規程の定めと過去の運用です。不支給か減額かで迷う場合の対処法は、より軽い扱いから検討することです。

退職届の効力が発生する前に、懲戒解雇の必要性がある場合は、早めに手続きを進めます。退職届が出されても、退職の効力が生じる退職日の前であれば、懲戒処分を行う余地があるため、効力の発生前に、事実の調査と弁明の機会を急ぎ、処分の要否を判断します。

失業保険(雇用保険の基本手当)や年金への影響は、前述のとおり、退職金の扱いとは別の制度で決まります。不支給と決めたあとも、離職票の離職理由の記載、資格喪失届の期限、源泉徴収票の交付は、通常の退職と同じく進める必要があります。

最後に、顧問先に今一度就業規則や退職金規定を見直すよう勧めます。懲戒解雇は、慎重に進めるべき処分です。規程の整備が不十分なまま、処分と退職金の不支給を同時に進めると、紛争のリスクが高まります。経営者が退職金不支給の仕組みを理解したうえで、規程を定めておくことが、いちばんの予防策です。

最終的な判断は、顧問先の経営者が行い、法的な評価が分かれる場合は、弁護士に相談することが適切です。社労士事務所は、就業規則と退職金規程の整備、労働・社会保険の届出、記録の整理を通じて、退職金をめぐる争いが起きにくい状態をつくる支援をします。

03 退職金の相談が来るたびに、規程・過去の事例・手続き期限の確認を職員が手作業で回す限界です

3-1. 顧問先ごとに、退職金規程も、過去の処分も、期限も違います

菅澤 菅澤
一件ずつは判断できても、顧問先の数だけ資料と記録が必要になるのが負担です。

退職金の相談が来たとき、事務所は、顧問先の退職金規程、就業規則の懲戒規定、過去の処分と退職金の扱い、本人の雇用保険・社会保険の状況を、順に確認します。顧問先が10社、20社と増えれば、これらの資料も同じ数だけ必要で、規程の改定履歴もそれぞれ違います。

相談が重なる時期は、算定基礎届、年度更新、年末調整の繁忙期と重なることがあります。そのとき、規程を探し、過去の事例を整理し、手続きの進行表を作る時間は、職員の手作業で賄うことになります。担当者が替わると、過去の経緯が分からなくなる属人化も起きます。

資料の回収、台帳への転記、期限の管理は、ソフトを足しても、人が運用する限り、同じ人の手間が残ります。退職金のような突発の案件が来ると、通常業務が後ろへずれ込むのが、事務所の悩みです。

3-2. ソフトを替えなくても、作業そのものを任せる道があります

山崎 山崎
先生方が行う判断と、繰り返す事務作業を分けると、任せられる範囲が見えてきます。

退職金の不支給・減額の妥当性の判断、顧問先の経営者への助言、規程の条項の検討、労働・社会保険の届出書類の作成と提出は、先生方が担います。一方で、顧問先ごとの退職金規程・就業規則の最新版の回収と台帳管理、処分や手続きの進行表のひな形の準備、資格喪失などの期限の管理、資料不足の顧問先への一次連絡は、手順を整理できる事務作業です。

AI社員AIKATAは、今の事務所のシステムを使って、職員がパソコンで行う事務作業を、AIと人の二重体制で受託します。ソフトの乗り換えを求める前に、退職金対応の前工程から、どこを任せられるかを整理する道があります。

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04 AI社員AIKATAが事務作業を回し、先生方が判断と承認を担います

4-1. AIに聞く効率化と、毎月の作業を回す自動化は違います

菅澤 菅澤
質問の答えが早く出ても、ファイルを探して入力する仕事が残れば職員の担当は変わりません。工程をまとめて任せることが次の段階です。

Claude Code/CodexなどのAIツールに、退職金規程・就業規則の回収と台帳更新、退職関連手続きの期限管理の式や確認項目の案を聞くことは効率化です。ただ、職員がその都度質問し、資料を選び、結果を転記する運用では、毎月の作業を起動する人が必要です。制度の説明をAIから得る場合も、法令や公的資料に照らして先生方が内容を確認します。

自動化で目指すのは、毎月発生する資料の回収・集計・入力・チェックを、一連の工程として回すことです。AI社員AIKATAはこの事務作業を受託し、顧問先ごとの締め日・支給日・手当などのルールを登録して処理します。顧問先ごとの退職金規程の有無、不支給・減額条項の有無、規程の改定日、手続きの期限を台帳で管理し、必要な資料の不足を洗い出して一次連絡の下書きまで整える流れを、一連の工程として処理します。仕組みの構築と運用は、事務所が自ら持ち続ける必要がありません。

次の図は、AI社員AIKATAが受託する事務作業と、事務所が保持する業務の分担を示します。個別の判断事項は、事務所が確認したルールを前提にします。法定の申請書や帳簿書類の作成、行政機関への提出手続きを、AI社員AIKATAが代行する図ではありません。

AI社員AIKATA:勤怠・資料回収の一次対応
→
AI社員AIKATA:集計・給与データの下準備
→
AI社員AIKATA:今のソフトへ入力・処理
→
AI社員AIKATA:人による品質チェック
→
事務所:判断・法定書類の作成・最終承認
これまで職員が行っていた事務作業AI社員AIKATAに任せた後事務所に残す役割
顧問先へ退職金規程・就業規則の最新版を依頼し、催促します。資料回収や一次対応を受託します。必要な資料と照会範囲を確認します。
規程の改定日や不支給・減額条項の有無を、台帳へ手で書き写します。登録した顧問先ごとのルールに沿って、整理・更新します。退職金の不支給・減額の妥当性の判断と助言を行います。
退職関連手続きの期限を、一件ずつ表で管理します。今のシステムを使い、画面操作を含めて、進行表の下書きまで進めます。進行表の内容を確認し、届出の提出を承認します。
出来上がった集計を見直します。AIの処理結果を人が品質チェックします。業務を受任する事務所として最終確認・承認します。
法定の書類作成や行政機関への手続きを行います。前段階の資料整理・下準備を担います。1号・2号業務そのものは先生方が行います。

4-2. 社労士法の線引きは、承認ボタンだけで済ませないことです

山崎 山崎
AI社員AIKATAへ渡すのは前段階の事務作業です。独占業務を任せ、事務所が承認だけ押すという分担にはしません。

社労士法上の1号業務に関わる申請書等の作成・行政機関への提出手続きの代行、2号業務に関わる労働社会保険諸法令に基づく帳簿書類の作成は、先生方が行います。AI社員AIKATAはこれらの独占業務を引き受けません。AI社員AIKATAが担うのは、給与計算、勤怠集計、必要書類の下準備、顧問先への資料回収や一次対応など、その前の事務作業です。

今回のテーマでは、退職金の不支給・減額の妥当性の判断、退職金規程の条項の検討、離職証明書や資格喪失届などの申請書等の作成・提出手続き、解雇予告除外認定の申請を、AI社員AIKATAの受託対象と明確に分けます。受託するのは、資料の整理と台帳の更新、進行表の下書きまでで、判断と提出は先生方の業務です。

日々の定型的な受託業務では、事務所の作業は原則として計算済みの給与データや作成済みの帳票の最終確認・承認です。ただし、独占業務の実施、顧問先のルール変更に伴う判断、例外的な法的検討までなくなるという意味ではありません。専門業務を保持しながら、その前の集計や転記を手放す分担です。

出典:全国社会保険労務士会連合会「社労士についてのよくある質問」独占業務の説明(2026年10月確認)。

05 増員・外注・自作では、繁忙期の事務作業は片づかない

4つのうち3つは、事務所の悩みを別の悩みに置き換えるだけです。ここで比較する目的は、退職金規程の回収、台帳更新、手続き期限の管理を回す人・仕組みの管理まで、事務所が抱え続けずに済むかどうかです。特定の会社やソフトの品質を評価する比較ではありません。

選択肢よくある期待実際に行き詰まる所判定
①職員を増やします。担当者が増えれば処理できます。採用・教育が繁忙期に間に合わず、閑散期にも人件費と管理が残ります。✕
②従来型の外注・BPOを使います。入力工程を外へ出せます。工程だけの委託では、例外の説明・受渡し・手直しを事務所が持ち続けます。✕
③事務所でAIを自作します。繰り返す作業を自動化できます。ルールの言語化・検証・改修を行う人と仕組みが事務所に残ります。✕
④AI社員AIKATAに任せます。事務作業と仕組みの構築・運用を任せます。事務所は専門業務と最終確認・承認を担う分担にします。◎

5-1. 増員と工程単位の外注は、説明する仕事が残ります

菅澤 菅澤
退職金規程の回収、台帳更新、手続き期限の管理の例外を説明できる職員が、採用面接や引き継ぎも担うと、繁忙期に使える時間がさらに減ってしまいます。

増員では、新しい職員に法令と顧問先固有の扱いを覚えてもらう時間が必要です。前任者の表を渡すだけでは、なぜその取扱いを使っているかが伝わりません。退職金の運用で顧問先ごとに違う扱いは、担当者の頭の中や個別のメモにあることが多く、引き継ぎの資料にも残りにくい部分です。繁忙期に処理を増やすための採用が、新人の確認と教育を担当する熟練職員の仕事を増やす構造になります。

従来型の工程単位の外注では、資料を整える、例外を説明する、返ってきた結果を確認する、手直しを依頼する仕事が事務所に残ります。入力先と集計元が違い、顧問先のルール変更のたびに仕様を伝え直すなら、外へ出した工程の周囲を事務所がつなぐ状態です。委託件数が増えても、この負担がなくなるわけではありません。

✔️①増員では、繁忙期までの採用と教育を事務所が担い、閑散期にも人件費が残ります。
✔️①増員では、担当顧問先を個人に割り振るほど、その人だけが知る例外が増えます。
✔️②外注では、渡す資料の準備と個別ルールの説明を事務所が繰り返します。
✔️②外注では、戻ったデータの整合確認や手直しの指示まで管理する必要があります。

5-2. AIの自作は、作った人しか直せない第二の属人化を生みます

山崎 山崎
動く仕組みを一度作ることと、顧問先の変更に合わせて運用し続けることは別の仕事です。後者を誰が担当するかまで考えます。

Claude Code/Codexなどを使う場合も、顧問先の締め日、手当、勤怠区分、資料の置き方を言語化する必要があります。法的判断が必要な取扱いと、機械的に処理する条件を区別しなければ、誤った前提をそのまま繰り返す仕組みになります。給与計算の担当者が、その検証と改修まで兼務すると別の管理業務を抱えます。

通常のケースだけでなく、契約変更、申請の取消し、資料不足、退職などの場面を想定して検証します。担当者が異動したときに、処理の根拠と直し方を説明できる状態でなければ、表計算の属人化がAIの仕組みの属人化へ移るだけです。事務所の悩みが「入力する人が足りない」から「直せる人がいない」へ変わります。

✔️③自作では、顧問先の例外を言語化し、判断の条件と計算の条件を区別する必要があります。
✔️③自作では、通常ケースだけでなく、取消し・契約変更・資料不足を含む検証の型が必要です。
✔️③自作では、作った人しか直せない仕組みになると、第二の属人化を抱えます。
菅澤 菅澤
増員・工程だけの外注・自作は、どれも人か仕組みを事務所が抱え続ける道です。AI社員AIKATAは、事務作業を回す仕組みの構築と運用まで引き受けます。

06 AI社員AIKATAは、今のソフトで事務作業を丸ごと受託します

6-1. 勤怠集計から給与計算、資料回収までをAIと人で担います

山崎 山崎
AI社員AIKATAは、質問に答えるだけのサービスではありません。職員の方がパソコンで行っている事務作業を、AIと人の二重体制で引き受けます。

AI社員AIKATAは、給与計算、勤怠の集計、入退社手続きの書類の下準備、算定基礎届や労働保険の年度更新の下準備、帳票の作成、顧問先への資料回収や一次対応などを受託する業務代行サービスです。法定の申請書や帳簿書類の作成・提出代行は受託範囲から外し、先生方が行います。

退職金対応の支援を入口に考えるなら、まず顧問先ごとの退職金規程の回収状況と、退職関連手続きの期限管理の流れを棚卸しします。どの整理を任せ、どの判断と提出を事務所が行うかを明らかにすることで、突発の相談を孤立した作業として抱えず、通常の労務相談とのつながりで分担を整理できます。具体的な受託範囲は無料相談で確認します。

AI社員AIKATAは特定のソフトに限定しません。いま事務所が使っている給与ソフトや勤怠システムをそのまま使い、画面操作を含めて自動化します。顧問先へソフトの乗り換えを頼む必要がないため、事務所の改善のために、顧問先側の運用を一斉に入れ替えることを前提にしなくて済みます。

6-2. 個別ルールを残し、人が品質チェックしてから事務所へ戻します

山崎 山崎
担当者が変わってもルールが残るようにすることが大切です。AIの処理結果は人が確認し、最後は事務所が確認・承認します。

AI社員AIKATAは、顧問先ごとの締め日・支給日・手当などの個別ルールを仕組みに登録して処理します。職員の記憶の中にある取扱いを、その職員が休んだときにも残る形にする考え方です。AIの処理結果は人が品質チェックし、最終確認と承認は事務所が行います。判断の責任と事務処理の担当を混同しません。

日々の受託した定型事務では、事務所の作業は原則として計算済み給与データや作成済み帳票の承認です。ここでいう帳票は、社労士法の独占業務に当たる帳簿書類の作成をAI社員AIKATAへ移す意味ではありません。先生方の法定業務は保持し、そのための基礎資料を整える事務を任せます。

AI社員AIKATAはNDAを結び、給与・人事データの受け渡しと保管のルールを事務所の規程に合わせて決めます。相談時には、事務所で定めている保存先や受渡し方法を確認し、委託する資料の範囲を整理します。

6-3. 繁忙期の処理量を増やすために、採用と教育を重ねる必要がありません

菅澤 菅澤
算定基礎・年度更新・年末調整の時期にも、受託する事務作業の処理量を増やせます。事務所がAIの構築担当者を採用する必要もありません。

AI社員AIKATAは、仕組みの構築と運用を行います。事務所にAIの知識は要りません。繁忙期にも人を採用・教育せずに処理量を増やせるため、事務作業のための増員と教育を繰り返す運営から切り替えられます。料金は月額の定額で、業務量が増えても変わりません。

無料相談は60分のオンラインで、Google Meetを使い全国に対応します。業務を棚卸しし、どこまで任せられるかを整理します。契約の義務はありません。所長だけで作業の細部を思い出そうとするより、実際に回収・入力・確認をしている職員の方の状況を整理すると、対象業務を具体化しやすくなります。

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07 残る道は「作業そのものを任せる」だけです

退職金規程の資料づくりと手続き管理を正しく運用するには、事務所の専門性が欠かせません。その専門性を資料探しや転記に使い続けないために、ここでは「事務作業を回す負担を手放す」という目的で3つの道を比較します。記号はこの目的に対する整理であり、製品の性能や法的適合性の優劣を表すものではありません。

比較する項目手作業のままソフトの追加・乗り換えAI社員AIKATAに任せます
繁忙期の負荷✕ 職員の回収・入力・照合が増えます。△ ソフト間の準備や確認を事務所が担います。◎ 採用・教育をせずに受託事務の処理量を増やせます。
顧問先ごとのルール✕ 担当者の記憶と個別のメモに残ります。△ 設定と更新を事務所が管理します。◎ 個別ルールを登録し、担当者が変わっても残ります。
顧問先への負担△ 不足資料の照会が繰り返されます。△ 新しい操作や受渡しの調整が必要です。◎ 顧問先にソフトの乗り換えを頼む必要がありません。
職員の採用・教育✕ 処理を増やす人の確保を抱えます。△ 運用する職員の教育が残ります。◎ 構築・運用を任せ、AIの知識は不要です。
社労士法の線引き○ 先生方が専門業務を行います。○ 先生方が専門業務を行います。◎ 前段階の事務を受託し、1号・2号業務は先生方が行います。

7-1. AI社員AIKATAが選ばれる5つの理由

菅澤 菅澤
今のソフトと顧問先のルールを使いながら、事務作業を引き受ける点が理由です。先生方が担う専門業務を残したまま分担できます。
✔️今のソフトのまま:給与ソフト・勤怠システムをそのまま使い、画面操作も含めて自動化します。
✔️顧問先ごとのルールが残ります:締め日・支給日・手当を登録し、担当者が変わっても引き継げます。
✔️事務所は原則として承認だけです:受託した定型事務の結果を人が品質チェックし、事務所が最終確認・承認します。独占業務は先生方が行います。
✔️繁忙期も人を増やさず、月額の定額です:採用・教育をせず処理量を増やせ、業務量が増えても料金は変わりません。
✔️AIの知識は不要で、社労士法の線引きが明確です:構築・運用はAI社員AIKATAが担い、1号・2号業務を受託しません。

増員・外注・自作・乗り換えは、どれも事務所が人か仕組みを抱え続けます。作業を手放せる道はAI社員AIKATAに任せることだけです。ここで手放す対象は、委託する集計・入力などの事務作業です。法的判断、独占業務、最終確認・承認は先生方が担います。

菅澤 菅澤
規程の回収と台帳の更新から始めると、その結果を使う規程の見直しや、退職手続きの下準備まで、仕事のつながりが見えてきます。次の相談が来る前に、どの事務を任せるか整理しましょう。

08 次の繁忙期を、職員を増やさずに越える準備を始めませんか

8-1. 規程の回収と手続きの期限管理から、どの作業を任せられるか決めます

山崎 山崎
無料相談では、いまの規程の集め方と手続き管理の流れを伺い、どの作業から任せられるかをその場で整理します。先生方が行う判断や書類作成も切り分けます。

人を増やす・ソフトを替えると決める前に、AI社員AIKATAの社労士事務所向け無料相談で、繰り返す作業を棚卸ししてください。「顧問先の退職金規程の最新版が事務所に揃っていない」「退職手続きの期限を表で管理している」「繁忙期に突発の相談が重なる」といった工程から、どの作業を任せられるかを具体的に整理します。

事務所で使うシステム、顧問先ごとの規程の更新時期、職員が毎月行う作業、先生方の承認の流れを確認すれば、最初に任せる業務と事務所に残す専門業務を話し合えます。相談は60分、Google Meetによるオンラインで全国に対応し、契約の義務はありません。給与・人事データの受け渡しと保管は、NDAと事務所の規程に合わせてルールを決めます。

職員を増やす・外注する・AIを自作する・ソフトを替える——どの道を選んでも、集計・入力・確認の作業か、それを回す人と仕組みが事務所に残り続けます。

AI社員AIKATAなら、いまお使いの給与ソフト・手続きソフトはそのまま、顧問先ごとのルールも登録して処理し、事務所に残るのは仕上がりの確認と承認だけです。どの業務から任せられるかは、無料相談(60分・オンライン)でその場で整理します。

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よくある質問

Q. 懲戒解雇なら、退職金は必ず払わなくてよいですか?

山崎 山崎
規程の定めと行為の重さで決まります。

A. 必ずではありません。就業規則や退職金規程に不支給・減額の定めがあることが前提で、定めがあっても、裁判例ではそれまでの功労を打ち消すほどの重大な背信行為が必要と考えられています。規程の文言と事案の内容で判断します。

Q. 退職金規程がない会社では、懲戒解雇の場合はどうなりますか?

山崎 山崎
規程がなければ、支払い義務は生じません。

A. 退職金は規程や労働契約で定めて初めて請求できるものです。規程がなく、支払いの慣行もない会社には、法律上、退職金を支払う義務は生じません。規程があるのに不支給の条項がない場合は、原則どおり支払います。

Q. 退職金から、横領された金額を差し引いて払えますか?

山崎 山崎
一方的な天引きは避けます。

A. 一方的な天引きは、賃金の全額払の原則(労働基準法第24条)に反するおそれがあります。本人の同意を得た精算にするか、別途、損害賠償として請求する形が基本です。

Q. 退職後に不正が分かったら、退職金を返してもらえますか?

山崎 山崎
返還は、規程の定め次第です。

A. 退職した人に、あとから懲戒解雇をすることはできません。規程に、退職後に事由が判明した場合の不支給・返還の定めがあれば、それを根拠に検討します。定めがない場合は、返還を求めることは難しくなります。

Q. 懲戒解雇されると、失業給付や年金はどうなりますか?

山崎 山崎
年金は残り、失業給付には制限が付きます。

A. 年金の受給権は失われません。失業給付は、自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇に当たる場合、雇用保険法第33条による給付制限が付きます。期間は制度改正で変わるため、最新の内容はハローワークで確認します。

Q. 懲戒解雇でも退職金を払う場合、税金はどうなりますか?

山崎 山崎
退職所得として扱われます。

A. 退職金を支給する場合は、税務上は退職所得として扱われ、退職所得控除の適用があります。具体的な計算は税理士の業務領域のため、顧問先には税理士と連携して確認するよう案内します。

Q. 社労士事務所は、退職金の不支給の可否を判断してよいですか?

山崎 山崎
法的評価が分かれるときは、弁護士に相談します。

A. 規程の確認、手続きの整理、助言は事務所の業務ですが、裁判で争われる法的評価は弁護士の領域です。特定社会保険労務士は一定の紛争のあっせん代理を行えます。判断が分かれる案件は、弁護士に相談するよう案内します。

Q. 社労士法上、AIに任せて問題ないですか?

山崎 山崎
専門業務を保持して、その前段階の事務を任せます。

A. 業務の線引きが前提です。AI社員AIKATAは、給与計算・勤怠集計・資料回収の一次対応・書類の下準備などを担い、1号・2号業務である申請書等や法定帳簿書類の作成、行政機関への提出代行は引き受けません。最終確認・承認は先生方が行います。

Q. 今のソフトのままで使えますか?

山崎 山崎
いまの業務を起点に分担を検討できます。

A. AI社員AIKATAは特定のソフトに限定せず、今の給与ソフト・勤怠システムを使って画面操作を含めて自動化します。顧問先へソフトの乗り換えを頼む必要はありません。どの資料回収・集計・入力から任せられるかは、無料相談で実際の業務を確認して整理します。

Q. 事務所にAIの知識がなくても相談できますか?

山崎 山崎
まず毎月の回収・入力・確認の流れを整理します。

A. 相談できます。AI社員AIKATAが仕組みの構築・運用を行うため、事務所にAIの知識は要りません。無料相談は60分のオンラインで全国に対応します。業務の棚卸しと受託範囲を整理し、契約の義務はありません。

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監修 最終更新日: 2026年10月30日
菅澤孝平
菅澤 孝平 株式会社GENAI 代表取締役
  • AI業務自動化サービス「AI鬼管理」を運営 — Claude Code を活用し、経営者の業務を「AIエージェントに任せる仕組み」へ転換するパーソナルトレーニングを 伴走構築 で提供。日報・採用・問い合わせ対応・経費精算・議事録・データ集計・営業リスト等の定型業務を、AIに代行させる体制を経営者と一緒に作り込む
  • Claude Code 実装ノウハウを 経営者・法人クライアント に直接指導。生成AIを「便利ツール」ではなく 「業務を任せる存在」 として運用する手法を体系化
  • 「やらせ切る管理」メソッドの開発者。シンゲキ株式会社(2021年設立・鬼管理専門塾運営)にて累計3,000名以上の学習者を志望校合格に導いた管理メソッドを、AI × 経営者支援 に転用
  • 著書『3カ月で志望大学に合格できる鬼管理』(幻冬舎)、『親の過干渉こそ、最強の大学受験対策である。』(講談社)
  • メディア出演: REAL VALUE / カンニング竹山のイチバン研究所 / ええじゃないかBiz 他
  • 明治大学政治経済学部卒
現在は AI鬼管理(Claude Code活用の伴走型パーソナルトレーニング)を主事業とし、経営者と二人三脚で「AIに業務を任せる仕組み」を実装。「実行を強制する環境」を AI で構築する手法を、自社の実運用知見をもとに発信している。