【2026年11月最新】就業促進定着手当の支給申請書の書き方|要件・計算・添付書類・申請期間と、顧問先の事業主証明への対応を社労士事務所がAIで効率化する方法
「顧問先の従業員が、前の職場で受け取った再就職手当の関係で、就業促進定着手当の申請書を持ってきた。事業主の証明欄を書いてほしいと言われたが、賃金支払状況の欄に何をどう書くのか、出勤簿や賃金台帳の写しは何を用意するのか、すぐに答えられなかった」——雇用保険の給付に関する書類は、事務所の側から見ると、年に数回しか出てこない分だけ、毎回調べ直しになりがちです。
結論から言うと、就業促進定着手当の申請書で事務所・顧問先の側が関わるのは「事業主の証明欄」と「賃金支払状況の証明」、そして「出勤簿・賃金台帳の写しの原本証明」の3点です。手当を請求するのは再就職した本人ですが、再就職先の事業主が証明しなければ申請が進みません。つまり、顧問先は「証明を求められる側」であり、その実務を支えるのが社労士事務所です。
この記事では、就業促進定着手当の制度の概要、支給要件、支給額の計算、申請書の入手方法と書き方、添付書類、申請期間と提出先、よくある質問を、厚生労働省・ハローワークの公式案内で確かめられる範囲で整理します。そのうえで後半では、顧問先ごとに頼まれる証明書類の確認・下準備を、AIで効率化する方法を、弊社の業務代行サービス「AI社員AIKATA」(運営: 株式会社GENAI)の考え方とともに解説します。
01 OVERVIEW 就業促進定着手当とは?制度の目的と再就職手当との関係 再就職手当を受けた人が、再就職先で6か月働いたあとに受けられる給付
就業促進定着手当は、雇用保険の就職促進給付のひとつです。再就職手当の支給を受けた人が、再就職先に6か月以上雇用され、その6か月間の賃金が離職前の賃金よりも低い場合に、低下した賃金の6か月分を、基本手当の支給残日数の一定割合を上限として支給する制度です(厚生労働省・ハローワーク「再就職手当を受給した皆さんへ」)。
📚 用語解説
就業促進定着手当:雇用保険の就職促進給付のひとつ。再就職手当を受けた人が、同じ事業主のもとで6か月以上、雇用保険の被保険者として働き、その6か月間の賃金の1日分の額が離職前の賃金日額を下回る場合に、低下した賃金の6か月分を支給する。起業による再就職手当の受給者は対象にならない。
📚 用語解説
再就職手当:雇用保険の基本手当の受給資格者が、支給残日数を一定以上残して安定した職業に就いた場合に支給される就職促進給付。就業促進定着手当は、この再就職手当を受けた人が、再就職先で働き続けた後に請求できる、いわば「次の段階の給付」にあたる。
1-1. 制度の目的は「定着の支援」
再就職は、うまくいっても、前の職場より賃金が下がってしまうことがあります。賃金が下がると、せっかく再就職しても早期に辞めてしまうきっかけになりかねません。就業促進定着手当は、再就職によって賃金が下がった場合に、その差額を一定の範囲で補うことで、新しい職場への定着を後押しする制度です。
1-2. 事務所・顧問先の立場で押さえるポイント
この手当を請求するのは再就職した本人です。しかし、申請書には再就職先の事業主が記入する欄があり、さらに出勤簿と賃金台帳(または給与明細)の写しに事業主の原本証明が必要です。つまり、顧問先は、従業員から依頼されて「証明する側」になります。
02 REQUIREMENTS 就業促進定着手当の支給を受ける要件 3つの要件をすべて満たすこと。起業の場合は対象外
厚生労働省・ハローワークの案内によると、就業促進定着手当は、平成26年4月1日以降の再就職で、次の要件をすべて満たす人が対象です。
| 要件 | 内容 | 事務所が顧問先に確認する点 |
|---|---|---|
| ①再就職手当の支給を受けている | 前提として、再就職手当の支給を受けていること | 従業員が前職の離職後に再就職手当を受けたかどうか(本人に確認) |
| ②同じ事業主に6か月以上雇用されている | 再就職の日から、同じ事業主に6か月以上、雇用保険の被保険者として雇用されていること | 入社日と雇用保険の被保険者資格取得日、6か月の継続雇用の有無 |
| ③再就職後6か月間の賃金の1日分の額が、離職前の賃金日額を下回る | 所定の算出方法で計算した、再就職後6か月間の賃金の1日分の額が、離職前の賃金日額より低いこと | 再就職後6か月の賃金台帳(総支給額)と賃金支払基礎日数 |
厚生労働省・ハローワークの案内では、「起業により再就職手当を受給した場合には、就業促進定着手当は受けられません」とされています。顧問先の従業員が対象かどうかを判断する際は、再就職手当を受けた理由が「雇用されての再就職」であるかを、本人に確認してください。
2-1. 「同じ事業主に6か月以上」の見方
要件②は、再就職手当の支給対象となった就職の日から、同じ事業主に6か月以上、雇用保険の被保険者として雇用されていることです。顧問先の側で確認できるのは、従業員の入社日と雇用保険の被保険者資格の取得日、そして6か月の間に離職や休職の事情がなかったかです。事務所では、雇用保険の被保険者資格の取得届を提出しているため、取得日の情報をすぐに確認できることが多いでしょう。取得日の確認には、雇用保険被保険者番号の扱いも関係します(雇用保険被保険者番号とは)。
2-2. 賃金が下がったかどうかの判断は誰が行うか
要件③の「賃金が下がったか」の判断は、ハローワークが行います。顧問先・事務所が行うのは、申請書の賃金支払状況と添付する賃金台帳などで、正確な事実を証明することです。賃金が下がったかどうかを事務所が「判定して案内する」のではなく、事実を正しく証明する、という線引きを意識すると、役割がぶれません。
支給の可否を決めるのはハローワークです。事務所・顧問先は、賃金台帳や出勤簿の事実を正確に証明することに集中しましょう。支給額の見込みを従業員に断定的に伝えることは避け、ハローワークで確認するよう案内するのが安全です。
03 AMOUNT 就業促進定着手当の支給額の計算と上限 「賃金日額の差額 × 支払基礎日数」を、上限の範囲で支給
支給額は、次の式で計算します(厚生労働省・ハローワーク「再就職手当を受給した皆さんへ」)。
3-1. 「再就職後6か月間の賃金の1日分の額」の出し方
この1日分の額の算出方法は、賃金の形態で変わります。
| 賃金の形態 | 1日分の額の算出方法 |
|---|---|
| 月給の場合 | 再就職後6か月間の賃金の合計額 ÷ 180 |
| 日給・時給の場合 | 次の(a)(b)のうち、金額の高い方。(a)再就職後6か月間の賃金の合計額 ÷ 180、(b)(再就職後6か月間の賃金の合計額 ÷ 賃金支払いの基礎となった日数)× 70% |
ここでいう賃金は、税金や雇用保険料などが控除される前の総支給額です。通勤手当や皆勤手当なども含みます。ただし、夏冬の賞与など、3か月を超える期間ごとに支払われる賃金は含みません。また、就職日が賃金締切日の翌日ではない場合は、就職後最初の賃金締切日後の6か月分の賃金を使います。
📚 用語解説
賃金支払基礎日数:賃金の支払の対象となった日数のこと。月給制なら暦日数(30日、31日など)、日給月給制ならその基礎となる日数、日給制・時給制なら労働した日数を使う。就業促進定着手当では、再就職後6か月間の賃金の支払基礎となった日数が、支給額の計算に使われる。
3-2. 仮の数字で計算してみる
計算の流れをつかむために、説明用の仮の数字で計算します(実在の人の数字ではありません)。月給制で、離職前の賃金日額が10,000円、再就職後6か月間の賃金の合計が150万円、賃金の支払基礎となった日数が181日、基本手当日額が5,000円、支給残日数が60日だとします。
| 項目 | 計算 | 結果(仮) |
|---|---|---|
| 再就職後の賃金の1日分の額 | 150万円 ÷ 180 | 約8,333円 |
| 離職前との差額(1日あたり) | 10,000円 − 8,333円 | 約1,667円 |
| 差額 × 支払基礎日数 | 約1,667円 × 181日 | 約30万円 |
| 上限額 | 5,000円 × 60日 × 40% | 12万円 |
| 支給額 | 上限額と比べて低い方 | 12万円(上限が適用) |
この仮の例では、賃金の低下分を6か月分で計算すると約30万円ですが、上限額(基本手当日額×支給残日数×40%)が12万円のため、支給額は上限の12万円になります。実際に上限が適用されるかどうかは、個々の基本手当日額と支給残日数で変わるため、金額の見込みは、ハローワークで確認するよう案内します。
賃金日額の上限額・下限額と基本手当日額の上限額は、毎年8月1日に改訂されます。また、手当の上限の割合は、再就職の時期によって異なる場合があります。本記事の仮の例は計算の流れを説明するためのものです。実際の金額や率は、再就職の日に応じた最新の公式案内(厚生労働省・ハローワーク)で確認してください。
04 HOW TO WRITE 就業促進定着手当支給申請書の入手方法と書き方 本人が書く欄・事業主が証明する欄・賃金支払状況の3つのパート
4-1. 就業促進定着手当支給申請書の入手方法
支給申請書は、主に2つの方法で入手できます。厚生労働省・ハローワークの案内では、再就職からおおむね5か月後に、ハローワークから申請書が郵送されます。再就職手当の申請書に書かれていた住所に送られるため、再就職手当の申請後に住所を変更している場合は、郵便局に転居届を出しておく必要があります。
4-2. 申請者本人が記入する欄(表面)
表面の本人記入欄は、氏名・フリガナ、住所または居所、電話番号などです。これは本人が記入する欄で、事務所や顧問先が代わりに書く欄ではありません。顧問先の従業員から「ここはどう書けばいいですか」と聞かれたら、申請書の記載要領を見ながら、本人が自分で記入するよう案内します。住所は、再就職手当の申請時から変わっていないか、変わっている場合は転居届が出ているかも確認しておくと、書類の不達を防げます。
4-3. 事業主(再就職先)に証明してもらう欄(表面)
事業主の証明欄は、再就職先の事業主が記入・押印する欄です。ここが、顧問先・事務所が実際に作業する中心部分です。主な記載内容は、次のとおりです。
これらの記載内容は、顧問先の就業規則・労働条件通知書・雇用保険の届出情報と矛盾していないことが大切です。1つでも違うと、ハローワークから照会が入り、本人の支給が遅れる原因になります。事務所で台帳を確認し、整合を取ってから顧問先に渡すと安心です。
📚 用語解説
雇用保険事業所番号:雇用保険の適用事業所ごとに付される番号。事業主が提出する各種届出や、従業員が雇用保険の給付を申請する際の申請書の事業主欄に記載する。事務所では、顧問先ごとの雇用保険の適用事業所情報として管理していることが多い。
4-4. 賃金支払状況(表面)
賃金支払状況は、申請書のなかで最も重要な部分です。再就職後の賃金の実績を、期間ごとに記載します。主な項目は次のとおりです。
| 項目 | 記載する内容 | 確認のポイント |
|---|---|---|
| 賃金支払対象期間 | 給与の締め日に基づく期間 | 締め日が月末か、20日かなど、顧問先ごとのルールで期間が変わる |
| 賃金支払基礎日数 | その期間の賃金支払の対象となった日数 | 月給制は暦日数、日給制・時給制は労働日数。欠勤控除の扱いに注意 |
| 賃金額 | 税金や社会保険料などが控除される前の総支給額 | 通勤手当などを含める。3か月を超える期間ごとの賞与は含めない |
賃金額には、税や社会保険料が控除される前の総支給額を書きます。通勤手当や皆勤手当も含みます。一方で、夏冬の賞与など、3か月を超える期間ごとに支払われる賃金は含めません。手取り額や、賞与を含めた額を書いてしまうミスに注意してください。
05 DOCUMENTS & FLOW 就業促進定着手当支給申請書の記入例・添付書類と、申請から支給までの流れ 申請期間・提出先・提出方法・支給までの期間を整理
5-1. 就業促進定着手当支給申請書の記入例(考え方)
各社が公開している記入例は、あくまで見本であり、様式は改訂されることがあります。記入例を見る場合は、必ずハローワークから届いた最新の様式の記載要領とあわせて確認してください。記入のポイントは、これまで見てきたように、本人記入欄は本人、事業主証明欄は事業主、賃金支払状況は賃金台帳の事実に合わせる、の3点です。ここでは、顧問先が記入するときの確認の順番を、記入例の代わりに整理します。
5-2. 就業促進定着手当支給申請書に必要な添付書類
厚生労働省・ハローワークの案内では、申請に必要な書類は次の4点です。
| 必要な書類 | 入手方法・注意点 | 事業主(顧問先)が関わる点 |
|---|---|---|
| ①就業促進定着手当支給申請書 | ハローワークから郵送、または窓口・ホームページで入手 | 事業主記入欄の記入・押印 |
| ②雇用保険受給資格者証 | ハローワークから交付されたもの | 本人が用意(顧問先は関与しない) |
| ③就職日から6か月間の出勤簿の写し | 事業主から原本証明を受けたもの | 出勤簿(タイムカード)の写しに原本証明 |
| ④就職日から6か月間の給与明細または賃金台帳の写し | 事業主から原本証明を受けたもの | 賃金台帳等の写しに原本証明 |
就職日が賃金締切日の翌日ではない場合は、就職後最初の賃金締切日後の6か月分が対象になります。③④の「6か月間」の範囲がずれることがあるため、顧問先から写しを集めるときは、どの期間分が必要かを先に確認しておきましょう。
📚 用語解説
原本証明:写しが原本と相違ないことを、事業主が証明する手続き。出勤簿や賃金台帳の写しに、「原本に相違ありません」と記載し、事業主名の記載と押印を行うのが一般的。形式は、提出先(ハローワーク)の案内に従う。
原本証明の具体的な書き方は、書類ごとに案内が異なることがあります。「何を・どこに・どのように書くか」は、本人がハローワークの窓口で確認し、顧問先に伝えてもらうとスムーズです。
5-3. 申請期間
申請期間は、再就職した日から6か月経過した日の翌日から2か月間です(厚生労働省・ハローワーク)。この期間を過ぎた申請は、特別な事情があると認められない限り受け付けられないとされています。期限が決まった手続きなので、顧問先から相談を受けたら、最初に申請期間の確認をするのが大切です。
インターネット上には、期限を過ぎても一定の期間内なら申請できるという説明もありますが、厚生労働省・ハローワークの案内では「特別な事情があると認められない限り、期限を過ぎての申請は受け付けない」とされています。期限を過ぎた場合の扱いは、本人がハローワークに確認するよう案内してください。
5-4. 提出先と提出方法
申請先は、再就職手当の支給申請を行ったハローワークです。郵送での申請もできます。窓口への持参は、その場で書類の確認を受けられるため、不備があればすぐに修正できる点がメリットです。郵送は、時間がない場合に便利ですが、書類に不備があると往復の時間がかかります。郵送する場合は、控えを取り、記録の残る方法を選ぶと安心です。
5-5. 申請から支給までの期間
申請から支給までの期間は、書類に不備がなければ、一定の期間で本人の口座に振り込まれるのが一般的です。具体的な期間はハローワークの処理状況で変わるため、日数を断定せず、「ハローワークで確認」と案内するのが安全です。支給が決まると、ハローワークから支給決定の通知が届きます。
06 COMMON QUESTIONS 就業促進定着手当支給申請書に関してよくある質問 捨印・書き間違えた場合の訂正・事業主の証明がもらえない場合
6-1. 申請書に捨印は必要?
各社の解説では、就業促進定着手当の申請書には捨印を押す欄は設けられていないとされています。ただし、様式は改訂されることがあり、押印の要否も変わる可能性があるため、手元に届いた最新の様式の記載要領で確認してください。顧問先の事業主欄で押印が必要な箇所は、様式の指示に従います。
6-2. 申請書を書き間違えた場合の訂正方法は?
書き間違えた場合の訂正は、修正液や修正テープを使わず、間違えた箇所に二重線を引いて、訂正印を押すのが一般的な方法です。事業主欄の訂正は、事業主印で訂正するのが基本です。訂正が多くなる場合や、賃金支払状況の数字の訂正が必要な場合は、ハローワークで新しい用紙をもらい直すほうが、確実で早いこともあります。
6-3. 事業主の証明がもらえない場合はどうする?
従業員側から見ると、「会社に証明を頼みにくい」「忙しそうで頼めない」と悩むことがあるようです。そうした場合は、まず管轄のハローワークに相談するよう案内されています。事務所の立場では、顧問先に対して、従業員の給付に必要な証明であることを説明し、協力してもらうことが役割になります。顧問先が証明に慣れていないだけの場合も多いため、必要な書類と手順を整理して渡すと、スムーズに進みます。
07 THE LIMIT 雇用保険の給付の証明が、事務所の手作業を重くする理由 件数は少ないが、毎回調べ直しで、期限があり、繁忙期と重なる
就業促進定着手当の証明は、1件ごとの作業量は大きくありません。しかし、顧問先を多く抱える事務所では、似たような雇用保険関係の証明依頼が、不規則なタイミングで舞い込みます。そのたびに、次のような手間が発生します。
これらは「制度を知っているか」では解決しません。顧問先ごとの違いを踏まえて、同じ確認作業を、締切のある中で繰り返す事務作業そのものが負荷の正体です。特に、算定基礎や年度更新の時期と重なると、後回しにしたくなるのが実情でしょう。
08 AUTOMATE WITH AI 【核心】証明書類の確認・下準備を、AIで自動化する 「AIに聞く」効率化ではなく、確認と下準備の作業そのものを渡す自動化へ
📚 用語解説
Claude Code/Codex:Claude CodeはAnthropic社、CodexはOpenAI社が提供するAIエージェント。ChatGPTのような「質問に答えるAI」と違い、指示を受けてパソコン上のデータ集計・ファイル操作・文書作成などの作業そのものを実行できる。日本語の指示だけで業務の仕組みを構築できるため、事務所のバックオフィス業務の自動化にも使われている。
8-1. 「AIに聞く」と「AIが確認と下準備を自動で回す」は別物
Claude Code/Codexに「就業促進定着手当の支給要件を教えて」と聞くのは効率化です。調べ物は速くなりますが、顧問先ごとの賃金台帳の集計や、申請書との照合は人間がやる必要があります。
本当に効果が出るのは自動化です。「顧問先から証明の依頼を受けたら、その顧問先の賃金台帳と出勤簿のデータを読み込み、6か月分の期間・基礎日数・総支給額(賞与を除く)を集計し、申請書の賃金支払状況の下書きと、必要書類のチェック表を自動で作り、不足や食い違いを抽出する」という流れを最初に一度設計しておけば、以降は依頼のたびに、同じ手順で確認と下準備が済みます。人の仕事は、仕上がりを確認し、事業主の記名押印を顧問先に依頼するところまでです。
8-2. 社労士法との線引きを必ず入れる
ここで重要なのが、社労士法上の業務の切り分けです。行政機関への提出手続きの代行や帳簿書類の作成(社労士法の1号・2号業務)は、社会保険労務士である先生方の業務であり、AIが担うことはできません。また、事業主の証明は、事業主(顧問先)が行うものです。AIが事業主に代わって証明をすることはありません。
AIが担当できるのは、賃金台帳・出勤簿データの読み込みと集計、チェック表の作成、食い違いや不足の抽出、顧問先への依頼文の下書き作成など、最終判断より前の事務作業です。事業主としての証明・記名押印、行政機関への提出手続きの代行、書類の最終確認は、必ず顧問先・事務所の先生方・職員が行います。
8-3. Claude Code/Codexに任せられる事務作業
| これまで職員がやっていた作業 | AIに任せた後 |
|---|---|
| 賃金台帳から6か月分の総支給額を手で集計 | データを読み込み、賞与を除いた総支給額を自動集計 |
| 月給制・日給制ごとの基礎日数を個別に確認 | 顧問先ごとの賃金形態を登録し、基礎日数の算出材料を自動作成 |
| 事業所番号・所定労働時間を台帳と目視で照合 | 登録情報と自動照合し、食い違いだけを抽出 |
| 必要書類(出勤簿・賃金台帳の6か月分の写し)の有無を確認 | 期間と書類のチェック表を自動作成し、不足を抽出 |
| 顧問先への証明依頼・書類依頼の文面を毎回作成 | 依頼文の案を自動生成し、期限から逆算した日付も案内 |
09 BUILD OR OUTSOURCE 増員・外注・自作では、繁忙期の事務作業は片づかない 4つの選択肢のうち3つは、事務所の悩みを別の悩みに置き換えるだけ
就業促進定着手当のような「頻度は低いが、期限があり、顧問先ごとに違い、繁忙期にも重なる」事務作業を楽にする方法は、4つの選択肢に整理できます。ただしそのうち3つは、事務所の悩みを別の悩みに置き換えるだけです。
| 選択肢 | よくある期待 | 実際に行き詰まる所 | 判定 |
|---|---|---|---|
| ①職員を増やす | 人を増やせば間に合う | 繁忙期だけのために年間で人を抱える。頻度の低い手続きの知識を、新しい職員に引き継ぐ手間も残る | ✗ |
| ②従来型の外注・BPO | 外に出せば手間がなくなる | 顧問先ごとの賃金形態や締め日の説明と、仕上がりの手直しが事務所に残る | ✗ |
| ③事務所でAIを自作する | Claude Code/Codexなら自分たちで作れる | 顧問先ルールの言語化・検証の型・作った人しか直せない第二の属人化という壁がある | ✗ |
| ④AI社員AIKATAに任せる | 確認と下準備を丸ごと渡せる | 事務所に残る業務は最終確認と承認のみ | ★ |
9-1. 「①増員」「②外注」で片づかない理由
9-2. 「③自作」の壁
10 WHAT IS AIKATA 「AI社員AIKATA」とは——事務所の定型事務作業を丸ごと代行 確認・下準備は預ける、最終判断と1号・2号業務は先生方のまま
この壁を事務所自身で越えなくても、確認と下準備の作業そのものを丸ごと預ける道があります。それが弊社(株式会社GENAI)が運営する業務代行サービス「AI社員AIKATA」です。
📚 用語解説
AI社員AIKATA:株式会社GENAIが運営する業務代行サービス。社労士事務所などのバックオフィス業務のうち、パソコン上で行う定型的な事務作業を、AIと人の二重体制で丸ごと受託する。特定の給与ソフト・勤怠システムに縛られず、事務所が使っている既存の環境をそのまま使って自動化する点が特徴。
無料相談(60分・オンライン/Google Meet)では、事務所の業務を棚卸しし、どこまで任せられるかを一緒に整理します。契約の義務はありません。利用にあたってはNDAを結び、給与・人事データの受け渡しと保管のルールを事務所の規程に合わせて決めます。料金は、業務量が増えても変わらない月額の定額制です。
11 COMPARISON & SUMMARY 残る道は「作業そのものを任せる」だけ 手作業のまま/ソフトの追加・乗り換え/AIKATAに任せる 比較とまとめ
| 手作業のまま | ソフトの追加・乗り換え | AIKATAに任せる | |
|---|---|---|---|
| 繁忙期の負荷 | 顧問先数に比例して増大 ✗ | ソフト次第で一部軽減 △ | 処理量が増えても事務所側の作業は変わらない ◎ |
| 顧問先ごとのルール | 担当者の記憶と台帳に依存 ✗ | ソフトの設定範囲内 △ | 仕組みに登録され、担当者が変わっても残る ◎ |
| 顧問先への負担 | 確認のたびに個別対応 △ | 乗り換え時の周知コストが発生 ✗ | 既存のやり方のまま、負担は増えない ◎ |
| 職員の採用・教育 | 繁忙期のための人員確保が難しい ✗ | ソフト操作の教育が必要 △ | 増員・教育なしで処理量を増やせる ◎ |
| 社労士法の線引き | 問題なし ○ | 問題なし ○ | 1号・2号業務は先生方のまま。AIはその手前のみ ◎ |
11-1. AI社員AIKATAが選ばれる5つの理由
増員・外注・自作・乗り換えは、どれも事務所が人か仕組みを抱え続けます。作業を手放せる道は、AI社員AIKATAに任せることだけです。就業促進定着手当の証明書類の確認は、傷病手当金の申請書の確認、雇用保険の加入条件の確認、電子申請の準備といった、事務所の他の手続き業務とも同じ構造を持っています。一つの業務で仕組みを作る感覚をつかめば、同じ考え方で他の業務にも広げられます。関連する手続きの記事として、e-Govによる電子申請の使い方や、雇用保険に加入できない2つのケースも参考になります。
次の繁忙期を、職員を増やさずに越える準備を始めませんか
人を増やす・ソフトを替えると決める前に、まず今の手続き業務のうち、どれを任せられるかを整理してみませんか。無料相談(60分)では、雇用保険の給付に関する証明書類の確認のような、頻度は低いが毎回調べ直しになる作業をはじめ、今の給与ソフトや進め方を変えずに、どの作業から任せられるかをその場で整理します。契約の義務はありません。
職員を増やす・外注する・AIを自作する・ソフトを替える——どの道を選んでも、集計・入力・確認の作業か、それを回す人と仕組みが事務所に残り続けます。
AI社員AIKATAなら、いまお使いの給与ソフト・手続きソフトはそのまま、顧問先ごとのルールも登録して処理し、事務所に残るのは仕上がりの確認と承認だけです。どの業務から任せられるかは、無料相談(60分・オンライン)でその場で整理します。
NEXT STEP
事務所の定型業務を、
AI社員に任せてみませんか?
よくある質問
Q. 就業促進定着手当とは、どんな制度ですか?
A. 再就職手当の支給を受けた人が、再就職先で同じ事業主に6か月以上雇用され、その6か月間の賃金の1日分の額が離職前の賃金日額を下回る場合に、低下した賃金の6か月分を、基本手当の支給残日数に応じた上限の範囲で支給する雇用保険の給付です。起業により再就職手当を受けた場合は対象になりません(厚生労働省・ハローワークの案内)。
Q. 就業促進定着手当の支給申請書は、誰が書きますか?
A. 請求するのは再就職した本人ですが、申請書には本人が記入する欄と、再就職先の事業主が記入・押印する欄があります。事業主は、事業所情報・雇用保険事業所番号・所定労働時間・賃金月額・賃金支払状況を証明し、出勤簿と賃金台帳(または給与明細)の写しに原本証明を行います。
Q. 申請の期限はいつまでですか?
A. 再就職した日から6か月経過した日の翌日から2か月間です。厚生労働省・ハローワークの案内では、特別な事情があると認められない限り、期限を過ぎた申請は受け付けられないとされています。期限を過ぎた場合の扱いは、ハローワークに確認してください。
Q. 賃金支払状況には、どの金額を書きますか?
A. 税金や雇用保険料などが控除される前の総支給額を書きます。通勤手当や皆勤手当を含み、夏冬の賞与など3か月を超える期間ごとに支払われる賃金は含めません。賃金支払基礎日数は、月給制なら暦日数、日給月給制ならその基礎となる日数、日給制・時給制なら労働の日数を使います。
Q. 添付書類には何が必要ですか?
A. 支給申請書のほか、雇用保険受給資格者証、就職日から6か月間の出勤簿の写し、就職日から6か月間の給与明細または賃金台帳の写しが必要です。出勤簿と給与明細(賃金台帳)の写しは、事業主から原本証明を受けたものを提出します。就職日が賃金締切日の翌日ではない場合は、就職後最初の賃金締切日後の6か月分が対象です。
Q. 事業主が証明をしてくれない場合は、どうなりますか?
A. 従業員が証明を頼みにくい場合などは、まず管轄のハローワークに相談するよう案内されています。顧問先が証明に慣れていないだけの場合も多いため、社労士事務所が必要書類と手順を整理して顧問先に案内すると、スムーズに進みます。
Q. 証明書類の確認作業をAIに任せても、社労士法上問題ありませんか?
A. 行政機関への提出手続きの代行や帳簿書類の作成(社労士法の1号・2号業務)は、社会保険労務士である先生方の業務であり、AIが代わりに行うことはできません。また、事業主の証明・記名押印は、事業主である顧問先が行います。AI社員AIKATAが担うのは、賃金台帳データの集計、チェック表の作成、食い違いや不足の抽出、依頼文の下書き作成など、最終判断より前の事務作業に限られます。
Q. 今使っている給与ソフトのままでAIに任せられますか?
A. 任せられます。AI社員AIKATAは特定のソフトに限定せず、事務所が現在使っている給与ソフト・勤怠システムをそのまま使い、画面操作を含めて自動化します。顧問先にソフトの乗り換えを依頼する必要はなく、顧問先ごとの個別ルールも仕組みに登録して処理するため、担当者が変わっても引き継がれます。
あわせて読みたい:同じテーマの記事
AI社員AIKATAへのお問い合わせ
この記事を読んで気になった方へ。
専門スタッフが、御社に最適な
業務自動化・業務代行プランを無料でご提案します。



