【2026年10月最新】有給休暇の付与日数はいくつ?勤続年数別の早見表とパート比例付与、社労士事務所が顧問先分の管理をAIで自動化する方法
「顧問先の従業員ごとに付与日数がバラバラで、計算に自信が持てない」「パート・アルバイトの比例付与の表をいつも見返している」「年5日取得義務の管理が顧問先任せになっていて不安」——有給休暇の付与日数は、社労士事務所の所長・職員の方が年間を通じて向き合う定番の実務です。
結論から言うと、有給休暇は雇入れの日から6か月継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者に発生し、通常の労働者は6か月で10労働日、以降1年ごとに日数が増えて6年6か月以上で20労働日になります。週の所定労働日数が少ないパート・アルバイトには比例付与という別の日数表が適用されます。
この記事では、厚生労働省の公表資料にもとづいて付与日数の早見表を整理したうえで、後半では顧問先ごとに異なる基準日・比例付与・年5日取得義務の管理を、AIで自動化する方法を、弊社の業務代行サービス「AI社員AIKATA」(運営: 株式会社GENAI)の実践ノウハウとともに解説します。
01 BASICS 有給休暇制度の基本(発生要件) 日数の前に、誰にいつ発生するのかを押さえる
年次有給休暇は、労働基準法第39条にもとづき、雇入れの日から起算して6か月間継続勤務し、その期間の全労働日の8割以上を出勤した労働者に対して付与される休暇です。正社員に限らず、要件を満たせばパート・アルバイトを含むすべての労働者に発生します。
📚 用語解説
年次有給休暇:労働基準法第39条にもとづき、一定期間継続勤務し出勤率8割以上の要件を満たした労働者に対し、賃金が支払われる休暇として付与されるもの。正社員・パート・アルバイトを問わず、要件を満たせば発生する法定の権利。
1-1. 「出勤率8割」の数え方
出勤率は、全労働日のうち実際に出勤した日の割合で判定します。業務上の負傷・疾病による休業期間、産前産後休業期間、育児・介護休業期間、年次有給休暇を取得した日は、出勤したものとみなして計算します。
出勤率の計算方法は「出勤した日 ÷ 全労働日」です。全労働日は、算定する期間の暦日から所定の休日を除いた日で、会社都合の休業期間などは原則として全労働日から除きます。法律にもとづく育休・産休・介護休業中の期間は出勤したものとみなすため、基準日までの1年間ずっと休業していた人にも、基準日には勤続年数どおりの日数を付与します。休業を理由に日数を減らしたり付与を止めたりしないよう、休業中の従業員がいる顧問先ほど付与漏れに気をつけます。また、勤続年数(継続勤務)は在籍期間で数えるため、休職や長期の病欠の期間も通算します(出典: 厚生労働省「年次有給休暇の付与日数は法律で決まっています」・厚生労働省「確かめよう労働条件 年次有給休暇」、令和8年10月確認)。
私傷病による欠勤・休職期間を出勤率の計算にどう含めるかは、就業規則の定めや個別の事情によって扱いが分かれることがあります。顧問先の就業規則を確認したうえで、出勤率を判定する必要があります。
1-2. 直前1年間の出勤率が8割未満だった翌年の付与日数
2回目以降の付与は、基準日の直前1年間の出勤率で判定します。直前1年間が8割未満だった場合、その基準日には新しい有給休暇は付与されません。ただし勤続年数は在籍期間で数えるので、8割未満の年があっても勤続年数のカウントは止まりません。翌年の基準日に直前1年間の出勤率が8割以上に戻れば、その時点の勤続年数に応じた日数を付与します。
たとえば通常の労働者が、勤続4年6か月の基準日で8割未満(付与なし)となり、勤続5年6か月の基準日で8割以上だった場合、付与するのは16日ではなく18日です。なお、8割未満で付与がなかった年も、前年度までに付与された残りの日数は時効(付与日から2年)を迎えるまで使えます。2回目以降の付与が「前年の出勤率が8割以上の者に限る」とされていることと、継続勤務が在籍期間を指すことは、厚生労働省「確かめよう労働条件 年次有給休暇」(令和8年10月確認)で確認できます。
02 THE NUMBERS 【本題】有給休暇の付与日数(厚生労働省資料にもとづく早見表) 通常の労働者とパート・アルバイトの比例付与、それぞれの日数表
厚生労働省の公表資料にもとづき、勤続年数ごとの付与日数を整理します。週の所定労働日数が5日以上、または週の所定労働時間が30時間以上の労働者には、次の日数が付与されます。
| 継続勤務期間 | 付与日数 |
|---|---|
| 6か月 | 10労働日 |
| 1年6か月 | 11労働日 |
| 2年6か月 | 12労働日 |
| 3年6か月 | 14労働日 |
| 4年6か月 | 16労働日 |
| 5年6か月 | 18労働日 |
| 6年6か月以上 | 20労働日 |
この表はフルタイムの正社員だけの表ではありません。有給休暇が何日付与されるかは、正社員・契約社員・パートといった呼び名ではなく、週の所定労働時間及び所定労働日数で決まります。「パート」と呼ばれていても週30時間以上働く人には、この表を使います。法律で決まっているのは下回ってはいけない日数で、就業規則でこれより多く付与している顧問先もあるため、法定の日数と顧問先の規程の日数を分けて持っておくと確認が楽になります(出典: 厚生労働省「年次有給休暇の付与日数は法律で決まっています」、令和8年10月確認)。
2-1. パート・アルバイトの比例付与
週の所定労働日数が4日以下(かつ週の所定労働時間が30時間未満)のパート・アルバイトには、所定労働日数に応じて付与日数を比例的に少なくする比例付与が適用されます。
📚 用語解説
比例付与:週の所定労働日数が4日以下(かつ週の所定労働時間が30時間未満)の労働者に対し、所定労働日数に応じて年次有給休暇の付与日数を通常より少なく設定する仕組み。週の所定労働日数が少ないほど、同じ勤続年数でも付与日数が少なくなる。
| 週所定労働日数 | 1年間の所定労働日数 | 6か月 | 1年6か月 | 2年6か月 | 3年6か月 | 4年6か月 | 5年6か月 | 6年6か月以上 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 4日 | 169〜216日 | 7日 | 8日 | 9日 | 10日 | 12日 | 13日 | 15日 |
| 3日 | 121〜168日 | 5日 | 6日 | 6日 | 8日 | 9日 | 10日 | 11日 |
| 2日 | 73〜120日 | 3日 | 4日 | 4日 | 5日 | 6日 | 6日 | 7日 |
| 1日 | 48〜72日 | 1日 | 2日 | 2日 | 2日 | 3日 | 3日 | 3日 |
出典: 厚生労働省「年次有給休暇とはどのような制度ですか」。厚生労働省の公式ページで原文を確認できます。
比例付与になるのは、週の所定労働時間と所定労働日数の両方が基準以下の人だけです。具体的には、週30時間未満で、かつ週4日以下(週以外の期間で日数が決まっている人は年間216日以下)のパートタイム労働者が対象です。週4日勤務でも週30時間以上なら、比例付与ではなく通常の表で付与します。
雇用形態別に、6年6か月以上の最大日数を並べると、通常の労働者は20日、比例付与は週4日で15日・週3日で11日・週2日で7日・週1日で3日です。年5日の取得義務の対象になる「年10日以上」に届くのは、週4日なら勤続3年6か月、週3日なら勤続5年6か月の基準日からです。週2日以下の人は、法定の日数だけなら対象になりません(いずれも上の表による)。
2-2. 有給休暇が付与されるタイミング(初回付与・前倒し・基準日の全員統一)
法定どおりなら、初回付与は雇入れの日から6か月を経過した日(法定の基準日)で、その後は毎年同じ日に付与します。たとえば7月1日入社の人は、初回付与が翌年1月1日で、以後は毎年1月1日が基準日です。入社日が人ごとに違えば基準日も人ごとに違うため、顧問先の従業員が増えるほど「誰に・いつ・何日」の把握が難しくなります。
付与のタイミングは、法定より早めることはできます(遅らせることはできません)。入社日に10日以上をまとめて前倒しで付与した場合は、その日から1年以内に5日を取得させる義務が生じます。入社時に一部だけ前倒しした場合は、付与日数の合計が10日に達した日から1年以内です。また、初年度に前倒しした場合は、次年度以降の付与日も、初年度と同じかそれ以上の期間、法定の基準日より繰り上げる必要があります。
管理を楽にするために、基準日を全員統一する付与方法もあります。年度始めや年始にそろえる方法と、同じ月の入社者を月初にそろえる方法が代表的です。基準日を統一すると、入社2年目の付与日が早まり、5日を取得させる1年間が前の1年間と重なることがあります。この場合は、重なる2つの期間を通した月数に応じて「月数÷12×5日」以上を取得させる比例按分も認められています(出典: 厚生労働省「年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説」、2023年2月版)。
| 基準日の決め方 | 付与のタイミング | 5日を取得させる期間 |
|---|---|---|
| 法定どおり | 雇入れの日から6か月後、以後は毎年同じ日 | 各基準日から1年以内 |
| 入社日に10日以上を前倒し | 入社日 | 入社日から1年以内 |
| 入社時に一部を前倒し | 入社日と、その後の追加の付与日 | 付与日数の合計が10日に達した日から1年以内(それまでに本人が取った日数は5日から差し引く) |
| 年度始め・月初などに全員統一 | 統一した日 | 統一した日から1年以内(期間が重なる時は比例按分も可) |
03 WHAT'S NEW 年5日の取得義務と罰則 年10日以上付与される労働者には、使用者に時季指定の義務がある
2019年4月施行の労働基準法改正により、年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対して、使用者は年5日について時季を指定して取得させる義務を負っています。これはパート・アルバイトであっても、比例付与で年10日以上付与される場合は対象になります。
この年5日の取得の義務化は、働き方改革関連法による労働基準法の改正で、企業の規模にかかわらずすべての使用者が対象です。対象者には管理監督者や有期雇用労働者も含まれます。対象かどうかは「当年度に付与される法定の日数が10日以上か」で判定し、前年度からの繰越分は含めません。一方で、本人が繰越分から取得した日も5日に数えられます。年度の途中で育休から復帰した人も対象ですが、残りの労働日が足りず5日を取得させるのが不可能な場合は、その限りではありません。使用者が時季指定をするなら、対象者の範囲と指定の方法を就業規則に書くことも必須です(出典: 厚生労働省「年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説」、2023年2月版)。
📚 用語解説
時季指定義務(年5日取得義務):年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対し、使用者が年5日について労働者の意見を聴いたうえで時季を指定し、取得させなければならない義務。労働者が自ら5日以上取得済みの場合や、計画年休制度で5日以上の取得が決まっている場合は、重ねて時季指定する必要はない。
違反した場合、労働基準法第120条により30万円以下の罰金が科される可能性があります。この罰則は対象労働者1人につき適用され得るため、対象者が多い顧問先ほどリスクが積み上がります。
使用者は、年次有給休暇を取得した時季・日数・基準日を労働者ごとに明らかにした年次有給休暇管理簿を作成し、3年間保存する義務があります。管理簿の作成自体は労働基準法上の義務であり、社労士法上の帳簿書類の作成(2号業務)にも関わるため、最終的な作成・保存の責任は事務所の先生方が担います。
管理簿の作成義務で書く項目は、労働者ごとの時季(取得した日付)・日数・基準日です。労働者名簿や賃金台帳とあわせて作ってもよく、必要な時にいつでも出力できるならシステム上で管理しても差し支えありません。前倒しや基準日の統一で基準日が2つある人は基準日を2つ書き、時季指定した日が変わった時は管理簿も直します(出典: 厚生労働省「年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説」、2023年2月版)。
3-1. 取得義務を満たす方法の一つ「計画年休」
年5日取得義務を満たす方法の一つに、計画的付与制度(計画年休)があります。労使協定を結ぶことで、有給休暇のうち5日を超える部分について、会社があらかじめ取得日を計画的に定めることができる制度です。本人が自由に取得できる日数として、最低5日は残す必要があります。
📚 用語解説
計画的付与制度(計画年休):労使協定を締結することで、年次有給休暇のうち5日を超える部分について、取得日をあらかじめ計画的に定めることができる制度(労働基準法第39条第6項)。本人が時季を自由に指定できる日数を最低5日残す必要がある。夏季・年末年始の一斉付与や、個人別の計画表作成など、運用方法は労使協定の内容による。
3-2. 有給休暇の時効は2年
年次有給休暇には2年の時効があり、付与された日から2年間取得しなかった分は消滅します。基準日が従業員ごとに異なる顧問先では、前年度分と当年度分の日数が混在する時期があるため、どちらの日数から消化するかのルール(一般的には古い付与分から消化)を顧問先ごとに確認しておく必要があります。
顧問先の従業員に説明する時は、「使用期限」「有効期限」と言い換えたほうが伝わりやすいこともあります。法律上は付与日から2年で時効により失効し、前年度に取得されなかった日数は翌年度に繰り越して与えます。就業規則に「翌年度に繰り越さない」と定めても、2年が過ぎるまでは権利は消えません(出典: 厚生労働省「年次有給休暇の付与日数は法律で決まっています」・「確かめよう労働条件 年次有給休暇」、令和8年10月確認)。
繰越計算のルールは「当年度の付与日数+前年度に付与された分の残り」です。2年より前に付与された分は残っていても失効するため、繰越日数の上限は前年度の付与日数です。フルタイムで勤続6年6か月以上の人なら、法定どおりの付与で繰越上限は20日、当年度分20日と合わせて保有可能な日数は最大40日になります。
| 例: フルタイム・勤続7年6か月の基準日(前年度の基準日に繰越分なし) | 日数 |
|---|---|
| 前年度(勤続6年6か月)に付与 | 20日 |
| 前年度のうちに取得 | 7日 |
| 翌年度に繰り越せる有給休暇日数 | 13日 |
| 当年度(勤続7年6か月)に付与 | 20日 |
| 基準日時点で持っている日数 | 33日 |
失効しそうな日数を会社が買い取ればよいか、と顧問先から聞かれることもありますが、法定の有給休暇の買取りは原則不可です。お金を払っても休暇を与えたことにはならず、買取りを予約して請求できる日数を減らすこともできません。法定を上回って会社が独自に付与している日数は、この限りではありません(出典: 鹿児島労働局「年次有給休暇 Q8」、令和8年10月確認)。
3-3. 労働者の時季指定権と使用者の時季変更権(理由は聞かない・不利益な取扱いの禁止)
有給休暇をいつ取るかは、労働者が指定して決めます(時季指定権)。使用者が別の日に変えてもらえるのは、その日に休まれると事業の正常な運営を妨げる場合だけで、これを時季変更権といいます。同じ日に多くの人の休暇が重なった場合などが当たり、単に「業務多忙だから」では認められません(出典: 厚生労働省「年次有給休暇の付与日数は法律で決まっています」)。勤務割を変えれば代わりの人を配置できるのに、休む目的を理由にその配慮をせずに時季変更権を使うことは許されないとした最高裁の判例もあります(出典: 厚生労働省「確かめよう労働条件 年次有給休暇」)。
このため、申請書に取得の理由を書かせ、理由によって認めるかどうかを決める運用は避けるよう顧問先に伝えます。時季変更権は事業の運営に支障があるかどうかで判断するもので、休む理由で取得の可否を決める仕組みではありません。
また、使用者は有給休暇を取った労働者に、賃金の減額その他の不利益な取扱いをしないようにしなければなりません(労働基準法附則第136条)。精皆勤手当や賞与の計算で有給休暇の日を欠勤扱いにすることも、してはならない行為として示されています(出典: 厚生労働省「年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説」、2023年2月版)。取得を理由にした不利益な扱いは禁止と覚えておき、顧問先の賃金規程に皆勤手当がある場合は、有給休暇の日の扱いを一度確かめておくと安心です。
3-4. 時間単位・半日単位の付与(半休は5日に数え、時間単位は数えない)
有給休暇は1日単位が原則ですが、ほかの付与方法もあります。時間単位で与えるには労使協定が必要で、上限は1年に5日分までです(この協定は労働基準監督署への届出は不要)。半日単位は、労働者が希望して使用者が同意すれば、労使協定なしで与えられます(出典: 厚生労働省「年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説」・「確かめよう労働条件 年次有給休暇」)。
| 単位 | 必要な手続き | 年5日に数えるか |
|---|---|---|
| 1日単位 | なし(原則の形) | 数える |
| 半日単位(半休) | 労働者の希望と使用者の同意(就業規則などで定めて運用) | 1回0.5日として数える |
| 時間単位 | 労使協定(年5日分まで・届出は不要) | 数えない |
たとえば2時間取得を4回くり返して合計8時間になっても、年5日の取得義務の上では0日のままです。時間単位をよく使う人ほど、5日に届いているかを日単位・半日単位の取得だけで数え直す必要があります。
3-5. 有給休暇取得日の賃金の計算方法
有給休暇取得日の賃金は、①所定労働時間働いた場合に支払われる通常の賃金、②平均賃金、③健康保険法の標準報酬月額の30分の1に相当する金額、のいずれかで支払います。どれを使うかは就業規則などに明確に定め、③を使うには労使協定が必要です(出典: 厚生労働省「年次有給休暇の付与日数は法律で決まっています」)。人ごと・その都度、使用者が都合のよい方法を選ぶことはできず、定めた方法で支払います(出典: 厚生労働省「確かめよう労働条件 年次有給休暇」)。
事務所の実務では、顧問先の就業規則に書かれた計算方法と、給与計算の設定が一致しているかを確かめるのが要です。シフトで日ごとの所定労働時間が違うパートタイム労働者が多い顧問先では、有給休暇の日の所定労働時間をどう決めているかも聞いておくと、給与計算での手戻りが減ります。
3-6. 年次・月次・日次で回す取得の管理(有給休暇取得計画表と申請フロー)
年次では、基準日にその年の年次有給休暇取得計画表を作り、一人ひとりの取得予定を見える形にします。厚生労働省も、基準日に計画表を作ることを年5日を確実に取得させる方法として示しており、年間の予定はずれやすいため、四半期や月ごとの計画表を組み合わせる方法も紹介しています。
月次では、勤怠(労働時間管理)のデータから取得の実績を集め、計画との差を確かめます。同じ資料では、基準日から半年たった時点で取得が5日未満の人に、使用者から時季指定をする方法が例として示されています(出典: 厚生労働省「年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説」、2023年2月版)。
日次では、申請から勤怠への反映までのフローを決めます。誰に・いつまでに・どの方法で申請するかを就業規則や社内の手順に書き、上長は時季変更権を使う必要があるかを確かめます。有給休暇は使用者の承認があって初めて成立するものではないため(出典: 厚生労働省「確かめよう労働条件 年次有給休暇」)、「承認待ちのまま放置」が起きない流れにしておくことが大切です。
| 頻度 | やること | 事務所が見る所 |
|---|---|---|
| 年次 | 基準日に有給休暇取得計画表を作る | 計画に5日以上が入っているか |
| 月次 | 取得の実績と計画を突き合わせる | 基準日から半年で5日未満の人 |
| 日次 | 申請→上長の確認→勤怠に反映 | 申請と勤怠の記録が一致しているか |
3-7. 取得率向上が顧問先にもたらすもの(平均取得率と取得を促す施策)
厚生労働省の令和7年就労条件総合調査によると、令和6年(または令和5会計年度)の年次有給休暇は、労働者1人平均付与日数が18.1日、平均取得日数が12.1日、労働者1人平均取得率が66.9%でした。取得日数と取得率は、比べられる昭和59年以降で最も高い水準です。企業規模別では30〜99人の企業が64.9%で、規模が小さいほど低くなっています(出典: 厚生労働省「令和7年就労条件総合調査の概況」、令和7年12月公表)。政府は「過労死等の防止のための対策に関する大綱」(令和6年8月2日閣議決定)で、2028年までに取得率を70%にする目標を掲げています(出典: 厚生労働省「確かめよう労働条件 年次有給休暇」)。
取得率向上は、顧問先にとって法令の順守だけの話ではありません。厚生労働省も、年次有給休暇の取得は心身の疲労の回復や生産性の向上など、労働者と会社の双方にメリットがあるとしています(出典: 厚生労働省「年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説」)。顧問先に取得の促進を提案する時は、次のように伝えると話が進みやすくなります。
| 取得率向上で変わること | 顧問先への伝え方の例 |
|---|---|
| 法令違反や健康不調のリスク防止 | 年5日の未達は罰則の対象になり得ます。休めない状態が続く職場は、心身の不調で長く休む人が出るリスクも抱えます |
| 人材の確保と定着 | 休みの取りやすさを求人や面接で具体的に示せると、人材確保と定着の材料になります |
| 組織力の強化 | 誰かが休んでも回るように仕事を共有すると、属人化が減り、組織力の強化につながります |
| 生産性の向上 | 休む前提で段取りを組むと、業務のムダや偏りが見えやすくなります |
| 企業価値と社会的評価の向上 | 休みやすい会社であることは、取引先や求職者からの社会的評価、ひいては企業価値にも関わります |
取得を促す施策は、①経営者からの呼びかけや、取得状況を労使で話し合う場を設けて、休みを言い出しやすい文化を醸成する、②仕事をチームで共有し、誰かが休んでも回る体制にする、③半日単位・時間単位の制度を整える、④計画年休を使う、の4つが基本です。厚生労働省の資料でも、取得しやすい雰囲気づくりや、仕事をチームで行い進み具合を共有する取組が例として挙げられています(出典: 同資料)。業務を止めないことと休めることの両立を、顧問先と一緒に実現していくのも社労士事務所の役割です。
04 COMMON MISTAKES 事務所が顧問先分の有給休暇を管理する際によくある間違い 日数表を正確に理解していても、顧問先分を繰り返す中でミスが起きやすい
付与日数の早見表自体はシンプルですが、顧問先の従業員数が多いほど、次のようなミスが起こりがちです。
これらのミスは、1人分を確認するだけなら数分で発見できますが、顧問先数×従業員数の分だけ繰り返すと見落としが積み重なるのが実務上の課題です。しかもチェックすべき観点自体は毎年ほぼ同じで、対象者の人数だけが増えていくという性質を持っています。
顧問先ごとにエクセルで付与日数を簡単に計算できる表を作っている事務所も多いと思います。ただ、日数管理の表は、週の所定労働日数の変更・出勤率8割未満の年・前倒し付与・基準日の統一といった例外を式に入れ忘れると、法定の日数を下回ったまま気づかないことがあります。付与日数は法的に下回れない最低の日数なので、例外の入れ忘れはそのまま法令の順守の問題になります。
05 THE LIMIT 日数表を正確に理解しても——事務所の手作業の限界 付与日数と義務を正確に理解しても、年間を通じた管理負荷そのものは減らない
ここまでの付与日数・取得義務を正確に理解していても、事務所の実務負荷は別問題として残ります。有給休暇管理の実務でよく挙がる限界を整理します。
これらは「付与日数の表を覚える」だけでは解決しません。顧問先ごとの基準日・取得状況を読む・当てはめる・確認するという定型の事務作業そのものを人が毎回やっていることが根本の原因だからです。
06 AUTOMATE WITH AI 【核心】有給休暇の付与・取得管理をAIで自動化する 「AIに聞く」効率化ではなく、確認・管理そのものを渡す自動化へ
📚 用語解説
Claude Code/Codex:Claude CodeはAnthropic社、CodexはOpenAI社が提供するAIエージェント。ChatGPTのような「質問に答えるAI」と違い、指示を受けてパソコン上のデータ集計・ファイル確認・文書作成などの作業そのものを実行できる。日本語の指示だけで業務の仕組みを構築できるため、事務所のバックオフィス業務の自動化にも使われている。
6-1. 「AIに聞く」と「AIが毎月の管理を自動で回す」は別物
Claude CodeやCodexに「週3日勤務で勤続2年6か月のパートの付与日数を教えて」と聞くのは効率化です。調べ物が速くなるだけで、顧問先全従業員分の基準日・付与日数・取得状況を確認する作業そのものは人間がやる必要があります。
一方で本当に効果が出るのは自動化です。「顧問先ごとの従業員データから基準日と週所定労働日数を参照し、該当する付与日数表を自動で当てはめ、年5日取得義務の対象者と取得状況を継続的にチェックする」という一連の流れを最初に一度設計しておけば、以降は仕組みが勝手に走ります。人の仕事は、最後にチェック結果を確認することだけになります。
6-2. 社労士法との線引きを必ず入れる
ここで最も重要なのが、社労士法上の業務の切り分けです。行政機関への提出手続きの代行や帳簿書類の作成(社労士法の1号・2号業務)は、社会保険労務士である先生方の専権業務であり、AIやAI活用の事務代行サービスが行うことはできません。
AIが担当できるのは、顧問先ごとの従業員データの読み込み・付与日数の自動計算・取得状況の自動集計・年5日取得義務の対象者と未取得リスクの検知・管理簿の下書き作成など、法定帳簿としての正式な作成・保管や労基署対応より前の事務作業です。年次有給休暇管理簿としての最終的な整備・保管、行政対応は、必ず事務所の先生方が行います。この線引きを曖昧にした仕組みは、社労士法上のリスクになります。
6-3. Claude Code/Codexに任せられる有給休暇管理の事務作業
| これまで職員がやっていた作業 | AIに任せた後 |
|---|---|
| 従業員ごとの基準日・週所定労働日数を手作業で確認 | 顧問先の従業員データから基準日・所定労働日数を自動参照 |
| 付与日数表(通常/比例付与)を手計算で当てはめ | 該当する付与日数表を自動で判定・計算 |
| 年5日取得義務の対象者を1人ずつ目視で抽出 | 対象者と取得済み日数を自動集計してリスト化 |
| 取得状況を管理簿へ手入力 | 取得データを管理簿の下書き形式に自動整形 |
| 未取得者への取得促進の案内文作成 | 対象者リスト付きの案内文案を自動作成 |
ポイントは、管理簿としての正式な整備や行政対応自体はそのまま事務所(先生方)が行い、その手前の「読む・当てはめる・確認する」部分だけをAIに渡すことです。今お使いの給与ソフト・勤怠システムを変える必要はありません。
07 BUILD OR OUTSOURCE 増員・外注・自作では、年間を通じた管理作業は片づかない 職員増員・外注BPO・自作・AI社員AIKATAの4択を比較する
4つのうち3つは、事務所の悩みを別の悩みに置き換えるだけです。有給休暇管理のような年間を通じて続く確認作業を楽にする方法を、4つの選択肢で比較します。
| 選択肢 | よくある期待 | 実際に行き詰まる所 | 判定 |
|---|---|---|---|
| ①職員を増やす | 人手が増えれば管理も回せる | 採用難・教育コスト・繁忙期以外は人件費が重くなる | ✕ |
| ②従来型の外注・BPO | 管理作業をまとめて外に出せば楽になる | 依頼範囲が固定的で、顧問先ごとの基準日運用の違いに外注先への説明と手直しが都度発生する | ✕ |
| ③事務所でAIを自作する | 安く・自由にAIで仕組みを作れる | 顧問先ルールの言語化・検証の型・作った人しか直せない第二の属人化 | ✕ |
| ④AI社員AIKATAに任せる | 定型の確認・集計作業を丸ごと預けられる | 事務所に残る業務は最終確認・承認と、1号・2号業務のみ | ◎ |
7-1. 「①増員」「②外注」で片づかない理由
7-2. 「③自作」の壁
08 WHAT IS AIKATA 「AI社員AIKATA」とは——事務所の定型事務作業を丸ごと代行 管理簿の正式な整備・行政対応は先生方のまま、その手前の確認作業を預ける仕組み
この3つの壁を事務所自身で越えなくても、事務作業そのものを丸ごと預ける道があります。それが弊社(株式会社GENAI)が運営する業務代行サービス「AI社員AIKATA」です。
📚 用語解説
AI社員AIKATA:株式会社GENAIが運営する業務代行サービス。社労士事務所などのバックオフィス業務のうち、パソコン上で行う定型的な事務作業を、AIと人の二重体制で丸ごと受託する。特定の給与ソフト・勤怠システムに縛られず、事務所が使っている既存の環境をそのまま使って自動化する点が特徴。
無料相談(60分・オンライン/Google Meet)では、事務所の業務を棚卸しし、どこまで任せられるかを一緒に整理します。契約の義務はありません。利用にあたってはNDAを結び、給与・人事データの受け渡しと保管のルールを事務所の規程に合わせて決めます。料金は、業務量が増えても変わらない月額の定額制です。
09 COMPARISON & SUMMARY 残る道は「作業そのものを任せる」だけ 手作業のまま/ソフトの追加・乗り換え/AIKATAに任せる 比較とまとめ
| 手作業のまま | ソフトの追加・乗り換え | AI社員AIKATAに任せる | |
|---|---|---|---|
| 管理負荷 | 顧問先数・従業員数に比例して増大 | ソフト次第で一部軽減 | 処理量が増えても事務所側の作業は変わらない |
| 顧問先ごとのルール | 担当者の記憶に依存(属人化) | 製品仕様の範囲内 | 仕組みに登録し、担当者が変わっても残る |
| 顧問先への負担 | 書式・運用の変更なし | 顧問先にソフト乗り換えを依頼する場合がある | 今のやり方のまま、顧問先への負担なし |
| 職員の採用・教育 | 繁忙期ほど必要性が高まる | ソフト操作の教育が必要 | 増員・教育なしで処理量を増やせる |
| 社労士法の線引き | 問題なし(全て職員が実施) | 問題なし | 1号・2号業務は先生方のまま。AIはその手前のみ |
9-1. AI社員AIKATAが選ばれる5つの理由
増員・外注・自作・乗り換えは、どれも事務所が人か仕組みを抱え続けます。作業を手放せる道は、AI社員AIKATAに任せることだけです。
有給休暇管理の年間負荷を、職員を増やさずに下げる準備を始めませんか
「顧問先ごとに基準日の運用も対象者の雇用形態もバラバラで、確認作業に毎回同じだけ時間がかかる」「年5日取得義務の対象者チェックがどうしても後回しになる」というご相談、お待ちしています。
無料相談(60分・オンライン)では、今の有給休暇管理や給与計算の進め方を伺い、どの作業から任せられるかをその場で整理します。人を増やす・ソフトを替えると決める前に、一度ご相談ください。
職員を増やす・外注する・AIを自作する・ソフトを替える——どの道を選んでも、集計・入力・確認の作業か、それを回す人と仕組みが事務所に残り続けます。
AI社員AIKATAなら、いまお使いの給与ソフト・手続きソフトはそのまま、顧問先ごとのルールも登録して処理し、事務所に残るのは仕上がりの確認と承認だけです。どの業務から任せられるかは、無料相談(60分・オンライン)でその場で整理します。
NEXT STEP
事務所の定型業務を、
AI社員に任せてみませんか?
よくある質問
Q. 有給休暇はいつから発生しますか?
A. 雇入れの日から起算して6か月間継続勤務し、その期間の全労働日の8割以上出勤した労働者に対して発生します。正社員に限らず、要件を満たせばパート・アルバイトを含むすべての労働者が対象です。
Q. 有給休暇の付与日数は勤続年数によってどう変わりますか?
A. 週5日以上または週30時間以上勤務する通常の労働者の場合、6か月で10労働日、1年6か月で11労働日、2年6か月で12労働日、3年6か月で14労働日、4年6か月で16労働日、5年6か月で18労働日、6年6か月以上で20労働日が付与されます。
Q. パート・アルバイトの有給休暇の付与日数はどう計算しますか?
A. 週の所定労働日数が4日以下(かつ週の所定労働時間が30時間未満)の場合は、比例付与という別の日数表が適用されます。たとえば週3日勤務の場合、6か月で5日、6年6か月以上で11日というように、週の所定労働日数に応じて付与日数が少なくなります。
Q. 年5日の有給休暇取得義務とは何ですか?
A. 年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対し、使用者が年5日について時季を指定して取得させなければならない義務です。2019年4月に施行された制度で、パート・アルバイトであっても比例付与で年10日以上付与される場合は対象になります。違反した場合は労働基準法第120条により30万円以下の罰金が科される可能性があります。
Q. 年次有給休暇管理簿とは何ですか?
A. 労働者ごとに有給休暇を取得した時季・日数・基準日を明らかにした帳簿で、使用者に作成・3年間保存の義務があります。年5日取得義務の対象者を正しく管理するための基礎資料にもなります。
Q. 有給休暇の計画的付与制度(計画年休)とは何ですか?
A. 労使協定を締結することで、年次有給休暇のうち5日を超える部分について、会社があらかじめ取得日を計画的に定めることができる制度です。年5日取得義務を満たす方法の一つとして活用でき、夏季・年末年始の一斉付与や個人別の計画表作成などの運用方法があります。本人が自由に取得できる日数として、最低5日は残す必要があります。
Q. 有給休暇には時効がありますか?
A. 年次有給休暇には2年の時効があり、付与された日から2年間取得しなかった分は消滅します。基準日が従業員ごとに異なる顧問先では、前年度分と当年度分の日数が混在する時期があるため、どちらの日数から消化するかのルールを顧問先ごとに確認しておく必要があります。
Q. 有給休暇の付与日数計算・管理作業をAIに任せても、社労士法上問題ありませんか?
A. 行政機関への提出手続きの代行や帳簿書類の作成(社労士法の1号・2号業務)は、社会保険労務士である先生方の専権業務であり、AIが代わりに行うことはできません。AI社員AIKATAが担うのは、顧問先ごとの従業員データの読み込み・付与日数の自動計算・取得状況の自動集計・年5日取得義務の対象者の検知・管理簿の下書き作成など、法定帳簿としての正式な整備や労基署対応より前の事務作業に限られます。最終確認・承認は、必ず事務所の先生方が行う設計です。
Q. 今使っている給与ソフト・勤怠システムのままでAIに有給休暇管理の事務作業を任せられますか?
A. 任せられます。AI社員AIKATAは特定のソフトに限定せず、事務所が現在使っている給与ソフト・勤怠システムをそのまま使い、画面操作を含めて自動化します。顧問先にソフトの乗り換えを依頼する必要はなく、顧問先ごとの基準日の運用も仕組みに登録して処理するため、担当者が変わってもルールが引き継がれます。
AI社員AIKATAへのお問い合わせ
この記事を読んで気になった方へ。
専門スタッフが、御社に最適な
業務自動化・業務代行プランを無料でご提案します。



