【2026年11月最新】フレックスタイム制のデメリットと対策を社労士事務所向けに解説|導入手順・労使協定・清算期間の残業代計算と、勤怠集計の手作業をAIに任せる方法

【2026年11月最新】フレックスタイム制のデメリットと対策を社労士事務所向けに解説|導入手順・労使協定・清算期間の残業代計算と、勤怠集計の手作業をAIに任せる方法
AI社員AIKATA|社労士事務所の所長・職員の皆さまへ 給与計算・勤怠集計から、入退社・算定基礎届・年度更新の書類の下準備まで 月30万円の定額で、業務まかせ放題。社労士事務所向けの無料相談はこちら
📌 この記事の結論
【2026年11月最新】フレックスタイム制のデメリットと対策を社労士事務所向けに解説|導入手順・労使協定・清算期間の残業代計算と、勤怠集計の手作業をAIに任せる方法
フレックスタイム制のデメリットと対策を社労士事務所向けに解説。コアタイム・清算期間・総労働時間、労使協定と就業規則の導入手順、残業代の計算、勤怠管理の工数、メリットと適した職種までを整理し、AI社員AIKATAに勤怠集計を任せる分担も紹介します。

01 フレックスタイム制のデメリットは「管理の工数」と「連絡・連携の取りにくさ」で、事務所の腕が出るのは勤怠の集計と残業代の確定です

フレックスタイム制のデメリットは、大きく5つあります。取引先との連絡が取りづらくなること、社内のコミュニケーションが不足しやすいこと、出退勤管理に工数がかかること、自己管理が苦手な人の生産性が下がること、オフィスの光熱費がかさむことです。どれも制度そのものの欠陥ではなく、運用のルールと管理の仕組みで抑えられます。

社労士事務所にとって重要なのは、顧問先から「フレックスタイム制を入れたい」と相談された場面と、すでに導入している顧問先の給与計算を引き受ける場面の2つです。前者では就業規則の規定と労使協定の締結が必要で、後者では清算期間ごとの総労働時間と残業代の確定が毎月の作業になります。デメリットの多くは、後者の「管理の工数」に集約されます。

本記事では、所長・管理者・職員の方に向けて、フレックスタイム制の概要と仕組み、デメリットと対策、メリット、適している職種、導入方法と管理方法を、事務所が顧問先を点検する順番で整理します。後半では、AI社員AIKATAが勤怠の回収・集計・給与データの下準備を引き受け、先生方が判断と最終確認を担う分担を説明します。個別の法的判断が必要な案件は、事務所の判断事項として残します。

出典:厚生労働省「フレックスタイム制:わかりやすい解説&導入の手引き」関連の解説ページ(2026年11月確認)。

✔️この記事でわかること:フレックスタイム制の概要と仕組み、コアタイムとフレキシブルタイムの違いです。
✔️デメリット5つの中身と、顧問先へ提案できる対策です。
✔️メリットと、制度に適している職種・適していない職種の見分け方です。
✔️労使協定と就業規則による導入方法、総労働時間の定め方、時間外労働の残業代の考え方です。
✔️今の給与ソフト・勤怠システムのまま、勤怠集計をAI社員AIKATAに任せる事務作業の切り分けです。
菅澤 菅澤
デメリットを並べるだけでは、顧問先は動きません。「どの工数が、誰の作業として毎月残るか」まで言えると、事務所の提案が具体的になります。
山崎 山崎
制度の良し悪しの説明より、導入後の清算期間の集計を誰が回すのかを先に決めておくほうが、顧問先との相談はスムーズです。

02 フレックスタイム制の仕組み・デメリットと対策・導入方法を、事務所の確認順に整理します

2-1. フレックスタイム制とは?概要と仕組みを3つの言葉で押さえます

山崎 山崎
制度の説明は「清算期間」「総労働時間」「標準となる1日の労働時間」の3語で足ります。顧問先への説明もこの順に並べると伝わります。

📚 用語解説

フレックスタイム制:一定の期間(清算期間)についてあらかじめ定めた総労働時間の範囲内で、労働者が毎日の始業・終業時刻を自分で決めて働く制度です。労働基準法32条の3に基づき、就業規則等への規定と労使協定の締結で導入します。

📚 用語解説

清算期間:フレックスタイム制で、労働時間の過不足を清算する単位となる期間です。上限は3か月で、1か月以内でも、1か月を超えて3か月以内でも定められます。

フレックスタイム制は、従業員が自分の始業時刻と終業時刻を柔軟に設定できる制度です。会社が決めた始業・終業時刻に従って働く固定時間制と違い、清算期間の中で総労働時間を満たすように、1日の勤務時間を従業員が決めます。たとえば、通勤ラッシュを避けて出勤を遅らせる、早めに退社して子どもを迎えに行く、といった使い方ができます。

制度の仕組みを分解すると、3つの要素に分かれます。1つ目は清算期間で、労働時間の過不足を数える期間です。2つ目は清算期間における総労働時間で、清算期間を平均して週の法定労働時間(原則40時間)の範囲内に収める必要があります。3つ目は標準となる1日の労働時間で、年次有給休暇を取得した日に何時間働いたものとして扱うかの基準になります。

1日ごとに8時間を超えたかどうかで時間外労働を数える固定時間制とは、考え方が違います。フレックスタイム制では、1日8時間を超えて働いた日があっても、その日だけで時間外労働にはなりません。清算期間の実労働時間の合計が総枠を超えたときに、はじめて超えた時間が時間外労働になります。この違いが、勤怠集計と残業代の計算の手間を増やす原因です。

事務所の確認としては、顧問先が「フレックスタイム制」と呼んでいる運用が、法律上の制度として成立しているかを最初に見ます。始業・終業時刻を従業員に任せている実態があっても、就業規則への規定や労使協定がなければ、制度としては整っていません。名称より、書面と実態の両方が揃っているかが点検の中心になります。

出典:厚生労働省「フレックスタイム制:多様で柔軟な働き方」(2026年11月確認)。

2-2. コアタイムとフレキシブルタイム、スーパーフレックスの違いを整理します

菅澤 菅澤
コアタイムは必須ではありません。顧問先の運用が、どの型に当たるかを先に決めると、後の説明がぶれません。

📚 用語解説

コアタイム:フレックスタイム制の中で、必ず勤務していなければならない時間帯です。設ける場合は、労使協定で開始・終了の時刻を定めます。コアタイムに勤務していないと、遅刻や早退の扱いになるのが一般的です。

📚 用語解説

フレキシブルタイム:従業員が始業・終業の時刻を自由に選べる時間帯です。コアタイムの前後に設けるのが一般的で、フレキシブルタイムの中であれば、出勤・退勤の時刻を日ごとに変えられます。

コアタイムは、従業員が必ず勤務する時間帯で、会議や打ち合わせ、情報共有をしやすくする目的で設ける顧問先が多くあります。コアタイムの時間帯や曜日は、会社が自由に決められます。ただし、コアタイムが極端に長いと、始業・終業を従業員に任せるというフレックスタイム制の趣旨に反するとみなされるおそれがあります。目安として、標準となる1日の労働時間とほぼ同じ長さのコアタイムは、慎重に確認します。

フレキシブルタイムは、従業員が出勤・退勤の時刻を選べる時間帯です。たとえば、午前7時から午前10時までの間に出勤し、午後4時から午後8時までの間に退勤する、というように、コアタイムの前後に設けます。フレキシブルタイムの時間帯を極端に短くすると、実質的に固定時間制と変わらなくなるため、これも趣旨に合うかを見ます。

コアタイムを設けず、出勤・退勤を従業員の裁量にすべて委ねる運用は、一般にスーパーフレックスタイム制と呼ばれます。法律上は、コアタイムを設けないフレックスタイム制として扱われ、特別な制度ではありません。必ず勤務する時間帯がないため、自由度が高い反面、従業員には高い自律性が求められ、会社側にも進捗管理やチーム連携のルールづくりが必要になります。

型必ず働く時間帯特徴と確認点
コアタイムありのフレックスコアタイムの時間帯会議や連携の時間を確保しやすい。コアタイムが長すぎないかを確認します。
コアタイムなし(スーパーフレックス)なし自由度が高い。進捗管理と連絡のルールづくりが前提です。
フレキシブルタイムのみなし出退勤の選択範囲が定まっているか、労使協定の記載を確認します。

2-3. 裁量労働制・変形労働時間制との違いを、賃金の計算で見分けます

山崎 山崎
どれも「柔軟な働き方」と呼ばれますが、時間外労働の数え方と、時刻を決める人が違います。顧問先の呼び方に引きずられないようにします。

裁量労働制は、実際の労働時間にかかわらず、あらかじめ労使で定めた時間を働いたものとみなす制度です。始業・終業時刻を従業員に委ねる点はフレックスタイム制と似ていますが、賃金はみなし労働時間に基づいて計算されます。対象は専門業務型・企画業務型の業務に限られ、フレックスタイム制のように、どの職種にも使えるわけではありません。

変形労働時間制は、一定の期間を平均して法定労働時間の範囲内に収めるように、繁忙期は長く、閑散期は短く、労働時間を配分する制度です。フレックスタイム制と同じく、期間の総労働時間で管理しますが、始業・終業の時刻を決めるのは会社側で、従業員が自由に変えることはできません。ここが最も大きな違いです。

顧問先が「うちは柔軟な働き方を入れている」と話すとき、実際には、日ごとにシフトを会社が決めている変形労働時間制の運用だったという場合もあります。給与計算の前提が変わるため、導入している制度の名称ではなく、始業・終業を誰が決めているか、時間外を何で判定しているかを聞き取り、就業規則と労使協定で裏づけます。

制度始業・終業を決める人時間外労働の判定
フレックスタイム制従業員清算期間の法定労働時間の総枠を超えた時間です。
裁量労働制従業員(業務の進め方を含む)みなし時間が法定労働時間を超える部分です。深夜・法定休日の労働は実時間で見ます。
変形労働時間制会社(シフトを事前に特定)1日・1週・変形期間の順に、特定した時間を超えた部分です。
固定時間制(原則)会社1日8時間・1週40時間を超えた時間です。
菅澤 菅澤
顧問先の言う「フレックス」が、本当にフレックスか。就業規則と労使協定を見れば、ここは数分で決着します。給与計算に入る前の最初の確認です。

2-4. 導入方法は、就業規則への規定と労使協定の締結の2本立てです

山崎 山崎
導入の書面は2種類です。就業規則の規定と労使協定のどちらが欠けても、制度として成立しません。

📚 用語解説

労使協定:会社と、労働者の過半数で組織する労働組合(なければ労働者の過半数を代表する者)が、書面で結ぶ取決めです。フレックスタイム制では、対象労働者の範囲・清算期間・総労働時間・標準となる1日の労働時間などを定めます。

就業規則には、始業および終業の時刻を、労働者の決定に委ねる旨を定めます。常時10人以上の労働者を使用する事業場では、就業規則の作成と届出が義務づけられているため、規則を改定し、届出まで行います。10人未満の事業場でも、フレックスタイム制を導入する場合は、就業規則やこれに準じるものに同様の定めを置くのが実務の基本です。

労使協定には、主に次の項目を定めます。対象となる労働者の範囲、清算期間(および起算日)、清算期間における総労働時間、標準となる1日の労働時間です。コアタイムやフレキシブルタイムを設ける場合は、その開始・終了の時刻も定めます。清算期間が1か月を超える場合は、労使協定の有効期間も定め、労働基準監督署へ届け出る必要があります。1か月以内の清算期間であれば、この協定の届出は不要です。

手続きの役割分担も、整理しておきます。就業規則や労使協定の届出書類の作成と、行政機関への提出手続きの代行は、社労士の独占業務(1号業務)に関わります。ここは先生方が行います。顧問先の現状の勤務実態の聞き取り、清算期間と総労働時間の候補の一覧化、想定される勤怠の集計列の設計は、事前準備の事務作業として切り分けられます。

顧問先の勤務実態を聞き取ります
→
清算期間・総労働時間を決めます
→
労使協定を締結します
→
就業規則を改定し、周知します
→
必要な場合は労働基準監督署へ届け出ます

出典:厚生労働省「フレックスタイム制:多様で柔軟な働き方」(2026年11月確認)。

2-5. 総労働時間の定め方と、残業代の計算は「総枠」で考えます

菅澤 菅澤
フレックスタイム制でも残業代は発生します。数える単位が日ではなく清算期間になるだけです。

清算期間における総労働時間は、清算期間を平均して、1週間あたりの労働時間が法定労働時間(原則40時間)の範囲内に収まるように定めます。法定労働時間の総枠は、40時間に清算期間の暦日数を掛けて、7で割って求めます。清算期間が1か月で暦日数が31日なら、約177.1時間、30日なら約171.4時間、29日なら約165.7時間、28日なら160時間です。

時間外労働になるのは、清算期間の実労働時間の合計が、この法定労働時間の総枠を超えた部分です。「フレックスだから残業代は出ない」という誤解は、顧問先でも従業員でも多く、総枠を超えた時間には、割増率25%以上の割増賃金を支払う必要があります。法定休日に働いた時間は、時間外労働とは別に、35%以上の割増率で数えます。深夜(午後10時から午前5時)の時間は、フレックスタイム制でも25%以上の深夜割増が必要です。

一方、労使協定で定めた総労働時間(所定の総枠)と、法定労働時間の総枠は、別のものです。会社が総労働時間を法定の総枠より短く定めている場合、その差の時間の扱いは、就業規則に従います。法定の総枠を超えたかどうかで割増の要否が決まり、所定の総労働時間を超えたが法定の総枠は超えていない時間は、通常の賃金の考え方で支払う運用が一般的です。就業規則の記載で確認します。

完全週休2日制の事業場では、労使協定で定めたときに、清算期間内の所定労働日数に8時間を掛けた時間を、総枠の上限として扱う特例があります。曜日の巡りによって、暦日数から求めた総枠が、完全週休2日制の働き方では消化しきれない月があるためです。適用の要件は公式資料で確認し、顧問先が該当するかを点検します。

清算期間の暦日数法定労働時間の総枠確認する点
31日約177.1時間40時間×31日÷7日で求めます。
30日約171.4時間40時間×30日÷7日で求めます。
29日約165.7時間閏年の2月は29日になります。
28日160時間40時間×28日÷7日で求めます。

出典:厚生労働省「フレックスタイム制:多様で柔軟な働き方」総労働時間と時間外労働の説明(2026年11月確認)。

2-6. 清算期間が1か月を超える場合と、不足・超過の繰越の扱いです

山崎 山崎
清算期間を3か月まで伸ばせる分、月ごとの確認が増えます。繰越の可否も、方向によって違います。

清算期間は、上限が3か月です。1か月を超える清算期間を定める場合、各月の労働時間が偏りすぎないように、月ごとの確認が加わります。具体的には、清算期間を1か月ごとに区切った期間のうち、週平均50時間を超えた労働時間は、その月の時間外労働として、その月の賃金で割増賃金を支払います。清算期間の最後の月に、清算期間全体の総枠を超えた時間から、すでに各月で時間外とした時間を差し引いて、残りを時間外労働とします。

清算期間の実労働時間が、総労働時間に足りなかった場合は、2つの対応があります。1つは、不足した時間分の賃金を控除する対応です。もう1つは、不足した時間を、次の清算期間の総労働時間に上乗せして繰り越す対応です。繰り越す場合も、次の清算期間の法定労働時間の総枠の範囲内に収めなければなりません。

反対に、清算期間の実労働時間が総労働時間を超えた場合の、超えた時間を次の清算期間へ繰り越すことは、できません。その清算期間の賃金の全額を支払う原則に反するためです。超過分のうち、法定の総枠を超えた部分は、時間外労働として割増賃金を支払います。繰越の運用を就業規則に書いていても、超過方向の繰越は認められないため、規程と運用を突き合わせて点検します。

清算期間の途中で入社・退職した労働者や、途中で異動してフレックスタイム制の対象になった労働者がいる場合は、実際に働いた期間を平均して、週40時間を超えた部分に割増賃金を支払う必要があります。毎月の給与計算では、この入退社者の取扱いが最も間違いやすい部分で、集計表に実労働期間の列を設けて確認するのが堅実です。

清算期間の実労働時間を合計します
→
総労働時間と比べます
→
不足は控除か繰越を判断します
→
超過は法定の総枠と比べます
→
総枠を超えた時間に割増を計算します
山崎 山崎
「不足は繰り越せるが、超過は繰り越せない」という非対称性は、顧問先の担当者がよく取り違える部分です。集計表の端に、この一行を注記しておく事務所もあります。

2-7. デメリット1:取引先との連絡が取りづらくなります

菅澤 菅澤
従業員の出勤時刻がばらつくと、取引先から見て「電話がつながらない」状態が生じます。顧問先には、連絡の窓口を決めてもらうことが対策の中心です。

フレックスタイム制では、従業員ごとに勤務時間帯が異なるため、取引先から電話やメールがあったときに、担当者が不在というケースが増えます。「電話してもつながらない」「返答が遅い」という苦情が重なると、取引先の信頼の低下につながります。一方、取引先の都合に合わせて従業員が無理に勤務時間を調整すると、フレックスタイム制の本来の目的が失われます。

対策は、業務体制のルールを定めることです。複数人で担当して空き時間をつくらない、曜日ごとに全員が必ず出勤する時間を決める、取引先ごとに窓口の時間帯を共有するといった方法があります。コアタイムを設けて、その時間帯は連絡を受けられる体制にするのも、標準的な対応です。連絡漏れを防ぐため、部署内での引き継ぎの連携も欠かせません。

社労士事務所自身にも、同じ問題が生じます。顧問先からの問い合わせは、締め日の前後に集中します。事務所の職員にフレックスタイム制を導入する場合は、電話・メールの一次対応の窓口を決め、顧問先ごとの担当者が不在でも、緊急の連絡が止まらない体制にします。顧問先への一次対応は、定型の確認事項であれば、事務作業として切り出せる部分もあります。

2-8. デメリット2:コミュニケーション不足に陥りやすくなります

山崎 山崎
勤務時間がずれると、打ち合わせの時間と、何気ない会話の機会が減ります。ここは仕組みで補えます。

勤務時間の多様化は、対面で話す機会を減らします。打ち合わせの調整が難しくなり、普段の何気ない会話から生まれる相互理解の機会も減ります。情報が共有されにくくなり、業務効率が下がる、新入社員や中途入社の人が質問しにくくなるといった影響が出ることもあります。

対策は、コミュニケーションの接点をあらかじめ設計することです。コアタイムを設けて、その時間帯に会議や打ち合わせを集めます。コアタイムがない運用なら、定例の連絡時間を決める方法もあります。チャットツールで日々の状況を共有し、全員のスケジュールを各自が確認できるようにしておくと、調整が円滑になります。

顧問先に提案する場面では、「コアタイムの設定」「定例会議の曜日固定」「連絡手段のルール」の3点を、導入前のチェック項目として渡すと、導入後の不満を減らせます。労使協定の中でコアタイムを定めるときは、時間帯の長さと、従業員の生活への影響を、あわせて確認します。

2-9. デメリット3:出退勤管理に工数がかかります

菅澤 菅澤
社労士事務所に最も関わるデメリットです。一人ひとりの勤務時間が違うと、勤怠の集計と残業代の確定が一気に複雑になります。

固定時間制では、始業・終業の時刻に基づいて、全員を一律に管理できます。フレックスタイム制では、日ごとの勤務時間が人によって異なるため、勤怠管理が複雑になります。とくに時間外労働は、1日8時間を超えたかではなく、清算期間の総枠を超えたかで判定するため、発生の基準を明確に定義しなければなりません。

事務所の工数が増える場面は、主に4つです。顧問先から届く勤怠データの形式が、日ごとの出退勤の記録のため、清算期間ごとに集計し直す必要があります。総労働時間の過不足の確認と、不足・超過の取扱いの確認があります。法定休日と深夜の時間を、フレックスの実労働時間から分けて数える必要があります。さらに、入退社者の実労働期間の平均の確認があります。

対策は、フレックスタイム制に対応した勤怠管理システムを使うことです。自社の運用に合わせて、清算期間・総労働時間・コアタイムを設定でき、在宅勤務でもウェブ上で打刻できるものが適しています。すでに勤怠システムを導入している顧問先では、設定が労使協定と合っているかを見直します。システムを入れても、設定を誤れば全員分が誤るため、設定の点検は事務所の役割です。

勤怠管理のテンプレートを使って、表計算ソフトで管理する顧問先もあります。その場合は、日別の出勤・退勤・休憩・実労働時間の列、清算期間の累計時間の列、総枠との差の列を分け、法定休日・深夜の時間を別の列にします。式を上書きしたセルがあると、他の従業員にも誤りが広がるため、シートの保護と月次の差分確認を習慣にします。

✔️清算期間の起算日と、勤怠システムの締め日が一致しているかを確認します。
✔️総労働時間と標準となる1日の労働時間が、労使協定と同じ値で登録されているかを確認します。
✔️法定休日・深夜・時間外を、別の列で集計しているかを確認します。
✔️入退社者・異動者の実労働期間の扱いを、集計表に反映しているかを確認します。

出典:厚生労働省「時間外・休日労働と割増賃金」(2026年11月確認)。

2-10. デメリット4:自己管理能力が低いと生産性が低下します

山崎 山崎
自由度が高いほど、働く量の偏りが出やすくなります。制度の向き不向きを、従業員の個人差まで含めて見ます。

フレックスタイム制は、自律性の高い従業員にとっては理想的な働き方ですが、すべての人に向くとは限りません。自己管理が十分でない従業員の場合、過度な自由は、ルーズな働き方を助長し、労働時間の偏りや納期の遅れ、生産性の低下を招くおそれがあります。規律に沿って働くことで、仕事と私生活の切り替えがうまくいくという人もいます。

反対方向のリスクも、事務所は見ておきます。月の前半に長く働いて月末に短くするつもりが、月末に業務が集中して長時間労働になる、締切の前に実労働時間が総枠を大きく超える、といった偏りです。時間外労働の上限(原則として月45時間・年360時間)や、特別条項付きの36協定の上限を超えていないかを、清算期間ごとに確認する必要があります。フレックスタイム制では、1日の延長時間を協定で定める必要はなく、1か月と1年について定めます。

対策は、1人で進める作業と、他の従業員と協力して進める作業のバランスを取ることです。上司が部下の業務内容を把握し、適切に配分と依頼を行い、清算期間の途中で労働時間の累計を共有します。月の中間時点で、総労働時間に対する進み具合を、本人と上司の双方が確認できる運用にすると、偏りを抑えられます。

出典:厚生労働省「時間外労働の上限規制 わかりやすい解説」(2026年11月確認)。

2-11. デメリット5:オフィスの光熱費がかさみます

菅澤 菅澤
従業員の勤務時間がばらばらになると、オフィスが稼働する時間が長くなります。設備の運用を見直せば、増加は抑えられます。

フレックスタイム制では、始業・終業の時刻が従業員ごとに異なるため、オフィス全体の利用時間が長くなりがちです。空調や照明を、朝早くから夜遅くまで使うことになり、光熱費が増えるのがデメリットです。従業員の人数が少ない時間帯に、フロア全体の空調を動かし続けると、無駄も出ます。

対策は、コアタイムの時間帯に出勤者が集まる運用にしつつ、早い時間・遅い時間は、使う区画を絞ることです。フリーアドレスの導入や、テレワークとの併用で、出社する人数を調整する方法もあります。顧問先に提案する際は、光熱費の増加は、制度の導入効果(離職率の低下、通勤負担の軽減)とあわせて検討する項目として、説明します。

社労士事務所の職員にとっても、勤務時間が分かれると、事務所の電話・来客対応や、機密書類の管理(施錠・持ち出しの確認)の担当が、時間帯によって変わります。ここは、情報管理の面でも注意すべき点です。

2-12. メリット:ワークライフバランス・通勤ラッシュの回避・生産性・人材確保

山崎 山崎
デメリットだけを説明すると、顧問先は導入をためらいます。メリットも事実で並べ、判断材料をそろえます。

1つ目は、ワークライフバランスを実現しやすいことです。育児・介護・通院などの都合に合わせて、勤務時間を調整できます。2つ目は、通勤ラッシュを避けられることです。出勤時刻をずらすことで、通勤の負担が軽くなり、移動時間を有効に使えます。

3つ目は、残業代を抑えやすいことです。ただし、残業代の削減を導入の目的にするのは、適切ではありません。業務の繁閑に合わせて、忙しい日は長く、暇な日は短く働けるため、無駄な残業が減るという意味での効果です。総枠を超えた時間には、残業代が発生します。4つ目は、業務効率・生産性の向上です。集中できる時間帯に働けるため、成果が上がることがあります。

5つ目は、人材の確保と、離職率の低下が期待できることです。柔軟な働き方を求める人の応募が増え、育児や介護で離職する人を減らせる可能性があります。顧問先が採用難のときは、制度の導入が採用面でも役立つ点を伝えられます。ただし、期待の裏づけとして、導入の効果を示す数字を示すときは、公的な調査など、出典のある資料にとどめます。

菅澤 菅澤
「残業代が減る」と言って導入を勧めると、導入後に総枠超過の残業代が発生して、顧問先との間で食い違いが生まれます。目的は柔軟な働き方で、残業代の削減ではないと、最初に確認します。

2-13. フレックスタイム制に適している職種と、導入の適性・導入意義・社内周知

山崎 山崎
向き不向きは、職種より、業務を1人で調整できるかで決まります。導入の目的と周知の方法も、書面で整えます。

フレックスタイム制が適しているのは、個人の裁量で業務の時間配分を決めやすい職種です。たとえば、システムエンジニア・プログラマー、デザイナー、企画・マーケティング、経理や総務などの管理部門、研究職などが挙げられます。業務の進め方が個人の裁量に任されていて、取引先との連絡が特定の時間に集中しない職種ほど、運用しやすくなります。

一方、店舗での接客や、交代制の製造ライン、受付・窓口のように、決まった時間に人員を配置する必要がある職種は、フレックスタイム制に向きません。全社員に一律で適用できなくても、対象労働者の範囲を労使協定で定め、特定の部署だけに導入する方法もあります。顧問先の業種と人員配置を聞き取り、対象を絞る提案をします。

導入を決める前に、確認する点が3つあります。1つ目は、従業員の適性で、自己管理ができる人が多いかを見ます。2つ目は、導入意義で、柔軟な働き方を実現し、離職を防ぐ目的を、明確にします。3つ目は、社内への周知で、就業規則の改定、労使協定の内容、コアタイムの運用、勤怠の入力方法を、従業員に説明します。周知が不十分だと、遅刻の扱いや残業の扱いで、従業員とのトラブルが生じます。

2-14. 労働時間の把握と、勤怠管理テンプレートの組み立て方

菅澤 菅澤
勤怠の記録がなければ、総枠の判定も上限の確認もできません。顧問先の記録の方法を点検します。

使用者には、従業員の労働時間を客観的な方法で把握する責務があります。フレックスタイム制でも同じで、むしろ、従業員ごとに勤務時間が違うぶん、日々の始業・終業の記録が重要になります。タイムカードやICカード、パソコンの使用時間の記録などの客観的な方法が原則で、自己申告制を使う場合は、実態との乖離を確認する仕組みが必要です。

表計算ソフトで管理するときのテンプレートは、列の設計で品質が決まります。従業員番号、日付、出勤、退勤、休憩、実労働時間、法定休日の区分、深夜の時間、累計時間、総枠との差の順に、列を設けます。1日の労働時間が長い日や短い日があっても、日単位では判定しないよう、判定は累計列に集約します。

労働時間の端数処理は、1日ごとに丸めると、賃金の一部が未払いになるおそれがあります。1分単位で記録し、時間外労働・休日労働・深夜労働のそれぞれの1か月の合計に1時間未満の端数が出たときに、30分未満を切り捨て、30分以上を切り上げることは、通達で認められています。フレックスタイム制の場合は、清算期間の合計での処理になるため、勤怠システムの丸め設定が、日次か月次かを必ず確認します。

2-15. 導入後に顧問先で間違えやすい点を、点検表にまとめます

山崎 山崎
導入時の書面が整っていても、日々の運用で間違えが出ます。点検表を毎回同じ順に使うと、見落としが減ります。

年次有給休暇を取得した日は、標準となる1日の労働時間を働いたものとして扱います。実際の勤務時間が短い日でも、標準時間分が勤務時間に加算されます。コアタイムの遅刻・早退の扱いは、就業規則で、賃金控除の方法まで定める必要があります。控除の範囲が不明確な運用は、トラブルのもとです。

法定休日の労働は、フレックスタイム制でも、総枠とは別に、35%以上の割増率で計算します。休日の労働時間を清算期間の実労働時間に入れて、時間外労働に重ねて数える誤りに注意します。深夜の時間も、フレックスの実労働時間とは別に、深夜割増の対象として集計します。

導入後に、勤務の実態が変わったとき(部署の追加、業務量の変動など)は、労使協定の内容も見直します。対象労働者の範囲や総労働時間の定めが、実態に合っているかを、年に1回は点検します。清算期間が1か月を超える協定の場合は、有効期間の更新と届出の時期を、先生方の業務として管理します。

✔️清算期間の起算日と給与の締め日が、一致しているかを確認します。
✔️年次有給休暇の日の扱いが、標準となる1日の労働時間になっているかを確認します。
✔️コアタイムの遅刻・早退の扱いと賃金控除の方法が、就業規則に書かれているかを確認します。
✔️不足の繰越の運用が、次の清算期間の総枠の範囲に収まっているかを確認します。
✔️36協定の月45時間・年360時間などの上限の到達状況を、清算期間ごとに確認します。
顧問先から勤怠資料を回収します
→
労使協定・就業規則と設定を照合します
→
清算期間ごとに総枠と比べます
→
割増の対象時間を集計します
→
先生方が確認し、顧問先へ説明します
💡 デメリットの説明は「対策つき」で渡します

顧問先へ説明するときは、デメリットを単独で並べず、対策とセットにして渡します。「連絡が取りにくい→窓口時間の設定」「工数がかかる→勤怠システムの設定点検」のように、1対1で並べた表にすると、導入判断が早まります。

03 フレックスタイム制の顧問先の勤怠集計を、職員の手作業だけで回す限界です

3-1. 清算期間・総枠・入退社者の確認が、毎月の転記と照合を増やします

菅澤 菅澤
制度の理解より、毎月の集計の手数が事務所の負担です。顧問先が増えるほど、前提が顧問先ごとに違う点が重くなります。

フレックスタイム制の顧問先では、日ごとの出退勤データが、締め日の後に届きます。職員は、そのデータを清算期間ごとに集計し、総労働時間との差を確認し、法定休日と深夜の時間を分け、給与ソフトへ入力します。さらに、年次有給休暇の日、入退社者の実労働期間、不足の繰越の有無を、個別に確認します。

月次給与だけでも、この工程があるところへ、算定基礎届、労働保険の年度更新、年末調整の下準備が重なります。電子申請を使っていても、申請の前に必要な資料の回収や整合確認が自動的になくなるわけではありません。繁忙期に確認が先送りされると、次の給与月にも未処理が残り、職員の記憶を頼った処理が増えていきます。

清算期間が顧問先ごとに異なると、集計の起算日と締め日が合わず、勤怠データの切り方から調整する手間も生じます。担当者だけが知っている顧問先ごとの例外(コアタイムの遅刻の控除方法、繰越の運用など)を引き継ぐ説明の時間もかかります。ソフトを追加しても、その間をつなぐ入力と照合の担当者が同じなら、事務所の仕事の持ち方は変わりません。

3-2. ソフトを替えなくても、作業そのものを任せる道があります

山崎 山崎
事務所に残す法的判断と、繰り返す事務作業を分ければ、改善する範囲が具体的になります。今のソフトを使ったまま検討できます。

フレックスタイム制の導入の可否や、労使協定の内容、未払いが疑われる案件の判断は、先生方が担います。一方で、届いた勤怠データの清算期間ごとの集計、資料の不足確認、給与計算用の入力データの準備は、手順と分担を整理できる事務作業です。改善の対象を「勤怠管理のすべて」と大きく捉えるより、どの資料を受け取り、どの状態で事務所へ戻すかまで具体化するほうが進めやすくなります。

AI社員AIKATAは、今の給与ソフト・勤怠システムを使って、職員がパソコンで行う事務作業をAIと人の二重体制で受託します。ソフトの乗り換えを顧問先へ求める前に、勤怠集計と給与計算の前工程から、どこを任せられるかを整理する道があります。

AI社員AIKATA|社労士事務所の所長・職員の皆さまへ 給与計算・勤怠集計から、入退社・算定基礎届・年度更新の書類の下準備まで 月30万円の定額で、業務まかせ放題。社労士事務所向けの無料相談はこちら

04 AI社員AIKATAが事務作業を回し、先生方が判断と承認を担います

4-1. AIに聞く効率化と、毎月の作業を回す自動化は違います

菅澤 菅澤
質問の答えが早く出ても、ファイルを探して入力する仕事が残れば職員の担当は変わりません。工程をまとめて任せることが次の段階です。

Claude Code/CodexなどのAIツールに、フレックスタイム制の勤怠集計と残業代の計算の式や確認項目の案を聞くことは効率化です。ただ、職員がその都度質問し、資料を選び、結果を転記する運用では、毎月の作業を起動する人が必要です。制度の説明をAIから得る場合も、法令や公的資料に照らして先生方が内容を確認します。

自動化で目指すのは、毎月発生する資料の回収・集計・入力・チェックを、一連の工程として回すことです。AI社員AIKATAはこの事務作業を受託し、顧問先ごとの締め日・支給日・手当などのルールを登録して処理します。清算期間ごとの勤怠データの集計、総枠との比較、法定休日・深夜の時間の分離、給与データへの反映までを、顧問先ごとのルールを前提に、一連の工程として処理します。仕組みの構築と運用は、事務所が自ら持ち続ける必要がありません。

次の図は、AI社員AIKATAが受託する事務作業と、事務所が保持する業務の分担を示します。個別の判断事項は、事務所が確認したルールを前提にします。法定の申請書や帳簿書類の作成、行政機関への提出手続きを、AI社員AIKATAが代行する図ではありません。

AI社員AIKATA:勤怠・資料回収の一次対応
→
AI社員AIKATA:集計・給与データの下準備
→
AI社員AIKATA:今のソフトへ入力・処理
→
AI社員AIKATA:人による品質チェック
→
事務所:判断・法定書類の作成・最終承認
これまで職員が行っていた事務作業AI社員AIKATAに任せた後事務所に残す役割
顧問先へ勤怠データを求め、集めます。資料回収や一次対応を受託します。必要な資料と照会範囲を確認します。
清算期間ごとに、総労働時間との過不足を手で集計します。登録した顧問先ごとのルールに沿って集計します。労使協定と就業規則に基づく取扱いを決定します。
給与ソフトに転記して残業代を計算します。今のソフトを使い、画面操作を含めて自動化します。計算済みデータを最終確認・承認します。
出来上がった集計を見直します。AIの処理結果を人が品質チェックします。業務を受任する事務所として最終確認・承認します。
法定の書類作成や行政機関への手続きを行います。前段階の資料整理・下準備を担います。1号・2号業務そのものは先生方が行います。

4-2. 社労士法の線引きは、承認ボタンだけで済ませないことです

山崎 山崎
AI社員AIKATAへ渡すのは前段階の事務作業です。独占業務を任せ、事務所が承認だけ押すという分担にはしません。

社労士法上の1号業務に関わる申請書等の作成・行政機関への提出手続きの代行、2号業務に関わる労働社会保険諸法令に基づく帳簿書類の作成は、先生方が行います。AI社員AIKATAはこれらの独占業務を引き受けません。AI社員AIKATAが担うのは、給与計算、勤怠集計、必要書類の下準備、顧問先への資料回収や一次対応など、その前の事務作業です。

今回のテーマでは、労使協定や就業規則の作成・届出と、制度の適用が妥当かどうかの判断を、AI社員AIKATAの受託対象と明確に分けます。受託するのは、勤怠の集計と給与データの下準備までで、制度の設計と顧問先への助言は、先生方の業務です。

日々の定型的な受託業務では、事務所の作業は原則として計算済みの給与データや作成済みの帳票の最終確認・承認です。ただし、独占業務の実施、顧問先のルール変更に伴う判断、例外的な法的検討までなくなるという意味ではありません。専門業務を保持しながら、その前の集計や転記を手放す分担です。

出典:全国社会保険労務士会連合会「社労士についてのよくある質問」独占業務の説明(2026年11月確認)。

05 増員・外注・自作では、繁忙期の事務作業は片づかない

4つのうち3つは、事務所の悩みを別の悩みに置き換えるだけです。ここで比較する目的は、フレックスタイム制の勤怠集計と給与入力を回す人・仕組みの管理まで、事務所が抱え続けずに済むかどうかです。特定の会社やソフトの品質を評価する比較ではありません。

選択肢よくある期待実際に行き詰まる所判定
①職員を増やします。担当者が増えれば処理できます。採用・教育が繁忙期に間に合わず、閑散期にも人件費と管理が残ります。✕
②従来型の外注・BPOを使います。入力工程を外へ出せます。工程だけの委託では、例外の説明・受渡し・手直しを事務所が持ち続けます。✕
③事務所でAIを自作します。繰り返す作業を自動化できます。ルールの言語化・検証・改修を行う人と仕組みが事務所に残ります。✕
④AI社員AIKATAに任せます。事務作業と仕組みの構築・運用を任せます。事務所は専門業務と最終確認・承認を担う分担にします。◎

5-1. 増員と工程単位の外注は、説明する仕事が残ります

菅澤 菅澤
フレックスタイム制の勤怠集計と給与入力の例外を説明できる職員が、採用面接や引き継ぎも担うと、繁忙期に使える時間がさらに減ってしまいます。

増員では、新しい職員に法令と顧問先固有の扱いを覚えてもらう時間が必要です。前任者の表を渡すだけでは、なぜその取扱いを使っているかが伝わりません。顧問先ごとに違う清算期間の起算日、コアタイムの遅刻の扱い、繰越の運用は、前任者の頭の中にあることが多く、引き継ぎの資料にも残りにくい部分です。繁忙期に処理を増やすための採用が、新人の確認と教育を担当する熟練職員の仕事を増やす構造になります。

従来型の工程単位の外注では、資料を整える、例外を説明する、返ってきた結果を確認する、手直しを依頼する仕事が事務所に残ります。入力先と集計元が違い、顧問先のルール変更のたびに仕様を伝え直すなら、外へ出した工程の周囲を事務所がつなぐ状態です。委託件数が増えても、この負担がなくなるわけではありません。

✔️①増員では、繁忙期までの採用と教育を事務所が担い、閑散期にも人件費が残ります。
✔️①増員では、担当顧問先を個人に割り振るほど、その人だけが知る例外が増えます。
✔️②外注では、渡す資料の準備と個別ルールの説明を事務所が繰り返します。
✔️②外注では、戻ったデータの整合確認や手直しの指示まで管理する必要があります。

5-2. AIの自作は、作った人しか直せない第二の属人化を生みます

山崎 山崎
動く仕組みを一度作ることと、顧問先の変更に合わせて運用し続けることは別の仕事です。後者を誰が担当するかまで考えます。

Claude Code/Codexなどを使う場合も、顧問先の締め日、手当、勤怠区分、資料の置き方を言語化する必要があります。法的判断が必要な取扱いと、機械的に処理する条件を区別しなければ、誤った前提をそのまま繰り返す仕組みになります。給与計算の担当者が、その検証と改修まで兼務すると別の管理業務を抱えます。

通常のケースだけでなく、契約変更、申請の取消し、資料不足、退職などの場面を想定して検証します。担当者が異動したときに、処理の根拠と直し方を説明できる状態でなければ、表計算の属人化がAIの仕組みの属人化へ移るだけです。事務所の悩みが「入力する人が足りない」から「直せる人がいない」へ変わります。

✔️③自作では、顧問先の例外を言語化し、判断の条件と計算の条件を区別する必要があります。
✔️③自作では、通常ケースだけでなく、取消し・契約変更・資料不足を含む検証の型が必要です。
✔️③自作では、作った人しか直せない仕組みになると、第二の属人化を抱えます。
菅澤 菅澤
増員・工程だけの外注・自作は、どれも人か仕組みを事務所が抱え続ける道です。AI社員AIKATAは、事務作業を回す仕組みの構築と運用まで引き受けます。

06 AI社員AIKATAは、今のソフトで事務作業を丸ごと受託します

6-1. 勤怠集計から給与計算、資料回収までをAIと人で担います

山崎 山崎
AI社員AIKATAは、質問に答えるだけのサービスではありません。職員の方がパソコンで行っている事務作業を、AIと人の二重体制で引き受けます。

AI社員AIKATAは、給与計算、勤怠の集計、入退社手続きの書類の下準備、算定基礎届や労働保険の年度更新の下準備、帳票の作成、顧問先への資料回収や一次対応などを受託する業務代行サービスです。法定の申請書や帳簿書類の作成・提出代行は受託範囲から外し、先生方が行います。

フレックスタイム制の勤怠を入口に考えるなら、まず勤怠データの回収と清算期間ごとの集計、給与計算につながる前工程を棚卸しします。どの資料の整理を任せ、どの判断を事務所が行うかを明らかにすることで、勤怠集計を孤立した作業として抱えず、月次の給与処理とのつながりで分担を整理できます。具体的な受託範囲は無料相談で確認します。

AI社員AIKATAは特定のソフトに限定しません。いま事務所が使っている給与ソフトや勤怠システムをそのまま使い、画面操作を含めて自動化します。顧問先へソフトの乗り換えを頼む必要がないため、事務所の改善のために、顧問先側の運用を一斉に入れ替えることを前提にしなくて済みます。

6-2. 個別ルールを残し、人が品質チェックしてから事務所へ戻します

山崎 山崎
担当者が変わってもルールが残るようにすることが大切です。AIの処理結果は人が確認し、最後は事務所が確認・承認します。

AI社員AIKATAは、顧問先ごとの締め日・支給日・手当などの個別ルールを仕組みに登録して処理します。職員の記憶の中にある取扱いを、その職員が休んだときにも残る形にする考え方です。AIの処理結果は人が品質チェックし、最終確認と承認は事務所が行います。判断の責任と事務処理の担当を混同しません。

日々の受託した定型事務では、事務所の作業は原則として計算済み給与データや作成済み帳票の承認です。ここでいう帳票は、社労士法の独占業務に当たる帳簿書類の作成をAI社員AIKATAへ移す意味ではありません。先生方の法定業務は保持し、そのための基礎資料を整える事務を任せます。

AI社員AIKATAはNDAを結び、給与・人事データの受け渡しと保管のルールを事務所の規程に合わせて決めます。相談時には、事務所で定めている保存先や受渡し方法を確認し、委託する資料の範囲を整理します。

6-3. 繁忙期の処理量を増やすために、採用と教育を重ねる必要がありません

菅澤 菅澤
算定基礎・年度更新・年末調整の時期にも、受託する事務作業の処理量を増やせます。事務所がAIの構築担当者を採用する必要もありません。

AI社員AIKATAは、仕組みの構築と運用を行います。事務所にAIの知識は要りません。繁忙期にも人を採用・教育せずに処理量を増やせるため、事務作業のための増員と教育を繰り返す運営から切り替えられます。料金は月額の定額で、業務量が増えても変わりません。

無料相談は60分のオンラインで、Google Meetを使い全国に対応します。業務を棚卸しし、どこまで任せられるかを整理します。契約の義務はありません。所長だけで作業の細部を思い出そうとするより、実際に回収・入力・確認をしている職員の方の状況を整理すると、対象業務を具体化しやすくなります。

AI社員AIKATA|社労士事務所の所長・職員の皆さまへ 給与計算・勤怠集計から、入退社・算定基礎届・年度更新の書類の下準備まで 月30万円の定額で、業務まかせ放題。社労士事務所向けの無料相談はこちら

07 残る道は「作業そのものを任せる」だけです

フレックスタイム制の勤怠集計を正しく運用するには、事務所の専門性が欠かせません。その専門性を資料探しや転記に使い続けないために、ここでは「事務作業を回す負担を手放す」という目的で3つの道を比較します。記号はこの目的に対する整理であり、製品の性能や法的適合性の優劣を表すものではありません。

比較する項目手作業のままソフトの追加・乗り換えAI社員AIKATAに任せます
繁忙期の負荷✕ 職員の回収・入力・照合が増えます。△ ソフト間の準備や確認を事務所が担います。◎ 採用・教育をせずに受託事務の処理量を増やせます。
顧問先ごとのルール✕ 担当者の記憶と個別のメモに残ります。△ 設定と更新を事務所が管理します。◎ 個別ルールを登録し、担当者が変わっても残ります。
顧問先への負担△ 不足資料の照会が繰り返されます。△ 新しい操作や受渡しの調整が必要です。◎ 顧問先にソフトの乗り換えを頼む必要がありません。
職員の採用・教育✕ 処理を増やす人の確保を抱えます。△ 運用する職員の教育が残ります。◎ 構築・運用を任せ、AIの知識は不要です。
社労士法の線引き○ 先生方が専門業務を行います。○ 先生方が専門業務を行います。◎ 前段階の事務を受託し、1号・2号業務は先生方が行います。

7-1. AI社員AIKATAが選ばれる5つの理由

菅澤 菅澤
今のソフトと顧問先のルールを使いながら、事務作業を引き受ける点が理由です。先生方が担う専門業務を残したまま分担できます。
✔️今のソフトのまま:給与ソフト・勤怠システムをそのまま使い、画面操作も含めて自動化します。
✔️顧問先ごとのルールが残ります:締め日・支給日・手当を登録し、担当者が変わっても引き継げます。
✔️事務所は原則として承認だけです:受託した定型事務の結果を人が品質チェックし、事務所が最終確認・承認します。独占業務は先生方が行います。
✔️繁忙期も人を増やさず、月額の定額です:採用・教育をせず処理量を増やせ、業務量が増えても料金は変わりません。
✔️AIの知識は不要で、社労士法の線引きが明確です:構築・運用はAI社員AIKATAが担い、1号・2号業務を受託しません。

増員・外注・自作・乗り換えは、どれも事務所が人か仕組みを抱え続けます。作業を手放せる道はAI社員AIKATAに任せることだけです。ここで手放す対象は、委託する集計・入力などの事務作業です。法的判断、独占業務、最終確認・承認は先生方が担います。

菅澤 菅澤
勤怠集計から始めると、その結果を使う給与計算や、算定基礎・年度更新の下準備まで、仕事のつながりが見えてきます。次の繁忙期までに、どの事務を任せるか整理しましょう。

08 次の繁忙期を、職員を増やさずに越える準備を始めませんか

8-1. フレックスタイム制の集計から、どの作業を任せられるか決めます

山崎 山崎
無料相談では、いまの勤怠の集め方と給与計算までの流れを伺い、どの作業から任せられるかをその場で整理します。先生方が行う判断や書類作成も切り分けます。

人を増やす・ソフトを替えると決める前に、AI社員AIKATAの社労士事務所向け無料相談で、毎月繰り返す作業を棚卸ししてください。「清算期間ごとの集計に時間がかかる」「時間外の集計を給与へ転記している」「繁忙期に確認待ちがたまる」といった工程から、どの作業を任せられるかを具体的に整理します。

事務所で使うソフト、顧問先ごとの清算期間と締め日、職員が毎月行う作業、先生方の承認の流れを確認すれば、最初に任せる業務と事務所に残す専門業務を話し合えます。相談は60分、Google Meetによるオンラインで全国に対応し、契約の義務はありません。給与・人事データの受け渡しと保管は、NDAと事務所の規程に合わせてルールを決めます。

職員を増やす・外注する・AIを自作する・ソフトを替える——どの道を選んでも、集計・入力・確認の作業か、それを回す人と仕組みが事務所に残り続けます。

AI社員AIKATAなら、いまお使いの給与ソフト・手続きソフトはそのまま、顧問先ごとのルールも登録して処理し、事務所に残るのは仕上がりの確認と承認だけです。どの業務から任せられるかは、無料相談(60分・オンライン)でその場で整理します。

NEXT STEP

事務所の定型業務を、
AI社員に任せてみませんか?

AI社員AIKATA — 社労士事務所の給与計算・手続きの下準備を丸ごと代行

社労士事務所の所長・管理者の方へ

AI社員AIKATA

給与計算・勤怠の集計・入退社手続きや算定基礎・年度更新の下準備・顧問先からの資料回収を、AIと人の二重チェックで丸ごと代行。いまのソフトのまま、事務所は承認するだけです。

よくある質問

Q. フレックスタイム制のデメリットには何がありますか?

山崎 山崎
デメリットは、対策とセットで顧問先へ渡します。

A. 主なデメリットは5つです。取引先との連絡が取りづらくなる、社内のコミュニケーションが不足しやすい、出退勤管理に工数がかかる、自己管理が苦手な従業員の生産性が下がる、オフィスの光熱費がかさむ、の5点です。業務体制のルール、コアタイムの設定、勤怠システムの活用などで対策できます。

Q. フレックスタイム制でも残業代は発生しますか?

山崎 山崎
総枠を超えた時間は、残業代の対象です。

A. 発生します。清算期間の実労働時間の合計が、法定労働時間の総枠(週40時間×清算期間の暦日数÷7)を超えた時間が時間外労働となり、25%以上の割増賃金が必要です。法定休日の労働は35%以上、深夜労働は25%以上の割増も、別に必要です。

Q. 導入には何が必要ですか?

山崎 山崎
書面は就業規則と労使協定の2本立てです。

A. 就業規則等への規定(始業・終業時刻を労働者の決定に委ねる旨)と、労使協定の締結が必要です。労使協定には、対象労働者の範囲、清算期間、総労働時間、標準となる1日の労働時間などを定めます。清算期間が1か月を超える場合は、労使協定を労働基準監督署へ届け出ます。

Q. コアタイムは必ず設けなければいけませんか?

山崎 山崎
コアタイムの有無は、顧問先の運用で決めます。

A. 必須ではありません。コアタイムを設けず、すべてを従業員の裁量に任せるスーパーフレックスタイム制も可能です。ただし、コアタイムを設ける場合は、労使協定で時間帯を定め、極端に長くしないよう確認します。

Q. 清算期間の途中で不足した時間は、繰り越せますか?

山崎 山崎
不足は繰越できても、超過は繰越できません。

A. 不足した時間は、賃金を控除するか、次の清算期間に繰り越すことができます。繰り越す場合は、次の清算期間の法定労働時間の総枠の範囲内に収めます。反対に、超過した時間を次の清算期間へ繰り越すことはできません。

Q. フレックスタイム制に向いている職種はありますか?

山崎 山崎
向き不向きは、業務を自分で調整できるかで決まります。

A. 個人の裁量で時間配分を決めやすい職種に向いています。たとえば、システム開発、デザイン、企画、管理部門、研究職などです。接客や交代制の製造など、決まった時間に人員を配置する職種には向きません。対象労働者の範囲を労使協定で絞る方法もあります。

Q. 社労士法上、AIに任せて問題ないですか?

山崎 山崎
専門業務を保持して、その前段階の事務を任せます。

A. 業務の線引きが前提です。AI社員AIKATAは、給与計算・勤怠集計・資料回収の一次対応・書類の下準備などを担い、1号・2号業務である申請書等や法定帳簿書類の作成、行政機関への提出代行は引き受けません。最終確認・承認は先生方が行います。

Q. 今のソフトのままで使えますか?

山崎 山崎
いまの業務を起点に分担を検討できます。

A. AI社員AIKATAは特定のソフトに限定せず、今の給与ソフト・勤怠システムを使って画面操作を含めて自動化します。顧問先へソフトの乗り換えを頼む必要はありません。どの資料回収・集計・入力から任せられるかは、無料相談で実際の業務を確認して整理します。

Q. 事務所にAIの知識がなくても相談できますか?

山崎 山崎
まず毎月の回収・入力・確認の流れを整理します。

A. 相談できます。AI社員AIKATAが仕組みの構築・運用を行うため、事務所にAIの知識は要りません。無料相談は60分のオンラインで全国に対応します。業務の棚卸しと受託範囲を整理し、契約の義務はありません。

あわせて読みたい:同じテーマの記事

✔️フレックスタイム制の解説|仕組みと運用の要点(制度の仕組みを詳しく確認する関連記事です)
✔️残業代の計算方法を社労士事務所向けに解説(割増率と基礎賃金の計算の関連記事です)
✔️裁量労働制を採用した場合の残業代の計算方法(みなし労働時間制との違いを確認できます)
AIAI社員AIKATA

AI社員AIKATAへのお問い合わせ

この記事を読んで気になった方へ。
専門スタッフが、御社に最適な
業務自動化・業務代行プランを無料でご提案します。

サービスを選択してください

会社名を入力してください
業種を選択してください
お名前を入力してください
※法人・事業用のメールアドレスでお願いします(Gmail等の個人用フリーメールは受付できません)
正しいメールアドレスを入力してください

1つ以上選択してください
1つ以上選択してください
月額コストを選択してください

約1時間のオンライン面談(Google Meet)です

空き枠を取得中...
面談日時を選択してください

予約確定後、Google Calendarの招待メールをお届けします。
しつこい営業は一切ございません。

監修 最終更新日: 2026年11月5日
菅澤孝平
菅澤 孝平 株式会社GENAI 代表取締役
  • AI業務自動化サービス「AI鬼管理」を運営 — Claude Code を活用し、経営者の業務を「AIエージェントに任せる仕組み」へ転換するパーソナルトレーニングを 伴走構築 で提供。日報・採用・問い合わせ対応・経費精算・議事録・データ集計・営業リスト等の定型業務を、AIに代行させる体制を経営者と一緒に作り込む
  • Claude Code 実装ノウハウを 経営者・法人クライアント に直接指導。生成AIを「便利ツール」ではなく 「業務を任せる存在」 として運用する手法を体系化
  • 「やらせ切る管理」メソッドの開発者。シンゲキ株式会社(2021年設立・鬼管理専門塾運営)にて累計3,000名以上の学習者を志望校合格に導いた管理メソッドを、AI × 経営者支援 に転用
  • 著書『3カ月で志望大学に合格できる鬼管理』(幻冬舎)、『親の過干渉こそ、最強の大学受験対策である。』(講談社)
  • メディア出演: REAL VALUE / カンニング竹山のイチバン研究所 / ええじゃないかBiz 他
  • 明治大学政治経済学部卒
現在は AI鬼管理(Claude Code活用の伴走型パーソナルトレーニング)を主事業とし、経営者と二人三脚で「AIに業務を任せる仕組み」を実装。「実行を強制する環境」を AI で構築する手法を、自社の実運用知見をもとに発信している。