【2026年11月最新】労働協約と労使協定の違いとは?当事者・効力・有効期間・届出を社労士事務所向けに整理し、顧問先ごとの協定管理をAIに任せる方法
「労働協約と労使協定、結局どこが違うのですか?」——顧問先の総務担当者や、新しく入った職員の方から、こう聞かれて言葉に詰まった経験はないでしょうか。どちらも「労働条件に関する労使の取り決め」で、締結の相手方に労働組合が出てくる場面もあるため、混同されやすい言葉です。
結論から言うと、労働協約は「労働組合と使用者が労働条件の基準を決める契約」、労使協定は「労働基準法などが定める例外を使うために、使用者と過半数代表(過半数組合または過半数代表者)が結ぶ協定」です。前者は組合員の労働条件そのものを動かす力を持ち、後者は法律上の禁止を解く(刑事責任を免れる)ための手続きという性格が中心です。
この記事では、両者の違いを当事者・目的・効力・有効範囲・有効期間・届出の6つの軸で整理し、就業規則や法令との優先順位、違反したときの扱い、顧問先で起きやすい締結ミスまでを、社労士事務所の実務目線でまとめます。後半では、顧問先ごとにばらばらな協定の種類・期限・届出状況の管理を、AI社員AIKATAに任せて、職員の手作業を減らす方法も解説します。
01 COLLECTIVE AGREEMENT 労働協約とは?労働組合と使用者が結ぶ「労働条件の基準」 まず労働協約の定義・成立要件・効力を、労働組合法の条文に沿って押さえる
労働協約とは、労働組合と使用者(またはその団体)が、賃金・労働時間・休日・解雇の手続きなどの労働条件や、労使関係のルールについて合意し、書面にしたものです。根拠は労働組合法で、労働組合が団体交渉を通じて組合員の労働条件を引き上げ・維持するための中心的な手段です。
📚 用語解説
労働協約:労働組合法にもとづき、労働組合と使用者の間で結ばれる、労働条件その他に関する書面の合意。書面にして両当事者が署名または記名押印すると効力が生じる(労働組合法第14条)。「覚書」「確認書」「合意書」といった名称でも、要件を満たせば労働協約として扱われる。
1-1. 成立要件は「書面」と「署名または記名押印」
労働協約が効力を持つには、書面に作成し、両当事者が署名または記名押印することが必要です(労働組合法第14条)。口頭の約束や、メールのやりとりだけでは、労働協約としては成立しません。逆に、書面の題名は自由なので、「覚書」「確認書」「合意書」と書かれていても、労働条件に関する労使の合意を書面にして両者が署名押印していれば、労働協約にあたり得ます。
顧問先で多いのは、組合との団体交渉の結果を「覚書」で残したまま、労働協約だという意識がないケースです。この覚書が労働協約にあたるなら、組合員の労働条件を拘束し、有効期間の管理や就業規則との整合も必要になります。事務所が顧問先の書類を棚卸しするときは、題名ではなく中身で判断します。
1-2. 労働協約の2つの効力:規範的効力と債務的効力
労働協約には、大きく2つの効力があると整理されています。
| 効力 | 内容 | 実務上の意味 |
|---|---|---|
| 規範的効力 | 労働条件その他の待遇の基準を定めた部分が、組合員の労働契約を直接規律する(労働組合法第16条)。基準に違反する労働契約の部分は無効となり、無効になった部分や定めのない部分は協約の基準による | 個別の労働契約や就業規則が協約より不利でも、協約の基準が適用される |
| 債務的効力 | 協約の当事者(組合と使用者)を拘束し、協約を守る義務や、組合活動・団体交渉のルールなどの履行義務を生じさせる | 協約に違反すると、組合との関係で債務不履行の問題になり得る |
ここで押さえたいのは、協約の基準に違反する個別の労働契約の部分は無効になるという点です(労働組合法第16条)。個別契約が協約より有利な場合の扱いは法律の解釈に幅があるため、顧問先から聞かれたときは、条文どおりに「協約の基準に違反する部分は無効」と説明したうえで、個別事案は先生方の判断に委ねる形が安全です。
📚 用語解説
規範的効力:労働協約のうち、労働条件その他の待遇に関する基準を定めた部分が、組合員の個々の労働契約を直接拘束する効力のこと。労働組合法第16条が根拠で、協約の基準に違反する労働契約の部分は無効となり、無効の部分と契約に定めのない部分は協約の基準による。
1-3. 協約で決められることと限界
労働協約で決められる内容は幅広く、賃金体系、労働時間、休日・休暇、配置転換や解雇の手続き、安全衛生、さらに団体交渉や組合活動のルールまで含まれます。ただし、労働基準法などの強行法規を下回る内容は定められません。たとえば1日の労働時間を法定の8時間を超えて定める協約を結んでも、その部分は法令に反して無効です。反対に、法定より有利な7時間30分とするような内容は、組合員に対して就業規則よりも優先して適用されます。
02 LABOR-MANAGEMENT AGREEMENT 労使協定とは?法律の例外を使うために結ぶ「免罰のための協定」 当事者は過半数組合または過半数代表者。種類・届出・過半数代表者の要件を整理
労使協定とは、事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合(過半数組合)があればその組合、なければ労働者の過半数を代表する者(過半数代表者)と、使用者が書面で結ぶ協定です。労働基準法などで「労使協定を結べばこの例外が認められる」と定められている場面で使われます。
📚 用語解説
労使協定:労働基準法などが定める例外的な取扱い(時間外労働、変形労働時間制、賃金の一部控除、年次有給休暇の計画的付与など)を使うために、使用者と事業場の過半数組合または過半数代表者が書面で結ぶ協定。協定を結ぶと、その事項について法律の禁止に違反しても刑事責任を問われない(免罰効果)。
2-1. 労使協定の中心は「免罰効果」
労使協定の働きの中心は、本来は法律違反になる行為を、協定の範囲内で行っても罰則を受けない状態にすること(免罰効果)です。代表例が36協定で、労働基準法第36条の協定を結んで労働基準監督署へ届け出ることで、法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超える時間外労働や、法定休日の労働をさせることができます。
ここで実務上とても重要な注意点があります。労使協定を結んだだけでは、従業員に時間外労働などを命じる契約上の根拠にはならないというのが一般的な整理です。協定は「違法ではなくする」ためのもので、実際に命じるには就業規則や労働契約に、その旨の規定が必要になります。顧問先の就業規則に時間外労働の根拠がない場合は、協定とセットで確認します。
2-2. 労使協定が必要になる主な場面
| 場面 | 協定の内容の例 | 労働基準監督署への届出 |
|---|---|---|
| 時間外・休日労働 | 36協定(労働基準法第36条) | 必要(届出が効力発生要件) |
| 変形労働時間制 | 1年単位の変形労働時間制など | 1年単位は必要。1か月単位を労使協定で定める場合も届出が必要 |
| 賃金の一部控除 | 社宅費・社内預金への積立などを賃金から控除する協定 | 不要 |
| 年次有給休暇 | 計画的付与、時間単位年休、年休の賃金を標準報酬日額とする場合など | 不要 |
| みなし労働時間制 | 専門業務型裁量労働制、事業場外労働のみなし時間が法定労働時間を超える場合など | 必要となる場合がある |
| 貯蓄金の管理 | 社内預金(任意貯金) | 必要 |
届出の要否は協定の種類ごとに異なります。上の表は代表例で、様式や例外の細かい扱いは厚生労働省・労働基準監督署の最新の案内で確認してください(出典: 厚生労働省「確かめよう労働条件」、各都道府県労働局の手引き)。重要なのは、「届出が不要な協定」でも、協定書自体は事業場で保管し、必要なときに示せる状態にしておく点です。
2-3. 過半数代表者の要件:選び方を間違えると協定が無効になる
過半数組合がない事業場では、過半数代表者が労働者側の当事者になります。この過半数代表者には要件があり、厚生労働省は次の点を示しています。
過半数代表者が使用者の意向で選ばれていた場合、その労使協定は有効に成立していないと扱われるおそれがあります。36協定の場合は、結果として時間外労働が違法になる可能性があり、届出をしていても同様です。顧問先に代表者の選出方法を聞くときは、「いつ、どの方法で、誰が選んだか」を記録として残してもらいましょう。
03 DIFFERENCES 労働協約と労使協定の違いを6つの軸で比較 当事者・目的・効力・範囲・有効期間・届出を一覧で確認
ここまでの内容を、比較表にまとめます。顧問先への説明に、そのまま使える形にしています。
| 比較軸 | 労働協約 | 労使協定 |
|---|---|---|
| 締結の当事者 | 労働組合(連合団体を含む)と使用者 | 使用者と、過半数組合または過半数代表者 |
| 目的・役割 | 組合員の労働条件の維持・改善、労使関係のルール作り | 法律上の禁止を解く(免罰)、法が認める例外の利用 |
| 根拠法 | 労働組合法 | 労働基準法・育児介護休業法など各法の個別の規定 |
| 効力の中身 | 規範的効力(組合員の労働契約を直接規律)と債務的効力(当事者を拘束) | 免罰効果が中心。労働者に義務を課す根拠は就業規則や労働契約に別途必要 |
| 有効範囲 | 原則として組合員。要件を満たすと非組合員にも拡張される(一般的拘束力) | 協定を結んだ事業場の全労働者(協定に反対した人も含む) |
| 有効期間 | 定める場合は3年が上限。定めなければ90日前の予告で解約できる | 法律で一律の期間はなく、協定の種類ごとに異なる(36協定は期間を定める。1年が望ましいとされる) |
| 締結形式・届出の要否 | 書面+署名または記名押印で効力が生じる。届出は不要 | 種類ごとに異なる。36協定など、届出が効力発生要件となるものがある |
この表で特に誤解が多いのは、「労働組合が出てくるのは労働協約だけ」と思い込むことです。過半数組合がある事業場では、その組合が労使協定の当事者にもなります。同じ組合と使用者が結ぶ書面でも、労働条件の基準を定める部分は労働協約、36協定のように労働基準法上の例外を使うための部分は労使協定、という整理で見分けます。労働協約の中に36協定にあたる内容を含めて、協約として結ぶ運用をしている会社もあります(東京労働局の手引きでは、労働協約による36協定の場合は有効期間の定めを必ずしも置かなくてよいとされています)。
04 PRIORITY & SCOPE 優先順位・有効範囲・有効期間:顧問先から必ず聞かれる3つの論点 就業規則・労働契約との関係、一般的拘束力、解約の方法を整理
4-1. 労働関連規則(法令)・労働協約・就業規則の位置付けと適用順位
労働条件を定めるルールが重なったときの優先順位は、基本的に法令(労働基準法など)> 労働協約 > 就業規則 > 労働契約の順と整理されます。根拠は次のとおりです。
適用順位の例を一つ挙げます。労働基準法の法定労働時間は1日8時間、顧問先の就業規則は7時間45分、組合と結んだ労働協約は7時間30分としている場合、組合員には協約の7時間30分が適用されます。協約で「8時間30分」と定めても、法定を超える部分は法令に反して無効です。
ただし、労使協定は「労働条件の優先順位」の階層に並ぶものではありません。労使協定は法律の例外を使うための手続きで、就業規則や労働協約と同じ階層で競合する関係ではないと考えると整理しやすくなります。たとえば36協定で月の時間外労働の上限を定めていても、労働協約でそれより厳しい上限を定めている場合は、組合員との関係では協約の基準が適用されます。
4-2. 有効範囲:労働協約は組合員、労使協定は事業場全体
有効範囲は、両者の違いが最も分かりやすく出る部分です。
複数の事業場を持つ顧問先では、36協定は事業場ごとに過半数代表を選んで締結・届出が必要になります(本社で結んだ協定が、支店に自動的に及ぶわけではありません)。事務所の確認リストには「事業場の数だけ協定があるか」という項目を入れておくと、見落としを防げます。
4-3. 一般的拘束力:4分の3ルールと地域的拡張
労働協約は原則として組合員だけに適用されますが、例外があります。一の工場事業場に常時使用される同種の労働者の4分の3以上の数の労働者が一の労働協約の適用を受けるに至ったときは、当該工場事業場に使用される他の同種の労働者にも、その協約が適用されます(労働組合法第17条)。さらに、地域的に大部分の同種の労働者が一つの協約の適用を受けるに至ったときは、労働組合または当事者の申立てにより、厚生労働大臣または都道府県知事の決定で、その地域の他の同種の労働者と使用者にも協約を適用できる制度もあります(同法第18条)。
📚 用語解説
一般的拘束力:一つの事業場で、同種の常時使用される労働者の4分の3以上が一つの労働協約の適用を受けているとき、その協約が残りの同種の労働者(非組合員)にも適用される仕組み(労働組合法第17条)。地域単位で認められる制度(第18条)もある。
顧問先の組合員比率が高い会社では、組合員でない従業員にも協約の基準が及ぶ場合があるため、就業規則の改定時に協約の基準との関係を必ず確認します。逆に、組合員比率が低い会社では、組合員と非組合員で労働条件が分かれることがあり、就業規則の適用関係の説明が必要です。
4-4. 有効期限(有効期間)と解約:協約は上限3年、協定は種類ごと
労働協約の有効期間は、定める場合に3年が上限です。3年を超える期間を定めても、3年とされます(労働組合法第15条)。期間を定めなかった場合は、当事者の一方が、署名または記名押印した文書で相手方に予告することで、90日前までの予告により解約できます。
労使協定の有効期間は、協定の種類で扱いが変わります。36協定は、対象期間(1年間)に応じた協定の有効期間を定める必要があり、実務では1年とするのが通例です。1年単位の変形労働時間制の協定も、有効期間を定めます。一方、賃金控除に関する協定のように、期間の定めが必須でないものもあります。更新を忘れると、期限切れの状態で時間外労働をさせてしまうという最大のリスクが生まれます。
36協定は、届出が効力発生要件のため、有効期間の初日より前に届出を済ませる必要があります。事務所の運用では、期限の1〜2か月前に顧問先へ更新の案内を出し、代表者の選出記録や協定書の下書きを集める段取りにしておくと、期限切れを防げます。
05 VIOLATION & PRACTICE 違反したときの扱いと、顧問先で起きやすい失敗と締結のポイント 罰則・民事・不当労働行為の整理と、締結時に事務所が確認したい項目
5-1. 違反時の罰則・責任は、協約と協定で別物
| 労働協約に違反した場合 | 労使協定に違反した場合 | |
|---|---|---|
| 主な責任 | 民事上の責任(協約違反による債務不履行、損害賠償など)。協約の内容が労基法の基準にも重なる場合は、労基法違反の問題にもなる | 協定の範囲を超えた時間外労働は労働基準法第32条違反。法律上の上限(単月100時間未満・複数月平均80時間以内など)を超えた場合は、第36条の違反として扱われる |
| 罰則の例 | 協約違反そのものに直接の罰則はない。組合活動の妨害などは不当労働行為(労働組合法第7条)の問題になり得る | 6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金(労働基準法第119条)など |
| 行政の動き | 労働委員会の救済手続きの対象になる場合がある | 労働基準監督署の調査・是正勧告。悪質な場合は送検 |
36協定は結んでいるだけでは足りません。協定の上限(月45時間・年360時間、特別条項を使う場合はその範囲)を実績が超えていないかを、毎月確認する必要があります。協定違反の事実が分かった時点で、速やかな是正と再発防止の対応を顧問先に助言します。上限の考え方は、36協定の特別条項の解説も参考にしてください。
5-2. 協定書と協定届は別の書類
労働基準監督署の資料では、協定書(労使で合意した内容を書いた文書)と協定届(監督署に提出する様式)は本来別の文書であり、この違いの理解が十分でないことが課題とされています。協定届に労働者代表の署名または記名押印があれば、協定書を兼ねられる扱いも示されていますが、どちらの形で保存しているのかを顧問先ごとに確認しておくと、監督署の調査で慌てずに済みます。
5-3. 労働協約を結ぶときの3つのポイント
5-4. 顧問先でよくある失敗パターン
📚 用語解説
過半数組合・過半数代表者:労使協定の労働者側の当事者。事業場の労働者の過半数で組織する労働組合(過半数組合)があればその組合、なければ事業場の労働者の過半数を代表する者(過半数代表者)が当事者になる。後者は、管理監督者でないこと、民主的な方法で選出されること、使用者の意向で選ばれた者でないことが求められる。
06 LIMITS OF MANUAL WORK 協定の管理は、顧問先が増えるほど手作業では回らなくなる 顧問先ごとに違う協定の種類・期限・事業場数を、職員の頭と表計算だけで追う限界
ここまで見てきたとおり、協定・協約の実務は「種類の見分け」「期限の管理」「届出の確認」「代表者の選出記録の確認」の繰り返しです。顧問先が10社なら、表計算でも回ります。しかし、30社、50社と増えると、次のような手作業の負担が事務所に積み重なります。
こうした作業は、ルールが明確で、毎年同じ流れで繰り返されるという特徴があります。つまり、仕組みに任せやすい領域です。今使っているソフトを替えなくても、「作業そのもの」を任せる道があります。次の章で、その考え方を説明します。
07 AUTOMATE WITH AI 【核心】協定の期限管理と資料回収を、Claude Code/Codexで「自動で回る仕組み」にする 「AIに聞く」効率化ではなく、毎月の作業をAIが回す自動化へ
📚 用語解説
Claude Code/Codex:Claude CodeはAnthropic社、CodexはOpenAI社が提供するAIエージェント。質問に答えるだけのAIと違い、指示を受けてパソコン上のファイル操作、データの集計、文書の下書き作成などの作業そのものを実行できる。日本語の指示で業務の流れを組み立てられるため、プログラミングの知識がない事務所の職員でも業務の自動化に使える。
7-1. 「AIに聞いて早くする」と「AIが毎月の作業を回す」は別物
「労働協約と労使協定の違いを教えて」とAIに聞いて、説明文を作ってもらうのは効率化です。作業の主体は人のままで、AIは調べ物と文章作りを速くしてくれるだけです。協定の期限切れや、代表者の選出記録の不足といった「抜け」は、これでは防げません。
一方、Claude Code/Codexを使った自動化は、「毎月初めに、顧問先ごとの協定台帳を見て、期限が近いものを抽出し、案内文の下書きと必要書類のチェック表を作る」という一連の流れを、最初に設計しておけば、あとは決まったタイミングで自動で走ります。人の仕事は、出来上がった結果を確認し、顧問先へ送ることだけです。
7-2. これまで職員がやっていた作業 vs AIに任せた後
| これまで職員がやっていた作業 | AIに任せた後 |
|---|---|
| 顧問先ごとの協定の種類・期限を、表計算に手入力して更新 | 顧問先から回収した協定書・協定届の情報を台帳に整理し、期限が近い順に自動で並べる |
| 期限の近い顧問先を目視で探して、案内の連絡先を調べる | 期限が近い顧問先を抽出し、必要書類リスト付きの案内文を顧問先ごとに下書き |
| 顧問先から届いた資料を見て、過半数代表者の選出記録などの不足を判断 | 提出された資料の抜けを一次チェックし、不足項目を顧問先に確認する文面の下書きを作る |
| 協定届の記入に必要な情報(事業場、対象人数、期間など)を、過去の書類から探して転記 | 台帳の情報から協定届の記入項目に入れる元データを整理した下準備シートを作る |
| 繁忙期は更新案内が後回しになる | 繁忙期でも、期限に合わせて案内の下書きが毎月自動で用意される |
7-3. 社労士法との線引き:先生方が行う仕事はそのまま
ここで明確にしておきたいのは、労働基準監督署への届出手続きの代行(1号業務)や、協定書などの帳簿書類の作成(2号業務)、それにもとづく最終確認・承認は、先生方が行う仕事のままだということです。AIが担うのは、その前段にある事務作業、つまり台帳の整理、期限の抽出、資料回収の一次対応、書類の下準備までです。AIの出力は、必ず事務所の人が確認してから、顧問先へ出します。
なお、AIに任せるときの前提として、顧問先ごとのルール(協定の起算日、事業場の数、組合の有無、締め日や支給日など)を、最初に仕組みへ登録しておく必要があります。ここを言語化できているかどうかが、成果の差になります。この点は、後の章でお話しします。
08 BUILD OR DELEGATE 増員・外注・自作では、協定管理と資料回収は片づかない 4つの選択肢のうち3つは、事務所の悩みを別の悩みに置き換えるだけ
協定の期限管理や資料回収が負担になったとき、事務所が考える対策は、おおむね次の4つです。結論から言うと、4つのうち3つは、事務所の悩みを別の悩みに置き換えるだけです。
| 選択肢 | よくある期待 | 実際に行き詰まる所 | 判定 |
|---|---|---|---|
| ①職員を増やす | 人手が増えれば期限管理も資料回収も追いつく | 採用と教育に時間がかかり、繁忙期に間に合わない。閑散期には人件費が残り、顧問先ごとのルールが属人化してかえって引き継ぎが難しくなる | ❌ |
| ②従来型の外注・BPO | 事務所の手を離せる | 顧問先ごとの協定の種類・期限・ルールを外注先に説明する負担と、上がってきた結果の手直しが事務所に残る | ❌ |
| ③事務所でAIを自作する | ツールを入れれば自動化できる | 顧問先ごとのルールの言語化、出力の検証の型づくり、作った人しか直せない第二の属人化という壁がある | ❌ |
| ④AI社員AIKATAに任せる | 作業そのものをまるごと預けられる | (該当なし) | ✅ |
09 WHAT IS AIKATA AI社員AIKATAとは——事務所の事務作業を丸ごと受託するサービス 増員・外注・自作のどの壁にも引っかからない、4つめの選択肢
AI社員AIKATA(AI社員AIKATAを運営する弊社・株式会社GENAI)は、給与計算・勤怠の集計・入退社手続きの書類の下準備・算定基礎届や労働保険の年度更新の下準備・帳票の作成・顧問先への資料回収や一次対応など、職員がパソコンで行っている事務作業を、AIと人の二重体制で丸ごと受託する業務代行サービスです。
仕組みの構築・運用はAIKATA側が行うため、事務所にAIの知識は不要です。協定の台帳整理や期限の確認、顧問先への資料回収の一次対応も、この「職員の事務作業を預ける」という枠組みの中で、事務所の運用に合わせて整理します。無料相談は60分・オンライン(Google Meet)で、業務の棚卸しと、どこまで任せられるかの整理を行います。契約の義務はなく、全国対応です。NDAを結び、給与・人事のデータの受け渡しと保管のルールは、事務所の規程に合わせて決めます。料金は月額の定額制で、業務量が増えても料金は変わりません。
10 COMPARISON & CONCLUSION 残る道は「作業そのものを任せる」だけ 手作業・ソフトの追加・乗り換え・AIKATA、3つを並べて比較する
| 手作業のまま | ソフトの追加・乗り換え | AIKATAに任せる | |
|---|---|---|---|
| 繁忙期の負荷 | ❌ 協定の更新が後回しになり、期限切れのリスクが高まる | △ 入力は楽になるが、回収と確認は人が行う | ✅ 繁忙期でも期限に合わせて下準備が進む |
| 顧問先ごとのルール | △ 職員の頭と個人のファイルにある | △ ソフトの設定で一部だけ吸収 | ✅ 仕組みに登録され、担当者が変わっても残る |
| 顧問先への負担 | ✅ ソフト変更なし | ❌ ソフトの乗り換えを依頼する必要がある | ✅ いまのソフトのまま、変更不要 |
| 職員の採用・教育 | ❌ 採用難と属人化が続く | △ 操作の研修が必要 | ✅ 事務所にAIの知識は不要 |
| 社労士法の線引き | ✅ 全部事務所が行うので明確 | ✅ 明確 | ✅ 提出代行・帳簿書類の作成は事務所に残し、事務作業だけ任せる |
10-1. AI社員AIKATAが選ばれる5つの理由
増員・外注・自作・乗り換えは、どれも事務所が人か仕組みを抱え続けることになります。作業を手放せる道は、AIKATAに任せることだけです。協定の台帳管理の仕組みができれば、同じ考え方を法改正の周知文書の下準備や、年次有給休暇の付与日数の管理といった、ほかの定型業務にも広げていけます。
次の繁忙期を、職員を増やさずに越える準備を始めませんか
顧問先ごとの協定の種類・期限・届出状況の整理や、更新時の資料回収は、人を増やす・ソフトを替えると決める前に、どの作業から任せられるかを整理するのが近道です。
無料相談(60分・オンライン)では、いまの事務所の業務を棚卸しし、協定の台帳管理や資料回収のような繰り返しの作業のうち、何を任せられるかをその場で整理します。
更新期限の見落としを防ぐ体制は、顧問先からの信頼にもつながります。契約の義務はありませんので、現状の整理だけでもお使いください。
職員を増やす・外注する・AIを自作する・ソフトを替える——どの道を選んでも、集計・入力・確認の作業か、それを回す人と仕組みが事務所に残り続けます。
AI社員AIKATAなら、いまお使いの給与ソフト・手続きソフトはそのまま、顧問先ごとのルールも登録して処理し、事務所に残るのは仕上がりの確認と承認だけです。どの業務から任せられるかは、無料相談(60分・オンライン)でその場で整理します。
NEXT STEP
事務所の定型業務を、
AI社員に任せてみませんか?
よくある質問
Q. 労働協約と労使協定の一番大きな違いは何ですか?
A. 締結の相手方と、効力の中身です。労働協約は、労働組合と使用者が労働条件の基準などを定める契約で、組合員の労働契約を直接規律する力(規範的効力)を持ちます。労使協定は、使用者と過半数組合または過半数代表者が、労働基準法などが認める例外を使うために結ぶ協定で、法律の禁止を解く(免罰)ことが中心の効力です。
Q. 労働協約と労使協定は、どちらが優先されますか?
A. そもそも別の仕組みで、同じ階層で競合するものではありません。労働条件の基準としては、法令、労働協約、就業規則、労働契約の順で優先されます。労使協定は法律の例外を使うための手続きなので、労働条件の優先順位とは別に考えます。ただし、同じ事項について協約でより厳しい基準を定めている場合は、組合員との関係では協約の基準が適用されます。
Q. 労働協約の有効期間は何年ですか?
A. 定める場合は3年が上限です(労働組合法第15条)。3年を超える期間を定めても3年になります。期間を定めなかった場合は、当事者の一方が、署名または記名押印した文書で90日前までに予告することで解約できます。
Q. 36協定は労働協約でも結べますか?
A. 過半数組合がある事業場では、労働協約の形式で36協定の内容を定める運用があります。東京労働局の手引きでは、労働協約による36協定の場合は有効期間の定めを必ずしも置かなくてよいとされています。ただし、労働基準監督署への届出など、36協定として必要な要件は満たす必要があるため、顧問先の運用を個別に確認してください。
Q. 過半数代表者を会社が指名してもよいですか?
A. いけません。厚生労働省は、過半数代表者が管理監督者でないこと、投票・挙手などの民主的な手続きで選出されること、使用者の意向で選出された者でないことを要件として示しています。使用者が指名した者との協定は、有効に成立していないと扱われるおそれがあります。
Q. 社労士法上、協定の管理や資料回収をAIに任せて問題ありませんか?
A. 労働基準監督署への届出手続きの代行(1号業務)や、協定書などの帳簿書類の作成(2号業務)、それにもとづく最終確認・承認は、先生方が行う仕事のままです。AI社員AIKATAが担うのは、その前段の事務作業、つまり台帳の整理、期限の抽出、資料回収の一次対応、書類の下準備までで、AIの処理結果は人が品質チェックし、事務所が最終確認と承認を行います。
Q. 今使っている給与ソフトや勤怠システムのままでAI社員AIKATAを利用できますか?
A. 利用できます。AI社員AIKATAは特定のソフトに限定せず、いま事務所が使っているソフトをそのまま使い、画面操作を含めて自動化する仕組みです。顧問先にソフトの乗り換えを依頼する必要はありません。顧問先ごとの締め日・支給日・手当などの個別ルールは、仕組みに登録して処理します。
あわせて読みたい:同じテーマの記事
AI社員AIKATAへのお問い合わせ
この記事を読んで気になった方へ。
専門スタッフが、御社に最適な
業務自動化・業務代行プランを無料でご提案します。



