【2026年11月最新】厚生年金保険料の計算方法とは?標準報酬月額・賞与・引かれすぎの確認を社労士事務所向けに整理
01 ANSWER FIRST 厚生年金保険料は、標準報酬月額・標準賞与額に保険料率18.3%を掛け、労使で折半して計算します
厚生年金保険料の計算方法は、月々の給与では「標準報酬月額×18.3%」、賞与では「標準賞与額(千円未満切捨て)×18.3%」で全体の額を出し、その半分を被保険者が負担し、残りの半分を事業主が負担します。日本年金機構の案内では、保険料率は平成29年9月に引上げが終わり、18.3%で固定されています。被保険者の負担は9.15%です。
顧問先の従業員からは、「厚生年金が高すぎる」「給与明細の金額が合っているか確認したい」「9月から保険料が上がった」という質問が、毎年のように届きます。9月は定時決定の結果が反映される時期で、標準報酬月額が変わると、実際の給与は同じでも天引きの額が変わります。給与計算を担当する顧問先の担当者は、この仕組みを知らないまま、従業員への説明に困ることがあります。
本記事では、所長・管理者・職員の方に向けて、厚生年金保険料の計算の流れ、標準報酬月額と標準賞与額の決まり方、免除や月末在籍のルール、引かれすぎの確認の手順を整理します。後半では、毎月・毎年繰り返す確認や転記といった事務作業を、AI社員AIKATAが引き受け、先生方が判断と届出手続きを担う分担を説明します。保険料率や等級などの数字は、日本年金機構の公表資料で確認できる範囲で書き、最新の額は保険料額表で確認する前提です。
出典:日本年金機構「厚生年金保険料額表」(最新の内容は公式ページで確認してください)。
02 OFFICE PRACTICE 厚生年金保険の仕組み・計算方法・標準報酬の決まり方・免除と精算を、事務所の確認順に整理します
2-1. 厚生年金保険とは何か:社会保険の一つで、国民年金に上乗せされる制度です
📚 用語解説
厚生年金保険:会社などの適用事業所に使用される人が加入する公的年金制度です。加入者は国民年金にも同時に加入し、老齢・障害・死亡の際に、国民年金の基礎年金に上乗せして厚生年金が支給されます。
📚 用語解説
被保険者区分:厚生年金保険の被保険者は、第1号(民間の会社員など)から第4号まで、勤務先の種類で区分されます。民間企業の従業員の多くは第1号厚生年金被保険者です。
厚生年金保険は、健康保険・介護保険・雇用保険・労災保険と並ぶ社会保険の一つです。国民年金が、日本に住む20歳以上60歳未満の全員が加入する基礎的な年金であるのに対し、厚生年金は、会社などに使用される人が、国民年金に上乗せして加入します。保険料は、給与に比例して決まり、事業主が半分を負担する点が、国民年金(定額の保険料)との大きな違いです。
適用事業所に常時使用される70歳未満の人が、原則として被保険者になります。正社員のほか、勤務時間や日数が正社員の4分の3以上のパート・アルバイトも対象です。短時間労働者への適用は拡大が進められており、事業所の規模や賃金などの要件は、日本年金機構の案内で最新の内容を確認します。70歳に達すると被保険者資格を失い、保険料の負担がなくなります。
被保険者区分は、第1号から第4号まであります。第1号は民間企業に勤める人、第2号は国家公務員、第3号は地方公務員、第4号は私立学校の教職員です。給与計算の実務では、大半が第1号厚生年金被保険者で、保険料率も一律に18.3%で扱います。
出典:日本年金機構「厚生年金保険」(最新の内容は公式ページで確認してください)。
2-2. 厚生年金保険料の計算式:保険料率は一律18.3%、労使で折半します
毎月の給与に対する保険料は、標準報酬月額に18.3%を掛けて出します。この額を、被保険者と事業主が半分ずつ負担します。たとえば標準報酬月額が30万円の場合、保険料は54,900円で、折半した従業員の負担は27,450円です。標準報酬月額が20万円なら、保険料は36,600円で、従業員の負担は18,300円になります。
賞与に対する保険料は、賞与の額から千円未満を切り捨てた標準賞与額に18.3%を掛けます。賞与が100万円の場合、保険料は18万3,000円で、従業員の負担は9万1,500円です。標準賞与額には、同じ月に支給された賞与の合計で上限があり、日本年金機構の案内では150万円とされています(最新の額は公式の案内で確認します)。
端数の処理は、被保険者の負担分について、事業主が給与から控除する場合、50銭以下は切り捨て、50銭を超える場合は切り上げるのが原則です。事業主と被保険者の間で特約がある場合は、その取り決めによります。保険料は会社が半分を負担するため、顧問先の経営者には、従業員の天引きと同額を会社が別に払っていることを、見積もりの際に伝えます。
| 項目 | 計算式 | 例 |
|---|---|---|
| 月々の給与 | 標準報酬月額 × 18.3%(半分が従業員の負担)。 | 標準報酬月額30万円なら、全体54,900円、従業員27,450円。 |
| 賞与 | 標準賞与額(千円未満切捨て)× 18.3%。 | 賞与100万円なら、全体183,000円、従業員91,500円。 |
| 事業主の負担 | 全体の半分。 | 従業員の負担と同額を、会社が負担。 |
出典:日本年金機構「厚生年金保険料額表」「保険料率」(最新の内容は公式ページで確認してください)。
2-3. 標準報酬月額とは何か:給与を区切りのよい額に当てはめた基準です
📚 用語解説
標準報酬月額:被保険者の毎月の報酬を、一定の幅で区切った等級の金額に当てはめたものです。厚生年金保険では、日本年金機構の保険料額表で、等級ごとの金額と保険料が示されています。
標準報酬月額は、基本給のほか、残業手当、通勤手当、家族手当、住宅手当などの報酬を合計した額を、等級表に当てはめて決めます。現在の厚生年金保険の標準報酬月額は、88,000円から650,000円までの32等級です。2020年の改正で、上限が62万円から65万円に引き上げられました。
2025年の年金制度改正法により、2027年9月以降、標準報酬月額の上限が段階的に引き上げられる予定です。各解説では、68万円、71万円、75万円と段階的に上がると紹介されています。対象になるのは、報酬が高い一部の被保険者で、65万円以下の人には影響がありません。時期と金額は、日本年金機構と厚生労働省の公表資料で確認してから、顧問先へ案内します。
標準報酬月額が高いほど、保険料も高くなり、将来の老齢厚生年金の額も大きくなります。給与が増えたのに、保険料が増えて手取りが減ったという相談は、この仕組みによるものです。保険料額表の等級と、実際の報酬の幅を並べて説明すると、従業員の納得が得やすくなります。
2-4. 標準報酬月額の決め方:資格取得時・定時決定・随時改定・産休育休終了時改定
📚 用語解説
定時決定:毎年7月1日現在の被保険者について、4月・5月・6月に支払われた報酬の平均額から、その年の9月以降の標準報酬月額を決める手続きです。算定基礎届を年金事務所へ提出して行います。
資格取得時の決定は、入社した時点で、見込まれる報酬の額で標準報酬月額を決める方法です。入社後の最初の保険料の計算は、この額によります。定時決定は、毎年7月1日現在の被保険者について、4月・5月・6月に支払われた報酬の平均額で、その年の9月から翌年8月までの標準報酬月額を決める方法です。算定基礎届の提出が必要で、9月分の保険料(10月に支払う給与から控除する場合が多い)から反映されます。
随時改定は、昇給や降給などで固定的賃金に変動があり、変動後の3か月間の報酬の平均額が、従来の等級と2等級以上の差が生じた場合に、4か月目から標準報酬月額を改定する方法です。月額変更届を提出します。産前産後休業終了時改定と育児休業等終了時改定は、休業から復帰した後に、報酬が下がった場合に、申出により標準報酬月額を改定する方法です。
実務では、残業代の変動などで定時決定の結果が上がることが多く、9月の保険料アップの質問につながります。顧問先には、算定基礎届の時期(7月)に、4月から6月の報酬の内訳(基本給、手当、残業手当)を確認する運用をすすめます。
出典:日本年金機構「標準報酬月額の決め方」(最新の内容は公式ページで確認してください)。
2-5. 標準賞与額とは何か:賞与の保険料と、含まれる手当の考え方です
📚 用語解説
標準賞与額:賞与(年3回以下で支給されるもの)の額から、千円未満を切り捨てた額です。厚生年金保険では、同じ月に支給された賞与の合計に上限があり、保険料はこの標準賞与額に保険料率を掛けて計算します。
賞与の保険料の対象になるのは、年3回以下の支給で、労働の対価として支払われるものです。年4回以上支給される賞与は、賞与ではなく給与(標準報酬月額の算定の対象)として扱います。決算賞与や期末手当のように名称が異なっても、実態で判断します。標準賞与額に含まれる手当の範囲は、通貨や現物で支給される報酬のうち、賞与として扱われるものです。
賞与から控除する保険料は、賞与の支払月ごとに計算します。賞与支払届を、支払日から5日以内に年金事務所へ提出する必要があります。賞与の額が標準賞与額の上限を超える場合は、超えた分に保険料がかからないため、役員賞与や高額な賞与の確認が必要です。
賞与を支給する顧問先の給与計算では、賞与の月に、給与と賞与の保険料を別々に計算して、同じ明細に表示します。毎月の給与の保険料と混同して、標準報酬月額で賞与の保険料を計算してしまう間違いが、よく見られます。
2-6. 保険料率はどう決まるのか:法律で固定され、労使折半が原則です
厚生年金保険の保険料率は、年金制度の改正により、平成16年から段階的に引き上げられ、平成29年9月に18.3%で固定されました。それ以降、保険料率は変わっていません。健康保険の保険料率が、協会けんぽの支部ごとに毎年見直されるのとは異なります。
従業員から「保険料が上がった」と言われた場合、料率の変更ではなく、標準報酬月額の変更(定時決定や随時改定)が原因であることがほとんどです。この点を最初に伝えると、誤解が解けます。
保険料の納付は、事業主が行います。納期限は、保険料の対象月の翌月末日です。給与から控除するのは、前月分の保険料が一般的で、控除のタイミングと対象月を取り違える間違いが、新人の担当者にはよくあります。
2-7. 納付の方法と期限:口座振替・窓口・電子納付
厚生年金保険料の納付方法は、口座振替、金融機関の窓口での納付、電子納付があります。年金事務所から送付される納入告知書や、保険料の納付書に基づいて、納期限までに納めます。口座振替を使う顧問先では、振替の日と、給与の控除の月がずれるため、混乱が生じることがあります。
納付が遅れると、延滞金が加算される場合があります。納付書の送付状況、振替の日、納付済みの確認を、顧問先ごとに管理します。電子納付は、インターネットバンキングを使って行う方法で、事務所が代行して納付する運用は、委任の範囲に関わるため、顧問先との契約で確認します。
2-8. 産休・育休中の保険料の免除と、年の途中で等級が変わったときの精算です
産前産後休業中と育児休業中は、事業主が年金事務所へ申出をすることで、被保険者負担分と事業主負担分の両方の保険料が免除されます。月末時点で休業している場合や、同じ月内に14日以上の育児休業を取得した場合などが、免除の対象となる基本的な要件です。免除期間中も、将来の年金額の計算では、保険料を納めた期間として扱われます。
年の途中で標準報酬月額の等級が変わった場合は、変更後の等級を反映する月(変更反映月)から、新しい保険料に切り替えます。随時改定の結果は、変更反映月以降の保険料に反映され、遡って精算するのではなく、改定後の月から新しい額で計算します。企業の管理のポイントは、等級が変わった月と、給与から控除する月(翌月控除が多い)の対応を、台帳で管理することです。
免除の申出が遅れると、保険料の取扱いが複雑になります。休業の開始が決まった時点で、申出の予定日を台帳に登録しておく運用が確実です。復職時には、育児休業等終了時改定の申出の要否も、あわせて確認します。
2-9. 複数事業所に勤務する場合と、退職・転職時の月末在籍ルールです
複数の事業所に勤務する人が、それぞれの事業所で厚生年金の加入要件を満たす場合は、一定の要件のもとで加入が必要です。この場合、それぞれの事業所で受ける報酬を合算して標準報酬月額を決め、保険料は、各事業所の報酬の割合に応じて按分されます。二以上の事業所に勤務する人の届出は、年金事務所へ行います。
退職時には、月末在籍のルールがあります。保険料は、被保険者資格を取得した月から、資格を喪失した月の前月まで徴収されます。資格喪失日は、退職日の翌日です。月の末日に在籍して退職する場合は、その月の分まで保険料がかかり、月の途中で退職する場合は、その月の保険料はかかりません。
転職で、月の途中に前の会社を辞め、同じ月に新しい会社に入る場合は、二重払いの確認が必要です。同じ月に資格の取得と喪失があり、その月に別の事業所で加入した場合の取扱いは、日本年金機構の案内で確認します。退職日の設定が、保険料に影響することを、顧問先の経営者に伝えます。
2-10. 「引かれすぎ」を確認する手順と、返還の考え方です
確認の手順は、まず給与明細の厚生年金保険料の額を確認し、次に標準報酬月額の等級を確認します。保険料額表で、その等級の被保険者負担額(折半額)を調べ、明細の額と照合します。端数の処理が違うだけの場合もあるため、1円単位の差は、50銭の端数処理を確認します。
次に、標準報酬月額が適正かを確認します。定時決定や随時改定の結果が、通知書と一致しているかを、顧問先の担当者に確認します。休業による免除が適用されるべき月に、控除されていないかも、あわせて確認します。
実際に保険料が引かれすぎていた場合は、事業主が過大に控除した分を従業員に返還するのが原則です。納付した保険料の誤りは、年金事務所への訂正の手続きが必要で、訂正の方法は、事務所が顧問先と確認して進めます。時効や調整の方法は、日本年金機構の案内で確認します。
2-11. 厚生年金の平均受給額と、保険料が将来の年金に反映される仕組みです
厚生年金保険料の額は、標準報酬月額と加入期間をもとに、将来の老齢厚生年金の額に反映されます。老齢厚生年金のほか、障害厚生年金、遺族厚生年金も、厚生年金に加入していることで受け取れる可能性があります。保険料は、負担だけでなく、老後と万一のときの保障を含む制度です。
平均受給額は、厚生労働省が毎年公表する年金の概況で確認できます。年度によって金額が変わるため、記事や資料に書く場合は、年度と出典を明記します。給与から天引きされる保険料のシミュレーションと、将来の受給額を並べて示すと、従業員の理解が進みます。
給与の天引きの額が気になる従業員には、保険料の半分を会社が負担していること、免除の制度があること、将来の年金額に反映されることを、順に伝えます。事務所が顧問先に提供する説明資料に、この3点を入れておくと、問い合わせが減ります。
2-12. 給与計算ソフトで効率化する前に、確認の型を決めておきます
給与計算ソフトを使うと、標準報酬月額を設定すれば、保険料が自動で計算されます。ただし、等級の更新を忘れると、古い等級のまま計算が続きます。定時決定の結果の反映(9月)、随時改定の反映、免除の設定、退職月の控除の確認は、ソフトの設定を人が確認する場面です。
顧問先ごとに、使う給与ソフトが異なり、設定の画面も違います。事務所の職員が、複数のソフトの操作を覚えて、毎月確認する負担は小さくありません。確認の型(チェック表)を固定し、誰でも同じ順序で確認できる運用が、属人化を防ぎます。
2-13. 加入条件・新規加入の方法・保険料の免除など、関連する手続きの整理です
厚生年金保険の適用事業所には、法人の事業所と、一定の業種で従業員が5人以上の個人事業所(強制適用)があります。これ以外の事業所でも、従業員の同意と認可を得て、任意適用事業所として加入できます。新規に加入する方法は、年金事務所へ、新規適用届などを提出する手続きです。
従業員側の加入条件は、適用事業所に常時使用され、70歳未満であることです。短時間労働者は、事業所の規模や労働時間、賃金などの要件を満たす場合に加入します。被保険者とされないケースとして、日々雇い入れられる人、2か月以内の期間を定めて使用される人(一定の場合を除く)、季節的業務に4か月以内で使用される人などがあります。
休業後の保険料の支払い、保険料が免除されるときの扱い、法改正に関する最新の動きは、日本年金機構の案内で定期的に確認します。標準報酬月額の上限引き上げのように、数年先に施行される改正は、顧問先への案内の時期を、事務所の年間予定に登録しておきます。
2-14. 厚生年金基金・企業年金・公的年金との関係と、受け取れる年金の種類
公的年金は、国民年金と厚生年金の2階建てです。企業年金は、会社が独自に設ける上乗せの制度で、確定給付企業年金、企業型確定拠出年金などがあります。厚生年金基金は、かつて厚生年金の一部を代行していた制度で、現在は新設ができません。顧問先に企業年金がある場合は、保険料の計算とは別に、掛金の処理も確認します。
厚生年金に加入していることで受け取れる年金は、老齢厚生年金、障害厚生年金、遺族厚生年金です。それぞれ、受給の要件や額の計算が異なり、保険料を納めた期間と標準報酬が影響します。給与計算の担当者が、細かい受給の要件まで答える必要はありませんが、制度の全体像を伝える程度の知識は、顧問先への信頼につながります。
2-15. 従業員への説明と回答の型:ゼロから考えず、半分負担と全額免除を軸に伝えます
従業員への厚生年金の説明は、3つの軸で整理します。第一に、保険料は会社が半分負担していること(半分負担)。第二に、産前産後休業・育児休業中は、事業主の申出により全額免除されること(全額免除)。第三に、納めた保険料は将来の老齢厚生年金などに反映されること、です。9月の保険料アップの質問に、ゼロから回答を考える必要はなく、定時決定で標準報酬月額が変わったことを伝える型を持っておきます。
手続きは、事業主と労働者の双方に関わります。企業側の管理ポイントは、休業や等級の変更を台帳で管理し、申出や届出の期限を守ることです。労働者双方の立場で言えば、従業員は自分の標準報酬月額の等級を通知書で確認でき、事業主はその等級に基づいて給与から控除します。慎重に計算するために、毎月の確認の型を固定することが大切です。
厚生年金の平均受給金額は、厚生労働省の年金の概況などで確認でき、年度によって変わります。数字を示す場合は、年度と出典を添えます。厚生年金料の天引きと、受け取る年金を並べて示すと、従業員への説明が伝わりやすくなります。
2-16. 標準報酬月額の入社時決定・随時決定と、育児休業終了時改定の確認です
入社時決定は、入社した月の報酬の見込みで標準報酬月額を決めます。固定的賃金と非固定的賃金(残業手当など)を見込んで決定します。随時決定(随時改定)は、昇給・降給で固定的賃金が変わり、継続した3か月の平均で2等級以上の差が出たときに、4か月目から改定します。
産前産後休業・育児休業終了時改定は、休業から復帰した後、3か月間の報酬の平均により、1等級以上の差が出る場合に、申出により改定する手続きです。育児休業終了時改定を忘れると、休業前の高い標準報酬月額のまま保険料を払い続けることになり、従業員の負担が大きくなります。復帰の予定が決まった時点で、台帳に申出の要否を登録しておきます。
2-17. 複数就業者・個人経営事業所・加入方法:義務付けと一定要件の整理です
複数就業者でも、一定要件を満たせば、それぞれの事業所で厚生年金への加入が必要です。厚生年金加入が必要な場合、報酬を合算して標準報酬月額を決め、保険料は按分します。事業主側の加入条件は、法人は業種にかかわらず義務付けられ、個人経営事業所は、一定の業種で従業員が5人以上の場合に義務付けられます。
加入方法は、年金事務所に新規適用の届出を行います。個人経営事業所で、義務付けのない業種や従業員が5人未満の場合は、従業員の2分の1以上の同意を得て、認可を受けることで任意適用事業所になれます。保険料の算出方法は、いずれの場合も、標準報酬月額に保険料率を掛ける方法です。
03 BOTTLENECK 顧問先の保険料の確認と等級の更新を、職員の手作業だけで回す限界です
3-1. 顧問先の数だけ、等級・免除・精算・控除月の確認が増えます
顧問先が増えると、毎月の給与計算で確認する従業員の数が増え、定時決定、随時改定、休業の免除、退職月の控除の確認が、同時に発生します。7月の算定基礎届、9月の新しい等級の反映、年末の賞与の月と、繁忙期が重なります。
顧問先ごとに、締め日、支給日、手当の内容、使う給与ソフトが違います。等級の更新の確認は、通知書の回収、ソフトへの入力、前月との差分の確認という作業が連続し、担当者の記憶や個人のメモに頼る運用では、漏れが出ます。
ソフトを足しても、資料を集め、台帳へ転記し、期限を管理する人が同じなら、事務所の仕事の持ち方は変わりません。繁忙期のために職員を増やしても、教育の時間が先に必要になります。
3-2. ソフトを替えなくても、作業そのものを任せる道があります
標準報酬月額の判断、算定基礎届・月額変更届・賞与支払届などの作成・届出、顧問先の経営者への説明は先生方が担います。一方、勤怠の回収と集計、通知書の回収状況の管理、ソフトへの等級や控除額の入力、前月との差分の確認、不足資料の問い合わせの下書きは、手順を整理できる事務作業です。
AI社員AIKATAは、今の事務所のシステムを使って、職員がパソコンで行う事務作業をAIと人の二重体制で受託します。ソフトの乗り換えを求める前に、給与計算の前工程からどこを任せられるかを整理する道があります。
04 AUTOMATION AI社員AIKATAが事務作業を回し、先生方が判断と承認を担います
4-1. AIに聞く効率化と、毎月の作業を回す自動化は違います
Claude Code/CodexなどのAIツールに、給与計算の勤怠集計・社会保険料の控除額の確認・台帳更新の式や確認項目の案を聞くことは効率化です。ただ、職員がその都度質問し、資料を選び、結果を転記する運用では、毎月の作業を起動する人が必要です。制度の説明をAIから得る場合も、法令や公的資料に照らして先生方が内容を確認します。
自動化で目指すのは、毎月発生する資料の回収・集計・入力・チェックを、一連の工程として回すことです。AI社員AIKATAはこの事務作業を受託し、顧問先ごとの締め日・支給日・手当などのルールを登録して処理します。顧問先ごとの締め日、支給日、手当のルールに沿って、勤怠の回収・集計、通知書の等級の入力、保険料の控除額の差分確認、不足資料の問い合わせの下書きまでを、一連の工程として処理します。仕組みの構築と運用は、事務所が自ら持ち続ける必要がありません。
次の図は、AI社員AIKATAが受託する事務作業と、事務所が保持する業務の分担を示します。個別の判断事項は、事務所が確認したルールを前提にします。法定の申請書や帳簿書類の作成、行政機関への提出手続きを、AI社員AIKATAが代行する図ではありません。
| これまで職員が行っていた事務作業 | AI社員AIKATAに任せた後 | 事務所に残す役割 |
|---|---|---|
| 顧問先へ勤怠や通知書の提出を依頼し、催促します。 | 資料回収や一次対応を受託します。 | 必要な資料と照会範囲を確認します。 |
| 等級や控除額を、給与ソフトへ手で入力します。 | 登録した顧問先ごとのルールに沿って整理・入力します。 | 標準報酬月額の判断と、届出の内容を決めます。 |
| 前月との差分を見比べて、保険料の変動を探します。 | 今のシステムを使い、画面操作を含めて下書きまで進めます。 | 差分の内容を確認し、送付を承認します。 |
| 出来上がった集計を見直します。 | AIの処理結果を人が品質チェックします。 | 業務を受任する事務所として最終確認・承認します。 |
| 法定の書類作成や行政機関への手続きを行います。 | 前段階の資料整理・下準備を担います。 | 1号・2号業務そのものは先生方が行います。 |
4-2. 社労士法の線引きは、承認ボタンだけで済ませないことです
社労士法上の1号業務に関わる申請書等の作成・行政機関への提出手続きの代行、2号業務に関わる労働社会保険諸法令に基づく帳簿書類の作成は、先生方が行います。AI社員AIKATAはこれらの独占業務を引き受けません。AI社員AIKATAが担うのは、給与計算、勤怠集計、必要書類の下準備、顧問先への資料回収や一次対応など、その前の事務作業です。
今回のテーマでは、標準報酬月額の判断、算定基礎届・月額変更届・賞与支払届・免除の申出などの届出書類の作成・提出手続きを、AI社員AIKATAの受託対象と明確に分けます。受託するのは、給与計算の前段階の集計、入力、差分の確認、資料の整理までで、判断と提出は先生方の業務です。
日々の定型的な受託業務では、事務所の作業は原則として計算済みの給与データや作成済みの帳票の最終確認・承認です。ただし、独占業務の実施、顧問先のルール変更に伴う判断、例外的な法的検討までなくなるという意味ではありません。専門業務を保持しながら、その前の集計や転記を手放す分担です。
出典:全国社会保険労務士会連合会「社労士についてのよくある質問」独占業務の説明(最新の内容は公式ページで確認してください)。
05 MAKE OR DELEGATE 増員・外注・自作では、繁忙期の事務作業は片づかない
4つのうち3つは、事務所の悩みを別の悩みに置き換えるだけです。ここで比較する目的は、給与計算の勤怠集計・社会保険料の控除額の確認・台帳更新を回す人・仕組みの管理まで、事務所が抱え続けずに済むかどうかです。特定の会社やソフトの品質を評価する比較ではありません。
| 選択肢 | よくある期待 | 実際に行き詰まる所 | 判定 |
|---|---|---|---|
| ①職員を増やします。 | 担当者が増えれば処理できます。 | 採用・教育が繁忙期に間に合わず、閑散期にも人件費と管理が残ります。 | ✕ |
| ②従来型の外注・BPOを使います。 | 入力工程を外へ出せます。 | 工程だけの委託では、例外の説明・受渡し・手直しを事務所が持ち続けます。 | ✕ |
| ③事務所でAIを自作します。 | 繰り返す作業を自動化できます。 | ルールの言語化・検証・改修を行う人と仕組みが事務所に残ります。 | ✕ |
| ④AI社員AIKATAに任せます。 | 事務作業と仕組みの構築・運用を任せます。 | 事務所は専門業務と最終確認・承認を担う分担にします。 | ◎ |
5-1. 増員と工程単位の外注は、説明する仕事が残ります
増員では、新しい職員に法令と顧問先固有の扱いを覚えてもらう時間が必要です。前任者の表を渡すだけでは、なぜその取扱いを使っているかが伝わりません。顧問先ごとの手当の扱いや、等級の更新の確認方法は、担当者の頭の中にあることが多く、引き継ぎの資料にも残りにくい部分です。繁忙期に処理を増やすための採用が、新人の確認と教育を担当する熟練職員の仕事を増やす構造になります。
従来型の工程単位の外注では、資料を整える、例外を説明する、返ってきた結果を確認する、手直しを依頼する仕事が事務所に残ります。入力先と集計元が違い、顧問先のルール変更のたびに仕様を伝え直すなら、外へ出した工程の周囲を事務所がつなぐ状態です。委託件数が増えても、この負担がなくなるわけではありません。
5-2. AIの自作は、作った人しか直せない第二の属人化を生みます
Claude Code/Codexなどを使う場合も、顧問先の締め日、手当、勤怠区分、資料の置き方を言語化する必要があります。法的判断が必要な取扱いと、機械的に処理する条件を区別しなければ、誤った前提をそのまま繰り返す仕組みになります。給与計算の担当者が、その検証と改修まで兼務すると別の管理業務を抱えます。
通常のケースだけでなく、契約変更、申請の取消し、資料不足、退職などの場面を想定して検証します。担当者が異動したときに、処理の根拠と直し方を説明できる状態でなければ、表計算の属人化がAIの仕組みの属人化へ移るだけです。事務所の悩みが「入力する人が足りない」から「直せる人がいない」へ変わります。
06 AIKATA SERVICE AI社員AIKATAは、今のソフトで事務作業を丸ごと受託します
6-1. 勤怠集計から給与計算、資料回収までをAIと人で担います
AI社員AIKATAは、給与計算、勤怠の集計、入退社手続きの書類の下準備、算定基礎届や労働保険の年度更新の下準備、帳票の作成、顧問先への資料回収や一次対応などを受託する業務代行サービスです。法定の申請書や帳簿書類の作成・提出代行は受託範囲から外し、先生方が行います。
厚生年金保険料の確認を入口に考えるなら、まず顧問先ごとの給与計算の前工程(勤怠の回収、通知書の管理、控除額の入力)を棚卸しします。どの整理を任せ、どの判断と届出を事務所が行うかを明らかにすることで、毎月の確認を孤立した作業として抱えず、算定基礎や年度更新を含む年間の業務とのつながりで分担を整理できます。具体的な受託範囲は無料相談で確認します。
AI社員AIKATAは特定のソフトに限定しません。いま事務所が使っている給与ソフトや勤怠システムをそのまま使い、画面操作を含めて自動化します。顧問先へソフトの乗り換えを頼む必要がないため、事務所の改善のために、顧問先側の運用を一斉に入れ替えることを前提にしなくて済みます。
6-2. 個別ルールを残し、人が品質チェックしてから事務所へ戻します
AI社員AIKATAは、顧問先ごとの締め日・支給日・手当などの個別ルールを仕組みに登録して処理します。職員の記憶の中にある取扱いを、その職員が休んだときにも残る形にする考え方です。AIの処理結果は人が品質チェックし、最終確認と承認は事務所が行います。判断の責任と事務処理の担当を混同しません。
日々の受託した定型事務では、事務所の作業は原則として計算済み給与データや作成済み帳票の承認です。ここでいう帳票は、社労士法の独占業務に当たる帳簿書類の作成をAI社員AIKATAへ移す意味ではありません。先生方の法定業務は保持し、そのための基礎資料を整える事務を任せます。
AI社員AIKATAはNDAを結び、給与・人事データの受け渡しと保管のルールを事務所の規程に合わせて決めます。相談時には、事務所で定めている保存先や受渡し方法を確認し、委託する資料の範囲を整理します。
6-3. 繁忙期の処理量を増やすために、採用と教育を重ねる必要がありません
AI社員AIKATAは、仕組みの構築と運用を行います。事務所にAIの知識は要りません。繁忙期にも人を採用・教育せずに処理量を増やせるため、事務作業のための増員と教育を繰り返す運営から切り替えられます。料金は月額の定額で、業務量が増えても変わりません。
無料相談は60分のオンラインで、Google Meetを使い全国に対応します。業務を棚卸しし、どこまで任せられるかを整理します。契約の義務はありません。所長だけで作業の細部を思い出そうとするより、実際に回収・入力・確認をしている職員の方の状況を整理すると、対象業務を具体化しやすくなります。
07 DECISION 残る道は「作業そのものを任せる」だけです
給与計算の社会保険料の確認と等級の更新を正しく運用するには、事務所の専門性が欠かせません。その専門性を資料探しや転記に使い続けないために、ここでは「事務作業を回す負担を手放す」という目的で3つの道を比較します。記号はこの目的に対する整理であり、製品の性能や法的適合性の優劣を表すものではありません。
| 比較する項目 | 手作業のまま | ソフトの追加・乗り換え | AI社員AIKATAに任せます |
|---|---|---|---|
| 繁忙期の負荷 | ✕ 職員の回収・入力・照合が増えます。 | △ ソフト間の準備や確認を事務所が担います。 | ◎ 採用・教育をせずに受託事務の処理量を増やせます。 |
| 顧問先ごとのルール | ✕ 担当者の記憶と個別のメモに残ります。 | △ 設定と更新を事務所が管理します。 | ◎ 個別ルールを登録し、担当者が変わっても残ります。 |
| 顧問先への負担 | △ 不足資料の照会が繰り返されます。 | △ 新しい操作や受渡しの調整が必要です。 | ◎ 顧問先にソフトの乗り換えを頼む必要がありません。 |
| 職員の採用・教育 | ✕ 処理を増やす人の確保を抱えます。 | △ 運用する職員の教育が残ります。 | ◎ 構築・運用を任せ、AIの知識は不要です。 |
| 社労士法の線引き | ○ 先生方が専門業務を行います。 | ○ 先生方が専門業務を行います。 | ◎ 前段階の事務を受託し、1号・2号業務は先生方が行います。 |
7-1. AI社員AIKATAが選ばれる5つの理由
増員・外注・自作・乗り換えは、どれも事務所が人か仕組みを抱え続けます。作業を手放せる道はAI社員AIKATAに任せることだけです。ここで手放す対象は、委託する集計・入力などの事務作業です。法的判断、独占業務、最終確認・承認は先生方が担います。
08 NEXT ACTION 次の繁忙期を、職員を増やさずに越える準備を始めませんか
8-1. 勤怠集計と控除額の確認から、どの作業を任せられるか決めます
人を増やす・ソフトを替えると決める前に、AI社員AIKATAの社労士事務所向け無料相談で、毎月繰り返す作業を棚卸ししてください。「等級の更新の確認が顧問先ごとに追えない」「前月との差分を探す作業に時間がかかる」「勤怠の回収と催促に手がかかる」といった工程から、どの作業を任せられるかを具体的に整理します。
事務所で使うシステム、顧問先ごとの給与計算の時期、職員が毎月行う作業、先生方の承認の流れを確認すれば、最初に任せる業務と事務所に残す専門業務を話し合えます。相談は60分、Google Meetによるオンラインで全国に対応し、契約の義務はありません。給与・人事データの受け渡しと保管は、NDAと事務所の規程に合わせてルールを決めます。
職員を増やす・外注する・AIを自作する・ソフトを替える——どの道を選んでも、集計・入力・確認の作業か、それを回す人と仕組みが事務所に残り続けます。
AI社員AIKATAなら、いまお使いの給与ソフト・手続きソフトはそのまま、顧問先ごとのルールも登録して処理し、事務所に残るのは仕上がりの確認と承認だけです。どの業務から任せられるかは、無料相談(60分・オンライン)でその場で整理します。
NEXT STEP
事務所の定型業務を、
AI社員に任せてみませんか?
よくある質問
Q. 厚生年金保険料の計算方法を教えてください。
A. 毎月の給与は標準報酬月額に18.3%を掛け、賞与は千円未満を切り捨てた標準賞与額に18.3%を掛けます。この額を、被保険者と事業主が半分ずつ負担します。従業員の負担は9.15%です。
Q. 厚生年金保険料率は毎年変わりますか?
A. 変わりません。平成29年9月に引上げが終了し、18.3%で固定されています。9月に保険料が上がるのは、定時決定で標準報酬月額が変わるためです。
Q. 標準報酬月額は、どのように決まりますか?
A. 入社時の決定、毎年の定時決定(4〜6月の報酬の平均を、9月から適用)、固定的賃金の変動による随時改定、産前産後・育児休業終了時の改定があります。詳細は日本年金機構の案内で確認します。
Q. 産休・育休中の保険料は免除されますか?
A. 事業主が申出をすることで、被保険者負担分と事業主負担分の両方が免除されます。免除期間も、将来の年金額の計算では保険料を納めた期間として扱われます。
Q. 退職月の保険料は、いつまでかかりますか?
A. 資格喪失日は退職日の翌日で、保険料は資格を喪失した月の前月分まで徴収されます。月末に在籍して退職する場合は、その月の分まで保険料がかかります。
Q. 厚生年金保険料が引かれすぎている場合は、返還されますか?
A. 事業主が過大に控除していた場合は、従業員に返還するのが原則です。標準報酬月額の等級と保険料額表で確認し、誤りがあれば、年金事務所への訂正の手続きとあわせて対応します。
Q. 複数の会社で働いている場合、保険料はどうなりますか?
A. 各事業所で加入要件を満たす場合は、報酬を合算して標準報酬月額を決め、保険料は報酬の割合に応じて各事業所へ按分されます。届出は年金事務所へ行います。
Q. 社労士法上、AIに任せて問題ないですか?
A. 業務の線引きが前提です。AI社員AIKATAは、給与計算・勤怠集計・資料回収の一次対応・書類の下準備などを担い、1号・2号業務である申請書等や法定帳簿書類の作成、行政機関への提出代行は引き受けません。最終確認・承認は先生方が行います。
Q. 今のソフトのままで使えますか?
A. AI社員AIKATAは特定のソフトに限定せず、今の給与ソフト・勤怠システムを使って画面操作を含めて自動化します。顧問先へソフトの乗り換えを頼む必要はありません。どの資料回収・集計・入力から任せられるかは、無料相談で実際の業務を確認して整理します。
Q. 事務所にAIの知識がなくても相談できますか?
A. 相談できます。AI社員AIKATAが仕組みの構築・運用を行うため、事務所にAIの知識は要りません。無料相談は60分のオンラインで全国に対応します。業務の棚卸しと受託範囲を整理し、契約の義務はありません。
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