【2026年10月最新】雇用保険と社会保険の違いとは?加入条件・保険料率・扶養の有無を社労士事務所向けに早見表で整理し、資格取得の事務をAIに任せる方法
「新しく雇った短時間のスタッフは、雇用保険だけでよいのか、社会保険にも入れるのか」「雇用保険と社会保険は何が違うのか、顧問先の担当者にわかりやすく説明してほしい」——入社のたびに、顧問先から届く相談です。
結論から言うと、雇用保険は「失業・休業・育児休業などで収入が途絶えるリスク」に備える保険、社会保険(狭義の社会保険=健康保険と厚生年金保険)は「病気・けが・老後・障害などのリスク」に備える保険です。目的も、窓口も、加入条件も、保険料の決め方も別物なので、「片方に入っているから、もう片方も大丈夫」とは言えません。
この記事では、社労士事務所の所長・職員の方に向けて、2つの保険の違いを早見表で整理します。後半では、入社のたびに繰り返される加入条件の確認と資格取得の書類の下準備を、弊社(株式会社GENAI)が運営する業務代行サービス「AI社員AIKATA」に任せる方法も説明します。
01 OVERVIEW 雇用保険と社会保険とは?そもそもの仕組みと、広義・狭義の違い 「社会保険」という言葉が指す範囲を、先に揃える
最初に、言葉の範囲を揃えます。「社会保険」という言葉は、場面によって指す範囲が変わります。顧問先との会話がかみ合わない原因の多くは、ここにあります。
📚 用語解説
広義の社会保険と狭義の社会保険:広義の社会保険は、健康保険・介護保険・厚生年金保険・雇用保険・労災保険の5つを含む総称。狭義の社会保険は、健康保険(40歳以上は介護保険を含む)と厚生年金保険を指す。雇用保険と労災保険は「労働保険」と呼ばれ、狭義の社会保険とは窓口も手続きも別になる。
1-1. 雇用保険とは:失業や休業、育児休業などのときに生活を支える保険
雇用保険は、労働者が失業したときや、育児休業・介護休業で働けないとき、自ら能力開発に取り組むときなどに、給付を行って生活と雇用の安定を図る保険です。失業したときの基本手当(いわゆる失業手当)が代表的で、教育訓練給付や育児休業給付も、この保険から支給されます。手続きの窓口は、公共職業安定所(ハローワーク)です。
1-2. 社会保険(狭義)とは:病気・けが・老後・障害などに備える保険
狭義の社会保険は、健康保険と厚生年金保険の2つです。健康保険は、業務外の病気やけが、出産などのときに医療費の一部負担や給付を受けられる仕組みで、40歳から64歳までの被保険者は、介護保険の保険料も合わせて負担します。厚生年金保険は、老齢・障害・死亡のときに年金が支給される仕組みです。手続きの窓口は、年金事務所(健康保険組合に加入している場合は、健康保険組合も関係します)です。
1-3. 雇用保険は広義の社会保険に含まれる:労働保険という分け方
雇用保険は、広義では社会保険に含まれます。ただし、実務では「労働保険(労災保険と雇用保険)」と「社会保険(健康保険と厚生年金保険)」に分けて、別々の窓口に届け出ます。年度更新で申告・納付するのは労働保険の保険料で、社会保険の保険料とは、徴収の仕組みも納付の時期も別です。
1-4. 雇用保険と社会保険の違い早見表【比較表】:目的・保障内容・保険対象者
雇用保険は主に失業・休業のリスク、社会保険は主に健康・高齢のリスクに対して生活を保障します。保障内容の違い、保険対象者の違い、加入条件の違いを区別して、表で確認してください。
| 比べる項目 | 雇用保険 | 社会保険(健康保険・厚生年金保険) |
|---|---|---|
| 主な目的 | 失業・休業・育児休業などの収入の途絶えに備える | 病気・けが・出産・老後(高齢)・障害・死亡に備える |
| 主な給付 | 基本手当、教育訓練給付、育児休業給付など | 医療給付、傷病手当金、出産手当金、老齢・障害・遺族の年金など |
| 届出の窓口 | ハローワーク | 年金事務所(健康保険組合の場合は組合も) |
| 保険料の負担 | 労働者と事業主がそれぞれ負担(率は別々) | 労使折半(健康保険・厚生年金保険とも) |
| 保険料の基礎 | 毎月の賃金総額に料率を掛ける | 標準報酬月額・標準賞与額に料率を掛ける |
| 扶養の仕組み | なし(被保険者本人だけが対象) | あり(健康保険の被扶養者、国民年金の第3号被保険者) |
| 主な加入要件 | 週の所定労働時間と、31日以上の雇用見込み | 事業所の適用と、常時使用される人かどうか(4分の3基準・短時間労働者の要件) |
この表のうち、顧問先でいちばん混乱しやすいのが「扶養」の有無です。社会保険には、一定の収入以下の家族を被保険者の扶養に入れて保険料の負担なしで保障を受ける仕組みがありますが、雇用保険にはその仕組みがありません。
02 ENROLLMENT 雇用保険と社会保険(健康保険)の加入条件の違い 「どちらに入るか」は、条件が別々に決まる
加入の判定は、雇用保険と社会保険で別々に行います。同じ従業員でも、雇用保険だけ・社会保険だけ・両方・どちらも対象外、の4通りが起こり得ます。
2-1. 雇用保険の加入条件:週20時間以上、31日以上の雇用見込み
雇用保険の被保険者になるのは、原則として、1週間の所定労働時間が20時間以上で、31日以上引き続き雇用される見込みがある労働者です。事業所の規模による線引きはなく、労働者を1人でも雇う事業所は、原則として雇用保険の適用事業所になります。
2-2. 雇用保険に加入できない人:週20時間未満、昼間学生、日々雇入れる者など
次のような人は、雇用保険の被保険者になりません。週の所定労働時間が20時間未満の人、31日以上の雇用見込みがない人、昼間学生(一定の例外あり)、季節的に雇用され、4か月以内の期間を定めて働く人などです。日々雇入れる者(日雇労働者)は、一般の被保険者とは別に、日雇労働被保険者の仕組みの対象になる場合があります。
なお、雇用保険の適用を広げる法改正が成立しており、2028年(令和10年)10月から、週の所定労働時間の下限が20時間から10時間に引き下げられる予定です(厚生労働省の資料による)。施行はまだ先ですが、顧問先から「週10時間のパートは将来どうなるか」と聞かれたときの説明に使えます。
2-3. 社会保険の加入条件:事業所の適用と、4分の3基準
社会保険は、まず事業所が適用事業所かどうかから判定します。法人の事業所は、従業員が1人でも強制適用です。個人事業所は、常時5人以上の従業員を使用する場合に強制適用となります(農林水産業、一部のサービス業などの非適用業種を除く)。
そのうえで、労働者が被保険者になるかは、働き方で判定します。原則は、通常の労働者の1週の所定労働時間と1か月の所定労働日数の、4分の3以上働く人です。たとえば、正社員が週40時間なら、週30時間以上が目安になります。
📚 用語解説
4分の3基準:社会保険の加入判定の目安。その事業所で同種の業務に従事する通常の労働者と比べて、1週の所定労働時間と1か月の所定労働日数の両方が4分の3以上の人は、原則として被保険者になる。パート・アルバイトでも該当すれば加入が必要。
2-4. 短時間労働者の適用拡大:51人以上の会社で働く場合・50人以下の会社で働く場合
4分の3に届かない短時間の従業員でも、一定の要件を満たすと社会保険の対象になります。厚生労働省の「適用拡大Q&A」では、次の要件が示されています。
つまり、50人以下の会社で働く場合は、現時点では、原則として4分の3基準を満たさない限り、社会保険の対象になりません。ただし、企業規模の要件は段階的に広がる予定なので、顧問先の従業員数が36人以上50人以下の場合は、2027年10月を見据えて、短時間のスタッフの働き方を整理しておく必要があります。
賃金要件の撤廃や企業規模要件の縮小は、改正の施行時期が段階的です。顧問先に具体的な年月や人数を伝える前に、厚生労働省「適用拡大特設サイト」と日本年金機構の案内で、現時点の要件を確認してください。
2-5. 契約期間が「2ヶ月以内」の場合:健康保険・厚生年金保険の扱い
契約期間が2ヶ月以内の人は、原則として健康保険・厚生年金保険の被保険者になりません(臨時に使用される人の適用除外)。ただし、所定の期間を超えて引き続き使用される場合は、その日から被保険者になります。さらに、契約書に更新の可能性が明示されていたり、同様の契約で2か月を超えて雇用された実績があったりする場合は、最初から被保険者として扱う考え方があります。
雇用保険のほうは、31日以上の雇用見込みで判定するため、2か月以内の契約でも、31日以上なら対象になり得ます。同じ契約期間でも、雇用保険は対象・社会保険は対象外という結果が出るのは、この判定基準の違いのためです。
2-6. 雇用保険のみ加入で、社会保険は扶養内ならいくらまで働ける?
顧問先の従業員から、「扶養内で働きたいので、雇用保険だけ入りたい」という相談が出ることがあります。雇用保険は要件を満たせば、本人の希望にかかわらず加入が必要です。一方、社会保険の被扶養者でいられるかは、年間収入の見込みなどの認定基準で決まります。
一般には、被扶養者として認定される年間収入の目安は130万円未満とされますが、具体的な認定の運用は、協会けんぽ・健康保険組合などの保険者ごとに案内があります。顧問先の従業員の加入先を確認してから、案内するようにしてください。
03 PREMIUM 雇用保険と社会保険の保険料率の違い:令和8年度の数字と計算の考え方 労使の負担割合も、計算の基礎も違う
3-1. 雇用保険の保険料率:令和8年度(2026年4月〜2027年3月)
雇用保険料は、労働者に支払う賃金総額(通勤手当を含む)に、保険料率を掛けて計算します。令和8年度(2026年4月1日〜2027年3月31日)の料率は、厚生労働省労働局の案内によると、次のとおりです。
| 事業の種類 | 労働者負担 | 事業主負担 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 一般の事業 | 5/1,000 | 8.5/1,000 | 13.5/1,000 |
| 農林水産・清酒製造の事業 | 6/1,000 | 9.5/1,000 | 15.5/1,000 |
| 建設の事業 | 6/1,000 | 10.5/1,000 | 16.5/1,000 |
出典:厚生労働省 山形労働局「令和8年度の雇用保険料率」(2026年10月確認)。令和7年度の一般の事業は合計14.5/1,000でした。労働者負担と事業主負担で率が違う点が、社会保険の労使折半との大きな違いです。
3-2. 社会保険の保険料率:標準報酬月額に、折半の料率を掛ける
社会保険料は、毎月の給与を等級に当てはめた標準報酬月額と、賞与を基にした標準賞与額に、料率を掛けて計算し、労使が折半して負担します。協会けんぽの令和8年度の料率は、都道府県ごとに異なります。
出典:全国健康保険協会(協会けんぽ)「令和8年度保険料額表」(2026年10月確認)。健康保険組合に加入している顧問先は、組合ごとに料率が異なるため、組合の案内で確認してください。
3-3. 料率が変わる月と、給与計算で間違えやすい点
雇用保険料率は、年度の初めに改定されます。社会保険は、協会けんぽの場合、3月分(4月納付分)から新しい健康保険料率が適用されます。雇用保険は、賃金の締日を基準に切り替える考え方が一般的で、社会保険は、翌月控除か当月控除かで、新料率の適用開始の給与が変わります。
04 FAQ PRACTICE 雇用保険と社会保険におけるよくある疑問:同時加入・二元適用・社会保険完備・入らない場合 顧問先の担当者から繰り返し出る質問に、事務所として答える
4-1. 企業は雇用保険の加入義務がある?
労働者を1人でも雇う事業所は、原則として雇用保険の適用事業所になり、要件を満たす労働者について、事業主が加入の手続きを行う義務があります。労働者本人の希望で加入を外すことはできません。
4-2. 雇用保険と社会保険は「同時加入」できる?
できます。むしろ、正社員のように常時使用され、週の所定労働時間が長い従業員は、雇用保険・健康保険・厚生年金保険のすべてに同時に加入するのが通常です。ただし、一方の要件を満たしても、もう一方の要件を満たさないことがあり、「セット」で自動的に決まるわけではありません。
4-3. 雇用保険のみ・社会保険のみの加入は、あり得る?
| 従業員の例 | 雇用保険 | 社会保険 | 理由 |
|---|---|---|---|
| 週30時間以上・雇用期間の定めなし | ○ | ○ | 両方の要件を満たす |
| 週22時間・従業員30人の会社 | ○ | × | 雇用保険は週20時間以上。社会保険は4分の3基準を満たさず、企業規模の要件も満たさない |
| 週22時間・従業員60人の会社(学生でない) | ○ | ○ | 短時間労働者の要件を満たす |
| 週15時間のパート | × | × | 雇用保険は週20時間未満、社会保険も要件を満たさない |
| 65歳以上で週30時間以上 | ○ | ○(年齢の上限に注意) | 雇用保険は65歳以上も対象。厚生年金は70歳未満、健康保険は75歳未満が上限 |
4-4. 建設業などの「二元適用事業」とは?
📚 用語解説
二元適用事業:労災保険と雇用保険を、別々の保険関係として扱う事業。建設業、林業、農林水産業の一部などが該当する。労災保険は工事ごと、雇用保険は事業所の単位で、手続きと保険料の計算が別になる。
建設業の顧問先の場合、労災保険は現場(工事)ごとに成立し、雇用保険は本店などの事業所で成立します。労働保険料の申告も、労災分と雇用保険分で計算と納付の流れが異なります。そのため、建設業の顧問先では、雇用保険の被保険者の管理と、労災の賃金総額の集計を、別々に行います。
4-5. 「社会保険完備」とは?
求人票などで見かける「社会保険完備」は、一般に、雇用保険・労災保険・健康保険・厚生年金保険の4つに加入していることを表します。ただし、法律上の定義ではありません。「完備」と書いてあっても、短時間のパートが全員加入するわけではなく、要件を満たした人が加入するという意味です。顧問先が求人票に書くときは、誤解を生まない書き方を助言します。
4-6. 雇用保険と社会保険に入らないとどうなる?
要件を満たしているのに加入手続きをしないと、事業主に届出の義務違反が生じます。雇用保険は、遡って加入する手続きを取る場合があり、保険料も時効(2年)の範囲で遡って徴収されるのが一般的です。社会保険も、事業所の調査で未加入が見つかると、遡って加入を求められ、保険料の負担が大きくなります。従業員側にとっても、失業時に基本手当を受けられない、病気で休んだときに傷病手当金を受けられない、といった不利益が生じます。
4-7. 入社時の手続きの期限と窓口
期限の短い社会保険の手続きが先になり、雇用保険は翌月10日までに行う、という順序が実務の基本です。電子申請(e-Gov)で行う場合の流れは、e-Govの電子申請の記事で整理しています。雇用保険の被保険者番号の確認方法は、雇用保険被保険者番号の記事も参考にしてください。
4-8. 社会保険の手続きでよくあるミスの対処方法と防止策
加入の判定と届出で起きやすいミスは、事前に把握しておくと防げます。顧問先への説明にも使える、対処方法と防止策をまとめます。
| よくあるミス | 起きる場面 | 対処方法 | 防止策 |
|---|---|---|---|
| 期限を過ぎて届出をした | 入社日の連絡が遅れた | 気づいた時点で速やかに届け出る。遅れた事情を窓口に伝える | 入社予定の連絡を、事前に受け取る流れにする |
| 雇用保険だけ・社会保険だけ届け出た | 片方の要件しか確認していない | 漏れている保険の資格取得届を、遡って届け出る | 入社のたびに、2つの保険を並べた確認表で判定する |
| 契約が更新されたのに、加入の見直しをしなかった | 2ヶ月以内の契約や、短時間の契約が更新された | 更新の実態を確認し、要件を満たす日にさかのぼって手続きを検討する | 契約更新の予定日を一覧で管理する |
| 被扶養者の届出が漏れた | 入社時に家族の情報を聞き忘れた | 資格取得届とあわせて、被扶養者の届出を提出する | 入社時の聞き取り項目に、扶養の有無を入れる |
4-9. 人事・労務の年間業務カレンダーで見る、入社の手続きが増える時期
入社の手続きは、4月の新卒・年度替わりの時期に集中します。同じ時期に、労働保険の年度更新(6月〜7月)の準備、社会保険の算定基礎届(7月)の準備が重なります。年間の業務カレンダーを事務所で共有し、繁忙期の前に、入社の手続きの型を整えておくことが、実務ガイドとして有効です。
加入条件を把握し、適切に手続きを行うための完全な一覧表を、事務所の標準として持っておくことをおすすめします。
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05 THE LIMIT 雇用保険・社会保険の加入判定だけではない——事務所の手作業の限界 ルールを覚えて手順を整えても、繁忙期の負荷が減らない理由
雇用保険と社会保険の違いを理解して、加入の判定を間違えないようになっても、事務所の日々の負荷は大きくは変わりません。時間を取られているのは、判定の前後にある事務作業だからです。
これらは、雇用保険・社会保険の加入判定の知識を深めても解決しません。集める・転記する・確認するという定型の事務作業を、人が毎回やっていることが根本の原因だからです。顧問先が増えるほど、この作業は足し算ではなく掛け算で膨らみます。
ここで「ソフトを替えれば楽になる」と考えたくなります。しかし、ソフトを替えれば顧問先ごとの設定のやり直しと、職員への再教育が発生します。入力する主体が人間のままなら、同じ種類のミスと繁忙期の負荷はそのまま残ります。
06 AUTOMATE WITH AI 【核心】雇用保険・社会保険の加入判定と資格取得の事務まわりの事務作業をAIで自動化する 「AIに聞く」効率化ではなく、作業そのものを渡す自動化へ
📚 用語解説
Claude Code/Codex:Claude CodeはAnthropic社、CodexはOpenAI社が提供するAIエージェント。ChatGPTのような「質問に答えるAI」と違い、指示を受けてパソコン上のデータ集計・ファイル操作・文書作成などの作業そのものを実行できる。日本語の指示だけで業務の仕組みを組み立てられるため、事務所のバックオフィス業務の自動化にも使われている。
6-1. 「AIに聞いて早くする」と「AIが毎回の作業を自動で回す」は別物
Claude Code/Codexに雇用保険・社会保険の加入判定と資格取得の事務について質問するのは効率化です。調べ物は速くなりますが、集計も入力も確認も、作業の主体は人間のままです。担当者が変われば、また同じ調べ物から始まります。
一方で本当に効果が出るのは自動化です。顧問先から入社の連絡と労働条件通知書が届いたら、加入要件を整理し、届出の下書き用データを作り、期限を一覧に反映し、不足資料の依頼文案まで整えるという流れを最初に一度設計しておけば、以降は決まったタイミングで仕組みが回り続けます。人の仕事は、仕上がった結果を確認して承認することだけになります。
今お使いの給与ソフト・勤怠システム・申請ソフトは、そのまま使い続けます。AIが画面操作を含めて、データの回収→集計→ソフトへの入力→チェック→承認待ちまでを回し、事務所は最後の承認だけを行う形です。
6-2. 社労士法との線引きを先に決める
ここで最も大切なのが、社労士法上の業務の切り分けです。行政機関への提出手続きの代行や、帳簿書類の作成(1号・2号業務)は、社会保険労務士である先生方の業務です。AIも、AIを使った事務代行サービスも、ここを引き受けることはできません。
AIが担当するのは、給与計算・勤怠集計・書類の下準備・資料回収の一次対応といった事務作業です。加入要件の一次整理や、期限の一覧管理は、AIが担える事務作業の範囲です。最終確認と承認は事務所が行い、行政機関への提出と帳簿書類の作成は先生方が行います。この線引きを曖昧にしたまま自動化を進めると、社労士法上のリスクになります。
6-3. 職員の作業とAIに任せた後の違い
| これまで職員がやっていた作業 | AIに任せた後 |
|---|---|
| 労働条件通知書を見て、週の所定労働時間や契約期間を表に書き出す | 顧問先から届いた資料を読み取り、判定に必要な項目を自動で表に整理 |
| 雇用保険・社会保険の要件に当てはまるかを、従業員ごとに手で照らし合わせる | 登録した顧問先ごとのルールに沿って、該当の見込みを一次判定(最終判断は先生方) |
| 資格取得届に使う氏名・生年月日・報酬額を、書類から転記する | 届出の下書き用データを自動で作成し、転記ミスを減らす |
| 提出期限を、案件ごとに台帳へ書き写して管理する | 期限を一覧に自動反映し、近い案件を抽出 |
| 不足している書類を、顧問先へ催促する文面を作る | 不足資料の依頼文案を自動で作成 |
Claude Code/Codexという名前を出しましたが、事務所の側でこのツールを触る必要はありません。仕組みを組むのも動かすのも、あとで説明するAI社員AIKATA側の仕事です。事務所に必要なのは、顧問先ごとのルールを教えていただくことと、上がってきた結果を承認することだけです。
07 BUILD OR OUTSOURCE 増員・外注・自作では、繁忙期の事務作業は片づかない 4つの選択肢のうち3つは、悩みを別の悩みに置き換えるだけ
加入判定と資格取得の事務に限らず、繁忙期の事務作業を軽くする方法は、大きく4つに整理できます。先に結論を言うと、4つのうち3つは、事務所の悩みを別の悩みに置き換えるだけです。
| 選択肢 | よくある期待 | 実際に行き詰まる所 | 判定 |
|---|---|---|---|
| ①職員を増やす | 人が増えれば繁忙期を乗り切れる | 採用と教育に時間がかかり、繁忙期に間に合わない。閑散期は人件費が残り、顧問先ごとのルールが個人の頭に溜まる | ✕ |
| ②従来型の外注・BPO | 作業を外に出せば手が空く | 依頼内容の説明と仕上がりの手直しが事務所に残る。顧問先ごとの細かい例外に追従しにくい | ✕ |
| ③事務所でAIを自作する | Claude Code/Codexで自分たちで組める | 顧問先ルールの言語化・検証の型・作った人しか直せない状態という壁があり、本業の合間では止まりやすい | ✕ |
| ④AI社員AIKATAに任せる | 作業そのものを手放したい | 事務所に残るのは最終確認・承認と、1号・2号業務のみ | ◎ |
7-1. 「①増員」「②外注」で片づかない理由
7-2. 「③自作」の3つの壁
Claude Code/Codexは、非エンジニアでも扱えるツールです。ただし、事務所の本番業務に載せるには、ツールの操作とは別の壁があります。
08 WHAT IS AIKATA 「AI社員AIKATA」とは——事務所の定型事務作業を丸ごと代行 提出手続きと最終確認は先生方のまま、その手前の作業を預ける仕組み
増員・外注・自作のどれも選ばずに、事務作業そのものを預ける道があります。それが、弊社(株式会社GENAI)が運営する業務代行サービス「AI社員AIKATA」です。
📚 用語解説
AI社員AIKATA:株式会社GENAIが運営する業務代行サービス。社労士事務所などのバックオフィス業務のうち、パソコン上で行う定型的な事務作業を、AIと人の二重体制で丸ごと受託する。特定の給与ソフト・勤怠システムに縛られず、事務所が使っている既存の環境をそのまま使って自動化する点が特徴。
8-1. AIKATAが引き受ける事務作業
8-2. 雇用保険・社会保険の資格取得の事務まわりで、どう運用されるか
AIKATAを使う社労士事務所では、顧問先ごとの働き方の基準や届出の流れを仕組みに登録し、入社の連絡を起点に、加入要件の一次整理、届出の下書き用データの作成、期限の管理、不足資料への一次対応の準備まで進め、事務所は仕上がった整理を確認して承認するという形で運用しています。事務所名や顧問先名、数字を示せる段階の話ではなく、仕組みの説明としてお読みください。
8-3. 先生方に残る仕事と、AIKATAが引き受けない仕事
無料相談(60分・オンライン/Google Meet)では、事務所の業務を棚卸しし、どこまで任せられるかを一緒に整理します。契約の義務はありません。ご契約後は、NDAを結んだうえで、給与・人事のデータの受け渡しと保管のルールを事務所の規程に合わせて決めます。
09 COMPARISON & SUMMARY 残る道は「作業そのものを任せる」だけ——3つの道の比較 手作業のまま/ソフトの追加・乗り換え/AIKATAに任せる
| 手作業のまま | ソフトの追加・乗り換え | AI社員AIKATAに任せる | |
|---|---|---|---|
| 繁忙期の負荷 | ✕ 件数に比例して増える | △ 一部は軽くなるが入力する人は変わらない | ◎ 処理量が増えても事務所側の作業は変わらない |
| 顧問先ごとのルール | ✕ 担当者の記憶に依存する | △ 製品の仕様の範囲内で設定し直しが必要 | ◎ 仕組みに登録され、担当者が変わっても残る |
| 顧問先への負担 | △ 資料の催促が毎回発生する | ✕ 乗り換えの説明と移行作業をお願いすることになる | ◎ 今のソフトのまま。乗り換えを頼まない |
| 職員の採用・教育 | ✕ 繁忙期ほど人が足りなくなる | △ 新しいソフトの操作教育が必要 | ◎ 増員も教育も不要。AIの知識も要らない |
| 社労士法の線引き | ○ 全て職員が行う | ○ 変わらない | ◎ 1号・2号業務は先生方のまま。AIはその手前のみ |
9-1. AI社員AIKATAが選ばれる5つの理由
雇用保険と社会保険の違いの知識を整え、手順を整理するところまでは、事務所の力で十分に進められます。しかし、増員・外注・自作・乗り換えは、どれも事務所が人か仕組みを抱え続ける道です。作業そのものを手放せる道は、AI社員AIKATAに任せることだけです。
資格取得の次は、月額変更届、算定基礎届、年度更新、年末調整といった、顧問先ごとに繰り返す手続きにも、同じ考え方を広げられます。判定の型がそろっている作業ほど、任せやすい領域です。
次の繁忙期を、職員を増やさずに越える準備を始めませんか
無料相談(60分・オンライン)では、入社時の加入判定と資格取得の事務をはじめ、いま職員が時間を取られている作業のうちどれから任せられるかを、その場で整理します。顧問先ごとの労働条件の集め方や、届出の下書き・期限の管理の仕方など、事務所の実際のやり方を伺いながら進めます。
人を増やす、ソフトを替えると決める前に、一度、作業そのものを手放す道を確かめてみてください。契約の義務はなく、全国から参加できます。
職員を増やす・外注する・AIを自作する・ソフトを替える——どの道を選んでも、集計・入力・確認の作業か、それを回す人と仕組みが事務所に残り続けます。
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よくある質問
Q. 雇用保険と社会保険の最大の違いは何ですか?
A. 備える対象と、扶養の有無です。雇用保険は失業や休業、育児休業などで収入が途絶えるリスクに備え、窓口はハローワークです。社会保険(健康保険・厚生年金保険)は病気・けが・老後・障害などに備え、窓口は年金事務所などです。社会保険には被扶養者の仕組みがありますが、雇用保険にはありません。
Q. 雇用保険の加入条件は何ですか?
A. 原則として、1週間の所定労働時間が20時間以上で、31日以上引き続き雇用される見込みがある労働者です。昼間学生など、対象外になる人もいます。週の所定労働時間の下限は、2028年10月から10時間に引き下げられる予定です(厚生労働省の資料による)。
Q. 社会保険の加入条件は何ですか?
A. 事業所が適用事業所で、常時使用される労働者のうち、通常の労働者の4分の3以上の労働時間・労働日数で働く人が対象です。短時間労働者は、週20時間以上、学生でない、企業規模が51人以上などの要件を満たす場合に対象になります。企業規模の要件は2027年10月から36人以上に広がる予定で、賃金要件(月額8.8万円)は2026年10月に撤廃されました(厚生労働省の適用拡大Q&Aによる)。
Q. 令和8年度の雇用保険料率はいくらですか?
A. 一般の事業は、労働者負担が5/1,000、事業主負担が8.5/1,000で、合計13.5/1,000です。農林水産・清酒製造の事業は合計15.5/1,000、建設の事業は合計16.5/1,000です(厚生労働省労働局の案内による)。
Q. 雇用保険だけに入って、社会保険に入らないことはできますか?
A. はい、できる場合があります。雇用保険と社会保険は加入条件が別々だからです。たとえば、週22時間働く人が従業員50人以下の会社にいる場合、雇用保険の要件は満たしても、社会保険の要件は満たさないことがあります。ただし、要件を満たす人は、本人の希望では外せません。
Q. 社会保険の被扶養者は、雇用保険に入れないのですか?
A. 入れないわけではありません。雇用保険には扶養の仕組みがなく、週20時間以上などの要件を満たせば加入します。社会保険の被扶養者でいられるかは、年間収入などの認定基準で別に判断されます。
Q. 雇用保険・社会保険の資格取得に関する事務作業をAIに任せても、社労士法上問題ありませんか?
A. 行政機関への提出手続きの代行や帳簿書類の作成(社労士法の1号・2号業務)は、社会保険労務士の業務であり、AIやAIを使った事務代行サービスが代わりに行うことはできません。AI社員AIKATAが担うのは、給与計算・勤怠集計・書類の下準備・資料回収の一次対応など、提出や作成より前の事務作業です。最終確認と承認、行政機関への提出、帳簿書類の作成は、事務所の先生方が行う設計です。個別のケースで判断に迷う場合は、所属の社会保険労務士会などにも確認してください。
Q. 今使っている給与ソフト・勤怠システムのままで、AIに事務作業を任せられますか?
A. 任せられます。AI社員AIKATAは特定のソフトに限定せず、事務所がいま使っている給与ソフト・勤怠システムをそのまま使い、画面操作を含めて自動化します。顧問先にソフトの乗り換えをお願いする必要はありません。顧問先ごとの締め日・支給日・手当などの個別ルールも仕組みに登録して処理するため、担当者が変わってもルールが残ります。
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