【2026年10月最新】休職中の給与はどうなる?賞与・休業手当・傷病手当金の違いと給与計算の実務を社労士事務所向けに解説|休職者対応の下準備をAIに任せる方法
「休職している従業員の給与は、払わなければならないのか」「休職中のボーナスや有給休暇はどうなるのか」——顧問先から、病気やメンタル不調による休職が出たときに必ず寄せられる質問です。
結論から言うと、休職中の給与を支払う法律上の義務はなく、支払うかどうか・いくら支払うかは就業規則で決まります。働いていない期間の賃金は発生しない「ノーワーク・ノーペイ」が原則で、無給とする会社が一般的です。そのかわり、病気の休職なら健康保険の傷病手当金、仕事が原因なら労災保険の休業補償給付など、本人の生活を支える別の制度があります。「休職中でも給与の6割がもらえる」という話は、この制度や、休職とは別の休業手当が混ざって広まったものです。
この記事では、社労士事務所の所長・職員の方に向けて、休職中の給与・賞与・有給休暇の扱い、休業手当・傷病手当金・労災の休業補償の違い、休職者の給与計算と社会保険料・住民税の実務、休職願・復職願などの書類の流れを、法令と公的機関の案内で確認できる範囲で整理します。後半では、顧問先ごとの休職者の洗い出しや給与計算の下準備を、弊社(株式会社GENAI)の業務代行サービス「AI社員AIKATA」に任せる方法も説明します。
01 RULE 休職中の給与は就業規則で決まる:ノーワーク・ノーペイと賞与・有給の扱い 支払い義務は法律上なし。会社の定めがすべて
1-1. 休職とは:休業・欠勤との違い
「休職」とは、労働者に働けない事情がある場合に、会社が労働契約を維持したまま、一定期間、労務の提供を免除(または禁止)する制度です。病気やケガによる傷病休職が代表的ですが、私的な事情による自己都合休職や、起訴休職、出向休職などもあります。休職制度は労働基準法などで会社に義務づけられたものではなく、会社が就業規則で独自に設けるものです。
📚 用語解説
休職:従業員としての身分は維持したまま、一定の期間、労務の提供を行わない(または禁止する)取り扱い。育児・介護休業のように法律で定められた制度ではなく、会社が就業規則などで任意に定める。休職期間が満了しても復職できない場合は、退職または解雇となる定めを置くのが一般的。
似た言葉との違いを、先に整理しておきます。顧問先の担当者が混同している場合は、ここから説明します。
| 区分 | 内容 | 給与の扱い | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 休職 | 労働契約は続けたまま、一定期間、労務の提供を免除する | 就業規則で決まる(無給が多い) | 会社の就業規則 |
| 欠勤 | 本来は労働日なのに、働かなかった | 働いていない分は賃金が発生しない | 労働契約・就業規則 |
| 休業(会社都合) | 会社の事情で、労働者が働けなくなった | 平均賃金の6割以上の休業手当を支払う | 労働基準法第26条 |
| 休業(法定の休業) | 産前産後休業・育児休業・介護休業など | 賃金は原則なし。社会保険から給付や保険料免除がある場合も | 労働基準法・育児介護休業法など |
1-2. 休職中の給与:ノーワーク・ノーペイの原則
労働基準法第24条は、賃金の支払い方(通貨で、全額を、毎月1回以上、一定期日に、直接労働者に支払う)を定めています。しかし、これは「賃金が発生している」ことが前提で、どの期間に賃金が発生するかは、労働契約の定めによります。民法第624条第1項は「労働者は、その約した労働を終わった後でなければ、報酬を請求することができない」と定めており、労務の提供がなければ賃金を請求できない、いわゆるノーワーク・ノーペイの考え方の根拠になっています。
📚 用語解説
ノーワーク・ノーペイの原則:労働者が労務を提供しなかった時間や期間については、使用者に賃金を支払う義務がないとする考え方。欠勤、遅刻、早退、休職などに当てはまる。民法第624条第1項が根拠とされ、会社が就業規則で別の定めを置いた場合は、その定めが優先される。
したがって、休職中の給与は、次の順番で確認します。
無給と定めている会社が多いのですが、「休職開始から○か月は基本給の○割を支給する」といった休職給の定めがある会社もあります。顧問先の就業規則に定めがない場合は、休職の発令の前に規程を整えるよう助言します。
1-3. 休職中の賞与・ボーナス
賞与も、給与と同じく、ノーワーク・ノーペイの考え方で整理します。賞与の支給は法律上の義務ではなく、就業規則や賃金規程で「支給する」「支給日に在籍する者に支給する」などと定めている場合に、その定めに従って支払います。休職中の賞与は、次の点を規程で確認します。
算定対象期間の一部だけ休職していた場合に、その期間が算定に含まれるのかは、トラブルになりやすい点です。規程に「休職期間は賞与の算定対象期間に含まれない」と書かれていれば、休職期間分を差し引いて支給します。賞与を支払う場合は、社会保険の賞与支払届(支給日から5日以内)の提出も必要です。計算の詳細は賞与の社会保険料の計算方法の記事で整理しています。
1-4. 会社によっては「給与補償制度」がある
休職中に給与を払わないのが原則とはいえ、病気やケガ、家庭の事情などで働きたくても働けない従業員の生活を守るために、独自に給与の一部または全部に相当する額を補償する会社もあります。この仕組みを「給与補償制度」や「休職給」と呼ぶことがあります。
健康保険の傷病手当金は、会社から給与(報酬)が支払われている間は支給されず、給与が傷病手当金の額より少ない場合は、その差額が支給されます。休職給の金額を決めるときは、本人の手取りが傷病手当金と合わせてどうなるかを、顧問先と一緒に確認します。
1-5. 休職中の有給付与・取得はどうなる
年次有給休暇は、労働義務のある日に、その労働を免除して賃金を支払う制度です。休職中は、もともと労働義務が免除されているため、原則として休職中に有給休暇を取得することはできません。ただし、休職に入る前に残っている有給休暇を使って、休職の開始時期を調整するかどうかなどは、会社の運用や本人との話し合いによります。
また、労働基準法第39条は、雇い入れの日から6か月間継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者に、有給休暇を付与するよう定めています。休職期間を「全労働日」にどう数えるかによって、翌年度の付与の要件を満たせるかが変わります。業務上の傷病による療養のための休業期間や、産前産後休業、育児休業、介護休業の期間は、出勤したものとして扱うと定められていますが、私傷病による休職期間の扱いは、就業規則の定めと所轄の労働基準監督署への確認が欠かせません。
有給休暇の付与日数の考え方は、有給休暇の付与日数の記事で整理しています。
02 BENEFIT 休職中にもらえるお金:休業手当・傷病手当金・労災の休業補償の違い 「6割」「3分の2」「8割」は、それぞれ別の制度
2-1. 休業手当とは
休業手当は、労働基準法第26条に基づく手当です。使用者の責に帰すべき事由(会社側の事情)によって、労働者が休業する場合に、使用者が平均賃金の100分の60以上を支払う義務があります。たとえば、業績の悪化で仕事がなくなった、資材が不足した、設備が故障して業務ができなくなった、といった場合が該当します。地震などの不可抗力による休業は、使用者の責に帰すべき事由にあたらず、支払いは不要とされています。
ここで大切なのは、病気やケガによる傷病休職は、労働者側の事情による休みであり、休業手当の対象にならないことです。「休職中は6割もらえる」と聞いたという本人からの問い合わせは、休業手当と傷病手当金などが混ざっていることが多いので、制度ごとに切り分けて説明します。
📚 用語解説
休業手当:使用者の責に帰すべき事由による休業の場合に、使用者が労働者に支払う手当。労働基準法第26条により、1日につき平均賃金の100分の60以上の支払いが義務づけられている。労働者の病気やケガによる休職は対象にならない。
2-2. 休業手当の計算方法
休業手当は、「平均賃金 × 0.6 × 休業日数」で計算します。平均賃金は、労働基準法第12条で、原則として、算定すべき事由が発生した日以前3か月間にその労働者に支払われた賃金の総額を、その3か月間の総日数(暦日数)で割った額と定められています。賃金の締切日がある場合は、直前の賃金締切日から数えます。
たとえば、直前3か月の賃金総額が92万円、その3か月の暦日数が92日(労働日数は60日)の場合は、次のとおりです。
| 項目 | 計算 | 金額 |
|---|---|---|
| 平均賃金(原則) | 920,000円 ÷ 92日(暦日数) | 10,000円 |
| 最低保障額 | 920,000円 ÷ 60日(労働日数)× 60% | 9,200円 |
| 採用する平均賃金 | いずれか高いほう | 10,000円 |
| 休業手当(1日) | 10,000円 × 0.6 | 6,000円 |
| 休業手当(10日) | 6,000円 × 10日 | 60,000円 |
日給制・時給制・出来高払制の労働者のように、労働日数が少ない人の場合は、賃金総額を労働日数で割って6割をかけた最低保障額のほうが高くなることがあります。この場合は、最低保障額を平均賃金とします。なお、賃金総額を求める際、業務上の傷病による休業期間や産前産後休業の期間などは、分母の日数と分子の賃金から除外する決まりがあります。
平均賃金の分母は、出勤した日数ではなく、期間の暦日数(土日や休日も含めた日数)です。出勤日数を分母に使うと、金額が大きく変わります。出勤日数で割るのは、最低保障額の計算のときだけです。
2-3. 休職中の給与で「6割」もらえるケースとは
「休職中の給与で6割もらえる」といわれる背景には、次の3つの制度があります。それぞれ、支給元も支給額の根拠も違います。
| 制度 | 対象の場面 | 支給元 | 支給額の目安 |
|---|---|---|---|
| 休業手当 | 会社都合の休業(休職ではない) | 会社 | 平均賃金の6割以上(労働基準法第26条) |
| 傷病手当金 | 業務外の病気・ケガで働けない | 健康保険(協会けんぽ・健保組合) | 標準報酬月額の平均÷30日×3分の2 |
| 休業補償給付+休業特別支給金 | 業務上・通勤の災害で働けない | 労災保険(労働基準監督署) | 給付基礎日額の60%+20%=80% |
| 会社の休職給 | 就業規則で定めている休職 | 会社 | 規程で決まる(基本給の○割など) |
2-4. 病気で休職したとき:健康保険の傷病手当金
業務外の病気やケガで会社を休み、給与が十分に支払われない場合の生活保障が、健康保険の傷病手当金です。協会けんぽや健康保険組合などに加入している被保険者が対象で、国民健康保険には原則としてありません。支給の条件は、次の4つです。
支給額は、1日あたり、支給開始日の属する月以前の直近12か月の標準報酬月額を平均した額を30日で割り、さらに3分の2をかけた額が目安です。支給期間は、支給を開始した日から通算して1年6か月で、途中で出勤して支給されない期間があっても、1年6か月の範囲で支給日数が通算されます。申請書には、本人の記入欄、医師の意見欄、事業主の証明欄があり、事業主の証明欄は会社(実務では事務所)が記入します。
📚 用語解説
傷病手当金:健康保険の被保険者が、業務外の病気やケガで働けず、給与が支払われない場合に、生活を保障するため支給される手当。待期3日の後、4日目から、標準報酬月額をもとにした日額の3分の2が、支給開始日から通算1年6か月まで支給される。
支給条件や申請書の書き方は、傷病手当金の支給条件・申請書の記事で詳しく整理しています。
2-5. 仕事が原因のとき:労災保険の休業補償給付
業務が原因の病気やケガ(通勤災害を含む)で休職する場合は、健康保険ではなく、労災保険の対象です。休業補償給付は、休業の4日目から、給付基礎日額(原則として平均賃金に相当する額)の60%が支給され、これに、社会復帰促進等事業による休業特別支給金(給付基礎日額の20%)が加わり、合計で80%になります。
パワーハラスメントやセクシュアルハラスメントなどが原因でうつ病などの精神疾患になった場合も、会社に給与の支払い義務があるわけではありません。ただし、業務による強い心理的負荷が原因と認められれば、労災の対象になります。厚生労働省の「心理的負荷による精神障害の認定基準」では、①認定基準の対象となる精神障害を発病していること、②発病前おおむね6か月の間に、業務による強い心理的負荷が認められること、③業務以外の心理的負荷や個体側要因によって発病したとは認められないこと、の3つが要件です。
ハラスメントの防止措置の全体像は、職場のハラスメント対策の記事にまとめています。
2-6. 国家公務員の場合、休職中の給与はどうなるか
国家公務員や地方公務員の休職中の給与は、民間企業の就業規則ではなく、法令や人事院規則・条例で定められています。たとえば国家公務員の病気休職では、一定の期間、俸給の一部が支給される仕組みがあります。具体的な割合や期間は、病気の種類や制度の改正で変わるため、人事院などの公式ページで最新の内容を確認する必要があります。民間企業の顧問先の休職者に、公務員の例をそのまま当てはめないよう注意してください。
2-7. 病気で休職したのですが、給与はもらえませんか?
本人から、このような質問を受けたときの答え方の整理です。
2-8. パワハラで休職したのですが、給与はもらえませんか?
03 PAYROLL 休職者の給与計算の実務:社会保険料・住民税・雇用保険・賞与支払届 給与が出なくても、会社に残る手続きと保険料の集金
3-1. 休職中も社会保険の被保険者のまま:保険料は発生する
傷病による休職の間も、従業員は健康保険・厚生年金保険の被保険者のままです。産前産後休業や育児休業のような保険料の免除制度は、病気の休職にはありません。給与が支払われていなくても、毎月の保険料(本人負担分と会社負担分)が発生します。
会社が本人負担分を立て替える場合、復職しないまま退職すると、回収できなくなります。休職の発令時に、徴収の方法と、退職時の精算の扱いを、本人の同意のもと書面で残しておくと、後のトラブルを防げます。
3-2. 住民税:特別徴収の継続か、普通徴収への切替か
給与から住民税を天引きしている(特別徴収)従業員が休職して給与が出なくなると、天引きができなくなります。この場合の対応は、休職給などで天引きを続けられるか、普通徴収(本人が納付書で自分で納める)に切り替えるか、会社が立て替えるか、のいずれかです。普通徴収への切り替えは、市区町村への届出が必要で、納期のタイミングによって切り替えの可否が変わるため、各自治体に確認します。住民税の計算の基本は住民税の計算方法の記事にあります。
3-3. 雇用保険:賃金がなければ保険料も発生しない
雇用保険料は、賃金に料率を掛けて計算します。休職中に賃金が支払われなければ、保険料の対象となる賃金がないため、雇用保険料も発生しません。被保険者の資格は、休職中も継続します。休職給を支払う場合は、その金額が賃金に当たるかどうかを確認して、雇用保険料の対象に含めます。
3-4. 標準報酬月額の見直し(随時改定)と休職給
休職給など、休職中に支払う給与がある場合は、固定的賃金の変動があったものとして、随時改定(月額変更届)の対象になるかを確認する必要があります。休職給が支払われる場合の扱いや、休職によって給与がゼロになる場合の扱いは、日本年金機構や協会けんぽの公式の案内で確認してください。また、復職後に給与が通常に戻る場合も、改定の要否を確認します。
3-5. 休職中に賞与を支払う場合:賞与支払届と保険料
休職中の従業員に賞与を支払う場合は、通常の賞与と同じく、被保険者賞与支払届を支給日から5日以内に提出します。賞与から保険料を控除できるため、休職中に本人負担分を回収する機会になります。休職給や賞与の金額によっては、傷病手当金との調整も発生するため、支払いの前に確認します。
3-6. 月給制の日割り計算:休職の開始月・復職月
休職の開始月や復職月は、月の途中から休職や復職をするため、月給を日割りで計算する必要があります。日割りの計算方法は法律で決まっておらず、就業規則(賃金規程)の定めによります。
| 日割りの方式 | 計算の考え方 | 特徴 |
|---|---|---|
| 暦日数で割る | 月給 ÷ その月の暦日数 × 対象日数 | 月によって1日の単価が変わる。暦日が基準なので説明しやすい |
| その月の所定労働日数で割る | 月給 ÷ その月の所定労働日数 × 対象日数 | 月によって1日の単価が変わる。出勤日ベース |
| 年間の月平均所定労働日数で割る | 月給 ÷ 年間の月平均所定労働日数 × 対象日数 | 毎月の単価が一定。月ごとの不公平が出にくい |
どの方式を使うかは顧問先ごとに違うため、規程を確認します。複数の方式が混在している顧問先があると、事務所では職員ごとに計算の癖が出やすいところです。
3-7. 休職者の対応の確認ポイント
04 PROCEDURE 休職から復職・退職までの流れと書類:休職願・復職願・診断書 書類が整っていれば、給与・保険・復職判断の確認が速くなる
4-1. 休職の流れ
休職の発令から復職までの間に、会社と本人のやり取りが何度も発生します。事務所が顧問先を支援する際は、書類の様式と、各段階で誰が何を行うかを整理しておきます。復職が難しい場合は、休職期間の満了による退職(自然退職)の扱いになるのが一般的です。
4-2. 休職願(休職届)に書く項目
休職願(休職届)は、本人が休職を会社に申し出る書類です。様式は法律で決まっていないため、会社ごとに作成しますが、次の項目を入れておくと、後の確認が楽になります。
休職願の提出を受けて、会社が「休職発令通知書(休職辞令)」で、休職の事由・期間・休職中の給与・社会保険料の取り扱いなどを本人に通知します。通知書で、給与の扱いと保険料の徴収方法を書面にしておくのが、後のトラブルの予防になります。
4-3. 復職願・復職申請書に書く項目
休職していた従業員が復職を希望するときは、復職願(復職申請書)を提出します。復職の可否は、主治医の診断書だけでなく、会社が産業医の意見も踏まえて判断するのが一般的です。
厚生労働省の「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」では、職場復帰支援を、次の5つのステップで示しています。メンタル不調による休職の顧問先には、この流れを共有すると、復職判定の進め方が整理しやすくなります。
4-4. 休職期間の満了と、復職できない場合の扱い
休職期間が満了しても復職できない場合は、「自然退職」とするか、「解雇」とするかが、就業規則の定めによります。自然退職の場合も、本人への事前の通知と、退職の手続き(社会保険の資格喪失、雇用保険の離職票の交付など)が必要です。業務上の傷病による休職の場合は、前述のとおり解雇が制限されるため、労働基準法第19条の確認が欠かせません。
また、同じ傷病で復職と休職を繰り返す従業員がいる場合に備えて、休職期間の「通算」の定め(復職後、一定期間内に同じ事由で再び休職したときは、前回の休職期間と通算する)があるかも確認します。
4-5. 休職制度の就業規則に定めておきたい事項
休職の規程が古いままの顧問先では、休職の発令前に、規程の整備を提案する機会になります。
4-6. 休職者対応のテンプレート(休職願・復職願・チェックリスト)の使い方
休職願や復職願のひな形、休職時の給与・手当の条件チェックリストなどは、各社が公開しているものもあります。ただし、そのまま使うのではなく、顧問先の就業規則の定めに合わせて、項目を直して使います。特に、休職給の有無、保険料の徴収方法、休職期間の通算の定めは、顧問先ごとに違うため、ひな形の標準の文言をそのまま入れると、規程と矛盾することがあります。
事務所の側では、次の3つを整えておくと、休職者が複数の顧問先で同時に出ても慌てません。
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05 THE LIMIT 休職者の給与対応だけではない——事務所の手作業の限界 ルールを覚えて手順を整えても、繁忙期の負荷が減らない理由
制度の中身を理解していても、事務所の負荷は大きくは変わりません。時間を取られているのは、顧問先ごとの休職者の洗い出しと、申請書の下準備、保険料の徴収状況の確認という、判断の前後の事務だからです。
これらは、休職者の給与対応の知識を深めても解決しません。集める・転記する・確認するという定型の事務作業を、人が毎回やっていることが根本の原因だからです。顧問先が増えるほど、この作業は足し算ではなく掛け算で膨らみます。
ここで「ソフトを替えれば楽になる」と考えたくなります。しかし、ソフトを替えれば顧問先ごとの設定のやり直しと、職員への再教育が発生します。入力する主体が人間のままなら、同じ種類のミスと繁忙期の負荷はそのまま残ります。
06 AUTOMATE WITH AI 【核心】休職者の給与対応まわりの事務作業をAIで自動化する 「AIに聞く」効率化ではなく、作業そのものを渡す自動化へ
📚 用語解説
Claude Code/Codex:Claude CodeはAnthropic社、CodexはOpenAI社が提供するAIエージェント。ChatGPTのような「質問に答えるAI」と違い、指示を受けてパソコン上のデータ集計・ファイル操作・文書作成などの作業そのものを実行できる。日本語の指示だけで業務の仕組みを組み立てられるため、事務所のバックオフィス業務の自動化にも使われている。
6-1. 「AIに聞いて早くする」と「AIが毎回の作業を自動で回す」は別物
Claude Code/Codexに休職者の給与対応について質問するのは効率化です。調べ物は速くなりますが、集計も入力も確認も、作業の主体は人間のままです。担当者が変われば、また同じ調べ物から始まります。
一方で本当に効果が出るのは自動化です。顧問先から休職の連絡があったら、休職日と事由、休職中の給与の扱いを確認し、保険料・住民税の徴収方法と傷病手当金の申請の要否を一覧にして、確認連絡の文案と書類の下書きまで整えるという流れを最初に一度設計しておけば、以降は決まったタイミングで仕組みが回り続けます。人の仕事は、仕上がった結果を確認して承認することだけになります。
今お使いの給与ソフト・勤怠システム・申請ソフトは、そのまま使い続けます。AIが画面操作を含めて、データの回収→集計→ソフトへの入力→チェック→承認待ちまでを回し、事務所は最後の承認だけを行う形です。
6-2. 社労士法との線引きを先に決める
ここで最も大切なのが、社労士法上の業務の切り分けです。行政機関への提出手続きの代行や、帳簿書類の作成(1号・2号業務)は、社会保険労務士である先生方の業務です。AIも、AIを使った事務代行サービスも、ここを引き受けることはできません。
AIが担当するのは、給与計算・勤怠集計・書類の下準備・資料回収の一次対応といった事務作業です。休職者情報の収集、規程との照合と一覧化、未徴収の検知、案内文と申請書の下書きは、AIが担える事務作業の範囲です。最終確認と承認は事務所が行い、行政機関への提出と帳簿書類の作成は先生方が行います。この線引きを曖昧にしたまま自動化を進めると、社労士法上のリスクになります。
6-3. 職員の作業とAIに任せた後の違い
| これまで職員がやっていた作業 | AIに任せた後 |
|---|---|
| 休職者の情報を、顧問先ごとに集める | 登録した顧問先のルールに沿って、休職者の休職日・事由・給与の支払状況を収集し、一覧に整理 |
| 休職給や賞与の扱いを、一件ずつ照合する | 顧問先の規程に登録された内容と、実際の給与データを突き合わせ、差があるものを一覧にして候補に出す |
| 社会保険料の本人負担分の徴収状況を確認する | 休職者ごとの未徴収分を一覧にまとめ、確認連絡の文案を作成 |
| 傷病手当金・労災の申請書を、下準備する | 事業主証明欄などに必要な情報を集めて、記入内容の下書きを作成(提出は先生方) |
| 休職者向け・顧問先向けの案内文を、一社ずつ書く | 休職中の給与・保険料・復職の流れについての案内文の下書きを作成 |
Claude Code/Codexという名前を出しましたが、事務所の側でこのツールを触る必要はありません。仕組みを組むのも動かすのも、あとで説明するAI社員AIKATA側の仕事です。事務所に必要なのは、顧問先ごとのルールを教えていただくことと、上がってきた結果を承認することだけです。
07 BUILD OR OUTSOURCE 増員・外注・自作では、繁忙期の事務作業は片づかない 4つの選択肢のうち3つは、悩みを別の悩みに置き換えるだけ
休職者の給与対応に限らず、繁忙期の事務作業を軽くする方法は、大きく4つに整理できます。先に結論を言うと、4つのうち3つは、事務所の悩みを別の悩みに置き換えるだけです。
| 選択肢 | よくある期待 | 実際に行き詰まる所 | 判定 |
|---|---|---|---|
| ①職員を増やす | 人が増えれば繁忙期を乗り切れる | 採用と教育に時間がかかり、繁忙期に間に合わない。閑散期は人件費が残り、顧問先ごとのルールが個人の頭に溜まる | ✕ |
| ②従来型の外注・BPO | 作業を外に出せば手が空く | 依頼内容の説明と仕上がりの手直しが事務所に残る。顧問先ごとの細かい例外に追従しにくい | ✕ |
| ③事務所でAIを自作する | Claude Code/Codexで自分たちで組める | 顧問先ルールの言語化・検証の型・作った人しか直せない状態という壁があり、本業の合間では止まりやすい | ✕ |
| ④AI社員AIKATAに任せる | 作業そのものを手放したい | 事務所に残るのは最終確認・承認と、1号・2号業務のみ | ◎ |
7-1. 「①増員」「②外注」で片づかない理由
7-2. 「③自作」の3つの壁
Claude Code/Codexは、非エンジニアでも扱えるツールです。ただし、事務所の本番業務に載せるには、ツールの操作とは別の壁があります。
08 WHAT IS AIKATA 「AI社員AIKATA」とは——事務所の定型事務作業を丸ごと代行 提出手続きと最終確認は先生方のまま、その手前の作業を預ける仕組み
増員・外注・自作のどれも選ばずに、事務作業そのものを預ける道があります。それが、弊社(株式会社GENAI)が運営する業務代行サービス「AI社員AIKATA」です。
📚 用語解説
AI社員AIKATA:株式会社GENAIが運営する業務代行サービス。社労士事務所などのバックオフィス業務のうち、パソコン上で行う定型的な事務作業を、AIと人の二重体制で丸ごと受託する。特定の給与ソフト・勤怠システムに縛られず、事務所が使っている既存の環境をそのまま使って自動化する点が特徴。
8-1. AIKATAが引き受ける事務作業
8-2. 休職者の給与対応まわりで、どう運用されるか
AIKATAを使う社労士事務所では、顧問先ごとの休職者情報の置き場所や確認の型を仕組みに登録し、情報の収集、休職給・保険料・住民税の確認、未徴収の一覧化、案内文と書類の下書きまで進め、事務所は仕上がった結果を確認して承認するという形で運用しています。事務所名や顧問先名、数字を示せる段階の話ではなく、仕組みの説明としてお読みください。
8-3. 先生方に残る仕事と、AIKATAが引き受けない仕事
無料相談(60分・オンライン/Google Meet)では、事務所の業務を棚卸しし、どこまで任せられるかを一緒に整理します。契約の義務はありません。ご契約後は、NDAを結んだうえで、給与・人事のデータの受け渡しと保管のルールを事務所の規程に合わせて決めます。
09 COMPARISON & SUMMARY 残る道は「作業そのものを任せる」だけ——3つの道の比較 手作業のまま/ソフトの追加・乗り換え/AIKATAに任せる
| 手作業のまま | ソフトの追加・乗り換え | AI社員AIKATAに任せる | |
|---|---|---|---|
| 繁忙期の負荷 | ✕ 件数に比例して増える | △ 一部は軽くなるが入力する人は変わらない | ◎ 処理量が増えても事務所側の作業は変わらない |
| 顧問先ごとのルール | ✕ 担当者の記憶に依存する | △ 製品の仕様の範囲内で設定し直しが必要 | ◎ 仕組みに登録され、担当者が変わっても残る |
| 顧問先への負担 | △ 資料の催促が毎回発生する | ✕ 乗り換えの説明と移行作業をお願いすることになる | ◎ 今のソフトのまま。乗り換えを頼まない |
| 職員の採用・教育 | ✕ 繁忙期ほど人が足りなくなる | △ 新しいソフトの操作教育が必要 | ◎ 増員も教育も不要。AIの知識も要らない |
| 社労士法の線引き | ○ 全て職員が行う | ○ 変わらない | ◎ 1号・2号業務は先生方のまま。AIはその手前のみ |
9-1. AI社員AIKATAが選ばれる5つの理由
休職者の給与対応の知識を整え、手順を整理するところまでは、事務所の力で十分に進められます。しかし、増員・外注・自作・乗り換えは、どれも事務所が人か仕組みを抱え続ける道です。作業そのものを手放せる道は、AI社員AIKATAに任せることだけです。
休職の次は、復職後の時短勤務、育児・介護休業の給与と保険料、算定基礎や年度更新の確認など、同じ顧問先の別の手続きにも、同じ考え方を広げられます。型がそろっている作業ほど、任せやすい領域です。
次の繁忙期を、職員を増やさずに越える準備を始めませんか
無料相談(60分・オンライン)では、休職者の給与対応をはじめ、いま職員が時間を取られている作業のうちどれから任せられるかを、その場で整理します。顧問先ごとの休職の規程の違いや、保険料の徴収方法など、事務所の実際のやり方を伺いながら進めます。
人を増やす、ソフトを替えると決める前に、一度、作業そのものを手放す道を確かめてみてください。契約の義務はなく、全国から参加できます。
職員を増やす・外注する・AIを自作する・ソフトを替える——どの道を選んでも、集計・入力・確認の作業か、それを回す人と仕組みが事務所に残り続けます。
AI社員AIKATAなら、いまお使いの給与ソフト・手続きソフトはそのまま、顧問先ごとのルールも登録して処理し、事務所に残るのは仕上がりの確認と承認だけです。どの業務から任せられるかは、無料相談(60分・オンライン)でその場で整理します。
NEXT STEP
事務所の定型業務を、
AI社員に任せてみませんか?
よくある質問
Q. 休職中の給与は支払う義務がありますか?
A. 法律上、休職中の給与を支払う義務はありません。働いていない期間の賃金は発生しない「ノーワーク・ノーペイ」が原則で、支払うかどうかは就業規則で決まります。休職給を設けている会社では、その定めに従って支払います。
Q. 休職中の賞与やボーナスは支給されますか?
A. 賞与の支給は法律上の義務ではなく、就業規則や賃金規程の定めによります。算定対象期間の一部が休職だった場合は、休職期間を算定に含めるか差し引くかを、規程で確認します。支給する場合は、賞与支払届の提出が必要です。
Q. 休職中は給与の6割がもらえると聞きましたが、本当ですか?
A. 6割にあたる制度はいくつかあり、混同しやすいので注意が必要です。休業手当は会社都合の休業の場合の平均賃金の6割以上で、病気による休職は対象外です。傷病手当金は標準報酬月額をもとにした日額の3分の2、労災の休業補償給付は給付基礎日額の60%に特別支給金の20%を加えた80%です。
Q. 休職中も社会保険料は払う必要がありますか?
A. 病気やケガによる休職では、被保険者のまま、保険料の免除はありません。給与が支払われない間も、会社負担分と本人負担分の保険料が発生します。本人負担分の徴収方法(本人が振り込む、会社が立て替える、など)は、休職の前に決めて、書面に残しておくことをおすすめします。
Q. 休職中に有給休暇を使うことはできますか?
A. 休職中は、もともと労働義務が免除されているため、原則として有給休暇を取得できません。休職前に残っている有給の扱いや、休職期間が付与の要件(8割出勤)にどう影響するかは、就業規則の定めと、労働基準監督署の案内で確認してください。
Q. 休職者の給与対応に関する事務作業をAIに任せても、社労士法上問題ありませんか?
A. 行政機関への提出手続きの代行や帳簿書類の作成(社労士法の1号・2号業務)は、社会保険労務士の業務であり、AIやAIを使った事務代行サービスが代わりに行うことはできません。AI社員AIKATAが担うのは、給与計算・勤怠集計・書類の下準備・資料回収の一次対応など、提出や作成より前の事務作業です。最終確認と承認、行政機関への提出、帳簿書類の作成は、事務所の先生方が行う設計です。個別のケースで判断に迷う場合は、所属の社会保険労務士会などにも確認してください。
Q. 今使っている給与ソフト・勤怠システムのままで、AIに事務作業を任せられますか?
A. 任せられます。AI社員AIKATAは特定のソフトに限定せず、事務所がいま使っている給与ソフト・勤怠システムをそのまま使い、画面操作を含めて自動化します。顧問先にソフトの乗り換えをお願いする必要はありません。顧問先ごとの締め日・支給日・手当などの個別ルールも仕組みに登録して処理するため、担当者が変わってもルールが残ります。
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