【2026年11月最新】所得控除の一覧|種類・対象者・金額・計算方法と、年末調整の確認作業を社労士事務所がAIで支える方法
「扶養控除と配偶者控除、どちらの対象になるのかを顧問先の従業員から聞かれる」「年末調整でできる控除と、確定申告が必要な控除の線引きを毎年説明している」「今年から基礎控除や扶養の所得要件が変わると聞くが、どこまで反映すればよいのか」——所得控除は、年末調整の時期になると、顧問先から社労士事務所へ質問が集中するテーマです。
結論から言うと、所得控除は、所得税の計算で、その年の所得から一定額を差し引ける制度で、全部で15種類あります(国税庁の整理)。このうち、雑損控除・医療費控除・寄付金控除は確定申告が必要で、そのほかの多くは年末調整で適用できます。さらに、基礎控除や扶養親族の所得要件は、令和7年分と令和8年分で金額が変わっているため、年末調整の時期には、どの年分の表で確認するかを間違えないことが重要です。
この記事では、国税庁のタックスアンサーで公表されている情報をもとに、所得控除の種類、対象者、金額、計算の考え方を、社労士事務所の実務目線で整理します。後半では、年末調整の申告書の回収・確認・差し戻しといった事務作業を、AIで支える方法を、弊社の業務代行サービス「AI社員AIKATA」(運営: 株式会社GENAI)の実践ノウハウとともに解説します。
01 BASICS 所得控除とは?——税額控除との違い 所得から差し引く控除と、税額から差し引く控除は別物
📚 用語解説
所得控除:納税者の個人的な事情(家族構成、支払った保険料や医療費など)を考慮して、課税される所得を計算するときに、所得金額から差し引ける金額。差し引いた後の「課税所得金額」に税率をかけて所得税額を求める。
所得税は、1年間の収入から必要経費(給与所得者の場合は給与所得控除)を引いて所得金額を出し、さらに所得控除を引いて課税所得金額を求め、その金額に税率をかけて計算します。所得控除が増えれば、課税所得金額が小さくなり、税額も下がります。税率の仕組みは所得税の税率の解説の記事も参考にしてください。
なお、住宅ローン控除のように、計算した税額そのものから差し引く「税額控除」は、所得控除とは別の仕組みです。住宅ローン控除の年末調整での扱いは住宅ローン減税の解説の記事で整理しています。
1-1. 所得税控除(所得控除)は全部で15種類——種類一覧を紹介
| 区分 | 控除の種類 |
|---|---|
| 支出に関する控除 | 雑損控除・医療費控除・社会保険料控除・小規模企業共済等掛金控除・生命保険料控除・地震保険料控除・寄付金控除 |
| 本人・家族の事情に関する控除 | 障害者控除・寡婦控除・ひとり親控除・勤労学生控除・配偶者控除・配偶者特別控除・扶養控除・特定親族特別控除 |
| 全員が対象の控除 | 基礎控除 |
区分の数え方には、整理の仕方によって違いがあり、記事によっては「ひとり親・寡婦」を一つにまとめるなどしています。顧問先への案内では、申告書の項目名に合わせて説明すると混乱が少なくなります。
02 EXPENSE DEDUCTIONS 支出に関する所得控除——社会保険料・生命保険料・地震保険料ほか 払った保険料や医療費などに応じた控除
2-1. 社会保険料控除
本人または生計を一にする配偶者その他の親族の負担すべき社会保険料を支払ったときに、その支払った全額が控除されます。健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料、国民年金保険料などが該当します。給与から天引きされる社会保険料は、年末調整で自動的に反映されます。給与天引き以外で支払った国民年金保険料などは、控除証明書などをもとに申告します。
2-2. 小規模企業共済等掛金控除
小規模企業共済、確定拠出年金(iDeCo・企業型の加入者掛金)などの掛金を支払った場合に、支払った全額が控除されます。年末調整では、掛金の払込証明書が必要です。
2-3. 生命保険料控除
国税庁によると、生命保険料控除は、生命保険料・介護医療保険料・個人年金保険料の三種類があり、各控除額の合計が12万円を超える場合は12万円が上限になります。新契約(平成24年1月1日以後に締結した契約)の各区分の控除額は、年間の支払保険料に応じて次のとおりです。
| 年間の支払保険料等 | 控除額(新契約) |
|---|---|
| 20,000円以下 | 支払保険料等の全額 |
| 20,000円超 40,000円以下 | 支払保険料等×1/2+10,000円 |
| 40,000円超 80,000円以下 | 支払保険料等×1/4+20,000円 |
| 80,000円超 | 一律40,000円 |
さらに、令和8年分以降の申告では、23歳未満の扶養親族がいる場合の新生命保険料の控除額について、上限が引き上げられる扱い(年間の新生命保険料が120,000円を超える場合は一律60,000円)があります。契約の締結時期(旧契約・新契約)によって計算が異なるため、保険会社から届く控除証明書の区分を確認することが大切です。保険料控除申告書の書き方は保険料控除の書き方と計算方法の記事で詳しく解説しています。
2-4. 地震保険料控除
地震保険料を支払った場合の控除です。地震保険料の支払額に応じて控除され、最高額は5万円とされています。旧長期損害保険料にも別の扱いがあるため、控除証明書の区分に注意してください。
2-5. 寄付金控除
国や地方公共団体、特定の公益法人などへの寄付をした場合に受けられる控除です。ふるさと納税も、この寄付金控除の対象になります。年末調整では適用できず、確定申告(またはふるさと納税のワンストップ特例)が必要です。
2-6. 医療費控除
本人または生計を一にする配偶者その他の親族のために医療費を支払った場合に受けられる控除です。実際に支払った医療費の合計額から、保険金などで補填される金額を引き、さらに原則として10万円(総所得金額等が200万円未満の人は総所得金額等の5%)を引いた金額が控除額で、上限は200万円です。年末調整では適用できず、確定申告が必要です。
2-7. 雑損控除
災害、盗難、横領によって、生活に通常必要な資産に損害を受けた場合の控除です。損失額から一定額を引いて計算します。年末調整では適用できず、確定申告が必要です。
この三つの控除は、年末調整では適用できません。従業員から「年末調整で医療費控除をお願いしたい」と求められた場合は、確定申告が必要であることを案内してください。顧問先の担当者が誤って年末調整に組み込んでしまうと、後で修正が必要になります。
03 PERSONAL DEDUCTIONS 本人・家族の事情に関する所得控除——障害者・ひとり親・勤労学生ほか 本人や家族の状況によって適用される控除
3-1. 障害者控除
本人、または同一生計配偶者・扶養親族が障害者である場合の控除です。国税庁によると、障害者1人につき27万円、特別障害者の場合は40万円、同居特別障害者の場合は75万円が控除されます。配偶者が障害者の場合は、配偶者控除に加えて障害者控除も受けられます。
3-2. ひとり親控除・寡婦控除
ひとり親控除は、一定の要件を満たす、ひとり親である場合の控除です。寡婦控除は、ひとり親控除に該当しない一定の寡婦が対象です。要件には、生計を一にする子の有無、合計所得金額、事実婚の有無などがあり、判定が難しい控除です。控除額や要件の詳細は、国税庁の最新の案内で確認してください。
3-3. 勤労学生控除
本人が勤労学生である場合の控除です。給与所得などの勤労による所得があり、合計所得金額や、勤労によらない所得の金額が一定以下であることなどが要件になります。アルバイトをしながら学校に通う学生が主な対象です。
3-4. 扶養控除
国税庁の案内では、納税者に控除対象扶養親族がいる場合の控除額は次のとおりです。控除対象扶養親族とは、扶養親族のうち、その年12月31日現在の年齢が16歳以上の人をいいます。
| 区分 | 控除額 |
|---|---|
| 一般の控除対象扶養親族 | 38万円 |
| 特定扶養親族(19歳以上23歳未満) | 63万円 |
| 老人扶養親族(70歳以上)・同居老親等以外 | 48万円 |
| 老人扶養親族(70歳以上)・同居老親等 | 58万円 |
扶養親族の要件のひとつに、年間の合計所得金額の上限があります。国税庁によると、この金額は令和7年分は58万円以下(給与のみの場合は給与収入123万円以下)、令和8年分からは62万円以下とされています。令和8年分の規定は、令和8年12月1日に施行されます。
3-5. 特定親族特別控除
特定親族特別控除は、生計を一にする19歳以上23歳未満の親族で、控除対象扶養親族に該当しない人(合計所得金額が一定の範囲にある人)がいる場合に受けられる控除です。国税庁の表では、特定親族の合計所得金額に応じて控除額が段階的に変わります。
| 特定親族の合計所得金額 | 控除額 |
|---|---|
| 62万円超 85万円以下 | 63万円 |
| 85万円超 90万円以下 | 61万円 |
| 90万円超 95万円以下 | 51万円 |
| 95万円超 100万円以下 | 41万円 |
| 100万円超 105万円以下 | 31万円 |
| 105万円超 110万円以下 | 21万円 |
| 110万円超 115万円以下 | 11万円 |
| 115万円超 120万円以下 | 6万円 |
| 120万円超 123万円以下 | 3万円 |
給与のみの場合の給与収入の上限は、国税庁によると197万円以下(令和7年分は188万円以下)です。なお、この表は令和8年12月1日に施行され、令和8年分以後の所得税に適用されます。令和7年分の取扱いは、国税庁の案内で確認してください。
3-6. 配偶者控除
控除を受ける納税者本人の合計所得金額が1,000万円以下で、配偶者の合計所得金額が一定以下の場合に受けられる控除です。国税庁によると、控除額は納税者本人の合計所得金額と、配偶者の年齢によって次のとおりです。
| 納税者本人の合計所得金額 | 一般の控除対象配偶者 | 老人控除対象配偶者 |
|---|---|---|
| 900万円以下 | 38万円 | 48万円 |
| 900万円超 950万円以下 | 26万円 | 32万円 |
| 950万円超 1,000万円以下 | 13万円 | 16万円 |
控除対象配偶者の合計所得金額の要件は、国税庁によると、令和7年分は58万円以下、令和8年分からは62万円以下です。給与のみの場合は、給与収入が令和8年分から136万円以下(令和7年分は123万円以下)とされています。
3-7. 配偶者特別控除
配偶者の合計所得金額が、配偶者控除の対象となる金額を超えるものの、一定の範囲内にある場合に受けられる控除です。国税庁によると、納税者本人の合計所得金額が1,000万円以下で、配偶者の合計所得金額が、令和8年分以降は62万円超133万円以下(令和7年分は58万円超133万円以下)であることが要件です。控除額は最高で38万円で、納税者本人と配偶者の合計所得金額に応じて段階的に変わります。
| 配偶者の合計所得金額(令和8年分以降) | 本人900万円以下 | 本人900万円超950万円以下 | 本人950万円超1,000万円以下 |
|---|---|---|---|
| 62万円超 95万円以下 | 38万円 | 26万円 | 13万円 |
| 95万円超 100万円以下 | 36万円 | 24万円 | 12万円 |
| 100万円超 105万円以下 | 31万円 | 21万円 | 11万円 |
| 105万円超 110万円以下 | 26万円 | 18万円 | 9万円 |
| 110万円超 115万円以下 | 21万円 | 14万円 | 7万円 |
| 115万円超 120万円以下 | 16万円 | 11万円 | 6万円 |
| 120万円超 125万円以下 | 11万円 | 8万円 | 4万円 |
| 125万円超 130万円以下 | 6万円 | 4万円 | 2万円 |
| 130万円超 133万円以下 | 3万円 | 2万円 | 1万円 |
配偶者特別控除の表は、令和7年分と令和8年分以降とで、区分の下限(58万円超か、62万円超か)が異なります。年末調整の時期は、令和8年分の改正が12月1日施行となっているため、どの年分の表で計算するかを、使用しているシステムや国税庁の最新の案内で確認してください。
04 BASIC DEDUCTION 基礎控除——全員に適用され、年分で金額が変わる 合計所得金額に応じて控除額が変わる。令和7年分・8年分で改正
基礎控除は、納税者本人の合計所得金額に応じて、確定申告や年末調整で所得から差し引ける控除です。国税庁によると、令和7年分以後は、金額が従来から引き上げられています。
| 納税者本人の合計所得金額が132万円以下の場合 | 基礎控除額 |
|---|---|
| 令和6年分以前 | 48万円 |
| 令和7年分 | 95万円 |
| 令和8年分・令和9年分 | 104万円 |
| 令和10年分以後 | 99万円 |
合計所得金額が132万円を超える場合は、所得に応じた区分ごとに控除額が設定されています。また、合計所得金額が2,350万円を超える場合は、控除額は逓減し、2,350万円超2,400万円以下は48万円、2,400万円超2,450万円以下は32万円、2,450万円超2,500万円以下は16万円、2,500万円超は0円です。すべての区分の金額は、国税庁のタックスアンサー(No.1199)で確認してください。
国税庁によると、令和8年分の基礎控除の規定は令和8年12月1日に施行されます。施行日前の適用関係は、国税庁の「令和8年度税制改正(所得税の基礎控除の引上げ等関係)Q&A」で案内されています。年末調整の実務では、使用する給与計算ソフトや申告書の様式が、どの年分の基準に対応しているかを確認してください。
📚 用語解説
合計所得金額:総所得金額、退職所得金額、山林所得金額などの合計額。給与所得者の場合、給与収入から給与所得控除を差し引いた金額が「給与所得金額」で、他に所得がなければそれが合計所得金額になる。控除の適用判定の多くは、収入ではなくこの合計所得金額で行う。
05 HOW TO APPLY 所得控除を適用する方法——年末調整と確定申告 年末調整でできる控除、確定申告が必要な控除
| 控除 | 年末調整での適用 | 確定申告が必要か |
|---|---|---|
| 基礎控除・配偶者控除・配偶者特別控除・扶養控除 | ○ 申告書で適用 | 年末調整で済めば不要 |
| 社会保険料控除・小規模企業共済等掛金控除 | ○ 証明書をもとに適用 | 年末調整で済めば不要 |
| 生命保険料控除・地震保険料控除 | ○ 控除証明書をもとに適用 | 年末調整で済めば不要 |
| 障害者控除・ひとり親控除・寡婦控除・勤労学生控除 | ○ 申告書で適用 | 年末調整で済めば不要 |
| 特定親族特別控除 | △ 適用の可否や手続きは最新の案内で確認 | 年分により異なる(令和7年分は確定申告が必要とされる案内あり) |
| 医療費控除・雑損控除・寄付金控除 | ✗ 年末調整では不可 | 確定申告が必要 |
従業員から提出された「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」「給与所得者の基礎控除申告書兼給与所得者の配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書」「給与所得者の保険料控除申告書」などをもとに、事業者が年末調整を行います。申告書の記載内容や添付書類が不足していると、控除が正しく適用されません。
5-1. 申告漏れが起きやすいポイント
従業員が提出した申告書は、記載漏れ、添付書類の不足、年分の取り違えが起きやすいです。事務所で確認用のチェックリストを用意しておくと、顧問先ごとに確認の抜けが出にくくなります。
06 SIMULATION 所得控除の試算イメージ——給与から税額までの流れ 控除が増えると、課税所得金額がどう変わるか
所得控除が課税所得にどう影響するかを、簡単な仮定で確認してみます。以下は、計算の流れを理解するための説明用の例で、実際の税額は、個別の状況や適用される年分の制度によって異なります。
| 計算の段階 | 例(仮の数字) | 説明 |
|---|---|---|
| 給与所得金額 | 300万円とする | 給与収入から給与所得控除を差し引いた金額(仮定) |
| 所得控除の合計 | 基礎控除+社会保険料控除+その他の合計を差し引く | 従業員の状況によって変わる |
| 課税所得金額 | 給与所得金額 − 所得控除の合計 | 千円未満は切り捨て |
| 所得税額 | 課税所得金額に税率をかけ、控除額を引く | 税率の仕組みは別記事を参照 |
具体的な試算は、国税庁の「給与所得の源泉徴収票等の法定調書」関連のページや、給与計算ソフトの年末調整機能を使うと確実です。事務所としては、顧問先の従業員に対して、控除を増やす申告漏れがないかを確認することで、納めすぎを防ぐことにつながります。所得税がいくらから発生するかは所得税はいくらから発生するかの記事も参考にしてください。年末調整での還付については年末調整の還付金の解説も参考になります。
6-1. 所得税および復興特別所得税の申告納税額の計算方法
所得税の計算では、課税所得金額に税率をかけて算出した所得税額から、税額控除(配当控除、外国税額控除、住宅借入金等特別控除など)を差し引いて「基準所得税額」を求めます。さらに、この基準所得税額に2.1%の復興特別所得税が加わり、その合計から源泉徴収された税額などを引いたものが、確定申告での申告納税額になります。所得控除は、この計算の最初の段階で使う控除であり、税額控除とは使う場所が違います。
📚 用語解説
税額控除:所得控除が「課税される所得」を減らす仕組みであるのに対し、税額控除は、計算した「税額」そのものから差し引く仕組み。配当控除、外国税額控除、住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)などが代表例。
6-2. 所得控除の申告方法と、給与計算方法への反映(人事担当者向け)
給与所得者の場合、毎月の給与から源泉徴収する所得税は、扶養控除等申告書に記載された扶養親族の数などに応じた税額表で計算します。そして年末調整で、年間の所得控除を反映した正しい年税額との過不足を精算します。人事担当者としては、毎月の給与計算での扶養親族等の数の反映と、年末調整での各種控除の反映の、二段階があることを押さえておく必要があります。
計算の端数処理も確認が必要なポイントです。課税所得金額は1,000円未満を切り捨てて税額を計算します。そのほか、年末調整や確定申告での端数処理は、各申告書の記載要領や給与計算ソフトの仕様に従ってください。
6-3. 配偶者に給与所得以外の所得がある場合・非居住者の場合
配偶者や扶養親族の判定は、収入ではなく合計所得金額で行います。パート収入のほかに、年金や不動産、事業などの給与所得以外の所得がある場合は、それらを合算して判定する必要があります。給与収入だけを見て「壁を超えていない」と判断してしまう誤りが起きやすいため、従業員への確認項目に含めてください。
また、日本国内に住所を有しない非居住者の場合は、適用できる所得控除が限定されます。国税庁によると、非居住者の基礎控除は、令和7年分は58万円、令和8年分以後は62万円が最高額です。扶養親族が非居住者の場合にも、年齢などの追加要件があります。海外在住の親族を扶養に入れる顧問先では、要件と添付書類(親族関係書類、送金関係書類など)の確認が必要です。
07 THE LIMIT 年末調整の確認作業が、事務所の手作業の限界になる理由 申告書の回収・確認・差し戻しを人手で回し続ける負荷
所得控除の種類や金額を理解することと、それを顧問先の数十人・数百人の従業員の申告書に正しく反映させることは、別の問題です。複数の顧問先の年末調整を預かる事務所では、次のような負荷が積み重なります。
これらは「所得控除を知っているか」では解決しません。顧問先ごとに、数十枚から数百枚の申告書を回収し、内容を確認し、不備を洗い出し、連絡を重ねる事務作業そのものが、負荷の根本原因です。
08 AUTOMATE WITH AI 【核心】申告書の回収状況・不備チェックをAIで自動化する 「AIに聞く」効率化ではなく、毎回の事務作業そのものを渡す自動化へ
📚 用語解説
Claude Code/Codex:Claude CodeはAnthropic社、CodexはOpenAI社が提供するAIエージェント。ChatGPTのような「質問に答えるAI」と違い、指示を受けてパソコン上のデータ集計・ファイル操作・文書作成などの作業そのものを実行できる。日本語の指示だけで業務の仕組みを構築できるため、事務所のバックオフィス業務の自動化にも使われている。
8-1. 「AIに聞く」と「AIが確認作業を自動で回す」は別物
Claude Code/Codexに「扶養控除の金額を教えて」と聞くのは効率化です。調べ物が速くなるだけで、顧問先ごとの回収状況の管理や不備の確認は、人が毎回行う必要があります。
一方、本当に効果が出るのは自動化です。「従業員から申告書のデータが届いたら、必須の記載項目の抜けと添付書類の有無を点検し、不備のある人を一覧にし、何が足りないかを書いた差し戻しの文案を作成して、承認待ちにする」という流れを最初に一度設計しておけば、申告書が届くたびに、仕組みが下準備を終えています。今のソフトはそのまま使い続け、人の仕事は、最後に内容を確認して承認することだけになります。
8-2. 社労士法・税理士法との線引き
AIが担当できるのは、回収状況の一覧化、記載漏れ・添付漏れの点検、差し戻し文案の作成、集計データの整理など、先生方の最終確認より前の事務作業です。最終確認、承認、行政機関への提出手続きの代行(1号・2号業務)は、これまでどおり事務所が行います。なお、税額の最終判断など税務の専門的な判断は、税理士など資格者の領域を踏まえて、顧問先との役割分担に従います。個人情報の受け渡しと保管のルールは、NDAを結んだうえで、事務所の規程に合わせて決めます。
8-3. Claude Code/Codexに任せられる事務作業
| これまで職員がやっていた作業 | AIに任せた後 |
|---|---|
| 申告書の提出状況を表計算ソフトで管理 | 提出状況を自動で一覧化し、更新 |
| 申告書の記載漏れ・添付書類の不足を目視で確認 | 点検項目に沿って不備を自動で抽出 |
| 年分の取り違え(令和7年分と令和8年分など)を確認 | 年分と様式の対応を自動でチェック |
| 不備のある従業員へ個別に連絡 | 不備の内容に応じた差し戻し文案を自動で作成 |
| 顧問先ごとの提出期限の管理と催促 | 期限から逆算して催促の予定と文案を自動で作成 |
ポイントは、いま事務所が使っている給与ソフトや年末調整のシステムをそのまま使い続けられることです。顧問先にソフトの乗り換えをお願いする必要はありません。
09 BUILD OR OUTSOURCE 増員・外注・自作では、繁忙期の事務作業は片づかない 4つの選択肢のうち3つは、事務所の悩みを別の悩みに置き換えるだけ
申告書の回収・点検・差し戻しのように「件数が多く、顧問先ごとに条件が違い、催促が続く」作業を楽にする方法は、4つの選択肢に整理できます。ただしそのうち3つは、事務所の悩みを別の悩みに置き換えるだけです。
| 選択肢 | よくある期待 | 実際に行き詰まる所 | 判定 |
|---|---|---|---|
| ①職員を増やす | 人を増やせば回る | 繁忙期に採用・教育が間に合わず、閑散期には人件費が残る。判断基準が人の頭の中にあり、属人化が増える | ✗ |
| ②従来型の外注・BPO | 外に出せば手間がなくなる | 顧問先ごとの条件の説明と、戻ってきた結果の手直しが事務所に残る | ✗ |
| ③事務所でAIを自作する | Claude Code/Codexなら自分たちで作れる | 顧問先ルールの言語化・検証の型・作った人しか直せない第二の属人化という壁がある | ✗ |
| ④AI社員AIKATAに任せる | 事務作業を丸ごと渡せる | 事務所に残る業務は最終確認と承認のみ | ★ |
9-1. 「①増員」「②外注」で片づかない理由
9-2. 「③自作」の壁
10 WHAT IS AIKATA 「AI社員AIKATA」とは——事務所の定型事務作業を丸ごと代行 集計・下準備は預ける、提出手続きと最終承認は先生方のまま
この3つの壁を事務所自身で越えなくても、毎回の事務作業そのものを丸ごと預ける道があります。それが弊社(株式会社GENAI)が運営する業務代行サービス「AI社員AIKATA」です。
📚 用語解説
AI社員AIKATA:株式会社GENAIが運営する業務代行サービス。社労士事務所のバックオフィス業務のうち、パソコン上で行う定型的な事務作業を、AIと人の二重体制で丸ごと受託する。特定のソフトに縛られず、事務所が使っている既存の環境をそのまま使って自動化する点が特徴。
AIKATAを使う社労士事務所では、「顧問先ごとの締め日と運用ルールを登録する→毎月の勤怠データや必要な資料を回収・集計する→使うソフトへ入力し、チェックする→承認待ちの状態で事務所に渡す」という形で運用しています。事務所の先生方・職員は、渡された内容を確認して承認する役割に集中します。
無料相談(60分・オンライン/Google Meet)では、事務所の業務の棚卸しと、どこまで任せられるかの整理を行います。契約の義務はありません。利用にあたってはNDAを結び、給与・人事のデータの受け渡しと保管のルールを、事務所の規程に合わせて決めます。料金は、業務量が増えても変わらない月額の定額制です。
11 COMPARISON & SUMMARY 残る道は「作業そのものを任せる」だけ——まとめ 手作業のまま/ソフトの追加・乗り換え/AIKATAに任せる 比較とまとめ
| 手作業のまま | ソフトの追加・乗り換え | AIKATAに任せる | |
|---|---|---|---|
| 繁忙期の負荷 | ✗ 年末の山に職員が集中 | △ 計算は軽くなるが、回収と催促は残る | ◎ 人を増やさず処理量を増やせる |
| 顧問先ごとのルール | ✗ 担当者の記憶に依存 | △ 製品仕様の範囲内 | ◎ 仕組みに登録し、担当者が変わっても残る |
| 顧問先への負担 | △ 依頼のたびに個別対応 | ✗ 乗り換え時の周知・移行の負担が発生 | ◎ 既存のやり方のまま、顧問先の負担は増えない |
| 職員の採用・教育 | ✗ 採用難と属人化が続く | △ ソフト操作の教育が必要 | ◎ 採用・教育なしで対応できる |
| 社労士法の線引き | ○ 全て職員が実施 | ○ 問題なし | ◎ 提出手続き・帳簿書類の作成は先生方のまま。AIはその手前のみ |
11-1. AI社員AIKATAが選ばれる5つの理由
11-2. まとめ——所得控除の全体像を押さえ、確認作業は仕組みに任せる
所得控除は15種類あり、年末調整で適用できる控除と、確定申告が必要な控除(医療費・雑損・寄付金)に分かれます。基礎控除、配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除、特定親族特別控除は、令和7年分と令和8年分で金額や要件が変わっているため、年分ごとの表で確認する必要があります。
増員・外注・自作・乗り換えは、どれも事務所が人か仕組みを抱え続けます。作業そのものを手放せる道は、AI社員AIKATAに任せることだけです。
次の年末調整を、職員を増やさずに越える準備を始めませんか
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よくある質問
Q. 所得控除とは何ですか?
A. 納税者の事情(家族構成や支払った保険料・医療費など)を考慮して、課税される所得を計算するときに、所得金額から差し引ける金額です。差し引いた後の課税所得金額に税率をかけて所得税額を求めるため、所得控除が増えると税額が下がります。
Q. 所得控除は全部で何種類ありますか?
A. 国税庁の整理では15種類です。雑損控除、医療費控除、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除、生命保険料控除、地震保険料控除、寄付金控除、障害者控除、寡婦控除、ひとり親控除、勤労学生控除、配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除、特定親族特別控除、基礎控除が含まれます(整理の仕方で数え方が異なる場合があります)。
Q. 年末調整でできる控除と、確定申告が必要な控除の違いは何ですか?
A. 医療費控除、雑損控除、寄付金控除は、年末調整では適用できず、確定申告が必要です。基礎控除、配偶者控除、扶養控除、社会保険料控除、生命保険料控除、地震保険料控除などは、年末調整で適用できます。
Q. 基礎控除の金額は、令和7年分と令和8年分で変わりますか?
A. 変わります。国税庁によると、合計所得金額が132万円以下の場合、令和6年分以前は48万円、令和7年分は95万円、令和8年分・令和9年分は104万円、令和10年分以後は99万円です。なお、令和8年分の規定は令和8年12月1日に施行されます。区分ごとの詳細は、国税庁のタックスアンサー(No.1199)で確認してください。
Q. 配偶者控除と配偶者特別控除は、どう使い分けますか?
A. 配偶者の合計所得金額が配偶者控除の要件(令和8年分から62万円以下、令和7年分は58万円以下)を満たせば配偶者控除、これを超えて133万円以下であれば配偶者特別控除の対象となります。どちらも、控除を受ける本人の合計所得金額が1,000万円以下であることが要件です。
Q. 所得控除の確認作業をAIに任せても、社労士法上問題ありませんか?
A. 最終確認や承認、行政機関への提出手続きの代行(1号・2号業務)を事務所の先生方が行う前提であれば、その前の事務作業をAIに任せる形になります。AI社員AIKATAが担うのは、回収状況の一覧化、記載漏れ・添付漏れの点検、差し戻し文案の作成、集計データの整理などです。税務の専門的な判断は、税理士など資格者との役割分担に従います。
Q. 今使っている給与ソフトのままで、AIに下準備を任せられますか?
A. 任せられます。AI社員AIKATAは特定のソフトに限定せず、事務所が現在使っている給与ソフト・勤怠システムをそのまま使い、画面操作を含めて自動化します。顧問先にソフトの乗り換えをお願いする必要はありません。顧問先ごとの個別ルールも仕組みに登録して処理するため、担当者が変わってもルールが引き継がれます。
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