【2026年11月最新】年収の壁・支援強化パッケージとは?106万円・130万円・配偶者手当への対応と、顧問先への説明の進め方を社労士事務所向けに整理し、収入管理の事務作業をAIで自動化する方法
「パートの従業員から『年収の壁を超えないように働きたい』と言われたが、会社として何をすればよいのか」「年収の壁・支援強化パッケージというものがあると聞いたが、うちは使えるのか」。顧問先から、社労士事務所の所長・職員の方に届く相談です。
結論から言うと、年収の壁・支援強化パッケージは、2023年10月に始まった、いわゆる「106万円の壁」「130万円の壁」を意識した就業調整(働く時間を抑えること)に対応するための、時限的な支援策です。106万円の壁には「社会保険適用促進手当」とキャリアアップ助成金、130万円の壁には「事業主の証明による被扶養者認定の継続」、あわせて企業の「配偶者手当」の見直しの促進、という三つの柱で構成されています。
この記事では、パッケージの目的・対象、106万円と130万円の壁の違い、それぞれの対応、配偶者手当の考え方、実務上の注意点を整理します。後半では、パート・短時間労働者の収入管理や社会保険の判定にまつわる事務作業を、AIで自動化する方法を、弊社の業務代行サービス「AI社員AIKATA」(運営: 株式会社GENAI)の仕組みとともに解説します。
01 OVERVIEW 「年収の壁・支援強化パッケージ」とは何のためのものか 目的・対象の会社・対象の労働者を、顧問先に一言で説明できる形に
1-1. 何のためのパッケージか
パートやアルバイトで働く人の中には、年収がある金額を超えると、社会保険料や税金の負担が増えて手取りが減ることを避けるために、勤務時間を抑える人がいます。これが「就業調整」です。人手不足の中で、働きたい人が時間を抑えざるを得ない状況は、会社にとっても本人にとっても損失になります。
そこで政府は、2023年10月から、「年収の壁」を意識せずに働ける環境づくりを目的として、当面の対応策を「年収の壁・支援強化パッケージ」として始めました。恒久的な制度改正までの「つなぎ」の位置づけで、内容は大きく三つに分かれます。
| 区分 | 内容 | 主な対象 |
|---|---|---|
| 106万円の壁への対応 | 社会保険の適用で手取りが減る問題への対応。社会保険適用促進手当の仕組みと、キャリアアップ助成金(社会保険適用時処遇改善コース) | 社会保険に新たに加入する短時間労働者と、その事業主 |
| 130万円の壁への対応 | 収入の一時的な増加では、すぐに被扶養者の認定から外さない運用。事業主の証明により、認定を継続 | 被扶養者として健康保険・国民年金の第3号被保険者になっている人 |
| 配偶者手当への対応 | 企業の配偶者手当の支給条件(収入の上限)の見直しを促す | 配偶者手当を設けている企業 |
1-2. 対象となる会社
パッケージは、会社の規模によって、対象となる項目が異なります。106万円の壁への対応が関係するのは、短時間労働者への社会保険の適用が義務づけられている会社です。この適用の範囲(企業規模の要件)は、法改正により段階的に拡大されており、現在は従業員51人以上の会社が対象です。さらに今後も、規模の要件は段階的に引き下げ・撤廃される方針が法律で定められています。一方、130万円の壁への対応と配偶者手当の見直しは、会社の規模を問いません。
📚 用語解説
特定適用事業所:短時間労働者(パート・アルバイトなど)にも社会保険(健康保険・厚生年金保険)の加入が義務づけられている事業所。従業員数が一定の規模を超える会社が該当し、その規模の基準は法改正により段階的に引き下げられてきた。対象になる事業所では、週の所定労働時間が20時間以上であるなどの要件を満たす短時間労働者を、被保険者として加入させる必要がある。基準の最新の内容と今後の予定は、日本年金機構の案内で確認する。
1-3. 対象となる労働者
なお、106万円や130万円という金額は、「年収」そのもので判定されるのではなく、要件ごとに、何を収入に含めるかが違う点には注意が必要です。この違いは次の章で整理します。
1-4. 「時限的な措置」であることの意味
このパッケージは、制度そのものを恒久的に変えるものではなく、制度改正が行われるまでの当面の対応として設計されています。たとえば、助成金の仕組みは実施期間が決められており、延長や見直しが行われることがあります。また、2025年の年金制度改正法では、106万円の賃金要件の撤廃や、企業規模の要件の段階的な撤廃が盛り込まれました。顧問先に説明するときは、「パッケージの内容」と「制度本体の改正の動き」を分けて伝えると誤解が減ります。
02 KABE 106万円の壁と130万円の壁の違い——何を超えると何が変わるのか 「壁を超える」は、人によって指す内容が違う。ここを整理する
2-1. 「壁を超える」とは何を指すのか
| 106万円の壁 | 130万円の壁 | |
|---|---|---|
| 何が変わるか | 勤め先の健康保険・厚生年金保険に、自分が加入する | 家族の被扶養者から外れ、自分で国民健康保険・国民年金に加入するか、勤め先の社会保険に加入する |
| 基準の性質 | 賃金が月額8.8万円以上などの加入の要件(年収106万円相当) | 年間収入の見込みが130万円未満などの被扶養者の認定基準 |
| 判断する主体 | 事業所(事業主)が、要件に該当するかを判断し、届出する | 健康保険の保険者(協会けんぽ・健保組合)が、認定の可否を判断する |
| 対象となる会社 | 特定適用事業所など、短時間労働者の適用が義務の会社 | 会社の規模を問わない |
| 主な負担の変化 | 社会保険料が給与から天引きされ、手取りが減る。ただし将来の年金額・給付は増える | 国民健康保険料・国民年金保険料の負担が発生する、または勤め先の社会保険に加入する |
📚 用語解説
第3号被保険者:会社員や公務員などの厚生年金に加入している人(第2号被保険者)に扶養されている配偶者で、20歳以上60歳未満の人。自分で保険料を負担せずに、国民年金の被保険者として扱われる。年間収入の見込みが130万円未満などの条件を満たす必要があり、収入が基準を超えると第3号被保険者から外れて、自分で国民年金(第1号)に加入するか、勤め先の厚生年金に加入することになる。
2-2. 収入に含めるもの・含めないものの違い
106万円の壁は「賃金が月額8.8万円以上」という要件なので、残業代・通勤手当・賞与などの扱いが、130万円の壁とは異なります。月額8.8万円の判定では、賞与・臨時に支払われる賃金・時間外労働の割増賃金・通勤手当などは含めず、基本給と諸手当で判断します。これに対し、130万円の壁の年間収入には、通勤手当や賞与も含めて、見込みの総額で判断されるのが一般的です。
この違いを知らないまま、「年収が106万円を超えたから社会保険に入る」と説明してしまう誤りは、実務でよく起きます。社会保険の加入は、年収の合計ではなく、月額の賃金・労働時間・雇用の見込みなどの要件で判定すると整理して伝えます。
2-3. 手取りが逆転するのは、どのくらいか
社会保険に加入すると、保険料の負担が増えるため、収入が増えても手取りが減る「逆転」が起きる収入の範囲があると言われます。ただし、社会保険に加入すれば、傷病手当金・出産手当金・厚生年金の上乗せなど、将来の保障が手厚くなります。顧問先にも従業員にも、「手取りが減る」面と「保障が増える」面の両方を、公平に説明することが大切です。
2-4. 所得税・住民税の壁は、別の制度
「年収の壁」には、社会保険の壁のほかに、所得税や住民税がかかり始める金額(いわゆる103万円の壁など)もあります。所得税の壁については、令和7年度(2025年度)の税制改正で基礎控除などが見直され、基準の金額が変わりました。社会保険の壁と税の壁は、制度も基準も別です。税の壁については、所得税はいくらから発生するかの記事で整理しています。
顧問先の従業員から「103万円の壁がなくなったのだから、もう気にしなくていいのですよね」と聞かれることがあります。所得税の壁が見直されても、社会保険の壁(106万円・130万円)はなくなっていません。それぞれの壁の「何が変わるか」を分けて、一つずつ説明します。
2-5. 社会保険の適用拡大の流れ
短時間労働者への社会保険の適用は、段階的に拡大されてきました。従業員数の規模の要件が引き下げられるたびに、新たに対象になる顧問先と従業員が出てくるため、事務所は、顧問先の従業員数が基準に近づいていないかを見守る必要があります。加入の手続きについては、社会保険の加入条件の記事で詳しく解説しています。
03 106MAN 106万円の壁への対応——社会保険適用促進手当とキャリアアップ助成金 手当を「保険料の算定から外す」仕組みと、事業主への助成金の二本立て
3-1. 社会保険適用促進手当
社会保険に新たに加入する従業員の手取りの減少を和らげるために、事業主が「社会保険適用促進手当」を支給できる仕組みです。この手当は、本人が負担する社会保険料相当額を、事業主が賃金とは別に上乗せして支給するもので、社会保険料の算定の基礎となる報酬(標準報酬月額)から、一定の期間、除外されます。手当を支給することで、保険料が増えるという悪循環を避けられます。
📚 用語解説
社会保険適用促進手当:短時間労働者が新たに社会保険に加入する際に、事業主が、社会保険料の負担による手取りの減少を補うために支給する手当。要件を満たす場合は、標準報酬月額・標準賞与額の算定に含めない(最大2年間)。手当の額や支給の期間、対象となる従業員の条件などは、厚生労働省と日本年金機構の案内に沿って、事業所の賃金規程等で定める。
3-2. キャリアアップ助成金(社会保険適用時処遇改善コース)
事業主が、短時間労働者を社会保険に加入させる際に、手当を支給したり、労働時間を延ばしたりする場合に、助成金を受けられる仕組みです。メニューは大きく二つあります。
| メニュー | 内容 | 押さえておきたい点 |
|---|---|---|
| 手当等支給メニュー | 社会保険適用促進手当などを、社会保険に加入した従業員に支給する | 手当の支給期間や、助成の対象になる賃金の範囲が決められている。賃金規程等への手当の位置づけが前提 |
| 労働時間延長メニュー | 週の所定労働時間を延長し、社会保険に加入させる | 延長する労働時間の幅や、雇用契約書の変更が要件になる。短時間のまま加入する場合とは別の整理 |
助成金の支給額・要件・申請の期限は、年度ごとに見直されるため、この記事では金額を断定しません。申請を検討する顧問先がある場合は、厚生労働省の最新のパンフレットと、都道府県労働局の案内で確認します。助成金の申請書類の作成と提出の代行は、社労士の業務として、先生方が行います。
3-3. 手当を支給する場合の実務の流れ
3-4. 106万円の壁への対応で、事務所が確認する点
04 130MAN 130万円の壁への対応——事業主の証明による被扶養者認定の継続 一時的な収入の増加なら、すぐに扶養から外さない。そのために必要な証明
4-1. 被扶養者の認定と、130万円の基準
健康保険の被扶養者は、年間収入の見込みが130万円未満(60歳以上や障害者は180万円未満)で、かつ被保険者の収入の2分の1未満などの基準で認定されます。この「見込み」は、過去の収入ではなく、今後1年間の収入の見込みで判断するのが原則です。
パートの収入が、繁忙期の残業などで一時的に増えて、年間で130万円を超えると、翌年から被扶養者の認定が外れる可能性があります。そのたびに本人が就業調整をしていては、会社の人手不足にもつながります。
4-2. 事業主の証明による認定の継続
📚 用語解説
一時的な収入変動の事業主証明:人手不足による労働時間の延長など、一時的な事情で収入が増えて被扶養者の認定基準を超えた場合に、事業主が「一時的な収入増である」旨を証明する書類を作成し、保険者に提出する仕組み。保険者が証明の内容を確認し、被扶養者の認定を継続するかどうかを判断する。連続して利用できる回数に制限があり、2回までとされている。証明書の様式と手続きは、各保険者(協会けんぽ・健康保険組合など)の案内に従う。
4-3. 証明書を作るときのポイント
事業主の証明書では、収入が増えた理由が「一時的な事情」であることを説明する必要があります。たとえば、繁忙期の残業の増加、他の従業員の欠員に対応した臨時の勤務延長などです。一方、労働契約の内容(賃金・所定労働時間)が変わったことで収入が増えた場合は、一時的な収入変動には当たりません。
4-4. 130万円の壁で、事務所が注意する点
事業主の証明は、被扶養者の認定を継続するための材料の一つで、最終的な判断は保険者が行います。また、利用できる回数にも制限があります。顧問先と従業員には、「証明があれば必ず大丈夫」ではなく、「認定を継続してもらえる可能性が高まる手続き」と説明します。恒常的に収入が増える場合は、被扶養者から外れることを前提に、従業員本人と将来の働き方を相談してもらうのが誠実な対応です。
また、被扶養者の認定は、保険者ごとに運用の細部が異なることがあります。協会けんぽと健康保険組合では、必要書類や審査の厳しさが違う場合があるため、従業員の配偶者の勤務先の保険者も確認する必要があります。
05 HAIGUUSHA 配偶者手当への対応と、顧問先への説明の進め方 企業の配偶者手当の見直しを促す動きと、実務上のチェックポイント
5-1. 配偶者手当の見直しとは
多くの会社で、配偶者の年収が103万円または130万円以下であることを、配偶者手当の支給の条件にしています。この条件が、従業員の配偶者の就業調整を誘発している場合があります。パッケージでは、企業にこの収入要件を見直すことを促し、厚生労働省が、見直しの考え方を紹介する資料を公表しています。
5-2. 配偶者手当を見直すときの、労務上の注意
配偶者手当の廃止や縮小は、従業員にとって賃金の引き下げ(労働条件の不利益変更)になる場合があります。就業規則・賃金規程を変更する際は、労働契約法に基づく合理性(必要性、変更後の内容の相当性、従業員への説明・協議の経過など)が求められます。また、経過措置や代替の手当を設けるなど、従業員の理解を得られる進め方が重要です。就業規則の変更手続きについては、電子申請に関する記事もあわせてご覧ください。
5-3. 顧問先への説明の進め方——3つの場面
| 場面 | 顧問先が知りたいこと | 事務所が準備する材料 |
|---|---|---|
| 従業員から就業調整の相談を受けた | 本人にどう説明すればよいか | 106万円・130万円の違いの一覧、保障の面と手取りの面の両方を示した説明資料 |
| 従業員数が基準に近づいている | いつから社会保険の適用になるか、何を準備するか | 適用拡大の予定、対象になりうる従業員の一覧、手当や助成金の活用案 |
| 人手不足で、パートに時間を延ばしてほしい | 被扶養者の認定は大丈夫か | 一時的な収入増の事業主証明の手続き、恒常的な延長の場合の整理 |
5-4. よくある誤解と、確認の観点
5-5. 年間を通した収入管理の流れ
パート・短時間労働者の収入見込みは、年に一度の確認では足りず、年間を通して確認し続ける必要があります。残業が増えた月、シフトを増やした月、賞与の支給月などに、見込みの金額が変わるためです。
5-6. 年末年始休暇・祝日の設定が、収入見込みに与える影響
パート・短時間労働者の年間の収入見込みは、年末年始休暇や祝日をどう扱うかで変わります。時給制で、休暇の日は賃金が発生しない顧問先では、休暇が長い月は収入が減り、休暇が短い月は増えます。一方、月給制のパートでは、休暇があっても賃金は変わりません。顧問先ごとにこの扱いが違うため、年間見込みを計算するときは、年末年始休暇の日数と、祝日の取扱いを最初に確認します。
| 確認する点 | 収入見込みへの影響 | 事務所の確認方法 |
|---|---|---|
| 年末年始休暇の日数と、有給・無給の別 | 無給の休暇が長いと、時給制のパートは12月・1月の賃金が減る | 就業規則・カレンダーで日数と賃金の扱いを確認 |
| 祝日の取扱い(出勤日か、休日か) | 祝日を出勤日とする顧問先では、月の労働時間が増える | 勤務カレンダーと、シフトの実績を照合 |
| 年間の勤務カレンダーの設定 | 所定労働日数が年間の見込みの前提になる | 年度の初めに顧問先から勤務カレンダーを回収 |
勤怠システムでの年末年始休暇の設定方法は、システムによって異なります。休暇の日付を一つずつ手動で入力してスケジュール登録する方法と、祝日設定として一括で登録する方法があるのが一般的です。どちらの方法で登録しているかによって、集計される所定労働日数が変わるため、顧問先から勤怠データを受け取る際に、設定の方法も確認しておくと、見込みの計算ミスを防げます。休暇の登録に漏れがあると、欠勤として集計されたり、所定労働日数がずれたりするためです。
なお、106万円の壁への対応(社会保険適用促進手当・助成金)のように、壁対策として事業主が行う措置は、どれも「従業員ごとの収入見込みと加入要件の把握」が前提になります。また、130万円の壁では、被扶養認定継続のために、勤怠・給与の記録から一時的な収入増であることを示す必要があります。
最後に、年収の壁の対応で大切なのは、制度の名前を覚えることではなく、従業員一人ひとりの収入見込みを、継続して確認できる仕組みを持つことです。壁を意識して働く時間を抑える従業員も、人手不足の顧問先も、見込みを正確に把握できていれば、無理のない選択ができます。
06 THE LIMIT 年収の壁の対応で、事務所の手作業が重くなる理由 制度の知識より「従業員ごとの収入見込みの更新と、書類の準備」が負担になる
ここまでの制度は、一度理解すれば説明できます。ところが顧問先が増えると、課題は「制度を知っているか」ではなく、顧問先ごとの多数のパート・短時間労働者について、収入の見込みを継続して追い、基準に近づいた人に対して必要な手続きを漏れなく行い続けることに移ります。
これらは、「年収の壁の知識」を増やしても解決しません。データを集める、見込みを計算する、基準と照合する、書類の下書きを整える、という定型の事務作業を、人が毎月繰り返していることが根本の原因です。
07 AUTOMATE WITH AI 【核心】収入見込みの管理・加入判定・書類の下準備をAIで自動化する 「AIに聞く」効率化ではなく、作業そのものを渡す自動化へ
📚 用語解説
Claude Code/Codex:Claude CodeはAnthropic社、CodexはOpenAI社が提供するAIエージェント。ChatGPTのような「質問に答えるAI」と違い、指示を受けてパソコン上のデータ集計・ファイル操作・文書作成などの作業そのものを実行できる。日本語の指示だけで業務の仕組みを構築できるため、社労士事務所のバックオフィス業務の自動化にも使われている。
7-1. 「AIに聞く」と「AIが毎月の確認を自動で回す」は別物
Claude Code/Codexに「106万円の壁の要件を教えて」と聞くのは効率化です。調べ物が速くなるだけで、顧問先ごとの従業員の収入見込みの更新や判定は、人が行います。
これに対して自動化は、「顧問先ごとの勤怠・給与データを毎月回収し、従業員ごとの年間の収入見込みを更新し、月額賃金・労働時間などの加入要件と照合し、基準に近づいた従業員を一覧にし、顧問先への確認依頼の文案と、必要な書類の下書きまで準備しておく」という流れを、最初に一度設計しておき、以降は決まったタイミングで自動で走る状態です。人の仕事は、仕上がった一覧と下書きを確認して、顧問先に伝えるかどうかを判断することだけになります。
7-2. 社労士法との線引きを必ず守る
行政機関への提出手続きの代行や、帳簿書類の作成(社労士法の1号・2号業務)は、社会保険労務士である先生方の専権業務です。資格取得届の提出や、助成金の申請書類の作成と提出も、先生方が行います。AIが担うのは、データ集計・書類の下準備・資料回収の一次対応など、その手前にある事務作業です。最終確認・承認と、行政機関への提出は、必ず事務所の先生方が行います。
7-3. これまで職員がやっていた作業と、AIに任せた後
| これまで職員がやっていた作業 | AIに任せた後 |
|---|---|
| 顧問先から届く勤怠・給与データを、従業員ごとに集計して年間見込みを計算 | 勤怠・給与データから、従業員ごとの年間見込みを自動で更新 |
| 週の労働時間・月額賃金・雇用の見込みを、加入要件と目視で照合 | 要件との照合を自動で行い、該当しそうな従業員を一覧にする |
| 基準に近づいた従業員を、担当者の気づきで顧問先に連絡 | 近づいた時点で自動で検知し、顧問先への連絡文案まで作成 |
| 事業主の証明書、資格取得届の下書きを、顧問先ごとに個別に作成 | 従業員の情報から、証明書や届出の下書きを自動作成 |
| 一時的な収入増の根拠となる勤怠の記録を、後から集めて整理 | 残業・臨時勤務の実績を自動で整理し、証明の根拠資料の下書きを作成 |
| 不足している資料を、顧問先に個別に依頼・催促 | 不足資料を洗い出し、依頼文と催促文を自動で作成(送付の判断は事務所) |
ポイントは、届出の提出と最終判断は事務所が行い、その手前の「集める・計算する・照合する・下書きする」部分だけをAIに渡すことです。
7-4. 顧問先ごとの「賃金の癖」が仕組みに残る
賃金の締め日・手当の種類・シフトの組み方は、顧問先ごとに違います。人が担当している場合、「この顧問先の○○手当は、加入要件の月額に含まれる」といった判断は、担当者の頭の中や個人のメモに溜まります。AIKATAでは、顧問先ごとの締め日・支給日・手当などの個別ルールを仕組みに登録して処理します。担当者が変わっても、ルールは仕組みに残り、引き継ぎの負担が小さくなります。
08 BUILD OR OUTSOURCE 増員・外注・自作では、繁忙期の事務作業は片づかない 4つの選択肢のうち3つは、事務所の悩みを別の悩みに置き換えるだけ
パート・アルバイトの収入見込みの確認、被扶養者の認定に関する書類の下準備、社会保険の加入要件の判定といった事務作業を楽にする選択肢は、大きく4つです。このうち3つは、事務所の悩みを別の悩みに置き換えるだけです。
| 選択肢 | よくある期待 | 実際に行き詰まる所 | 判定 |
|---|---|---|---|
| ①職員を増やす | 繁忙期の人手不足が解消する | 採用難、教育に時間がかかる、閑散期に人件費が残る、顧問先ごとのルールが個人の頭の中に溜まる | ✕ |
| ②従来型の外注・BPO | 作業を外に出せる | 外注先への説明と手直しが事務所に残る、顧問先ごとの賃金の締め日・手当の種類・パートの労働時間のルールを毎回説明する必要がある、繁忙期は依頼が間に合わない | ✕ |
| ③事務所でAIを自作する | 低コストで自動化できる | 顧問先ルールの言語化、検証の型、作った人しか直せない第二の属人化 | ✕ |
| ④AI社員AIKATAに任せる | 作業そのものを手放せる | 事務所に残るのは最終確認・承認と1号・2号業務のみ | ◎ |
8-1. 「①増員」「②外注」で片づかない理由
8-2. 「③自作」の3つの壁
結局、増員・外注・自作のどれも、人か仕組みを事務所が抱え続ける道です。
09 WHAT IS AIKATA 「AI社員AIKATA」とは——事務所の定型事務作業を丸ごと代行 提出手続き・最終確認は先生方のまま、その手前の作業を預ける仕組み
3つの壁を事務所自身で越えなくても、作業そのものを丸ごと預ける道があります。それが、弊社(株式会社GENAI)が運営する業務代行サービス「AI社員AIKATA」です。パート・短時間労働者の収入管理が増える場面でも、確認や集計の事務作業を預けられます。
📚 用語解説
AI社員AIKATA:株式会社GENAIが運営する業務代行サービス。社労士事務所などのバックオフィス業務のうち、パソコン上で行う定型的な事務作業を、AIと人の二重体制で丸ごと受託する。特定の給与ソフト・勤怠システムに縛られず、事務所が使っている既存の環境をそのまま使って自動化する点が特徴。
無料相談(60分・オンライン/Google Meet)では、事務所の業務を棚卸しし、どこまで任せられるかを一緒に整理します。契約の義務はありません。利用にあたってはNDAを結び、給与・人事データの受け渡しと保管のルールを事務所の規程に合わせて決めます。料金は、業務量が増えても変わらない月額の定額制です。
9-1. 残る道は「作業そのものを任せる」だけ
| 手作業のまま | ソフトの追加・乗り換え | AI社員AIKATAに任せる | |
|---|---|---|---|
| 繁忙期の負荷 | ✕ 顧問先の増加に比例して増える | △ 入力は楽になるが回収・確認は人が行う | ◎ 処理量が増えても事務所の作業は変わらない |
| 顧問先ごとのルール | ✕ 担当者の記憶に依存 | △ 製品の仕様の範囲内 | ◎ 仕組みに登録され、担当者が変わっても残る |
| 顧問先への負担 | ○ 変更なし | ✕ 操作の習得や移行作業をお願いする | ◎ 今のソフト・やり方のまま |
| 職員の採用・教育 | ✕ 繁忙期ほど人手が必要 | △ ソフトの操作教育が必要 | ◎ 採用・教育なしで処理量を増やせる |
| 社労士法の線引き | ○ 全て事務所が実施 | ○ 全て事務所が実施 | ◎ 1号・2号業務は先生方のまま、AIは手前のみ |
9-2. AI社員AIKATAが選ばれる5つの理由
増員・外注・自作・乗り換えは、どれも事務所が人か仕組みを抱え続ける道です。作業を手放せる道は、AIKATAに任せることだけです。
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AI社員AIKATAは、今お使いのソフト・やり方を変えずに、事務作業の下準備から人の確認・承認までの流れを整えます。
職員を増やす・外注する・AIを自作する・ソフトを替える——どの道を選んでも、集計・入力・確認の作業か、それを回す人と仕組みが事務所に残り続けます。
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よくある質問
Q. 年収の壁・支援強化パッケージとは何ですか?
A. 2023年10月に始まった、いわゆる「106万円の壁」「130万円の壁」を意識した就業調整に対応するための、当面の支援策です。106万円の壁には、社会保険適用促進手当とキャリアアップ助成金(社会保険適用時処遇改善コース)、130万円の壁には、事業主の証明による被扶養者認定の継続、あわせて企業の配偶者手当の見直しの促進、という三つの柱で構成されています。時限的な措置のため、最新の内容は厚生労働省の案内で確認してください。
Q. 106万円の壁と130万円の壁の違いは何ですか?
A. 106万円の壁は、勤め先の社会保険(健康保険・厚生年金保険)に自分が加入するかどうかの境目で、週の労働時間・月額賃金・雇用の見込みなどの要件で判定されます。130万円の壁は、家族の被扶養者でいられるかどうかの境目で、年間収入の見込みが130万円未満であることなどが基準です。判断する主体も、前者は事業所、後者は健康保険の保険者と異なります。
Q. 130万円の壁を超えた場合、必ず扶養から外れますか?
A. 収入の増加が一時的な事情によるもので、事業主がその旨を証明する書類を提出した場合は、保険者の判断により、被扶養者の認定が継続されることがあります。連続して利用できる回数に制限があり、恒常的な収入増(賃金の引き上げや労働時間の恒常的な延長)は対象になりません。最終的な判断は保険者が行うため、証明があれば必ず認められるわけではありません。
Q. 社会保険適用促進手当とは何ですか?
A. 短時間労働者が新たに社会保険に加入する際に、手取りの減少を補うために事業主が支給する手当で、一定の要件を満たす場合は、社会保険料の算定の基礎となる報酬に含めない取扱いが認められます(最大2年間)。手当の額や支給の条件は、事業所の賃金規程等で定めます。詳細は日本年金機構と厚生労働省の最新の案内で確認してください。
Q. 配偶者手当は、廃止しないといけませんか?
A. 廃止の義務はありません。パッケージでは、配偶者の収入の上限が就業調整を誘発している場合があるため、企業が支給の条件を見直すことを促しています。廃止や縮小は、労働条件の不利益変更にあたる場合があるため、労働契約法に基づく合理性、従業員への説明、経過措置の設定などに配慮して進める必要があります。
Q. 年収の壁の対応にかかわる事務作業をAIに任せても、社労士法上問題ありませんか?
A. 行政機関への提出手続きの代行や帳簿書類の作成(社労士法の1号・2号業務)は、社会保険労務士である先生方の専権業務であり、AIが代わりに行うことはできません。AI社員AIKATAが担うのは、給与計算・勤怠集計・書類の下準備・資料回収の一次対応など、提出や作成より前の事務作業に限られます。最終確認・承認と行政機関への提出は、必ず事務所の先生方が行う設計です。
Q. 今使っている給与ソフト・勤怠システムのままで、AIに事務作業を任せられますか?
A. 任せられます。AI社員AIKATAは特定のソフトに限定せず、事務所が現在使っている給与ソフト・勤怠システムをそのまま使い、画面操作を含めて自動化します。顧問先にソフトの乗り換えを依頼する必要はなく、顧問先ごとの締め日・手当などの個別ルールも仕組みに登録して処理するため、担当者が変わってもルールが引き継がれます。
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