【2026年11月最新】タイムカードがない会社は違法?出勤簿・手書き記録の扱いと残業代請求のリスクを、社労士事務所が顧問先の勤怠集計をAIで自動化する方法
「うちの会社にはタイムカードがありません。出勤簿にハンコを押すだけですが、問題ないですか」「タイムカードを廃止してエクセルで管理したいのですが、違法になりませんか」——勤怠管理の相談は、給与計算を預かる社労士事務所に、顧問先から日常的に届きます。
結論から言うと、タイムカードがないこと自体は、直ちに違法ではありません。ただし、会社には労働時間を客観的な方法で把握する義務があります。厚生労働省のガイドラインは、使用者が自ら現認する方法か、タイムカード・ICカード・パソコンの使用時間の記録などの客観的な記録を基礎にする方法で、始業・終業時刻を確認し記録することを原則としています。ハンコを押すだけの出勤簿や、本人任せの自己申告だけでは、この原則を満たさない可能性が高く、未払い残業代の請求や、労働基準監督署の指導につながるおそれがあります。
この記事では、タイムカードがない会社の違法性を、公式のガイドラインにもとづいて整理します。あわせて、タイムカードの代わりになる記録方法、手書き記録の信憑性の高め方、残業代請求を受けたときの対応、保存期間までを、顧問先に説明する立場で解説します。後半では、顧問先ごとにばらばらな勤怠の記録方法を、AI社員AIKATAに任せて、集計とチェックまで自動で回す方法を紹介します。
01 LEGAL DUTY タイムカードがない会社はやばい?労働時間の把握は法律上の義務 義務なのは「タイムカードを置くこと」ではなく「客観的に把握すること」
「タイムカードがない会社はやばい」と言われる理由は、タイムカードそのものが法律で義務づけられているからではなく、労働時間を適正に把握する義務を果たせていない可能性が高いからです。ここでは、顧問先に説明するときの根拠を整理します。
1-1. 労働時間の把握が義務になっている根拠
労働基準法は、労働時間・休日・深夜業などについて規定を設けており、使用者には、労働時間を適正に把握し管理する責務があります。厚生労働省は、平成29年(2017年)1月20日に、「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」を策定しました。さらに、働き方改革関連法による労働安全衛生法の改正(2019年4月施行)で、管理監督者を含むすべての労働者(高度プロフェッショナル制度の対象者を除く)について、労働時間の状況を客観的な方法で把握することが義務になりました。
📚 用語解説
労働時間の適正な把握ガイドライン:厚生労働省が策定した、使用者が労働時間を適正に把握するために講ずべき措置を示した指針。始業・終業時刻の確認と記録の原則的な方法(使用者による現認、またはタイムカード・ICカード・パソコンの使用時間の記録等の客観的な記録)、自己申告制で行う場合の措置、賃金台帳の適正な調製、労働時間の記録の保存などが示されている(出典: 厚生労働省)。
労働安全衛生法にもとづく労働時間の状況の把握は、長時間労働者への医師による面接指導を確実に行うための仕組みです。ですから、残業代を支払うための記録(労働基準法)と、健康確保のための把握(労働安全衛生法)の2つの目的を、1つの勤怠記録で満たす必要があります。顧問先には、「給与の計算のためだけでなく、従業員の健康を守るための記録でもある」と説明すると、重要性が伝わりやすくなります。
勤怠管理は任意ではなく、法律で定められた義務です。主な目的は2つあります。1つは、時間外労働に対する割増賃金の支払い(実績把握にもとづく正確な計算)。もう1つは、働き方改革による長時間労働の是正です。厚労省ガイドライン掲載の方法を、顧問先がどこまで満たしているかを確認することが、事務所の最初の一歩になります。
1-2. ガイドラインが認める客観的な記録とは
ガイドラインでは、始業・終業時刻の確認と記録の方法として、原則的に次の2つのいずれかによることとされています。
つまり、タイムカードは客観的な記録の一例にすぎず、タイムカードがなくても、パソコンのログイン・ログオフの記録や、入退室の記録、勤怠管理システムの打刻データなどを基礎にすれば、原則に沿った把握はできます。反対に、タイムカードがあっても、実際の労働時間と合わない打刻(定時になったら打刻して残業を続ける、など)では、適正な把握とは言えません。
1-3. 「出勤簿すらない」「ハンコを押すだけ」の違法性
次に、顧問先で見かけやすい運用を、ガイドラインの原則に照らして整理します。
| 顧問先の運用 | ガイドラインに照らした評価 | 事務所が顧問先に伝えること |
|---|---|---|
| 出勤簿に出勤の日だけハンコを押す | 日々の始業・終業時刻が記録されないため、労働時間の把握としては不十分 | 出勤の有無だけでなく、始業・終業時刻を残す形式に変える |
| 出勤簿に時刻を手書きする | 管理者の確認や客観的な記録との照合がなければ、自己申告に近い扱いになる | 現認または客観的な記録との突き合わせを加える |
| 本人の自己申告のみ | 例外的な方法であり、事前説明や実態調査などの措置が必要 | 自己申告の運用ルールを文書にして、定期的に実態調査を行う |
| エクセルへの月末の一括入力 | 記録の時点が遅く、日々の実態との乖離が出やすい | 日次入力に変え、PCのログ等と照合する |
| パソコンのログ・入退室記録・システムの打刻 | 客観的な記録を基礎にでき、原則的な方法に当たる | 休憩や持ち帰り作業とのずれを、定期的に確認する |
つまり、「ハンコだけ」「出勤日の記録だけ」の運用は、労働時間の把握としては弱く、違法と評価されるおそれが大きい運用です。罰則の観点では、賃金台帳に労働日数・労働時間数・時間外労働の時間数などを適正に記入する義務(労働基準法第108条)があり、不備や虚偽の記入には罰金の定めがあります。実際の労働時間を記録していなければ、賃金台帳も正しく作れません。
02 RISKS タイムカードがない・廃止による弊害と、働き方改革で強まった管理の要請 集計できないだけでなく、トラブルの火種になる
2-1. 労働時間を正確に把握できない
タイムカードも代わりの記録もない会社では、日々の入社・退社の時刻が残らず、時間外労働・休日労働・深夜労働の時間を正確に集計できません。割増賃金の計算は、法定労働時間を超えた時間、法定休日の労働、午後10時から午前5時までの労働を、それぞれ別に集計する必要があります。記録が曖昧だと、この区分けが人の記憶に頼ることになり、計算の誤りが起きやすくなります。割増率の整理は、あわせて読みたい記事『残業代の正しい計算方法』を参考にしてください。
2-2. 長時間労働の把握と是正ができない
働き方改革関連法で、時間外労働の上限規制が設けられました。原則は月45時間・年360時間で、特別条項を結ぶ場合も、年720時間以内、単月100時間未満、複数月平均80時間以内などの上限があります。記録が曖昧な会社は、上限に近づいていることにすら気づけない状態になります。月80時間を超えて疲労の蓄積が認められる労働者から申出があった場合には、医師による面接指導も必要です。
36協定の特別条項の考え方は、あわせて読みたい記事『36協定の特別条項』で整理しています。労働時間を正確に把握できなければ、36協定を結んでいても、その上限を守れているかを確認できません。
2-3. トラブルに発展する可能性
記録がない会社は、退職後の元従業員から未払い残業代を請求されたときに、反論の材料を持ちません。賃金請求権の消滅時効は、2020年4月の民法改正に合わせた労働基準法の改正により5年とされ、当分の間は3年とされています。つまり、過去3年分の残業代を、従業員側が自分の手帳やメモ、パソコンの履歴などを証拠にして請求してくる可能性があります。
📚 用語解説
賃金請求権の消滅時効:賃金(残業代を含む)を請求できる期間の上限。2020年4月以降に支払日が到来する賃金については、法律上は5年とされているが、経過措置として当分の間は3年とされている(労働基準法第115条・第143条)。時効の期間内であれば、さかのぼって未払い分を請求できる。
03 ALTERNATIVES タイムカードの代わりとなる勤怠時間の記録方法 デジタル記録・物理的な記録・その他の証拠に分けて、顧問先に合う方法を選ぶ
タイムカードを使わない場合の記録方法は、大きく3つに分けられます。顧問先の業種・規模・働き方に合わせて、どれを基礎にするかを決めます。
3-1. デジタル記録
デジタル記録の強みは、改ざんしにくく、後から追跡できる点です。反面、パソコンのログは「在席していた時間」であって、必ずしも「労働していた時間」ではありません。休憩や私用の時間との差は、定期的に本人や管理者に確認して補正する運用が必要です。
3-2. 物理的な記録
3-3. その他の証拠
正式な勤怠記録とは別に、労働時間の裏付けになるものもあります。従業員側が残業代を請求するときは、メールの送信履歴、業務チャットの履歴、業務日報、交通系ICカードの利用履歴、手帳のメモなどを証拠として集めます。会社側も、これらが「実際の労働時間」の証拠になりうることを前提に、勤怠記録と他の記録に大きな食い違いが出ないように管理する必要があります。
04 PROS & CONS タイムカード運用のメリット・デメリットと、手書き記録の信憑性を高める付け方 紙の運用が悪いわけではない。限界と補い方を知る
4-1. タイムカードを利用するメリット
4-2. タイムカードを利用するデメリットと保管義務
使用者が残業の記録を書き換えたり、実際より短く記録させたりすれば、賃金の不払いや、賃金台帳の虚偽記入として罰則の対象になりえます(割増賃金の不払いは6か月以下の懲役または30万円以下の罰金、賃金台帳の虚偽記入には30万円以下の罰金の定め。労働基準法第119条・第120条)。従業員による代理打刻などの不正は、懲戒の問題になります。顧問先には、改ざんと不正打刻を防ぐ運用ルールを就業規則と合わせて整えるよう案内します。
📚 用語解説
代理打刻:本人以外の人がタイムカードやシステムで打刻すること。遅刻や早退を隠すための不正に使われるほか、出勤していない人の打刻を同僚が行う例もある。労働時間の記録としての信頼性を損なうため、禁止とあわせて、本人確認ができる打刻方法(顔認証や個人のスマートフォンなど)への変更が対策になる。
4-3. 手書きでもOK?信憑性を高める勤怠記録の付け方
タイムカードも勤怠システムも使えない小規模な顧問先では、手書きやエクセルで記録する選択肢もあります。手書きの記録が証拠として軽く見られないようにするには、記録すべき必須項目と、信憑性を高めるポイントを押さえる必要があります。
| 記録すべき必須項目 | 内容の例 |
|---|---|
| 日付と曜日 | 労働した日付。法定休日かどうかの判別に使う |
| 始業・終業の時刻 | 分単位で記録する(「9時頃」のような概数にしない) |
| 休憩の開始と終了 | 休憩時間を取れていたかを確認するための項目 |
| 時間外・休日・深夜の別 | 割増賃金の計算に必要な区分 |
| 業務内容の概要 | 外出・出張・持ち帰り作業の裏付けになる |
| 記録者と確認者の署名 | 本人の記録を、管理者が確認した証拠になる |
なお、日々の労働時間を15分単位などで切り捨てる運用は、原則として認められません。例外として、通達では、1か月の時間外労働・休日労働・深夜労働の各合計時間に1時間未満の端数がある場合に、30分未満を切り捨て、30分以上を切り上げることは認められるとされています。顧問先がエクセルで集計するときは、この点に注意が必要です。
4-4. タイムカードの役割と、管理業務の負担
タイムカードの役割は、労働時間の管理と残業時間の管理を、誰でも簡単に使える形で支えることです。打刻するだけなので、特別な知識がなくても使えます。一方で、紙のタイムカードは集計と保管という管理業務が従業員数に比例して増え、リアルタイムの管理が困難です。月末にならないと残業時間が分からず、36協定の上限に気づくのが遅れる原因になります。
📚 用語解説
実績把握(時間外労働の実績の把握):実際に働いた時間外労働の時間を、日々または月の途中で把握すること。36協定の上限を守るためには、月末の確定を待たず、途中経過の時間外労働を確認できる仕組みが必要になる。紙のタイムカードは、集計するまで実績が見えにくい点が弱点とされる。
4-5. クラウド型の勤怠管理システムで補える点
タイムカードがない会社は原則違法ではありませんが、適切な勤怠管理方法の見直しとして、タイムカードの弱点を補うクラウド型の勤怠管理システムを導入する顧問先もあります。一般に、次のような点を補えるとされています(機能は製品ごとに違うため、導入前に各社の公式サイトで確かめます)。
ただし、システムを入れても、顧問先ごとのルールの設定や、打刻漏れの確認、給与ソフトとの突き合わせは、誰かが継続して行う必要があります。導入が目的化すると、「入れたのに事務所の手間は変わらない」という事態になりかねません。
05 OVERTIME CLAIMS 勤怠記録をめぐる残業代請求の流れと、会社・事務所の対応 請求を受けたときに、顧問先が何を準備すべきか
従業員が勤怠記録を証拠に未払いの残業代を請求するとき、おおむね次の流れをたどります。事務所は、顧問先が請求を受けた段階で相談を受けることが多いため、全体像を知っておくと、顧問先に落ち着いて対応を案内できます。
5-1. 請求の流れ:自分で計算、内容証明郵便、専門家への相談
従業員側は、まず手帳・メール・パソコンの履歴などをもとに、自分で労働時間を計算します。次に、請求額を示して、内容証明郵便で会社に請求します。内容証明郵便は、いつ・どんな内容の文書を送ったかを郵便局が証明する制度で、時効の完成を一時的に止める効果(催告)もあります。話し合いで解決しない場合は、弁護士や社会保険労務士などの専門家、あるいは労働基準監督署に相談する流れになります。
5-2. みなし残業(固定残業代)でも請求できるか
「うちは固定残業代を払っているから請求されない」という顧問先もあります。しかし、固定残業代(みなし残業)を支払っていても、実際の残業時間にもとづく割増賃金が、固定残業代を超えていれば、差額を支払う義務があります。また、固定残業代として有効に認められるためには、基本給と固定残業代の部分が明確に区別されていることや、何時間分の残業に当たるかが明示されていることなどが必要です。記録がなければ、超過分があるかどうか自体を確認できません。
以下は、顧問先から寄せられる主な疑問です。
5-3. 手書きやハンコだけの出勤簿は証拠になるか
ハンコだけの出勤簿は、出勤した日は分かっても、労働した時間は分かりません。時間数の証拠としては弱いですが、従業員側が別の資料(メール履歴、PCのログ、業務日報など)と組み合わせることで、労働時間を立証される可能性があります。逆に、会社側が記録を残していなければ、従業員側の資料が認められやすくなります。
5-3の補足. タイムカードがなくても労災認定は受けられるか
勤怠の記録は、残業代だけでなく、過労による疾病の労災認定でも問題になります。タイムカードがない場合でも、パソコンのログや業務の記録、同僚の証言などから労働時間が認定されることがあります。適切な記録がない会社は、労災が起きたときに、会社側が実態を説明できない立場になります。顧問先には、「記録は従業員を守り、会社も守る」と伝えます。
5-4. 会社に勤怠記録の開示を求められたら
従業員や元従業員から、勤怠記録の開示を求められる場合があります。労働基準法は、賃金台帳や出勤簿などの保存を義務づけていますが、本人への開示を直接義務づけてはいません。ただし、労働審判や訴訟になれば、裁判所から記録の提出を求められる場合があります。実務では、隠すより、正確な記録を出して早期に解決を図るほうが、顧問先の負担が小さくなる場合が多いです。この判断には個別の事情が絡むため、事務所は、必要に応じて弁護士への相談を顧問先に案内します(弁護士業務に当たる部分は事務所が行わない)。
①請求の対象期間と金額、②その期間の勤怠記録・賃金台帳・出勤簿・タイムカードの有無、③固定残業代の定め(就業規則・雇用契約書)、④36協定の届出状況。この4点を、最初の相談の時点で確認すると、その後の対応の方針が立てやすくなります。
06 THE LIMITS 顧問先ごとに違う勤怠の記録を、事務所が手作業でまとめる限界 集計・計算・確認の三重の手間が、繁忙期に事務所を圧迫する
ここまで見てきたように、勤怠管理のルールは、顧問先に説明すれば伝わります。問題は、その後の実務です。給与計算を預かる事務所では、次のような手間が毎月発生しています。
こうした手間を減らすために、「顧問先に勤怠システムを導入してもらう」という案も出ます。ただし、顧問先に新しいソフトの導入と運用の教育を頼むことは、顧問先にも事務所にも負担です。ソフトを替えなくても、作業そのものを任せる道がある——次の章で、その考え方を説明します。
07 AUTOMATE THE WORK 【核心】勤怠の回収・集計・チェックを、AIで「無人で回る仕組み」にする 効率化ではなく自動化。形式がばらばらでも、毎月の流れを固定する
7-1. 「AIに聞く」と「AIが毎月の作業を自動で回す」は別物
AIに「この勤怠表の残業時間を計算して」と頼むのは効率化です。1件ずつの作業は速くなりますが、顧問先全社の勤怠を毎月集めて、集計して、確認する流れは、人が回し続けることになります。
Claude Code/Codexで構築するのは自動化です。「毎月の締め日になったら、顧問先ごとの勤怠データを回収し、その顧問先のルール(締め日・端数処理・手当)で時間外・休日・深夜の時間を集計し、いつもと違う数字を抽出し、給与ソフトに入力できる形に整える」という流れを一度設計すれば、毎月、同じトリガーで同じ手順が回ります。
📚 用語解説
Claude Code/Codex:Claude CodeはAnthropic社、CodexはOpenAI社が提供するAIエージェント。質問に答えるだけでなく、ファイルの読み込み、データの集計・突合、画面の操作、文書の作成といった作業そのものを実行できる。AI社員AIKATAでは、この種のAIを使って事務所の事務作業を受託している。
7-2. 職員がやっていた作業と、AIに任せた後
| これまで職員がやっていた作業 | AIに任せた後 |
|---|---|
| 顧問先から届く紙・写真・エクセル・CSVを見て、集計表に転記 | どの形式の勤怠も読み取り、顧問先ごとの集計表に自動で整理 |
| 顧問先ごとの締め日・端数処理・手当のルールを思い出しながら計算 | 顧問先ごとのルールを登録しておき、毎月同じルールで自動計算 |
| 打刻漏れや、実態と合わない時刻を目で探す | 前月との差や、出勤日の抜けを自動で検知し、確認リストにまとめる |
| 36協定の上限に近い従業員を、月末に気づく | 月の途中の時間外労働を集計し、上限に近づいた時点で通知 |
| 給与ソフトへ手で入力し、最後に見直す | ソフトの画面操作を含めて入力し、入力後の数字を自動で突き合わせる |
7-3. 社労士法との線引き:1号・2号業務は先生方が行う
勤怠データの回収・集計・計算の下準備・チェックは、AIが担える事務作業です。一方で、行政機関への提出手続きの代行と、帳簿書類(賃金台帳・出勤簿など)の作成は、社労士法上の1号・2号業務であり、先生方が行う業務として変わりません。AIの処理結果は人が品質チェックし、最終確認と承認は事務所が行います。事務所の日々の作業は、原則として「計算済みの給与データや作成済み帳票の承認」だけになります。
08 BUILD OR DELEGATE 増員・外注・自作では、繁忙期の勤怠集計は片づかない 4つの選択肢のうち3つは、事務所の悩みを別の悩みに置き換えるだけ
勤怠の集計と確認が重いという事務所が取りうる選択肢は、大きく4つあります。このうち3つは、事務所の悩みを別の悩みに置き換えるだけで終わります。
| 選択肢 | よくある期待 | 実際に行き詰まる所 | 判定 |
|---|---|---|---|
| ①職員を増やす | 人が増えれば集計も追いつく | 月末と繁忙期に合わせて採用すると、閑散期にも人件費が残る。顧問先ごとのルールの教育に時間がかかり、属人化が増える | ❌ |
| ②従来型の外注・BPO | 集計を外に出せる | 顧問先ごとの端数処理や手当のルールを外注先に説明し、上がってきた結果の手直しが事務所に残る | ❌ |
| ③事務所でAIを自作する | AIツールを使えば自動化できる | 顧問先ごとのルールの言語化、集計結果の検証の型づくり、作った人しか直せない第二の属人化の壁がある | ❌ |
| ④AI社員AIKATAに任せる | 回収・集計・チェックまで丸ごと預けられる | (該当なし) | ✅ |
8-1. AI社員AIKATAとは——事務所の事務作業を丸ごと受託するサービス
AI社員AIKATA(AI社員AIKATAを運営する弊社・株式会社GENAI)は、給与計算・勤怠の集計・入退社手続きの書類の下準備・算定基礎届や労働保険の年度更新の下準備・帳票の作成・顧問先への資料回収や一次対応など、職員がパソコンで行っている事務作業を、AIと人の二重体制で丸ごと受託する業務代行サービスです。
仕組みの構築・運用はAIKATAが行うため、事務所にAIの知識は不要です。無料相談は60分・オンライン(Google Meet)で、業務の棚卸しと、どこまで任せられるかの整理を行います。契約の義務はありません。全国対応で、NDAを締結し、給与・人事のデータの受け渡しと保管のルールは事務所の規程に合わせて決めます。料金は月額の定額制で、業務量が増えても料金は変わりません。
AIKATAを使う社労士事務所では、顧問先から届く勤怠データをAIが顧問先ごとのルールで集計し、いつもと違う数字だけを事務所に知らせ、事務所が確認して承認する、という形で運用しています。
09 COMPARISON & CONCLUSION 残る道は「作業そのものを任せる」だけ 手作業・ソフトの追加/乗り換え・AIKATA、3つを並べて比較する
| 手作業のまま | ソフトの追加・乗り換え | AIKATAに任せる | |
|---|---|---|---|
| 繁忙期の負荷 | ❌ 月末に集計が集中し、職員の時間が足りなくなる | △ 計算は楽になるが、回収と確認は残る | ✅ 件数が増えても人を増やさず対応 |
| 顧問先ごとのルール | △ 職員の頭の中にある | △ ソフトの設定で一部吸収 | ✅ 仕組みに登録し、担当者が変わっても残る |
| 顧問先への負担 | ✅ ソフト変更なし | ❌ ソフトの導入と教育を依頼する必要がある | ✅ いまのやり方のまま変更不要 |
| 職員の採用・教育 | ❌ 顧問先ごとのルールの引き継ぎが必要 | △ 操作研修は必要 | ✅ 事務所にAIの知識は不要 |
| 社労士法の線引き | ✅ 全部事務所が行うので明確 | ✅ 明確 | ✅ 1号・2号業務は事務所に残し、事務作業のみ受託 |
9-1. AI社員AIKATAが選ばれる5つの理由
増員・外注・自作・ソフトの乗り換えは、どれも事務所が人か仕組みを抱え続けることになります。作業を手放せる道は、AIKATAに任せることだけです。勤怠の集計で仕組みを作れば、同じ考え方を、割増賃金の計算、有給休暇の管理、36協定の上限管理といった他の定型業務にも広げていけます。
次の繁忙期を、職員を増やさずに越える準備を始めませんか
勤怠の集計は、給与計算・割増賃金の計算・36協定の上限管理と地続きの事務作業です。
無料相談(60分・オンライン)では、いまの事務所の業務を棚卸しし、どの作業から任せられるかをその場で整理します。人を増やす・ソフトを替えると決める前に、一度お話しください。
職員を増やす・外注する・AIを自作する・ソフトを替える——どの道を選んでも、集計・入力・確認の作業か、それを回す人と仕組みが事務所に残り続けます。
AI社員AIKATAなら、いまお使いの給与ソフト・手続きソフトはそのまま、顧問先ごとのルールも登録して処理し、事務所に残るのは仕上がりの確認と承認だけです。どの業務から任せられるかは、無料相談(60分・オンライン)でその場で整理します。
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よくある質問
Q. タイムカードがない会社は違法ですか?
A. タイムカードがないこと自体が、直ちに違法となるわけではありません。ただし、会社には労働時間を客観的な方法で把握する義務があります。厚生労働省のガイドラインでは、使用者が自ら現認するか、タイムカード・ICカード・パソコンの使用時間の記録等の客観的な記録を基礎にして、始業・終業時刻を確認し記録することが原則とされています。ハンコだけの出勤簿や、客観的な裏付けのない自己申告だけの運用は、問題になる可能性が高いです。
Q. タイムカードの代わりに、エクセルや手書きで勤怠を管理しても問題ありませんか?
A. 日々の始業・終業時刻、休憩、時間外・休日・深夜の別を、その日のうちに記録し、管理者が確認する運用であれば、手書きやエクセルでも管理は可能です。ただし、原則的な方法は現認または客観的な記録の活用ですので、パソコンのログなどとの照合を加えると、記録の信憑性が高まります。
Q. 勤怠記録や出勤簿の保存期間は何年ですか?
A. 労働基準法第109条により、賃金台帳・出勤簿・タイムカードなどの労働関係の重要書類は保存が必要です。保存期間は法律上5年ですが、経過措置として当分の間は3年とされています(労働基準法第143条)。起算点は、書類ごとの最後の記載日です。
Q. タイムカードがない会社でも、従業員は残業代を請求できますか?
A. 請求できます。タイムカードがなくても、メールの送信履歴、パソコンのログ、業務日報、手帳のメモなどから、労働時間を立証できる場合があります。賃金請求権の消滅時効は法律上5年で、当分の間は3年のため、過去3年分にさかのぼって請求される可能性があります。会社側が記録を残していないと、反証が難しくなります。
Q. 固定残業代(みなし残業)を払っていれば、残業代の請求は受けませんか?
A. 受ける可能性があります。実際の時間外労働にもとづく割増賃金が、固定残業代の額を超えていれば、差額を支払う義務があります。また、固定残業代が有効と認められるには、通常の賃金部分と固定残業代の部分が明確に区別され、何時間分に当たるかが示されていることなどが必要です。
Q. 社労士法上、勤怠の集計や確認をAIに任せても問題ありませんか?
A. 賃金台帳や出勤簿といった帳簿書類の作成と、行政機関への提出手続きの代行は、社労士法上の1号・2号業務であり、先生方が行う業務として変わりません。AI社員AIKATAのようなサービスに任せる場合も、AIが担うのは勤怠データの回収・集計・チェックなどの事務作業までで、最終確認と承認は、常に事務所側が行います。
Q. 今使っている給与ソフトや勤怠システムのままでAI社員AIKATAを利用できますか?
A. 利用できます。AI社員AIKATAは特定のソフトに限定せず、いま事務所が使っている給与ソフトや勤怠システムをそのまま使い、画面操作を含めて自動化する仕組みです。顧問先にソフトの乗り換えを依頼する必要はなく、締め日・手当・端数処理といった顧問先ごとの個別ルールを登録して処理します。
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